2017年05月02日

来世への巨大な借りになる フレンズ1-3改その11

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5:27
フィービー: Okay. Okay. Let's say I bought a really great pair of shoes. Do you know what I'd hear with every step I took? "Not mine. Not mine. Not mine." And even if I was happy, okay, and, and skipping, I'd hear, "Not-not mine. Not-not mine. Not-not mine. Not-not mine." (いいわ、いいわ。じゃあ私が本当に素敵な靴を買ったとしましょう。私がステップを踏むたびに何て聞こえる(だろう)か知ってる? ”ノッ・マイン、ノッ・マイン、ノッ・マイン[私のじゃない]” そしてもし私が幸せだったとしても、ほら、そしてスキップしてたとしても、私にはこんな風に聞こえるでしょうね、”ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン”)
モニカ: We're with you. We got it. (同感よ。わかったわ。)
(CHANDLER LEANS OVER THE BACK OF THE COUCH, OUT OF SIGHT)
チャンドラーはカウチの背面に身を乗り出して、みんなから見えない状態。
フィービー: Okay. I'd- just- I'd never be able to enjoy it. It would be like this giant karmic debt. (いいわ、私はただ、それを楽しむことができないでしょうね。巨大なカルマの借金(来世への巨大な借り)みたいになっちゃうわ。)

Let's say SV. は、文(SV)と言いましょう、ということですから、「例えば・仮に(文)としてみましょう」という感覚。
「知らぬ間に自分の口座に入っていたお金を使っちゃえば、それはショッピングになるわ」とレイチェルが言ったことを受けて、「じゃあ(レイチェルが言うように、そのお金で)本当に素敵な靴を1足買ったとしましょうよ」ということですね。
Do you know what I'd hear with every step I took? を前からまとまりごとに細切れにイメージすると、「知ってる? 私に何が聞こえる(だろう)かを、ステップごとに、私が take する(ステップ)」みたいな感じです。
意味するところは、「私が一歩進むたびに、私には何が聞こえるか知ってる(わかる)?」ということですが、最後の I took までを聞いてから日本語をイメージしていたのでは音の速さについていけませんから、区切りごとにこまめにイメージしていくようにしましょう。
I'd hear は、I would hear ということで、フィービーとしてはこのお金でそういう靴を買うつもりはないけれど、もし仮に買ったとしたら、という仮定法過去の bought を受ける形で、「もしそういう靴を買ったら、私にはこんなことが聞こえるだろう」という意味で would を使っていることになります。

「ステップ踏むたびに、こんな風に聞こえるわ」という、その音の描写が面白いですね。
not mine は、「私のものじゃない」ということですが、それを、「ノッ・マイン」とステップに合わせるようにリズミカルに発音しているのに笑えます。
歩くたびに、「私のお金で買ったものじゃないから、この靴は私のものじゃない」という音が聞こえてきそう、とフィービーは思っているわけですね。
とりあえずそこで終わっても「歩くたびにこう聞こえてくる」という面白さは出るわけですが、さらにダメ押しのような続きがあるところが、フレンズぽい面白さとなっています。
even if I was happy は、「例え私が幸せ・ハッピーだったとしても」。
これも「靴を買うことをフィービーは想定していない」ので、「靴を買った時に例えハッピーだったとしても」も仮定法過去が使われていることになります。
私がハッピーで、その時、スキップしていたとしても、私にはこんな風に聞こえちゃうわ、とフィービーは言い、その音を not-not mine と表現します。
普通に歩くのと違い、スキップになると独特のリズムが出ますが、聞こえてくる音もスキップバージョンの not-not mine になる、と言いたいのですね。

楽しそうにスキップしてても、そんな風に聞こえてくるわ、とまで言うフィービーに、モニカは、もうそれ以上言わなくてもいいわ、わかったから、という感じで手を伸ばし、We're with you. We got it. と言います。
We're with you. は「あなたに同意するわ。同感よ」という意味。
be with you は「あなたと一緒にいる」ということですが、「あなたの側にいる」という意味であることから、「〜に同意する、同感だ、賛成だ、あなたと同意見である」という意味になります。
「同意する」という場合には agree with you も使えますが、agree という動詞ではなく、be with だけでもそのニュアンスは出せるということですね。
We got it. は「わかった、理解した」。
この場合の get は understand の意味になります。

この時のチャンドラーはト書きにあるように、みんなから見えない角度でソファの向こう側で何かをしている様子ですが、フィービーはそれに気に留めることなく話を続けています。
I'd never be able to enjoy it. の I'd もまた、I would で、「もしそのお金で何かを買ったとしても、スキップするたびにそんな音が聞こえてくるような状態になるだろうから、私にはそれを楽しむことなんかできないでしょうね」と言っていることになります。

karmic は、名詞 karma の形容詞形。名詞の karma は、仏教やヒンズー教の言葉で「カルマ、業(ごう)、因縁、宿命」という意味で、「現世での行動が来世に影響を与える」という考え方のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
karma [noun] [uncountable] :
1. according to the Hindu and Buddhist religions, the force that is produced by the things you do in your life and that will influence you in the future or in future lives.
2. (informal) luck resulting from your actions (SYN: fate)

つまり、1. は「ヒンズー教または仏教によると、自分の人生において自分がすることによって生み出され、未来または来世において自分に影響を与えることになる力」。
2. は「(インフォーマル)自分の行動によって生じる運・運命。類義語は fate 」。

1. の語義は、the force that is... and that will... という形になっており、karma というのは、関係代名詞 that 以下で詳しく説明されているところの the force 「力」になります。
the force that... 以下が大変長いですが、その部分は SV という文の形にはなっておらず、the force (that...) のように、名詞を修飾する関係代名詞の that 以下が大変長くなっている形だということですね。
ですからシンプルにすると、「カルマというのは(ヒンズー教・仏教によると)〜という力である」と説明してあることになります。
元々はそのように宗教用語なのですが「自らの行動に起因する運」のような意味で、fate と似た感覚で日常的にも使われるのですね。

debt は「借金」。b の部分は発音せず「デット」のような音になります。
つまり、karmic debt は「カルマの借金、カルマ的な借金」ということで、貰ういわれのない大金を手にして幸せになることで、来世では、そのプラス分をチャラにするほどの不幸な出来事が起こってしまう、来世の運を現世で使いつくしてしまって、来世では不幸のどん底に落ちてしまう、来世でバチが当たる、というニュアンスで使っているようです。
フィービーは、フレンズ1-1 で、ロスのどんよりオーラを浄化しようとしていたこともありましたので、このような「来世への借りになる」という輪廻転生的な発言も、その流れを汲んでいるものと言えるでしょう。


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posted by Rach at 13:51| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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