2017年03月27日

医者が使う親身のwe フレンズ1-2改その33

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20:34
オーバーマン先生: (ENTERING) Knock, knock! How are we today? Any nausea? ([入ってきて] ノック、ノック! 今日の具合はどうかしら? 吐き気はある?)
ロス: A little. (ちょっと。)
スーザン: Just a little. (ちょっとだけ。)
オーバーマン先生: Well, I was just wondering about the mother-to-be, but.. thanks for sharing. (TO CAROL) Uh, lie back. (私はただ、妊婦さんについて(吐き気は)どうかなと思っただけなんだけど、でも…(気分を)(妊婦さんと)分かち合ってくれてありがとう。[キャロルに] 横になって。)
ロス: You- uh- y'know what, I'm gonna go. I don't- I don't think I can be involved in this particular family.... (HE TURNS TO GO, BUT THE SOUND OF THE SONOGRAM CATCHES HIS EAR; HE RETURNS AND STARES AT IT, TRANSFIXED) (ねぇ、僕は行くよ。僕はこんな特殊な家族のことにかかわれそうにないよ…。 [彼は出て行こうと向きを変えるが、超音波診断の音が彼の耳をとらえる。ロスは戻ってきて、超音波診断映像を見つめ、釘付けになる。])
ロス: Oh, my God! (あぁ、すごい!)
スーザン: Look at that! (あれを見て!)
キャロル: I know! (そうね!)

部屋を訪れた担当医は、ドアをたたく代わりに、自分の口で、Knock, knock! と言っています。
日本語で言うと「コンコン」と口で言う感じですね。
How are we today? のように、主語に we が使われていますが、これは「親身の we (the paternal "we")」と呼ばれるもの。
「親身の we」とは、相手に同情的な気持ちを示すために、you の代わりに用いる we のことです。医療関係者が患者に対して、また親が子供に、先生が生徒に対して用いることが多いです。
この場合は、we と言っていても、この言葉を発した本人のことは含まれていません。
you の代わりに we を使うことで、話者である I をその中に含めて一体感を出し、相手の立場に立って親身になっていることを表す用法となります。
Macmillan Dictionary では、
we : SPOKEN sometimes used instead of "you," especially when a doctor or nurse is speaking to someone who is sick or when a teacher is speaking to children
つまり、「(話し言葉) 時々 you の代わりに使われる、特に医者や看護師が病気の人に話しかける時に、または先生が子供に話しかける時に(使われる)」。

nausea は「吐き気」という不可算名詞で、feel nausea なら「吐き気がする、吐き気を催す」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、formal と書かれていますので、お医者さんが吐き気を尋ねているこの状況にも合っている単語だと言えるでしょう。
ロスとスーザンが口々に「ちょっと(吐き気がします)」のように答えるので、先生は「私は妊婦のキャロルに尋ねたんだけど」のように言っています。

a mother-to-be は「将来、母親となる人」ということで、つまりは妊婦さん。
a bride-to-be 「もうすぐ花嫁になる人」という表現もあります。
「妊婦さんたち」という複数にする場合は、mothers-to-be のように、mother に -s がついた複数形になります。

ロスとスーザンは子供の名前のことでモメていて、二人とも気分が悪い、それで「気分はどう? 吐き気ある?」と聞かれて「少しある」と答えたわけですが、喧嘩していることなど知らないお医者さんは、「妊婦さんの気持ちや気分を一緒にいる人たちで分け合ってくれているのは、ありがたいことだわ」のように言ったわけですね。

お医者さんは「親身の we」を使ったと先に説明しましたが、これが How are you today? であっても、you は単数も複数も指すことが可能ですから、その質問にロスやスーザンが答えても、さほど違和感はないだろうとは思います。
ただそれが今回、we が使われていたことで、言葉としては「ここにいるみんな」の気分を尋ねている形と捉えることも可能ですね。
まずは単数をイメージする you よりも、明らかに複数形である we を使っていることで、「キャロルに尋ねたのに、ロスとスーザンが答えている」という面白さがより引き立つようになっている気がしました。
医者がよく使う親身の we だけれども、その質問に「複数の相手」が反応したという楽しさなのかなぁ、と。

妊婦さんが陣痛で痛がっている時などに、付添の人までもが痛みを感じる現象のことを、sympathy pain という言葉で表現することがあります。
sympathy は「同情、共感」ですから、sympathy pain は「(妊婦の苦しみを)共感することによる痛み」のような意味ですね。
今回の場合は「陣痛」ではなく「気分の悪さ、吐き気」ですが、お医者さんが言っているのは、そういう「共感」の感覚だろうと思います。

キャロルが診察を受けることになり、ロスは「こんな特殊な家族のことに、僕はかかわれないよ」と言って部屋を出て行こうとするのですが、ある音が聞こえてきたので、ロスは戻ってきて、超音波診断(ソノグラム)の画面を食い入るように見ています。
この音は、妊婦検診で毎回行われる、赤ちゃんの心音検査の音ですね。
「このお腹の中に、命が存在しているんだ」と実感できる、妊婦さんには忘れられない音だと思いますし、ロスが怒っているのも忘れたかのように釘付けになってしまうのも無理はないでしょう。
その前からスーザンはキャロルの手を握っていたのですが、ロスもそこに手を重ね、画面を幸せそうな顔で見ている三人と、その超音波診断映像が映ったところでエンドクレジットとなります。


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posted by Rach at 16:11| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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