2017年03月03日

gagの動詞の意味 フレンズ1-2改その24

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15:42
(CUT TO BARRY'S SURGERY. BARRY IS WORKING ON ROBBIE'S MOUTH. ENTER RACHEL)
バリーの診療所。バリーはロビー(という少年)の口を治療中。レイチェル登場。
レイチェル: Barry? (バリー?)
バリー: C'mon in. (入って。)
レイチェル: (HESITATES) Are you sure? ([躊躇して] ほんとに?)
バリー: Yeah! It's fine, it's fine. Robbie's gonna be here for hours. (あぁ! いいよ、いいよ。ロビーはここに数時間いることになるから。)
ロビー: Huh?! (は?!)
バリー: So, how you doin'? (それで、君はどう?)
レイチェル: I'm- uh- I'm okay. You look great. (私は、そのー、大丈夫よ。あなた、元気そうね。)
バリー: Yeah, well.... (あぁ、まぁ…)
バーニス (OVER INTERCOM): Dr. Farber, Jason Greenspan's gagging. ([インターコムの声] ファーバー先生、ジェイソン・グリーンスパンさんが、えずいてます[おえっ、となってます]。)
バリー (TO INTERCOM): Be right there. (TO ROBBIE+RACHEL) Be back in a second. ([インターコムに向かって] すぐにそっちに行く。[ロビーとレイチェルに] すぐに戻るよ。)
(ROBBIE STARES AT RACHEL)
ロビーはレイチェルをじっと見る。
レイチェル: I dumped him. (私が彼を捨てたのよ。)
ロビー: Okay. (オッケー(わかったよ、それでいいよ)。)

レイチェルが、元婚約者のバリーの診療所を訪ねると、バリーが軽い感じで、Come on in. と言うので、ためらいながら、Are you sure? と言っています。
Are you sure? は「本当に? 確かなの?」というニュアンスですね。
歯科医のバリーはマスクをして、明らかに患者の治療中ですし、そんな時にあなたを捨てた元花嫁の私が訪ねて来たという複雑な状況なのに、そんなにあっさり「どうぞ」って言っちゃっていいの? という気持ちがあるのでしょう。
「いいよ、いいよ」と言った後、バリーは、Robbie's gonna be here for hours. と言い、歯科の椅子に座って治療を受けていた少年は「は?」と言っていますね。
その様子から、ロビーはこの少年の名前で、「ロビーはここに数時間いることになる」、つまり、「この子の治療には数時間かかる」と言われたことになるので、患者の少年が「嘘だろ?」という声を上げていることになるわけです。

「どう? 元気?」とレイチェルに尋ねているバリーは元気ではつらつとしているように見えています。
逆にレイチェルの方が気後れ(きおくれ)している感じで、「私は大丈夫よ。あなたは元気そうね」というしかない様子。
ロスからのアドバイスとして、「捨てた人の前で、自分をあまり素敵に見せない方がいい」みたいに言われたのと反対で、捨てられた方がいきいきとしている感じなので、逆にレイチェルは戸惑っているようですね。

インターコムで呼び出しがあり、Jason Greenspan's gagging. と相手の人は言っています。
gag と言うと、日本語にもなっている「ギャグ」、つまり「人を笑わせるような冗談」のような意味がありますが、他に名詞として「(しゃべれないようにするための)さるぐつわ」の意味があり、自動詞では「(吐きそうになって)おえっ、げぇっとなる」ことを指します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gag : to feel sick in a way that makes you feel as though you might vomit
つまり、「まるで吐くかもしれない気持ちにさせるような感じで気分が悪いこと」。
Macmillan Dictionary では、
gag : (informal) to be unable to swallow because you feel as if you are going to vomit
つまり、「自分が吐いてしまうかのように感じるので、飲み込むことができないこと」。

2つの語義を見ると「吐きそうになる」というニュアンスで、日本語の表現だと「吐き気を催す(もよおす)」「えずく」という感じでしょうか。
バリーは歯科医なので、治療中は口の中に器具を入れることなども多いですよね。
別室で治療中の患者さんが、そういう器具で、おえっとなっているような状態なのかなぁ、と思います。

