2017年01月13日

直立する人は誰でも フレンズ1-2改その4

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2:32
マーシャ: Speaking of issues, isn't that your ex-wife? (問題と言えば、あれは[あそこにいるのは]あなたの元奥さんじゃない?)
(CAROL HAS ENTERED BEHIND THEM, OUTSIDE THE EXHIBIT)
キャロルは二人の後ろに入ってきている、展示の外に。
ロス: (TRYING TO IGNORE HER) No. No. ([キャロルを無視しようとして] いや、違う。)
マーシャ: Yes, it is. Carol, hi! (そうよ[あなたの奥さんよ]。キャロル、はーい!)
ロス: Okay, okay, yes, it is. (WAVING) How about I'll, uh, catch up with you in the Ice Age. (わかった、わかった、そうだよ(元妻だよ)。[手を振りながら] 氷河期で君に追いつく、っていうのはどうかな?)
(EXIT MARSHA. ROSS WAVES AT CAROL TO COME INTO THE EXHIBIT)
マーシャ退場。ロスは展示の中に来るようにと、キャロルに手で合図する。
ロス: Hi. (やあ。)
キャロル: So.... (それで…)
ロス: You look great. I, uh... I hate that. (素敵に見えるね。あぁ、それは憎らしいけど[嫌だけど]。)
キャロル: Sorry. Thanks. You look good too. (ごめんね。ありがとう。あなたも素敵に[元気に]見えるわ。)
ロス: Ah, well, you know, in here, anyone who... stands erect.... (あぁ、ほら、ここでは、直立する人は誰でも…(素敵に[元気に]見えるんだよ)。)

speaking of は「〜と言えば、〜について言えば、〜の話のついでに言うと」。
少し前のシーンで、洞穴に住む人々が抱えている問題(issues)の話題が出ていたので、それを受ける形で、issues と言えば、あそこにいる元妻さんもあなたの問題の一つよね、という形で話題に出した感覚になります。
ex-wife は「前妻、元妻」。
ex- という接頭語は「前の、元〜」という意味。
ex-boyfriend なら「前の[昔の]彼氏(恋人)、元カレ」。
付き合った、別れた、という恋愛話が多い「フレンズ」では、ex- のついた単語がたくさん登場します。
ex-husband, ex-wife のように後ろに名詞が付く以外に、one's ex という形でも「元夫、元妻、元恋人(元カレ、元カノ)」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ex- [prefix] : no longer in a particular relationship or position, but still alive
例) my ex-wife, an ex-President
ex [noun, countable, usually singular] : somebody's ex (informal) someone's former wife, husband, girlfriend, or boyfriend

つまり、接頭辞の方は「もはや特別な関係や地位にはいないけれど、まだ生きている」。例は「私の元妻、元大統領」。
名詞の方は「誰かの元の妻、夫、彼女、彼氏」。

「元奥さん」と言われると、離婚したことを指摘されたようでロスは嫌だったのでしょうか、「あれは元嫁じゃないよ」みたいに、No. No. と否定してみせるのですが、マーシャは、Yes, it is. と言っています。
ロスが否定したことに対して、Yes, it is your ex-wife. と肯定の形で反論したことになります。
マーシャがキャロルに挨拶までするので、無視切ることもできず、ロスは yes, it is (my ex-wife). と認め、How about 以下のセリフを言っています。

How about I'll... は、「僕が(この後)〜する、っていうのはどうかな?」という感覚。
catch up with は「〜に追いつく」で、the Ice Age は「氷河期」。
少し前のやり取りでは、glacier 「氷河」という単語も出てきていました。
2002年には「アイス・エイジ」(原題 Ice Age)という氷河期を舞台にした映画もありましたね。
ロスは今、先史博物館で、展示の作業をしているため、「氷河期の展示のところで君に追いつくよ」とマーシャに言ったことになるでしょう。
つまりは、「元妻のキャロルが来たのでちょっと話をするから、先に氷河期の展示の方に行ってて。キャロルとの話が済んだら、そっちに行くから」と言っているわけですね。
ただ、このセリフだけを聞いていると、「(太古の)氷河期で君に追いつくよ」というセリフが、I'll catch up with you 「後で君に追いつく」という未来表現なのに、その会う時期が過去の時代になっているという意味で、まるでタイムトラベル物のような雰囲気を醸し出している面白さになるのかなと思います。
日本語で「江戸時代で君に追いつくから」と言ったら、「過去の時代で追いつく、って?」と不思議な感覚がするのと同じことでしょうね。

