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18:39
バリー: See, about a month ago, I wanted to hurt you… more than I've ever wanted to hurt anyone in my life. And I'm an orthodontist. (ほら、1ヶ月くらい前は、僕は君に苦痛(痛み)を与えたかった… 僕の人生で、これまでに苦痛を与えたいと思った誰よりももっと(苦痛を与えたかった)。そして僕は歯科矯正医だろ。)
レイチェル: Wow. (まぁ。)
バリー: You know, you were right? I mean, I thought we were happy. We weren't happy. But with Mindy, now I'm happy. Spit. (ほら、君は正しかったんだよね。つまり、僕ら(レイチェルと僕)は幸せだと(当時の僕は)思ってた。(でも)僕らは(実際には)幸せじゃなかった。でも、ミンディといると、今、僕は幸せなんだ。(唾を)吐いて。)
レイチェル: What? (何?)
ロビー: Me. (SPITS) (僕(のこと)だよ。[(治療台のシンクに唾を吐く]。)
レイチェル: Anyway, um, (GETS THE RING OUT OF HER PURSE) I guess this belongs to you. And thank you for giving it to me. (とにかく、その… [自分のバッグから指輪を取り出して] これはあなたのものだと思うの。そして、ありがとう、私にこれをくれて。)
バリー: Well, thank you for giving it back. (あぁ、ありがとう、それを僕に返してくれて。)
(BARRY AND RACHEL SMILE AT EACH OTHER FOR A BIT)
バリーとレイチェルはしばらく、お互いを見て微笑み合う。
ロビー: Hello! (もしもし[ちょっと]!)
hurt は、過去記事にも出てきましたが、自動詞だと「痛む」、他動詞だと「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」。
結婚式でレイチェルに逃げられたバリーは、君に苦痛を与えたかった、と言っています。
1か月前というのが、その逃げられた結婚式の時期を指していることになるでしょう。
I wanted to hurt you までで「君を傷つけたかった、君に痛みを与えたかった」ということになりますが、その後、more than 「〜よりももっと」のように程度を示す言葉が続いています。
「僕の人生で、これまでに痛みを与えたいと思った誰よりももっと」と言っていますので、「僕の人生の中で、一番痛みを与えたいと思った人間が君だ」と言っていることになりますね。
orthodontist は「歯科矯正医」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
orthodontist : a dentist who makes teeth straight when they have not been growing correctly
つまり、「歯が正しく(きれいに)成長しなかった時に、歯をまっすぐにする歯科医」。
「誰よりも君に痛みを与えたかった」と言った後に、「そして僕は歯科矯正医だ」と付け加えていることで、「歯科医である僕の人生の中で、一番痛みを与えたいと思った人間が君だ」と言っていることになるでしょう。
レイチェルを傷つけたいと思った、という、その hurt という言葉が、歯科医として患者に痛い思いをさせる、苦痛を与える、という意味の hurt の意味にもかけて使われているということですね。
「僕の仕事はある意味、人に痛みを与える仕事だけど、その僕が”人生で一番痛みを与えたいと思った”ということが、どれくらいの痛みか想像できるだろ? 君のことをどれほど憎んでいたかわかるだろ?」みたいなことを示唆しているように思います。
「君を誰よりも傷つけたかった。痛めつけて、苦しめてやりたかった」というような言葉は、誰かを恨んでいる人間の常套句ですが、And I'm an orthodontist. 「そして僕は歯科矯正医だ」というセリフを付け加えることで、歯科医の治療では痛い思いをするという連想が浮かび、より面白く聞こえるということでしょう。
少し前のシーンでも、「これを言うと、レイチェルが傷つくかもしれない、痛い・辛い思いをするかもしれない」という意味で、This may hurt. と言った言葉を、患者の少年が「僕のこと?」と尋ねる場面がありましたが、精神的に傷つけるという意味と、人に物理的な痛みを与えるという両方の意味がある hurt という単語は、歯科医のバリーが使うことで「歯医者→痛い」という連想が働くので、よりジョークに絡めやすいということになるでしょうね。
その後、バリーは「君は正しかった」と言っています。
I thought we were happy. We weren't happy. But with Mindy, now I'm happy. には、happy が3回連続で使われていますが、時制の違いでバリーの気持ちがシンプルに表現されていますね。
I thought は「過去の時点で僕は〜と思っていた」ということで、この場合の「そう思っていた」という過去形には「実際には違った」というニュアンスが含まれています。
その後、特に接続詞を用いることもなく、ただ「僕らは幸せじゃなかった」と否定していますが、I thought の文に「そう思っていたけど、実際には違った」というニュアンスがあるために、それをそのまま引き継ぐ形で、We weren't happy. だけで言葉が足りるわけですね。
But with Mindy, now I'm happy. は、状況の説明としては、But now, I'm happy with Mindy. 「でも今は、僕はミンディと(一緒にいて)幸せだ」というところですが、先に But with Mindy と言うことで、「君とは幸せじゃなかったけど、でもミンディと一緒なら、一緒の今は」のように、「君とじゃなくて、ミンディとなら」という比較のニュアンスが出るように思います。
このように表現することで、バリーが言った「僕は君にありがとうって言いたかったんだ。1か月前、僕は誰よりも君を傷つけたかった。でも君は正しかった」という言葉が、「君と一緒にいても僕は幸せにはなれなかった、ということに今の僕は気づいた。君が逃げ出すという決断をしたおかげで、今僕は幸せでいられるんだ」という意味であったことがわかるわけですね。
逃げた立場のレイチェルではありますが、「(君じゃなくて)ミンディと一緒なら僕は幸せだ」と言われるとやはりショックなようで、レイチェルはがっかりしたような顔をしています。
