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SCENE 3: IRIDIUM (MONICA AND PAULA ARE AT WORK)
シーン3:イリジウム(モニカが働いているレストラン)(モニカとポーラが仕事中)
モニカ: Why should I let them meet him? I mean, I bring a guy home and within five minutes they're all over him. They're like... coyotes picking off the weak members of the herd. (どうして彼ら(フレンズたち)に(今、付き合っている)彼を会わせなきゃいけないの? ほら、私が男性を家に連れてくると、5分以内にみんなは彼に殺到するのよ。彼らはまるで…群れの中の弱いメンバーを狙い撃ちするコヨーテみたいなの。)
ポーラ: Listen, as someone who's seen more than her share of bad beef, I'll tell you, that is not such a terrible thing. Come on. They're your friends, they're just looking out after you. (ねぇ、自分に与えられた取り分以上に、悪い牛肉(悪い男 かつ 腐肉)を掴んできた[と付き合ってきた]人間として言うけど、モニカが言ったようなことは、それほどひどいことじゃないわ。ほら、彼らはあなたの友達なのよ。ただあなたを心配してるだけよ。)
モニカ: I just wish that once, I'd bring a guy home that they actually liked. (私はただ願うわ、一度でいいから、彼らが本当に気に入る人を家に連れてきたい、って。)
ポーラ: Well, you do realize the odds of that happening are a little slimmer if they never get to meet the guy. (そうねぇ、もしあなたの友達がその男性(モニカのデート相手)に会うことにならなければ、その男性を気に入る確率がまたさらにわずかになってしまうってこと、あなたにはよくわかるでしょ?)
イリジウムというレストランでシェフとして働いているモニカは、同僚のポーラと話しています。
within five minutes は「5分以内に、5分と経たないうちに」。
be all over... は「…に一斉に(ワッと)殺到する」というようなニュアンス。
「…に覆いかぶさる」のようなニュアンスで考えるとわかりやすいでしょう。
They're like... は「彼らはまるで…のようだ」。
coyote は動物の「コヨーテ」のことですが、英語での発音は「カィオゥティ」という感じなので、その発音を知らないとコヨーテのことだとは気づけないかもしれません。
このように「自分の思っていた音と違う単語」というのは、会話中に音を聞いただけでは「???」となってしまい、「さっきの単語、何だったんだろう、、」で終わってしまうことも多いです。
DVD学習法では、コヨーテと日本語訳もされているし、英語字幕で coyote という文字で確認することもできるので(カタカナ読みだとコヨテになるのでコヨーテだと気づける可能性大)、そこが「日本語の意味と英語の文字を確認できる」DVD学習法の強みと言えるでしょう。
coyotes picking off the weak members of the herd は「群れから弱いメンバーを pick off するコヨーテたち」。
pick off の基本語義は「選び取る、摘み取る」ということで、そこから「狙い撃ちする」という意味にもなります。
pick off=選ぶ+分離、ということですから「多くあるものの中から、何かを選んで分離させる」ニュアンスで理解すると良いでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pick somebody/something off : to shoot people or animals that are some distance away one at a time, by taking careful aim
例)One by one, the gunman picked off the soldiers below.
つまり、「一度に一つずつ、狙いを定めて、離れたところにいる人または動物を撃つこと」。例文は「一人ずつ、そのガンマンは下にいる兵士を狙い撃ちにした」。
彼氏を家に連れてくるとまたたくまに友達が彼に殺到する様子を、「群れの中の弱い動物を狙うコヨーテみたい」と形容していることになります。
次のポーラのセリフの As someone who..., I'll tell you は、「…する人間として、今から(以下のことを)言うよ」という感覚。
そして、her share of bad beef の部分については、ネットスクリプトでは、her fair share となっているのですが、DVD英語字幕や Netflix では、her share だけで fair はありません。
音声を聞いてみると、her share と言っていて、やはり fair は発音されていませんでした。
ですが、ネットスクリプトを書き起こした方が感じた通り、このセリフには、her fair share のニュアンスがあるように私は思っています。
fair share は決まり文句で、英辞郎には、
fair share=公正な取り分、正当な分け前
と出ています。
研究社 新英和中辞典では、share の項目に、
get a fair share=正当な[当然の]分け前をもらう
という例も出ています。
LAAD では、fair [adjective] の項目の 5 番目に、以下のフレーズが出ています。
5. have had more than your fair share of something :
to have had more of something, especially something bad, than seems reasonable or fair
例) Tim's had more than his fair share of bad luck this year.
