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19:27
(CUT TO THE CLINIC)
診療所のシーンにカット。
スーザン: Oh, please! What's wrong with Helen? (あぁ、やめてよ! ヘレンのどこがいけないの?)
ロス: Helen Geller? I don't think so! (ヘレン・ゲラーだぞ? 僕はそれがいいとは思わないね。)
キャロル: Hello? It's not gonna be Helen Geller. (もしもし?[ちょっと?] ヘレン・ゲラーにはならないわ。)
ロス: Thank you. (ありがとう。)
キャロル: No. I mean, it's not Geller. (いいえ、私が言ってるのは、ゲラーじゃない、ってことよ。)
ロス: What, it's gonna be Helen Willick? (何だって? ヘレン・ウィリックになるのか?)
キャロル: No, actually, um, we talked about Helen Willick-Bunch. (いいえ、実際、私たちは、ヘレン・ウィリック=バンチにしようって話したの。)
ロス: Well, wait a minute. Wha- why is she in the title? (あ、ちょっと待って。どうして、彼女(スーザン)が名前に入ってるの?)
スーザン: Because it's my baby too. (だって、私の赤ちゃんでもあるもの。)
ロス: Oh, really? Um, I don't remember you making any sperm. (あぁ、ほんとに? あー、君が精子を作ったって記憶は、僕にはないけどなぁ。)
Oh, please! の please は「どうか」というニュアンス。
スーザンの表情と口調に非難のニュアンスが感じられるので、このような場合は「やめてよ、勘弁してよ」のような感じで訳すと良いでしょう。
ヘレンは女性名ですから、生まれてくる赤ちゃんが女の子だった場合の名前の案についての会話であることが想像できます。
過去記事で、男の子ならマーロン、女の子ならミニーという案が出た時、「ミニーと言えばマウスだろ」とロスは文句を言って、自分の提案したジュリアも候補に残してよ、と言っていましたが、その続きの話をしていることがわかる仕組みですね。
また、会話の途中からシーンが始まっているような流れになっており、「ヘレンのどこがいけないの?」と言っていることから、その前にロスがヘレンという名前に異議を唱えただろうことも想像できます。
「女の子の名前がヘレンで何がいけないの?」とスーザンが言うと、ロスは「ヘレン・ゲラーだぞ」と返します。
ロスの名字はゲラーで、娘がヘレンならヘレン・ゲラーになってしまうので、偉人の伝記にもよく登場するあの「ヘレン・ケラー」みたいな名前になっちゃうじゃないか、聞いた人が「ヘレン・ケラー」っていう有名人を想像しちゃうじゃないか、とロスは言いたいのですね。
I don't think so! は「僕はそうは思わない」ということですが、それは「君らはヘレンがいいと思っているようだけど、僕はその名前は候補としていいとは思わない」という不同意を表していることになるでしょう。
It's not gonna be Helen Geller. の it は「生まれてくる赤ちゃん」を性別のわからないものとして、中性の it で表現しているとも考えられますが、今は「赤ちゃんが女性だったら」という仮定でヘレンという名前の是非について話をしているので、わざわざ中性代名詞を使う必要もないことから、「赤ちゃんの名前、フルネーム」という「今、話題になっている事柄」を it という主語で表しているのかもしれない、という気もします。
一人で興奮しているらしいロスに「ちょっと、ロス、ヘレン・ゲラーにはならないわよ」とキャロルが言うので、ロスは「ほら、キャロルはこんな風に言ってるよ」とスーザンに手で示すようなしぐさをして、助け舟を出してくれたらしいキャロルにお礼を言っています。
ところがキャロルの次の発言で、その発言はロスへの助け舟ではなかったことがわかります。
「ヘレン・ゲラーにならない」というのは「名前はヘレンにしない」からではなく「名字がゲラーじゃない」からだと言っているのですね。
驚いたロスは「ヘレン・ウィリックになるのか?」と言って、ウィリックの部分でキャロルに手を向けていますので、ウィリックがキャロルの名字であること、「僕の名字じゃないなら、キャロルの名字を取るのか?」と言っていることがわかります。
「いいえ、実際には・実は、私たち、Helen Willick-Bunch について話したの」と言っているのは、Helen Willick-Bunch って名前にしようと二人で相談したのよ、ということですね。
キャロルは Willlick で自分を指し、Bunch でスーザンを示しています。
そのしぐさから、バンチはスーザンの名字であることが視聴者にもわかる仕組みですね。
