2017年04月07日

打撃に対するクッションになる フレンズ1-3改その3

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レイチェル: And everybody knows this? (それで、みんなはこのこと[デート言葉の本音・真の意味]を知ってるの?)
ジョーイ: Oh, yeah. Cushions the blow. (あぁ、そうだよ。打撃をやわらげる[打撃に対してクッションになる]んだ。)
チャンドラー: Yeah, it's like when you're a kid, and your parents put your dog to sleep, and they tell you it went off to live on some farm. (そうだよ。子供の頃、親は子供の飼い犬を安楽死させると、子供にはその犬はどこかの農場で暮らすために去った[家を出た]って言うだろ、そんな感じだよ。)
ロス: That's funny, that, no, because, uh, our parents actually did, uh, send our dog off to live on a farm. (それって面白いよね。いや、だって、僕の両親は農場で暮らせるようにと僕たちの犬を(嘘じゃなくて)実際に(本当に)送ったんだ。)
モニカ: Uh, Ross…? (あー、ロス…?)
ロス: What? Wh- hello? The Milners' farm in Connecticut? The Milners, they had this unbelievable farm. They had horses and, and rabbits that he could chase and it was- it w- .... (何? もしもし? コネチカット州のミルナーさんの農場だろ? ミルナーさんは、信じられないような素晴らしい農場を持ってたんだ、馬やウサギを飼ってて、僕たちの犬は(それを)追いかけることができて、それって…)
フレンズたちが、ロスを憐れむような顔で見る。
ロス: Oh, my God! Chi-Chi! (なんてこった! チーチー!)
(INTRO)
オープニング。

デートで言われた言葉の本当の意味・本音はこうだ、と説明されたレイチェルは、「みんなはこのことを知ってるの? 知らなかったのは私だけ?」のように尋ねています。
ジョーイはそれを肯定して、Cushions the blow. と続けます。
cushion はご存知「クッション」ですが、ここでは動詞として使われています。
名詞の複数形 cushions だと捉えると、その後に、the のついた名詞である the blow が続いてしまうので、名詞+名詞の「クッション、打撃」となり、文法的におかしくなってしまいますね。
この場合は、主語の It または That が省略されていると考えたらよいでしょう。

動詞の cushion は、やはり名詞のクッションのニュアンスが生きていて、「〜のクッション代わりとなる、クッションの役目を果たす」「衝撃などをやわらげる(和らげる)」という意味になります。
日本語で表すと、「クッションする」のようにクッションを動詞で使ったような感覚ですが、「〜のクッションになる」とすれば、日本語でも通じる訳になりそうですね。

ブローは、ボディブローという言葉もあるように、「強打、一撃」という意味。
ですから、cushion the blow は「ブローに対するクッションの役目を果たす」「強打の衝撃をやわらげる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cushion [verb] [transitive] : to reduce the effects of something bad
cushion the blow/impact (of something)

つまり、「何か悪いものの影響を減らすこと」。

上のロングマンにも、cushion the blow という言葉が出ているように、この組み合わせはお決まりフレーズということですね。
「ブローに対するクッション」という言葉でこのセリフはイメージできますが、ただ cushion と blow という単語をでまかせに並べているのではなく、ここでは主語が省略されているけれども、the blow を目的語にとって、cushion という「他動詞」を使っているのだと認識することが、英語の構造を理解することにつながると私は思っています。

it's like when you're a kid, and your parents... は「子供の頃、親が〜するような時みたいなもんだ」という感覚。
この you は、語りかけている相手のレイチェルを指しているのではなく、「一般の人」を指していると理解すればよいでしょう。
「みんな、子供の頃にこういう経験あるだろ?」のような一般論を述べている感覚ですね。

put your dog to sleep は「犬を安楽死させる」。
put something to sleep で「病気の、または死期が近い動物を、薬などを使って安楽死させる」という意味になります。
LAAD では、
put something to sleep : to give drugs to a sick animal so that it dies without too much pain
つまり、「病気の動物に薬を投与して、ひどい痛みなしに[ひどい苦痛を感じることなく]その動物が死ぬようにすること」。

ペットを安楽死させても、その真実を告げずに、遠くの農場で静かに余生を過ごしてるんだよ、って親は説明するだろ、それと同じことだよ、とチャンドラーは言っていることになります。
actually は「実際に、本当に」。
「どの親もそういうことを言うだろ」と説明したチャンドラーに対して、「面白いことに、僕の親は、嘘じゃなくて本当にペットを農場に送ったんだよね」とロスは楽しそうに語ります。
モニカは何か言いたそうに、「ロス、、」と言うのですが、ロスはさらに話を続けています。

The Milners という The+名字の複数形は、「(名字)一家」というニュアンス。
ですからここでは「ミルナーさん一家」のような感じですね。
その農場には馬やウサギがいるから、犬はそれを追いかけたりして楽しい毎日を送るんだよ、、と説明するのですが、みんなが、ロスをかわいそうにと憐れむような顔で見るので、ついにはロスも「犬を農場に送った、というのは嘘だった」→「自分の犬は安楽死させられた」という事実を知るわけですね。
「ミルナーさんの農場で元気に暮らしてるから」というのが、まさに cushion the blow だったことに、この年になって気づいた、というオチになります。
Chi-Chi は大文字で始まっているので、固有名詞、つまり、これがその飼い犬の名前。
わざわざ our dog 「僕たちの(飼っていた)犬」のように言わなくても、Oh, my God! Chi-Chi! というセリフとロスの表情で、犬の名前を言っていることがわかる、という仕組みですね。


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posted by Rach at 17:45| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

1-3のオープニング前のやり取りは好きですね。

レイチェル一人が "dating" languageを知らなかったり(皆最初のフィービーの発言に乗ってちょっぴりレイチェルをかついでいるような気もします。(^^;))とかロス一人が愛犬に対するCushions the blowを認識していなくて周りが憐れみの視線を投げかけるとかで、なんとなく前2回のエピソードと雰囲気が変わったように感じさせられました。見ていてほっこりするような。

では。
Posted by aki-kiyo at 2017年04月08日 19:27
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

今回の 1-3 のオープニング前は見ていて微笑ましいですよね。確かに、前の2回とは雰囲気が違う気がします。
そんなの知らないと言っているレイチェルに、あれもこれも、、といろんな事例を繰り出してくるのは、「皆がちょっぴりレイチェルをかついでいる」感じがしますよね。レイチェルやロスをばかにしたように責めることもありませんし、このほっこり感がこれからの「フレンズっぽさ」にうまく繋がっていくんだろうと思えます。
長期シリーズを見ていて、改めて最初に戻ると、いろいろな発見があって面白いですよね(^^)
Posted by Rach at 2017年04月11日 15:39
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