皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は11位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
3:50
(CUT TO MONICA AND RACHEL'S APARTMENT, WHERE CHANDLER, JOEY, PHOEBE AND MONICA ARE WATCHING 'THREE'S COMPANY')
モニカとレイチェルのアパートメントに画面がカット。そこではチャンドラー、ジョーイ、フィービー、モニカが Three's Company (というシットコム)を見ている。
テレビの登場人物(女性): Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! やっぱり彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
チャンドラー: Oh, I think this is the episode of Three's Company where there's some kind of misunderstanding. (あぁ、これって、何かしらの誤解がある[誤解が生じる]、スリーズ・カンパニーのエピソードだよね。)
フィービー: Then I've already seen this one. (TURNS OFF TV) (それじゃあ、このエピソード[この話]、私、すでに(前に)見たわ。)
モニカ: (TAKING DRINK FROM JOEY) Are you through with that? ([ジョーイから飲み物を取り上げて] もうそれ済んでる?[それ飲み終わっってる?])
ジョーイ: Yeah, sorry, the swallowing slowed me down. (あぁ、ごめんよ。飲み込むのが遅くて。)
モニカ: Whose little ball of paper is this?! (この丸めたボールは誰のものなの?)
チャンドラー: Oh, that would be mine. See, I wrote a note to myself, and then I realized I didn't need the note, so I balled it up and... (OFF MONICA'S LOOK) ...now I wish I was dead. (あぁ、それは俺のだと思うよ。ほら、俺は自分用にメモを書いたんだ。それから、そのメモは必要ないことに気がついて、それでそのメモを丸めて… [モニカから視線をそらして] …今、俺、死にたい[今、俺、死んでたらいいのに]。)
Three's Company は、70年代後半から80年代前半にアメリカで放送されていたシットコム。
1つのアパートメントに、女性2人、男性1人の計3人が暮らしていて、その男性は女性と同居するために自分はゲイであると偽っている、という設定になっています。
Wikipedia 英語版: Three's Company
英語の諺(ことわざ)に、Two's company, three’s none [a crowd]. というものがあります。
none だと「二人なら友達[仲間、良い連れ]だが、三人だと他人[仲間割れ]」、a crowd の場合は「三人だと群衆[友達ではない]」というような意味になります。
いずれにしても、その諺は「二人はいいけど、三人だともめる、うまくいかない、仲良くできない」みたいな意味で、このシットコムのタイトルは、その諺をもじって、Three's company 「三人はよい連れ、仲間」だと言っている感覚になるでしょう。
テレビの中の女性が言っているセリフ、Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. について。
It looks like / Looks like+文 は「(文)のように見える、見た感じから(文)のように思える」なので、このセリフを直訳すると、「やっぱり(結局)彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね」になるでしょう。
フレンズたちがテレビで見ているシットコムの中でのセリフで、話の前後の流れがわからないので意味を特定しにくいですが、このセリフを言っている女性は、手に白いブラのようなものを持っているようにも見えます。
DVDの日本語訳は、「(字幕)結局 女を連れ込んだのね/(音声)はっ。ホモのふりしてるくせに、女連れ込んだってわけ?」のようになっていました。
「女を連れ込んだ」というセリフの内容が、実際のこのドラマの状況に合っているとして考察してみると、「彼女はそんなに急いでここを去らなかった」→「この部屋にしばらくの間、彼女はいた。その女性とあなたとの間で何かあった」→「あなたはその女性を(そういう目的で)連れ込んだ」ということなのかなと思います。
It looks like で「見た感じ、どうやら〜のように思える・見える」と表現しているのは、手に持っているブラらしきものを発見し、その見たことを状況証拠として、「(こんなものが見つかったってことは)彼女はしばらくこの部屋にいたらしいわね、この部屋で”ゆっくり”あなたと過ごしたみたいね」という意味で、「急いで出て行ったようには見えない」と表現したのだろうと。
(2017.1.27 追記)
非公開コメントにて、この Three's Company のシーンは、2-4 (Season 2 Episode 4) の Strange Bedfellows というエピソードであると教えていただきました。
IMDb (Internet Movie Database) ではこちら↓
Three's Company (1976–1984) Strange Bedfellows (Season 2 Episode 4)
確かに、Connections の項目に、
Featured in
Friends: The One with the Sonogram at the End (1994) (TV Episode)
Phoebe and Chandler watch this episode on TV.
