2017年04月11日

ただ自分のセルに戻りたい フレンズ1-3改その4

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2:12
SCENE 1: CHANDLER AND JOEY'S APARTMENT. (JOEY IS REHEARSING A PART; CHANDLER READS THE OTHER PART FROM A SCRIPT)
シーン1:チャンドラーとジョーイのアパートメント(ジョーイは役のリハーサルをしている。チャンドラーは脚本(スクリプト)の別の役(のセリフ)を読む。)
チャンドラー: "So how does it feel knowing you're about to die?" (”それで、自分が死のうとしているのがわかっているのはどんな感じだ?”)
ジョーイ: "Warden, in five minutes my pain will be over. But you'll have to live with the knowledge that you sent an honest man to die." (”看守さん、あと5分で俺の苦しみは終わる。でもあんたは、自分が公正な人間を死に送ったことを知りながら、生きていかなくちゃならないんだ。”)
チャンドラー: Hey, that was really good! (おぉ、今のはすっごく良かったよ!)
ジョーイ: Thanks! Let's keep going. (ありがと! 続けよう。)
チャンドラー: Okay. "So. What do you want from me, Dimon? Huh?" (わかった。”それで何か望みはあるか、ディモーン。どうだ?”)
ジョーイ: I just wanna go back to my cell. 'Cause in my cell I can smoke. (”俺はただ、自分の独房に戻りたい。それは自分の独房ならタバコが吸えるからだ。”)

シーンの最初に、チャンドラーとジョーイの部屋の壁に掛けてある、白黒のポスターが映し出されますね。
このポスターについては、IMDb(Internet Movie Database)で、このエピソードの Connections 「関連」として、以下のように説明されていました。
Grand Jury Secrets (1939)
poster of this movie is on one of Chandler and Joey's walls

つまり、「チャンドラーとジョーイの壁の一つに、この映画(1939年の Grand Jury Secrets)のポスターがある」ということですね。
grand jury は「大陪審」なので、日本語にすると「大陪審の秘密」のような感じでしょうか。

ジョーイは俳優なので、このシーンではチャンドラーを相手にお芝居の練習をしているらしいことがわかります。
通常のセリフと区別するため、お芝居の練習をしている部分には英語字幕に引用符が付いています。
how does it feel knowing... は、it = knowing... で、…を知っていることはどんな感じがするか? を尋ねている感覚になるでしょう。
be about to は「まさに〜しようとしている」なので、自分がまさに(これから)死のうとしていることを知っている、っていうのはどんな感じなんだ?」という質問ですね。

warden は「刑務所長、刑務所の看守」。
「自分が死ぬとわかっている気分はどうだ?」と言われ、「看守さん」と返したやりとりから、ジョーイの役は死刑囚なのだろうということもわかります。

in five minutes my pain will be over. は「あと5分で、俺の苦しみ・痛みは終わる」。
be over は「終わる」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over [adjective] [not before noun] : if an event or period of time is over, it has finished
例)Is the game over yet?

つまり、「(名詞の前には用いない) あるイベントや期間が is over というのは、それが終わってしまった、ということ」。例文は「もうその試合は終わった?」

日本語でも「ゲーム・オーバー」という表現がありますし、また、欧陽菲菲さんの「ラヴ・イズ・オーヴァー」という1980年代のヒット曲もあり、その曲はカヴァーもたくさんされていますので、over が「終わり」の意味だとご存じの方も多いだろうと思います。
「死にゆく気分はどうだ?」と聞かれて、「5分で俺の苦しみは終わる」と言っていることから、もうすぐ自分は死刑執行されると言っていることがわかります。

knowledge は「知識、知っていること」で、knowledge that SV は「 SV ということを知っていること」になります。
ですから、with the knowledge that SV は「 SV ということを知っている状態で」「 SV ということを知りながら」という感覚ですね。

sent an honest man to die の send someone to do は「人を〜するために送る、行かせる」という意味。
honest は「正直な、公正な」なので、いわば「罪を犯していない無実の人間を死に送る」と言っていることになるでしょう。
an honest man... to die. のように、ちょっと間をあけてタメを入れているのが、セリフっぽい感じですね。
チャンドラーは素に戻って、「今のはすっごく良かった!」と嬉しそうな顔をするので、ジョーイも喜び、さらにこれを続けようと言います。

What do you want from me? を直訳すると、「俺から何が欲しい?」のような感覚ですね。
つまりは「俺に何かして欲しいことがあるか?」ということですが、want はこのように、want something from someone の形を取ることができ、LAAD にも、
want something from/of somebody
例) What exactly do you want from me?

と出ています。

望みを聞かれて、ジョーイ演じる囚人は、「俺はただ、自分の独房に戻りたい」と言います。
ここでの cell は「独房」ですが、cell には他にも「細胞」という意味もありますね。
研究社 新英和中辞典では、cell の語義説明として、まずは大きく「小室」とした上で、その中に「個室、独房、細胞」などの意味を挙げています。
いずれにも「区切られた小さな部屋」という感覚が感じられますよね。

現代において cell と言うと、携帯電話の意味でよく使われますね。
a cell, a cell phone, a cellular phone はどれも携帯電話という意味になります。
セルラーフォン(cellular phone)という呼び名が短縮されて、今では a cell だけで通じるようになっていますが、セルラーという用語については、以下のサイトの説明がわかりやすいと思います。
KDDI株式会社>用語集>モバイル>セルラー:セルラーの概要
その概要では「区画ごとにエリアを分割」と説明されています。
エリアを分割した区画の概念は、確かに細胞などの「小室」の感覚に通じますね。

ちなみにイギリスでは a cell ではなく、もっぱら a mobile (phone) が使われます。
フレンズのずっと後のエピソードになりますが、cell ではなく、mobile という単語を使うことで、自分がイギリス帰りであることをアピールする人が出てきます。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になるのですが、そのキャラもわざとアメリカ風ではなくイギリス風に発音していて、イギリスアピールをさらに強調していました。

「ただ自分の独房に行きたい」と言った後、「なぜなら俺の独房では、俺はタバコを吸えるからだ」と言っています。
ここではタバコを吸ってはいけないから、自分の独房に戻って最後のタバコを吸わせて欲しい、と言っていることになりますね。


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posted by Rach at 15:13| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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