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8:36
(DOOR BUZZER)
ドアのブザー(が鳴る)。
モニカ: Okay, it's him. (TO INTERCOM) Who is it? (ほら、彼よ。[インターコムに向かって] どなたですか?)
アラン(INTERCOM): Alan. (アランだ。)
ジョーイ: (SHOUTS TO CHANDLER) Chandler! He's here! ([チャンドラーに向かって叫ぶ] チャンドラー! 彼が来たぞ!)
(CHANDLER COMES IN, DRIPPING WET)
チャンドラーが入ってくる、ずぶ濡れの状態で。
モニカ: (TO ALL) Okay, please be good, please? Just remember how much you all like me. ([みんなに] じゃあ、お願いだからいい子にしててね、頼むわよ。あなたたちみんなが私のことをどれだけ好きかってことをただ思い出してね[みんな私のこと、嫌いなわけじゃないでしょ]。)
(OPENS THE DOOR- ENTER ALAN)
ドアが開く。アラン登場。
モニカ: Hi. Alan, this is everybody. Everybody, this is Alan. (はーい、アラン、こちらはみんなよ。みんな、こちらがアランよ。)
アラン: Hi. (はーい。)
みんな: Hi, Alan. (はーい、アラン。)
アラン: I've heard scho much about all you guys. (君たちみんなのことは、たくしゃん聞いてるよ。)
(GENERAL HYSTERIA)
全体的な興奮状態(みんなが興奮して(喜んで)いる)。
ブザーが鳴るのでモニカは、it's him. 「彼よ」と言っています。
ほぼ彼だとわかっている場合でも、やはりブザーへの返事では一応、Who is it? 「誰ですか」と尋ねているのは、自然な会話っぽいですね。
モニカはアランが入ってくる前に、フレンズたちに be good であることを念押ししています。
Just remember how much you all like me. を直訳すると、「あなたたちみんなが私のことをどれだけ好きかってことをただ思い出してね」になるでしょうか。
「みんな私のこと好きよね。嫌いじゃないわよね。それをしっかり認識していたら、私が嫌がるようなことはしないわよね」みたいなことを言いたいわけでしょう。
アランが部屋に入ってきて、モニカがアランとフレンズを紹介した後、アランは、I've heard scho much about all you guys. と言い、フレンズたちは大笑いしています。
この部分の表記は、ツールによってまちまちで、
DVD字幕: I've heard so much about all you guys.
ネットスクリプト: I've heard schho much about all you guyschh!
Netflix: I've heard scho musch about all you guys.
となっていました。
音的には、特に so の s- の部分が、sch- という発音になっているのが顕著なので、上のセリフでは scho の部分のみを採用しています。
これはカタカナで書いても、「ソウ」を「ショウ」とはっきり言っている感じですよね。
意味としては、DVD字幕の通りの、「君たちみんなのことは、たくさん聞いてるよ・聞いたよ」ということですが、それを特徴的な発音で話しているのを文字化してあるのが、ネットスクリプトや Netflix の字幕になります。
アランの発音は日本人が聞いても「変わった発音」なので、その「発音の変さ、奇妙さ」に笑っているかのように感じる方もおられるかもしれませんが、フレンズたちの笑いには「滑舌が悪いのをバカにして笑っている」ような感じはありません。
むしろ、「アランって面白いやつ、楽しいやつ」「これは一本取られた! やられた!」という感じの、アランに対して好意的な笑い方に感じられます。
そのセリフを言ってフレンズたちが大爆笑した後、アランはモニカの方を向いて、「えへ、今のウケたよね?」みたいな笑顔を見せています。
そのことからも、アランとモニカは最初から打ち合わせをして、このセリフを言おうと二人で決めていた、そのセリフが予想通りフレンズたちにウケた、ということを示していると思います。
過去記事、あんなことが起こった後では無理 フレンズ1-3改その13 で、
チャンドラー: We love Schteve. Schteve was schexy! (俺たちはシュティーブを愛してる! シュティーブはシェクシー!)
