2017年02月27日

その言葉は避けた方がいい フレンズ1-2改その22

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13:11
ロス: Well, you may wanna steer clear of the word "dumped." Chances are he's gonna be this, this broken shell of a man, y'know. So you should try not to look too terrific. I know it'll be hard. Or, y'know, uh, hey!, I'll go down there, and I'll give Barry back his ring, and you can go with Carol and Susan to the OB/GYN. (そうだな、「捨てられた」って言葉は避けた方がいいだろうね。彼が、心破れた、抜け殻のような男になってるかもしれないし。だから君は自分が素敵に見えすぎないように頑張るべきだよ。それは大変だろうけどね。もしくは、ほら! 僕がそこに行って、僕がバリーに彼の指輪を返す。そして君はキャロルとスーザンと一緒に産婦人科に行くんだよ。)
レイチェル: Oh, you've got Carol tomorrow. Oh, when did it get so complicated? (あぁ、あなたは明日キャロル(の件)があるのよね[キャロルと一緒なのよね]。あぁ、いつ(状況は)そんなに複雑になったの?)
ロス: Got me. (わからないな。)
レイチェル: Remember when we were in high school together? (私たちが一緒に高校に行ってた時のこと覚えてる?)
ロス: Yeah. (あぁ。)
レイチェル: I mean, didn't you think you were just gonna meet someone, fall in love, and that'd be it? (ROSS GAZES AT HER) ...Ross? (ほら、自分が将来、ただ誰かに会って、恋に落ちて、それで終わり、って思ってなかった? [ロスはレイチェルをじっと見つめている] …ロス(聞いてる)?)
ロス: Yes, yes! (あぁ、あぁ!)
レイチェル: Oh! Man! I never thought I'd be here. (SHE LEANS BACK ONTO HIS HAND) (あぁ、なんてこと! こんなところにいるなんて考えもしなかった。 [レイチェルはロスの手にもたれかかる])
ロス: Me neither. (HE PULLS UP A STOOL AND SITS DOWN SO AS NOT TO HAVE TO PULL HIS HAND AWAY) (僕も考えもしなかったよ。[ロスは椅子を引っ張って座る、自分の手を(レイチェルの頭の下から)引っ張り出さなくて済むように])

you may wanna steer clear of the word "dumped." について。
You may wanna は、You might wanna と同じ感覚で、直訳すると、「あなたは〜したいかもしれない」になりますが、相手に対して「〜したほうがいいかもしれない」と助言・アドバイスする感覚になります。
このセリフの前にレイチェルが、"So, got any advice?" 「それで、何かアドバイスある?」と尋ねていますので、それに対して、「〜したほうがいいかもしれない」と実際にアドバイスしているという流れです。
You wanna も「〜したほうがいい」という助言のニュアンスとして使われるのですが、そこに may/might が加わると、少し表現が柔らかくなります。

steer clear of は「〜を避ける」。
steer は「(船・自動車などを)(舵(かじ)・ハンドルで)操舵(そうだ)する」という動詞で、steering wheel は「操舵する輪」ということから「自動車のハンドル」。
日本語でも自動車の用語で「パワーステアリング」(英語でも power steering)という、運転者の操舵の負担を軽減するシステムがありますので、steer という単語はすでになじんでいるともいえるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
steer clear (of somebody/something) : (informal) to try to avoid someone or something bad or difficult
例)I steered clear of the subject of her divorce.