つまり、「何かを、特に何か悪いものを、正当(妥当)、公平に思われるよりもいっそう多く持ってしまうこと」。
例文は、「ティムは今年、不公平だと思われるほどの不運を持ってしまった」。
そのフレーズを直訳すると、「何かの正当な分け前以上のものを持ってしまった」ということなので、特に something が悪いものの場合だと、「本来課せられるべき以上の悪いことをあてがわれてしまった、普通の人が持つべき一人分以上のものを持ってしまった」というような感覚になるのだろうと思います。
ロングマンの例文も、his fair share of bad luck のように bad が使われていますし、ポーラのセリフの言い回しはよく使われる表現だということになるでしょう。
fair share というフレーズは、フェア・シェアが「ェア」の音で韻を踏んでいるのもポイントなのだろうと思います。
have had のように常に「完了形」で使われるようですが、それは「今に至るまでのこれまでの人生でそういうものを持った、与えられてしまった」という「経験」のニュアンスになるのでしょう。
ポーラのセリフは、has seen more than her share of bad beef ですから、ロングマンに出ているフレーズ have had more than your fair share of something と比較すると、had が seen となり、「何か悪いもの(something bad)」は、bad beef になります。
ちょうどその前のセリフで、フレンズたちを「群れの弱いものを狙い撃ちするコヨーテ」に例えているので、その流れから「コヨーテに狙われるようなもの」として、bad beef と表現していることになりますね。
この bad beef という表現に関して、非公開コメントで「コヨーテは腐肉をあさることで知られている」「bad beef は「傷んだ牛肉」すなわちコヨーテの好物」というご意見をいただいたことがありました。
群れの中の弱者ということなら、群れの中の「動物」を表す言葉(例えば、cow=牛など)でも良いのでしょうが、cow ではなく beef 「牛肉」という単語をわざわざ使っているのは、確かに「コヨーテの好物、食べ物」としての「食肉」のニュアンスが入っているような気がします。
bad beef は文字通り「悪い肉」であり「腐った肉」というコヨーテの好物を想像させると同時に、「フレンズたちに狙い撃ちにされるような男」という意味も込められているはずなので、「フレンズたちが欠点をあげつらって攻撃するような欠点の多い男、ダメな男」という意味としての bad でもあるでしょう。
see は「見る」ですが、I'm seeing someone. 「私は誰かと付き合っている」のように、「付き合う、交際する」という意味もあるので、「一人の人間にとって正当な取り分だと思える以上に、ひどい男をたくさん見てきた、ダメな男とたくさん付き合ってきた」というニュアンスが出るように思います。
who's 以下が、someone を説明する形となって、「そういう経験をしてきた人間として言わせてもらうと」という意味になるのですね。
(正当な)取り分・分け前、という表現が使われているのは、「人間、誰でも悪い男を掴むことがあるけど、私は人と比べて必要以上に悪い男ばっかり掴んできた、付き合ってきた」という気持ちが入っているのだと思います。
「人よりたくさん悪い男を掴んできた人間の私としては」と表現する際に「悪い男」を意味する言葉として、その前のモニカが使ったコヨーテからの連想で「コヨーテが殺到するような悪い男」を bad beef 「コヨーテの好物である腐肉・死肉」のように表現したのだろうということですね。
that is not such a terrible thing. は、モニカがボヤいていることに対して、「それはそんなに(あなたが言うほど)ひどいことじゃない」と言っていることになりますから、友達に認めてもらえないようなひどい男と何人も付き合ってきたけど、その私に言わせると、フレンズたちがモニカの彼氏に群がってあーだこーだ言うこともそんなにひどいことじゃない、と言っている感覚になるでしょう。
look out after はそのままで載っている辞書はなかったのですが、look out が「外を見る」ことから「気を配る」、look after が「〜の世話をする、〜に注意を払う」という意味なので、それを合わせた感覚の「〜に気を配る、注意を払う」という感じの「〜のことを心配する」というニュアンスになるだろうと思います。
「そんなにひどいことじゃないわ」という流れから「彼らは友達で、あなたのことをただ心配してるだけよ」という風に自然に繋がりますよね。
I just wish that once は「私はただ一度だけ(それを)願う」。
先に that と言っておいてから、その後、SV という文が続いている形になります。
I just wish that I'd bring a guy... ということですが、「一度でいいから願うわ」という once があるために、SV の前にそれを先に言っているのでしょう。
彼らが本当に・実際に好きだと思うような男性を(一度でいいから)家に連れて来たいと願うわ、と言っていることになります。
ポーラの you do realize... は、you realize SV if... 「もし…なら SV になることがあなたにはわかるでしょ」という構造。
the odds of that happening は「それが起こる可能性、確率」、slim は 「(可能性・見込みが)少ない、かすかな、ほんのわずかな」。
a little slimmer は「少し、さらにわずかになる」という感覚だと思われますので、「元々わずかしかない可能性がさらに少しまたわずかになる・減る」と言っているように思います。
「可能性が減る」というシンプルな表現ではなく、「元々わずかな(slim)可能性がさらに少し減る(a little slimmer)」と言っていることになるでしょう。
you do realize の do は realize を強調していて、あなたは〜であることがよくわかっているわよね、という確認、念押しのニュアンス。
get to は「〜するようになる、〜の状態になる」なので、get to meet the guy は「その男性に会うことになる」。
ポーラのセリフを前からイメージすると、「あなたはよくわかってる(はず)、それが起こる可能性がさらにわずかになってしまうことを、もしフレンズたちがその男性に会うことにならなければ」という感じですね。
フレンズたちが彼を気に入るかどうかモニカは気をもんでいるけれども、「会わせない限りは、気に入られることもない、気に入ってもらいたいなら、会わせないことには始まらない」とポーラは言いたいのでしょう。
友達ってのはあれこれ心配して、連れてきた彼氏にいちゃもんを付けるものだから、みんなが気に入ってくれるような彼氏を連れてこられる可能性は元々わずか(slim)だけど、友達に引き合わせなければみんなが好きになってくれる可能性は、元々わずかだったのがそれよりさらに少し減る(a little slimmer)ことになっちゃうわよ、みたいに言ってみせたことになるだろうと思います。
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2017年05月10日
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