と書いてあります(^^)
早速、2-4 の内容を確認してみました。
ジャック(男性)、ジャネット(黒髪の女性)、クリッシー(金髪の女性)が同居していて、ジャネットとクリッシーが外泊している間に、ジャックが友達をたくさん呼んで wild party (どんちゃん騒ぎのパーティー)を開き、翌日女性二人が帰ってきたら、部屋が散らかり放題となっていた、、というシーン。
クリッシーは床に落ちていた白いブラを拾い、
クリッシー: It looks like somebody left in a hurry. (誰か、急いで出て行ったみたいね。)
その後、ジャネットとクリッシーは、ジャックがベッドで誰か(シーツをかぶっているので誰かはわからない)と寝ているのを発見し、
クリッシー: Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! 結局、彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
ですから、フレンズで使われていたこのセリフは、少し前のクリッシーのセリフを受ける形となっていて、最初のセリフは、ブラを忘れて出て行ったらしい女性のことを「ブラを忘れて出て行っちゃうなんて、よほど急いでいたのね」みたいに表現したわけですが、その後、ジャックが誰かと寝ているのを見て、「出て行ったのかと思ったけど、結局、急いで出て行ったわけじゃなかったのね」→「今、ジャックの隣で寝てるのが、このブラの持ち主ね」と表現したことになるでしょう。
私は上の記事で「そんなに急いで出て行ったわけじゃない」→「しばらくここにいた、エッチしていた」みたいな意味のように解釈したのですが、正しくは「ブラを残して慌てて出て行ったのかと思ったら、まだこの部屋にいたのね」という意味のセリフだったということになりそうです。
先に left in a hurry という表現があったので、それとの対比で、didn't leave in such a hurry 「(そう思ったけど、結局)そんなに急いで出て行ったわけではなかった」に繋がっているという仕組みです。
セリフの解釈には「前後の流れ」が大切であることを改めて痛感しました。
貴重な情報ありがとうございました<(_ _)>
(追記はここまで)
このドラマはコメディーなので、男性がゲイであると偽っていることも含め、毎回、様々な誤解(misunderstanding)が生じます。
「おぉ、今回は誤解が生じる話だね」とまるでそれが珍しいことのようにチャンドラーが冗談っぽく言ったところ、「誤解のエピソードなら見た」とテレビを消してしまうのが、何ともフィービーらしいところ。
「誤解が生じる」のが、Three's Company のお決まりのパターンなのに、「そういう話なら見たことある」と言って、その先を見ずに消してしまうのは、「これって水戸黄門が最後に印籠を出すエピソードだよね」と言ったら「そのエピソードなら見た」と言って消してしまうようなものでしょう。
the episode of Three's Company where there's... の where は関係副詞で、where 以下で、Three's Company のエピソードの内容を説明しています。
where 以下は文章の形「 S(主語)+ V(動詞)」になっていて、”その話の中で”「主語がどうするか[どうであるか]」ということを述べているのですね。
このような関係副詞の where は、フレンズの原題(英語タイトル)で、The One where+S+V の形でよく登場します。
The One というのは、The episode とか、The story みたいな意味を、わざと The One という漠然とした表現にしている感覚で、「( S が V する)もの、やつ、話、巻、段」のような感じです。
フレンズの第1話(パイロット版)には、英語の原題が何種類か存在しますが、そのうちの一つが、The One Where It All Began で「すべてはここから始まった、の話」のような意味です。
where という関係副詞を意識して訳すと、「(その話の中で)すべてが始まった、というもの・やつ」のようなニュアンスになります。
Are you through with that? の through with は「〜が済んで、終わって」という意味。
飲み物を取り上げながらそう言っているので、「それ、もう飲み終わってる?」と言っていることになります。
the swallowing slowed me down. を直訳すると、「その飲み込むことが俺(のスピード)を遅くした」のようになるでしょうか。
まだ飲んでいる途中なのに「もう飲み終わったでしょ」とばかりに取り上げられたので、内心むっとしながらも「俺が飲むの、遅くて悪いね」というようなことを皮肉っぽく言おうとした感じですが、「俺」ではなく「飲み込むこと」という動名詞を主語にすることで、飲み込むという行為が俺を遅らせた、飲み込むという行為のせいで俺は遅くなった、のようなニュアンスが出るのだろうと思います。
