2017年01月25日

指輪見た? ええ、きれいね フレンズ1-2改その9

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5:19
(ENTER RACHEL FROM HER BEDROOM)
寝室からレイチェル登場。
レイチェル: Has anybody seen my engagement ring? (誰か私の婚約指輪を見た?)
フィービー: Yeah, it's beautiful! (えぇ、きれいね!)
レイチェル: Oh, God! Oh, God, oh God oh God oh God oh God.... (LOOKING UNDER CUSHIONS) (あぁ、なんてこと! あぁ、あぁ、あぁ、あぁ… [クッションの下を見る])
フィービー: No, don’t, don't touch that. (だめ、それに触っちゃだめよ。)
レイチェル: Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough having to give it back to him. “Hi, Barry, remember me? I'm the girl in the veil who stomped on your heart in front of your entire family.” Oh, God, and now I'm gonna have to return the ring, without the ring, which makes it so much harder. (あぁ、それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないことで、明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] (→訂正:私が明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないこと(を) 訂正ここまで) (だってこんな風に言いに行くようなものよ) 「はーい、バリー、私を覚えてる? 私はあなたの家族(親族)全体の前で、あなたの心を踏みつけた花嫁(ベールをかぶった女)よ」。あぁ、なんてこと、そして今、私はその指輪を返さないといけないことになるの、指輪がない状態でね。それって状況をさらにもっとずっと難しくするわ。)
モニカ: Easy, Rach, we'll find it. (TO ALL) Won't we? (落ち着いて、レイチェル、私たちが見つけるわ。[みんなに] そうするわよね?)
チャンドラー&ジョーイ: Oh! Yeah! (あぁ!)

Has anybody seen my engagement ring? というレイチェルの質問を直訳すると、「誰か私の婚約指輪を見た?」になりますね。
言葉としては、誰か指輪を見たか、見た人はいるかどうか尋ねているのですが、レイチェルが心配そうな声で、おまけに左手の薬指を押さえながらこのセリフを言っているので、そこにあるはずの指輪がない、それをなくしたので探していて、「誰かそれを見なかった? 今、その指輪がどこにあるか知らない?」と尋ねているのがわかります。
フィービーはそのレイチェルの様子に気づかない様子で、「えぇ、あなたの婚約指輪見たわよ。あの指輪、きれいよね」と、ただ指輪の感想を述べているところが面白さのポイントとなるでしょう。
言葉では「あの指輪見たことある? 見た?」と聞いていても、見てどう思ったかを聞いているわけではないのに、言葉通りの意味にとらえて、そのまま返事している、という面白さなわけですね。

レイチェルはオロオロして、クッションの下などを探しています。
モニカがイライラしながらクッションをふくらませていたばかりだったので、フィービーは「モニカに怒られるわよ」と言いたげに「クッションをそんな風にいじっちゃだめよ」と注意しています。

指輪を探しながらのレイチェルのセリフ、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough... について。
dread は「〜をひどく怖がる、恐れる」。
Like+SV(文)の形は、「まるで〜みたいに、まるで〜とでも?」 というニュアンスで、この like は as if と同じような意味になります。
「まるで〜みたいに思ってるかもしれないけど、実際はそんなことない」という反語的なニュアンスが含まれているので、like I wasn't dreading tomorrow enough は「明日を十分に怖がっていないとでも?」のようになるでしょう。
as if の場合には過去形(仮定法過去)が使われることがありますので、今回、like I wasn't のように過去形が使われているのも、仮定法過去だろうと思います。
ですから、「like 以下のように思ってるかもしれないけど、そんなことない、私は明日、指輪を返さなきゃいけないことに、めちゃくちゃビビってるわ」という意味になるわけですね。
(2017.6.28 追記)
having to give it back to him について、コメント欄でご質問をいただきました。
この部分、Netflix では、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough. Having to give it back to him. と enough の後にピリオドがあって、いったん文がそこで切れています。
これは、tomorrow を恐れていると表現したことを、「彼に指輪を返さないといけないこと」と具体的に動名詞で言い換えた感覚になると思われます。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)