title は「タイトル、題名、表題」「肩書き、称号」などの意味がありますが、ここでは「(姓名の)名前」を「与えられた名称」のような感じでフォーマルに表現したようなニュアンスかなぁ、と思います。
title という単語の基本的な意味は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
title : NAME OF A BOOK/PAINTING ETC. the name given to a particular book, painting, movie, play etc
つまり、「ある特定の本、絵画、映画、芝居などに与えられた名前」。
ロスは、why is she in the title? というセリフで she を強めに発音しており、Netflix の英語字幕でも she の部分がイタリック体で表記されています。
ロスとしては、「キャロルと僕の子供なのに、どうして他人のスーザンが名前に入ってるの?」という気持ち、「何で”彼女が”!」という気持ちから、she を強く発音していることになるでしょう。
だって私の赤ちゃんでもあるもの、と答えたスーザンに、ロスは I don't remember you making any sperm. と返します。
ロスが言いたいことは、「女性の君には、(赤ちゃんを作るのに必要な)精子を作る(生み出す)ことはできないよね」というような内容になるでしょうが、仮に今書いたような日本語の文章を英語にすると、I don't think you can make any sperm. 「君が精子を作ることはできないと思う、君には精子を作れないと思う」みたいになるでしょうか。
このセリフでロスは、remember someone doing という形を使っており、それは「人が〜したことを覚えている」という「過去にしたことの言及」になりますので、そのニュアンスを出して訳すと、「君が精子を作ったことを僕は覚えていない」→「君が精子を作ったなんてこと、僕の記憶にはないなぁ〜」のような感じになると思います。
女性であるスーザンが「精子を作れるかどうか」という機能の話をしているというよりは、「君が過去に精子を作ったことがあるなんて記憶は僕にはない、僕の記憶では君はこれまで精子を作ったことはないはずだけど」のように表現することで、「おっかしいなぁ〜、君は精子作れたっけ? 君が精子を作ったって話、聞いたことないのに、どうして赤ちゃんができたんだろうね」みたいに言って、精子提供者であるロスが「精子提供者でもないスーザンがどうして名前に含まれるの?」ということを怒り、非難していることになるでしょう。
レズビアン、つまり女性のカップルの人に対して、精子を作れる作れないの話をすること自体、問題発言だと思われますが、ロスの言い方が「作れるの?」ではなく、「あれぇ〜、君、作れたんだっけー? 僕の記憶にはないなぁ〜」みたいな言い回しになっているところが、余計に癇に障る感じもします。
それでキャロルも「あぁ、もう、なんてこと言うの」というあきれた顔をしているのでしょうね。
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<今回の"Helen Geller"について>
ゲラーという読み方が気になって調べてみました。
奇跡の人はヘレンケラーは"Helen Adams Keller"というスペルなので違うようです。
その代わり女優さんで"Helen Geller"さんという方が見つかりました。
年配な方のようなのでフレンズの放送時に有名でもおかしくありません。
そちらの方のことを指していつのではないかなと思いましたがいかがでしょうか?
文法についての質問ではなく、お話自体にも影響があることはなないので恐縮ですが気になってしまっているのでどうかお時間のある時にご返信いただけたら嬉しいです。よろしくお願い致します。
はじめまして。コメントありがとうございます。
私の解説についてそのようにお褒めいただき、大変光栄です。こちらこそありがとうございます!
ご質問の Helen Geller について。
ロスという男性の名前がロス・ゲラー(Ross Geller)なので、娘の名前がヘレンだったら、Hellen Geller になっちゃうだろ、という話ですね。
その場合、奇跡の人のヘレン・ケラーと全く同じ名前ではないものの、似た音であることから誰もがヘレン・ケラーを想像してしまうし、「似ているけどちょっと違う」ような「有名人の名前をもじった名前」を付けてしまうと、日本でものまね芸人の方がご本人に似た名前を付けたりするのと同じで、どうしてもご本人よりチープな感じが出てしまう、という懸念から、「そんな有名人に似た名前になるのは避けたい」という流れだと思います。
ここでロスがイメージしているのはやはり、奇跡の人のヘレン・ケラーだと考えるのが自然だと思いました。
ご返信ありがとうございました!
なるほど!
ロスのfamily nameがGellerでしたね!!
納得!スッキリ!!
質問してよかったです
ありがとうございました(^^)
こんにちは。
こちらこそ、ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。
スッキリしていただけたとのこと、よかったです(^^)