「別に俺が悪いんじゃない。飲み込むという行為で時間がかかっちゃっただけ」みたいな感覚でしょうね。
a ball of paper は文字通り「紙の球、球形になった紙」ということですから「丸めた紙」。
先ほどジョーイの飲み物を途中で取り上げたように、せかせかと掃除中のモニカは、今度は紙くずが丸めて捨ててあるのを見つけて、「この紙くず、誰のよ?」と怒って尋ねているニュアンスになります。
that would be mine. のように、would が使われているのは、「それは(多分)俺のだろうね」のように、断言せずにはぐらかしている感じですね。
「こんなところに紙くず置いたの、誰よ?!」という批判的な様子なので、「それは俺のものだ」と断言するのは避け、「あぁ、それ俺のじゃないかなぁ」と軽く認めたニュアンスを出したのでしょう。
write a note to myself は「自分のためにメモを書く」ですから「覚え書きとしてメモする」。
note と聞くと、「ノート、ノートブック」を思い出す人が多いですが、note は「記録、覚書、メモ」の意味で、「帳面(ちょうめん)」のノートは notebook になります。
チャンドラーはその紙くずの説明として、「メモとっておこうと思ったけど、そのメモはいらないって気づいたから、それを丸めて…」と言っています。
どうしてその紙くずができたか、という顛末をチャンドラーは語っているわけですが、紙くずを見つけてイライラしているモニカはそんな話を聞いても余計にイライラするだけですよね。
モニカの怒りが増していることに気づいたチャンドラーは、最後に「今、俺、死にたい」みたいなことを言っています。
I wish I were dead. は現実とは反対の仮定を表す仮定法過去。
実際にはチャンドラーは生きているので、「もし(現実とは違って)俺が今、死んでいたらいいのに」と言っているニュアンスの仮定法過去になります。
「いやぁ、メモ書いたけど、結局いらないって気づいちゃってさぁ〜、あはは」みたいに話を流そうと思ったら、余計にモニカの機嫌を損ねてしまったようなので、「メモ書いた、いらないと気づいた、紙をまるめた、、、」の続きとして「あ、俺、今つらい状況にいるみたいだから、死にたい」で話を締めくくった感覚になるわけですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
非公開コメントにて、以下のご質問を頂戴しましたので、該当記事にて回答させていただきます。
"Oh, I think this is the episode of Three's Company where there's some kind of misunderstanding. " なぜ"which"や"that" でなく "where" が使われているのですか?
というご質問でした。
この文章から、I think などの余計なものを取り除き、構造をシンプルにすると、
This is A where SV. という形になります。
「これは A である、その中では S が V である」のような意味になり、先に This is A と言っておいてから、その A の中身を後から関係副詞 where で繋げて説明している形ですね。
which や that だと「関係代名詞」になり、
主格だと This is A which V. という主格か、
This is A which SV. という目的格になります。
主格の場合は、V の主語が A であり、
目的格の場合は、V の目的語が A に来ることになります。
今回のセリフの場合、there's some kind of misunderstanding という文章で SV が完結していますので、SV の目的語が A (the episode of Three's Company) にはなりません。
これが仮に、「これは私が大好きな〇〇のエピソードよ」という意味であれば、this is the episode of Three's Company (which/that) I love. のように表現できて、which/that を使うことができますが、このような目的格の場合は、関係代名詞が省略されることが多いです。
<先行詞 which 動詞>の場合は、先行詞が動詞の主語になる、
<先行詞 which 主語+動詞>の場合は、先行詞が動詞の目的語になる。
ですが今回は there's something 「〜がある」という文章が続いているので、目的語は不要ですから、the episode of ... は、その文章の目的語にはなりえない、よって関係代名詞の目的格も使えない、ということになります。