the girl in the veil を直訳すると「ベールをかぶった少女」、つまり「(花嫁衣裳を着た)花嫁」のことで、stomp は「踏みつける」。
その後、「あなたの家族の前であなたの心を踏みつけた女よ」というセリフを言っていますが、実際に指輪を返す際にそんなセリフを言うつもり、ということではなく、今の私が指輪を返しに行くということはそういこと、自分はそういう女として指輪を返さないといけない、という自分の立場をそのようなセリフで表現したことになるでしょう。
「大勢の人の前でバリーを振って逃げた花嫁」である私が指輪を返しに行くんだから、怖くないわけないでしょ、という感じですね。

指輪を返しに行くだけでもキツいのに、その返すべき指輪が見つからずレイチェルはパニクっているわけですが、「このまま指輪が見つからなければ、指輪なしで(返す指輪がない状態で)指輪を返しに行かなければならないことになる」ので、which makes it so much harder 「そのことが、それ(状況)をもっとずっとよりハードに(困難に)する」と表現しています。
元々、「指輪を返しに行く」ということだけでも hard なのに、指輪がないから so much harder になる、と言っていることになりますので、「明日バリーに指輪を返しに行くことはレイチェルにとってキツいこと」→「明日を恐れてないとでも? 恐れてるに決まってるわ」というように、反語の Like+文が使われているということになります。

Easy, Rach の Easy は「落ち着いて、心配しないで」というニュアンス。
私たちが(一緒に)探すわ、という意味で、we'll find it. と言った後、モニカは Won't we? と続けています。
「みんなで一緒に探そう」と we で相談するより先に、モニカが we'll find it. と言ったので、「私、今そう言ったけど、もちろんみんな一緒に探してくれるわよね?」という意味で、付加疑問文的に、Won't we? と言った感覚になるでしょう。


(前回の記事への追記について)
前回の記事、太ももをシェイプする器具 フレンズ1-2改その8 で「 twirly はフィービーの造語」と説明した件について、非公開コメントにて「辞書に twirly が形容詞として記載されていました」という情報を頂戴しました(貴重な情報ありがとうございます)。
いただいたご意見を元に、説明を追記させていただいておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。


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posted by Rach at 16:29| Comment(8) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、よろしくお願いします。

Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough having to give it back to him.

レイチェルのこのセリフ、前半はRachさんの解説で判ったのですが、後半のhavingの働きが判りません・・・分詞?でもそのあとに不定詞?文法書やネットでも検索は掛けてみたのですがヒットしませんでした。そもそも違った解釈しているのか?? 素直に「彼にそれを返すことを持つこと」(変な日本語ですが)と動名詞として訳すのでしょうか?
よろしくお願いします。

Posted by やっちん at 2017年06月26日 20:27
やっちんさんへ
ご質問ありがとうございます。

ご質問の having 以下の部分、私の上の解説ではちゃんと説明できていませんでしたね。
ご質問をいただいて、改めてそのシーンを見直してみました。

そのセリフは、
DVD英語字幕では、
Like I wasn't dreading tomorrow enough
having to return it to him.
と表記されていたのですが(実際の音声は、return ではなく give が正しいです)
Netflix では、
Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough.
Having to give it back to him.
と書かれていました。

大きな違いは、Netflix の方は、enough の後にピリオドがあって、いったんそこで文章が切れている、ということですね。
そこにピリオドがある感覚として受け止めると、このセリフの意味がわかった気がしました。

ピリオドを意識して、前から順番にイメージすると、
私が明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないこと(を)
のようになるでしょうか。
私が明日を十分に怖がっていないとでも(思ってる?)とまずは言った後で、明日の何を怖がっているかを具体的に「〜しなければならないこと」と動名詞で言い換えたのが、このセリフになるのだと思いました。
怖がっている明日、っていうのはつまり「彼に指輪を返さなければいけないこと」と後から詳しく説明している感覚になるのだろうということですね。

Netflix のように、enough の後にピリオドのある方が、実際のニュアンスに近いと思われますので、上の記事もそのように訂正させていただきました。
貴重なご質問に感謝です。ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年06月28日 19:44
Rachさん、質問しっぱなしで、しばらく旅行に出ていてお返事遅れました。
一旦文が切れていたんですね!それは疑わなかったです(笑)すごいです!これで喉に詰まっていた感じ取れました。

