2017年04月26日

引用符ジェスチャーをする フレンズ1-3改その9

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は9位、「にほんブログ村」は10位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


4:45
(ENTER PHOEBE, MUTTERING. SHE SITS DOWN WITHOUT SAYING HI)
ぶつぶつ言いながら、フィービー登場。挨拶もせずに座る。
ジョーイ: You okay, Phoebe? (大丈夫、フィービー?)
フィービー: Yeah, no, I'm... just… It's not even worth it-- It's my bank. (えぇ、いいえ、私はただ… 話すほどでもない… (原因は・問題は)銀行のことなのよ。)
モニカ: What did they do to you? (銀行(の人たち)があなたに何をしたの?)
フィービー: It's not, it's just- Okay. I'm going through my mail, and I open up their monthly, you know, "statement." (違うの、ただ… いいわ(今から言うわ)。私は手紙をチェックしてる。そして、封を開けるの、その銀行の、毎月の、ほら、”明細書”をね!)
ロス: Easy! (落ち着いて!)
フィービー: And there's five hundred extra dollars in my account. (そして、私の口座に余分な 500ドルがあったのよ[余分に 500ドルが入ってたの]。)

セントラルパークに入ってきたフィービーは、みんなに挨拶もせず、何か気になることがある様子で一人でぶつぶつ言っています。
ト書きの muttering の mutter が「ぶつぶつ言う、つぶやく」という意味です。
It's not even worth it の worth it は「それだけの価値がある」という意味で、not even という否定語がついているので「それほどの価値すらない」、つまり、「みんなに言うほどでもない、語るほどでもないことなの」のように言いかけたことになるでしょう。
が、そのように言いかけておいて、急に大きな声で、It's my bank. と言います。

It's my bank. の It's は、このエピソードの最初の方、いつから?って、ずっとだよ フレンズ1-3改その2 に出てきた、"It's not you," means, "It IS you." (「君のせいじゃない」のほんとの意味は「お前のせいだ」。)の It's の感覚と同じです。
焦点となっているのは、今、私が注意を払っているのは、気になっているのは、すべての原因は、bank なの、というところで、日本語ではあえて it を訳さずに「銀行なの。銀行のことなの」と訳せば良いでしょう。

フィービーは少し前の出来事について語っていますが、セリフでは現在形、現在進行形が使われています。
このように、過去の出来事を説明するのに現在形を使うことで、その時の様子を臨場感を持って語ることができます。
日本語でも「私は手紙をチェックしてる。そしてある手紙を開ける。すると、、、」のように現在形で表現し、ドラマ仕立てのように臨場感を出してストーリーを語ることがありますので、そのニュアンスは同じですね。

go through は「通り抜ける」「体験する、経験する」という意味でよく使われますが、この場合は、複数あるものをひとつひとつチェックしていく、見ていく感覚。
mail は複数形になっていませんが、mail という単語は集合的に「郵便物」を表し、不可算名詞になります。
ですから、自分に来た郵便物の束をチェックしている時、その中に statement があった、というニュアンスですね。
ちなみに、mail から派生した e-mail という単語も、もともとは元の単語にあわせて不可算だったようですが、現在では、got an e-mail という風に可算名詞として使うこともあります。

フィービーは、statement と言う時に、両手の指をチョキにして関節でちょっと曲げています。
今回のフィービーのしぐさは一瞬で、一般的なこのしぐさに比べて、ちょっとわかりにくい感じになっていますが、これは引用符を意味するしぐさです。
両手の指を2本立てて曲げた形が、” ” = double quotation marks と似ているからですね。
DVD英語字幕では、"statement" と引用符でくくって書かれていますが、それをジェスチャーで表すとこうなるという感じです。
使い方としては、「いわゆる(いわば)〇〇ってやつ」というニュアンスをつけて、言葉を強調する役目があります。
自分以外の人が使った言葉について使う時は、「そいつの言ってる〇〇って言葉」とちょっと皮肉を込めて引用している感じにもなります。
その場合は、本当はそうじゃないのに、そいつがそう言い張っている、みたいな非難が込められているニュアンスですね。

state は「述べる、言う、明言する」という動詞であることから、その名詞形の statement は「述べること」「声明」という意味になり、またビジネスにおいては「計算書、明細書」という意味になります。
今フィービーは、銀行の話をしていて、their monthly statement と言っているので、つまり、銀行から毎月送られてくる「銀行取引明細書、銀行口座計算書」のようなものを言っていることになるでしょう。
郵便の中に銀行明細書があった、というだけのことなのに、それを「郵便をチェックしてて、私は開封したのよ、ほら、”明細書”を!」のように、普段ならそんなに強調するような言葉でもない statement を強く発音し、また、クワッと目をむいて(笑) statement という単語を発しているその表情からも、フィービーがいかに興奮しているか、そしてその明細書がフィービーの動揺の原因であることがわかります。

easy は「簡単な、容易な、やさしい」で覚えることが多いですが、ここでは「気楽な、楽な」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
easy : relaxed, comfortable, and not nervous or worried (OPP: uneasy)
つまり、「リラックスして、快適で、神経質になったり心配したりしないこと」。

ですから、ロスの Easy! は、興奮して、nervous, worried 状態になっているフィービーに対して、「リラックスして、落ち着いて」と言っていることになります。
account は「口座」、つまり、a bank account 「銀行口座」のこと。
extra は「余分の」ですから、本来あるはずのない500ドルが私の口座に入っていたのよ、ということですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 19:03| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
go throughは便利そうな表現ですね。勉強になりました&ランキングクリックさせていただきました!
Posted by 英文校正 at 2017年04月28日 13:51
英文校正さんへ
勉強になりましたと言っていただけて光栄です。またランキングクリックもありがとうございます!
Posted by Rach at 2017年04月29日 13:15
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。