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(CUT TO RACHEL+MONICA'S APARTMENT. CHANDLER IS SMOKING ON THE BALCONY, PHOEBE IS ABSENT)
レイチェルとモニカのアパートメント。チャンドラーはバルコニーでタバコを吸っている。フィービーはいない。
ジョーイ: Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)
ロス: Yeah, well, you didn't know Chi-Chi. (ほら、君はチーチーを知らなかっただろ。)
モニカ: Do you all promise? (みんな約束できる?)
みんな: Yeah, we promise. We'll be good. (あぁ、俺たち約束するよ。俺たち、いい子にしてるよ。)
モニカ: (SHOUTS TO CHANDLER) Chandler, do you promise to be good? ([(ベランダにいる)チャンドラーに叫んで] チャンドラー、いい子にしてるって約束する?)
(CHANDLER MAKES A 'CROSS MY HEART' SIGN. IT STARTS TO RAIN AND
CHANDLER TAPS ON THE WINDOW)
チャンドラーは、胸に十字を切るしぐさをする。雨が降り出して、チャンドラーは窓を叩く。
ジョーイ: You can come in, but your filter tip little buddy has to stay outside! (お前は入ってきてもいいよ、でもお前のフィルター付きのちっちゃなダチは外にいないといけないぞ!)
(CHANDLER SULKILY PICKS UP A GARBAGE CAN LID AND SHELTERS HIMSELF UNDER IT)
チャンドラーは不機嫌な顔をして、ゴミ箱のふたを取り、その下に避難する。
let it go は過去記事にも出てきましたが、直訳で「それを行かせる」ということから、「それに固執するな、こだわるな」「(いつまでもこだわらずに)忘れろ、あきらめろ」という意味。
「自然と離れて行こうとしていることを引き留めるな」という感覚になります。
今回のエピソードの冒頭シーンで、ロスは、農場で余生を過ごしていると思っていた飼い犬チーチー(Chi-Chi)が実は安楽死させられていた、という衝撃の真実を知ってしまうのですが、ここでもまだそのことを気にしているということですね。
you didn't know Chi-Chi. を直訳すると、「君(ジョーイ)はチーチー(僕が飼ってた犬)を知らなかった」ということですが、「君はチーチーのことを知らないからそんな風に言えるんだ、そんな風に平然としてられるんだ」または「チーチーのことを知らないくせに、わかったようなことを言うなよ」みたいな感覚になるでしょう。
チーチーのことを知ってる当事者にしかわからないこの気持ちを、チーチーのことを知らない部外者があれこれ言うな、と言いたい気持ちが出ています。
you didn't know Chi-Chi. と言う時に、ロスは(定期入れみたいな見かけの)黒い革製品を見ながら、それを指さしています。
チーチーが安楽死させられたと今頃になって知ったロスは、チーチーが写っている昔の写真を眺めて悲しんでいたようですね。
モニカはみんなに「約束する?」と声を掛け、みんなは口々に we promise. We'll be good. と答えます。
We'll be good. は子供っぽい表現だと「いい子でいる、いい子にしてる」みたいな感覚ですが、「モニカが連れてきた彼氏をフレンズたちがからかうことでモニカは嫌がっていた」ことを考えると、「彼氏をいじめたりからかったりしないから」という意味の be good であると想像できます。
チャンドラーは胸に指でクロスマークを描いています。
この cross one's heart は「胸に十字を切る」ということで、「嘘ではないと、神にかけて誓う(I swear to God.)」ことを示すしぐさ。
彼は今ベランダにいて、声が届かないので、「約束する、誓うよ」とジェスチャーで示しているのですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cross my heart (and hope to die) : (spoken) used to say that you promise that you will do something, or that what you are saying is true
例)I didn't take it, cross my heart!
つまり、「自分が何かをすると約束する、または自分が言っていることが真実であると言うために使われる」。例文は「僕は取ってない[取らなかった]、神に誓って!」。
Macmillan Dictionary では、
cross your heart (and hope to die) : PHRASE SPOKEN
used as a way of making a promise, especially between children
例)"I won't tell – cross my heart!"
つまり、「約束をする方法として使われる、特に子供の間で」。例文は「僕は言わないよ、神に誓って!」
ロングマン、マクミランともに、and hope to die 部分がかっこ書きとなっており、どちらの例文も、cross my heart! だけが使われているので、一般的には、cross my heart だけで使われることが多いということでしょうね。
cross my heart and hope to die のように、hope to die がついた場合には「神に誓うよ、そして(嘘なら)死んでもいいよ」のような意味になるのだろうと思います。
また、このフレーズを調べると、cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye というセットになったものもよくヒットします。
これも直訳してみると、「神に誓うよ、そして(嘘なら)死んでもいいよ、(嘘なら)自分の目に針を1本突き刺すよ」みたいな感じになるでしょうか。
このフレーズだと、die(ダイ)と eye(アイ)が韻を踏んでいることになりますね。
日本語でも、約束を守る誓いをする時の言葉として、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲(呑)ます(の〜ます) 指切った」というのがありますが、日英ともに「針(needle)」が使われているのが興味深いです。
針は「怖いもの、恐ろしいもの」をイメージする、世界共通のイメージがあるのでしょうね。
ト書きの tap on の tap は「軽く叩く」。
「コツコツ叩く、コツコツと音を立てる」という意味もあり、靴をコツコツ鳴らして踊るタップダンス(tap-dance)の tap もその意味ですね。
雨が降ってきたので、中に入れてくれというように窓を叩くチャンドラーですが、中にいるジョーイはチャンドラーに向かって、You can come in but... のセリフを言っています。
「お前は入ってこられる・入ってきてもいいけど、your filter tip little buddy は(そのまま)外にいないといけないぞ」ということですね。
チャンドラーが今外で吸っているタバコのことを、「フィルター付きのお前の小さな友達」みたいに表現してみせたことになるでしょう。
そのタバコを手放すのなら入ってきてもいいけど、タバコを吸いたいならそのまま外にいろ、ということですね。
ト書きの sulkily は「不機嫌そうに、むすっとして」。形容詞形は sulky になります。
ゴミ箱のふたを手に取って、の後の、SHELTERS HIMSELF UNDER IT というト書きもわかりやすい表現ですね。
名詞 shelter は「シェルター、避難所」で、他動詞だと「〜を保護する、かばう、守る」という意味になるので、「ふたの下に自分を保護する」→「ふたを頭の上に掲げて、雨から自分を守る、雨をよける、雨宿りする、雨から避難する」という感覚になります。
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2017年05月12日
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