いま3回目のFriendsに入って、Rachさんを真似て自分なりにデーターベースで残しています。でもほんと大変な作業だぁ!と思ってやっています。だからRachさんがどれだけ大変な思いでやっていらっしゃるのかすこ〜〜しは判る気がします。本当にすごいです。今回もNetflixのスクリプトも観て頂いて・・・
本当にいつもありがとうございます。
Rachさんに少しでも近づけるようにこれからも頑張っていきたいです。またよろしくお願いします。
Posted by やっちん at 2017年07月18日 14:51
やっちんさんへ
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。

一旦、文が切れていると考えると、全てのつじつまが合いますよね。私もご質問をいただいてから、それぞれの字幕を見比べて、なるほど! と納得することができました。

データベース作りは結構大変ですよね。あれもこれも、、となると、入力作業そのものが目的みたいになってしまうので、「是非自分で使いたいもの」「日本人にはない発想で面白いもの」など、ご自分でポイントを決めてデータを残すというのもいいかなと思います。

Netflix のおかげで、英語セリフがわからない時に表記を見比べられるようになったことは、私としては本当にありがたいです。それを調べようと思ったのも、やっちんさんが興味深い部分をご質問下さったからこそで、貴重なご質問に心より感謝です。

いつも温かいお言葉ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2017年07月18日 15:29
こんにちは

like は、もともとの「...のように」の意味なのか as if の意味なのか、外見からは判別できないことがほとんどではないでしょうか。つまり、as if の意味でも like には仮定法を使わないのが一般的と考えられます。使いやすい反面、意味があいまいになる点が、正式な用法ではないと見なされる理由の一つかと思います。

この場面で like I wasn't dreading tomorrow enough ... の主節として考えられるのは、I lost my engagement ring くらいかと思います。「私は婚約指輪をなくした。あたかも私が明日を十分に怖れていなかったかのように。」ということで、辻褄が合います。

この文は分詞構文です。主節を省いて having to 以下まで訳すと、「あたかも私が明日を十分に恐れていなかったかのようね、それを彼に返さなければいけないのに。」となります。

ちなみに、which makes it so much harder の台詞が面白いのは、指輪を返しに行くことはレイチェルにとって hard なことですが、指輪なしで指輪を返しに行くことは harder ではなくて impossible だからでしょう。
Posted by mq at 2019年07月29日 21:19
mqさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

おっしゃるように、having to... については、分詞構文と考え、「それを彼に返さなければいけないのに」と訳すとしっくりきますね。
「指輪なしで指輪を返しに行くことは不可能」というのもその通りで、私が捨てた婚約者に指輪を返すだけでもキツいのに、返すものがない状態で私は窮地に立たされてしまった、ということですね。

ご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2019年08月02日 12:34
こんにちは

as if は act as if や behave as if のように、事実と矛盾した行動と組み合わせて使われる表現です。したがって、通常は、誰かの具体的な行動や発言を受けて使われます。

この場面の like (as if) が特殊なのは、レイチェルが明日を恐れていることに関して、その直前に誰の行動も発言もないことです。

これを「思っている」ことで解決しようとすると、「レイチェルが明日を恐れていないかのように思う」には「レイチェルが明日を恐れていないと思う」必要があり、同語反復のようなことになってしまいます。(単に You may think like ... とすると、like が as if ではなくなります。)

ここはやはり、レイチェル自身が知っている「指輪をなくした」という自分の行動を受けての like と考える方が無理がありません。
Posted by mq at 2019年08月20日 10:10
mqさんへ
コメントありがとうございます。
as if の解釈に対しての私のお返事ができていなかったようで申し訳ありません。
以前書いて下さったように、「私は婚約指輪をなくした。あたかも私が明日を十分に怖れていなかったかのように」ということで、まるで〜みたいに「〜する」に該当するのは「私が指輪をなくした」であるということですね。
Posted by Rach at 2019年08月21日 19:10
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