つまり、「悪い、または難しい、人やものを避けるようにすること」。例文は、「私は彼女の離婚の件を避けようとした」。
clear of は「〜がない」という意味で、「〜がない状態に操舵する」ということから、「〜(の話題など)に触れないように避ける」という感覚になるのでしょう。

dumped は前回の記事で説明したように、恋愛の話では「(誰かに)捨てられた」という意味ですから、ロスのセリフは「君は”捨てられた”という言葉は避けたほうがいいね」と言っていることになります。
このように表現することで、レイチェルが今、「捨てられた」という言葉を使ったことを遠回しに注意している感じです。
ロスは妻キャロルに逃げられ、レイチェルのセリフ通り、「最近、捨てられたばかりの人」なわけですが、dump された(捨てられた)人間としての忠告は、捨てられた側の人に対して、dumped という言葉をそんなに簡単に使わないことだね、dump という言葉は避けるべきだと思うよ、と言いたいわけですね。
僕もそんな風にダイレクトに言われて、ちょっとショックだったし、というような気持ちも込めているでしょう。

Chances are SV は「たぶん・おそらく SV だろう」。
shell は「貝殻、殻(から)」「硬い外皮」という意味ですが、まず shell にはその「殻」という言葉から連想されるような「抜け殻」という意味があります。
a cicada's shell なら「セミの抜け殻」ですね。
研究社 新英和中辞典では、
shell=(人間の)抜け殻
例) a mere shell of a man (やる気をなくした)抜け殻みたいな男

「抜け殻のようになる」という意味では、be/become a (mere) shadow of oneself という表現もあります。

また、日本語で「自分の殻に閉じこもる」「自分の殻を破る」と言いますが、英語でも同じように表現します。
Macmillan Dictionary では、
come out of your shell : to stop being shy and begin to confidently show your real character and feelings
つまり、「内気になることをやめ、自信を持って自分の本当の性格と感情を出し始めること」。
withdraw/retreat into your shell : to become shy and stop talking to people
つまり、「内気になって、人と話すのをやめること」。

それぞれのフレーズを直訳すると、come out of your shell は「自分の殻から出る」で、withdraw/retreat into your shell は「自分の殻の中に退く・撤退する」ですから、イメージもわきやすいですね。

それでは、this broken shell of a man が「抜け殻のような人」なのか、「自分の殻に閉じこもる人」なのかについて。
this は a のようなニュアンスで使われていて、言葉通りに直訳すると、「一人の男の壊れた殻」のような感じになるでしょうか。
「殻に閉じこもる」という意味だと、withdraw/retreat into your shell のように「自分の殻の中に引きこもる」、つまり、主語が自分の殻の中に入る、というような形になりますね。
今回の (broken) shell of a man は「人の殻」という形なので、ここは「抜け殻」のような意味が近いように思います。
「殻に閉じこもる」と言いたければ、まさにその表現を使って、he's gonna retreat into his shell のように表現するんじゃないかなぁ、と。
broken は「その殻が(一部)壊れている」というよりも、a broken heart 「失恋、失意」のニュアンスの broken で「心が破れた、打ちひしがれた」のようなニュアンスだろうと思います。

terrific は「素敵な、素晴らしい」なので、So you should try not to look too terrific.を直訳すると、「だから、君はあまりに素敵に見えないようにすべきだ」になります。
相手は捨てられて抜け殻みたいになっているわけだから、捨てた方が「別れてせいせいした、すっきりした」とでもいうように生き生きした様子で現れたら、相手にとっては余計にショックだからね、みたいな感じでしょうね。
過去記事、直立する人は誰でも フレンズ1-2改その4 で、ロスの職場を訪ねてきた元妻キャロルを見て、
ロス: You look great. I, uh... I hate that. (素敵に見えるね。あぁ、それは憎らしいけど[嫌だけど]。)
と言っていました。
自分と別れたキャロルが変わらず魅力的で、別れに打ちひしがれている自分とは違って、相手は充実した生活を送っているらしいことがわかって悔しく寂しいという気持ちがあったのでしょう。
それで振った側のレイチェルの方に、そのようなアドバイスをしたことになるでしょうね。
まさに「最近捨てられたばかりの人ならではの」アドバイスと言えるでしょう。
I know it'll be hard. と言った後、レイチェルは微笑んでいます。
このセリフは、I know it'll be hard for you to try not to look too terrific. 「君が素敵に見えないようにする、ってことは難しいだろうってわかるけど」という感覚だろうと思います。
それはつまり「君は特に何もしなくても素敵だから、”素敵に見えないようにする”っていうのは難しいだろうけどね」と、レイチェルが常に look terrific であると言った感覚、レイチェルを褒めた感覚となり、褒められたレイチェルが微笑んでいるのだろうと。
「素敵に見え過ぎないように気をつけてね。それは君には難しいかもしれないけどさ」と、一言、誉め言葉を付け加えた感じでしょう。