ちなみに、gag=「(人を笑わせる)ギャグ」ですが、ロングマンやマクミランなどの英英辞典では、動詞 gag の項目に、「ギャクを言う、ギャグをする」というような意味は載っていませんでした。
gag という名詞に「(人を笑わせる)ギャグ」という意味がある以上、He's joking. 「彼はジョークを言っている」と同じように、「彼はギャグを言っている」という意味で He's gagging. という形が使えそうな気もするのですが、「とりあえず、私がよく使っている英英辞典には載っていません」ということになります。

バリーは、Be right there. Be back in a second. と言っています。
これは、I'll be right there. I'll be back in a second. の I'll が省略された形ですね。
いきなり、Be で始まっていると、Be quiet. のような「〜(の状態)でいなさい」という be動詞を使った命令文のように見えてしまうかもしれませんが、話の流れ的に、インターコムで呼び出されたら、I'll be right there. すぐそっちに行く、という意味であることは想像できますよね。
I'll be back. はターミネーターで有名なセリフですが、その I'll が省略されたのが、Be back (in a second). になります。

バリーが出て行って、患者の少年ロビーと二人残された状態になったレイチェル。
ロビーは患者なので、先生のバリーが結婚式で花嫁に逃げられた、みたいな話も知っていたのかもしれません。
この人がそうなのか、、みたいな顔で見られているように感じたのか、レイチェルは何も聞かれないうちから自分で「私が彼を捨てたのよ」と言っています。
それに対してロビー少年は、「あっそ」というような口調で、軽く Okay. と返していますが、その言い方には「そういうことならそれでいいよ。そういうことにしといてあげるよ」みたいな雰囲気が感じられますね。
その後レイチェルは、不満そうな顔で、くくってきた髪の毛を下ろしています。
この部屋に入ってきたレイチェルは、おしゃれっ気のない髪型でしたが、それはきっと、ロスに言われた「あまり素敵に見せるな」というアドバイスに従ったということだったのでしょうね。
わざとさえない感じの見た目にしてやってきたら、逆にバリーが妙にはつらつとしており、レイチェルに逃げられたことがショックであるようにも見えない、、そのことにレイチェルは何だかムッとしたのでしょうね。
髪の毛を触ったところで画面転換となりますが、さえないその髪型をこの先もう少しどうにかしようとしている流れであるように見えますね。


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posted by Rach at 14:42| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは

gag は Oxford のオンライン辞書に joke の意味で名詞・動詞とものっています。

ところで S07E13 に出てくる Jason Alexander の本名は Jason Greenspan なのだそうです。Jason Greenspan's gagging. は gag の二つの意味をかけた楽屋落ちということになりそうです。
Posted by mq at 2017年03月11日 22:50
mqさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

私がよく使っている辞典にそういう動詞の意味が出ていないのが逆に不思議なところだったのですが、Oxford オンライン辞書では、gag に joke の意味の動詞が載っているとの情報を聞いて安心しました。

また、Jason Greenspan という名前に関する情報もありがとうございます。インターコムで言及されるだけの患者さんの名前なのに、わざわざフルネームでしたし、誰か有名人の名前なのかな? というのは私も記事投稿前に頭をかすめました。一応、検索もしてみたのですが、その名前で複数の方がヒットしたので、「よくある名前なのかな」と思って流してしまったようです。

その名前が俳優ジェイソン・アレクサンダーさんの本名だった! というのは実に面白いですね。ゲスト出演された時のことは、フレンズ7-13その3 の記事で書きましたが、アメリカの人気シットコム Seinfeld (邦題は「となりのサインフェルド」)のメインキャラ(ジョージ・コスタンザ役)ですから、確かに楽屋落ちなのでしょうね。

主人公のサインフェルドはスタンダップ・コメディアンで、彼ならまさに「ギャグを言っている」という形容がぴったりだったかもしれませんが、彼の場合は役名と俳優名がジェリー・サインフェルド(Jerry Seinfeld)で、本名がジェローム・サインフェルド(Jerome Seinfeld)とのことなので、姓はすべてサインフェルドですから、本名を使ったところで、名前の由来がミエミエになってしまう、、 それで「ちょっと外した」感じで、共演キャラのしかも本名にした、という流れだったのかもしれませんね。

興味深い情報、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2017年03月13日 19:13
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