ロスは展示の中に入ってくるようにと元妻キャロルに合図します。
ロスが展示のマネキンの腕を触っていたら、腕が取れてしまい、それを持ったままハグしたために、ロスの手がマネキンみたいになっている、という映像の面白さもありますね。

You look great. は「素敵に見えるね、素敵だね」ということで、その次の I hate that. は「そのことが嫌だ、そのことが憎い」という感覚。
自分を捨てて出て行った妻が、自分との別れによって、やつれたりすることなく、今も魅力的であることを「何だかしゃくだな」と言った感じでしょう。

その後、キャロルもお返しのように、あなたも good に見えるわ、と言っていますが、それに対してのロスのセリフ、in here, anyone who... stands erect.... について。
erect というのは「直立の」という意味で、stand erect は「直立する、直立している」「背筋をまっすぐに伸ばして立っている」という感覚。
このセリフを直訳すると、「ここの中[この展示の中]では、直立する人は誰でも…」のようになるでしょう。
anyone stands erect であれば「誰もが直立する」になりますが、関係代名詞の who があるので、anyone who stands erect 「直立する人は誰でも」という意味になり、この部分は文の主語に当たると考えられます。
ロスは、stands erect.... の後、あえて何も言っていませんが、ここまでが主語だとすると、それに続く動詞は、その前にキャロルが言った、You look good too. の look good だと考えるのが自然ですね。
ロスの言葉を補って書くと、in here, anyone who stands erect looks good. つまり「この展示の中では、直立する人は誰でも good に見える」という意味になると考えられます。

ここで stand erect という言葉を使ったのは「直立二足歩行」が人類の進化の過程において、種の区分のポイントとなるからですね。
更新世のヒト科にホモ・エレクトス(Homo erectus)という種が存在していましたが、erectus が「直立する」なので、その学名は「直立するヒト」という意味になります。
今二人がいるのは、cave people が展示されているエリアで、そのマネキンは普通に直立しているように見えますし、極端に背中や腰が曲がっている様子でもないのですが、ロスとしては「直立へと進化しつつあるような太古の人々の中にいれば、直立している人なら誰でもしゃんとして(元気に)見える」のように言ってみせたのかなぁ、と思います。
「cave people と比較すると、現代人(ホモ・サピエンス)は完全に直立しているから、この展示の中では良く見えるんだよね」のように言うことで、「あなたも素敵ね。元気そうね」という社交辞令のようなキャロルの言葉を、「そりゃこの展示の中にいれば、ホモ・サピエンスなら誰でも良く見えるさ」のように、自分の専門分野と絡めて、少し自虐的に言った感覚になるのだろうと思います。

ちなみに、この erect という単語には、エッチ系の意味として「あの部分が立つ」という意味もあります。
アカデミックな辞書で、お下品な意味はあまり載っていない傾向の LAAD にもその意味はしっかり載っていました。
Homo erectus という学名があるように、人類の進化の話には、erect という言葉は付き物で、フレンズ2-15 では、その言葉をエッチな意味の erect だと勘違いするというやりとりも登場します。
今回のこのセリフについては「背筋を伸ばしてまっすぐ・しゃんと立つ」という意味だと考えられますが、erect や erection 「直立、起立」という単語には、そういうエッチ系の「立つ」というイメージもあるということを知っておくことは、今後、ドラマや映画で英語を学ばれるにあたり、無駄にはならないかと思い、書かせていただきました^^


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posted by Rach at 18:46| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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