その後、hey! と何か思いついた様子で、「僕が行ってバリーに指輪を返す、君がキャロルとスーザンと一緒に産婦人科に行く、ってことも可能だよね」みたいに言っています。
二人とも、心の負担になるような予定を抱えてるから、予定を取り換えっこしちゃおうか、みたいに提案している感じですね。
OB/GYN は「産婦人科」。
発音はそのままローマ字読みで「オービージーワイエヌ」。
OB は、obstetrics 「産科(学)」、gyn は、gynecology 「婦人科(学)」の略。
ロスは、OB/GYN という言葉を、OB/GY... Nnnnn みたいに言って、ちょっと嫌そうな顔をしています。
そこに行かなければいけないのが気が重い、、という感じで、その名前を出すのが嫌というような雰囲気を出している感じでしょう。

お互い、気が重い用事を抱えていることについて、「いつから(状況・事情は)こんなに複雑になったのかしら?」のようにレイチェルは尋ねます。
ロスの Got me. という返事について。
You got me. 「わからない」という表現がありますので、Got me. も同じ意味になると思われます。
LAAD では、
you('ve) got me : used to say you do not know the answer to something
例)"Why did he attack him?" "You got me."

つまり「自分は何かに対する答えを知らないと言うために使われる」。例文は「どうして彼は彼を攻撃したの?」「わからないよ」
when 「いつそうなったのか?」と尋ねたレイチェルに対して、僕にもわからないよ、と返したことになります。

「一緒に高校行ってた時のこと覚えてる?」と言って、レイチェルは「ただ誰かに出会って、恋に落ちて、それで終わり、ってなるように思ってなかった?」と続けます。
「誰かと会って恋に落ちる、結婚して幸せに暮らす」というシンプルなイメージを抱いていたのに、結婚式が嫌になって逃げ出すとか、結婚していた妻が自分を捨ててレズビアンパートナーと暮らし始めるとか、そんな complicated (複雑な)ことになるなんて、高校時代には思ってなかったわよね、と言っているわけですね。

フレンズ1-1 で言っていたように、ロスは高校の頃、レイチェルのことが好きだったので、「誰かと出会って、恋に落ちて、、」みたいなことをレイチェルが言うのを聞いて、「僕にとってそれがレイチェルだったなら」と想像したのでしょう。
レイチェルを見つめていて、返事がおろそかになっているので、レイチェルは「ねぇ、ロス、私の話聞いてる?」みたいに Ross? と言ったわけですね。
「こんなところにいるなんて思いもしなかった」というのは、「結婚式から逃げ出して、コーヒーハウスで働いている今の自分」など、当時の自分は想像もしなかった、ということになるでしょう。

Me neither. は、レイチェルの否定文を受けて、「僕もそんなことを考えもしなかった」と言っていることになりますが、ロスがそう言ったのは、高校時代に好きだったレイチェルの頭が、今、自分の手の上に乗っている、レイチェルが自分の手に頭をもたせかけている、という状況について、「こんなところでこうすることになるなんて、昔は思ってもみなかった」と言ったことになるでしょう。
ソファの背に置いていた自分の手の上に、レイチェルの頭が乗った形になっているので、レイチェルの頭に手が触れた状態をキープしたいロスは、手を動かさないようにして、そろーっと後ろの椅子を引っ張って座るのも面白いですね。


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posted by Rach at 15:27| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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