バリーはそんな話を微笑みながらレイチェルにしていて、レイチェルに顔を向けた状態で、Spit. と言うので、レイチェルは「(唾を)吐け」って何のこと? のように、What? と言うのですが、治療中の患者のロビーは「僕のことだよ」と言って、指示通り、唾を吐きます。
This may hurt. と言われた時は、Me? と驚いた声を挙げていた彼ですが、今度は立場が逆で、レイチェルが What? と驚いて、ロビーが冷静に Me. と言っているという、その対比も面白いです。
レイチェルは自分のバッグから指輪を取り出して、I guess this belongs to you. と言っています。
belong to は「主語が(to 以下)に属する、(to 以下)のものである」という意味なので、「これはあなたのものだと思うの」ということですね。
また、belongs to you の you の部分は、音が強く発音されており、Netflix ではそのように音が強く発音されている部分はイタリック体で表記されています。
「あなたが私にくれたものだけど、これを所有物として持っておくべきなのはあなただと思うの、正しい持ち主はあなただと思うの」のように、「本来の持ち主はあなた」ということで、you を強調している感覚になるでしょう。
バリーの正直な気持ちを聞いて、レイチェルもすべてが吹っ切れた様子で、「私にこれをくれてありがとう」とも言っています。
あなたのものだと思うから返すけど、これをくれたことには感謝しているわ、というところですね。
それに対してバリーも「返してくれて[返しにきてくれて]ありがとう」と言い、二人は指輪を渡した手を握り合いながら微笑んでいますが、そこで患者の少年ロビーが、Hello! と言っています。
ハローは、日本語で「もしもし」と訳される通りで、この場合もちょっとキツい調子で「もしもし!(お二人さん!)」と言った感じで解釈すると良いでしょう。
「もしもし、治療中の僕のこと忘れてないですか? 僕がいないみたいに、二人だけの世界に入っちゃってませんか?」みたいな感じですから、そう言われた二人も、あぁごめん、という顔になっています。
治療中に元婚約者が入ってきて、ミンディとアルバ島に行ったの? などと修羅場になりそうな感じだったのが、今は何だか二人とも納得した様子で微笑み合っていることに対して、ロビーは「いい加減にしてほしいよな」という気持ちだったのでしょうね。
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いつもフレンズ学習の参考にさせていただいております。
僕が購入したFreindsだと
Rachel: Anyway, um, (Gets the ring out of her purse.) I guess this belongs to you. Or…. hey maybe someday Mindy.
Barry: Yeah, like she’d settle for that.
Rachel: (sarcastically laughs) Oh yeah. Yeah, yeah that’s true. Umm, but I think it’s a-I think it’s a nice ring. And thank you for giving it to me.
Barry: Well, thank you for giving it back.
といった遣り取りになっていて、少し展開が違います。
お恥ずかしながら
「Barry: Yeah, like she’d settle for that.」
の意味が掴めなくてこのサイトに訪れたのですが、どうやら日本盤?にはない台詞のようで解説が見当たりませんでした。
Rachさんがお忙しいことは承知しておりますが、もし宜しければこの台詞の意図を解説していただけないでしょうか。
もちろん本当にお手隙の際で構いません。
突然の不躾な頼みではありますがどうかご一考の程宜しくお願いします。
これからも応援しています。
失礼いたしました。
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Like+SV(文)の形は、「まるで〜みたいに、まるで〜とでも?」 というニュアンスで、この like は as if と同じような意味になります。
「まるで〜みたいに思ってるかもしれないけど、実際はそんなことない」という反語的なニュアンスが含まれている
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との記述があったので
「Barry: Yeah, like she’d settle for that.」は
「ああ、まるで彼女がそれで手を打つ(妥協する)とでも?」
といったニュアンスの台詞になるのでしょうか?
質問する前にもう少し自分で調べるべきでした…お騒がせしました!
コメントありがとうございます。
そのセリフは、北米版にはあって、日本版にはないもののようですね。
セリフの意味は、コメントに書いて下さった通りの「ああ、まるで彼女がそれで手を打つ(妥協する)とでも?」ということだろうと私も思います。
「この指輪はあなたのものだけど、もしかしたらいつかミンディのものになるかもしれないわね」と、「ミンディにこの指輪を使い回す可能性を示唆」したことに対して、「レイチェルにあげた指輪(中古品のようなもの)でミンディが承知するとでも? 人からのお下がりでよしとするとでも?」という意味でそう言ったわけですね。
「今はミンディと付き合ってる」という話をした後ですので、「あなたに返したこの指輪、ミンディのものになるかもね」というセリフは流れ的にも自然で、日本版でカットされていたのはちょっと残念な感じもしますね。北米版のオリジナルに存在したやりとりを教えていただけて良かったです♪
それから私の過去記事などもチェックしていただきありがとうございました。書いた当人も忘れていることも多々あり(笑)、過去記事の量も多いため探していただくのも大変だろうと思いますので、気になる点がございましたら、どうかお気軽にご質問下さいね。
ご丁寧なコメントありがとうございました。
フレンズをきっかけに英語学習に興味が持てたので今後もRachさんのサイトにお邪魔させていただきますね!
今後はできるだけ自分で考え抜いた末に質問するようにします!ありがとうございました!
こちらこそご丁寧なお礼のお返事、ありがとうございます!
「フレンズをきっかけに」と言っていただけることは、こういうサイトを運営している者として本当に光栄で嬉しいです。
今後もお気軽にご質問下されば、と思うのですが、それはそれとして、「自分で考え抜く」という姿勢も非常に大事ですよね。私も、自分であーでもないこーでもないと考えたことは強く記憶に残っている気がします。
こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^)