というセリフがありました。
これは、モニカの以前の彼氏スティーブが s- を sch- と発音する人であったことを、チャンドラーがからかう発言でしたね。
今回のアランのセリフの so の s- の部分が、sch- という発音になっているのは、チャンドラーのこの発言を受けたものだと言えるでしょう。
この I've heard scho much about all you guys. というセリフを言う前、モニカとアランの二人は顔を見合わせており、「よし、今からあれを言うよ」とお互いに確認し合っているように見えます。
モニカの方も「さあ言ってやって」というような、嬉しそうで得意げな顔をしています。
「君たちのことはたくさん聞いてるよ」という内容を、s- 音を sch- 音で発音することで、「君たちのことはモニカからよーく聞いてる。Steve が s- を sch- と発音するのをからかったのも知ってるぞ」ということを示していることになるでしょう。
so much を scho much と発音しているので、日本語訳も「たくさん」を「たくしゃん」にして、わざと「しゃししゅしぇしょ」発音を使っている感を出してみました。
「君たちは、モニカの彼氏にあれこれいちゃもん付けるんだってね」みたいな、場の空気が悪くなるような話を持ち出すことなく、I've heard scho much about all you guys. というこの一言だけで、フレンズたちがスティーブの発音をからかったことをモニカはアランに話した、というのもわかるし、それを使ってジョークを飛ばせるほど、アランはそんなことを気にしていないということもわかることになるでしょう。
何かしらからかう材料を探していただろうフレンズたちにとって、最初にガツンと一発かます一撃としては、かなり効果的だったのではないかと思います。
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>アランの発音は日本人が聞いても「変わった発音」なので、その「発音の変さ、奇妙さ」に笑っているかのように感じる方もおられるかもしれませんが、
私は今回のRachさんの解説を読むまではそう思ってました。(^^;) ただそうなると最後の方でのアランの話し方とは随分違うなぁと気にはなっていました。
>そのことからも、アランとモニカは最初から打ち合わせをして、このセリフを言おうと二人で決めていた、そのセリフが予想通りフレンズたちにウケた、ということを示していると思います。
なるほど、改めて見てみるとそういうことですね。
すっきりいたしました。ありがとうございます。
では。
こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃるように、これがアランの本来の話し方だとすると、「最後の方でのアランの話し方とは随分違う」んですよね。このエピソードでアラン本人がしゃべっているセリフは実は大変少なく、それも最後の方なので、「実際にはこんなしゃべり方じゃない」ということを検証するチャンスがなかなかないのも、難しい部分だったと思います。
チャンドラーが「シュティーブはシェクシー」と言ったのが伏線で、このアランのセリフが伏線回収だったわけですが、何度か見た後に私もそのことに気づきました。気づいた時は嬉しくて、でも意外とコメント欄でこの件について質問されることがなかったので、改シリーズとして戻ってきた時に皆さんとシェアしたい、と思っていたことの一つだったんですよね。
こういう意味だと解釈すると、アランとモニカ、フレンズたちの表情や態度が全てそれを証明していると思えます。「だからこんな顔をしている」というようなことを含めて説明できたこと、それを aki-kiyoさんにも一緒に楽しんでいただけたこと、とても嬉しかったです♪
こちらこそ、温かいコメントありがとうございました!(^^)
アランの妙な発音にこんな深い背景があったとは・・・。
Friendsの脚本って凄いですね!
そして、Rachさんの洞察力も・・・恐れ入りました。
今年Friends 25周年を区切りに、ようやくドラマで英会話を学ぼうと本腰を入れました。
Rachさんのサイトに出会えてよかったです。
コメントありがとうございます。
私の解釈についてそのようにお褒めいただき光栄です。
少し前のセリフと繋がっていることがわかった時は私もすごく嬉しくて、この解説記事を書くのを楽しみにしていました(^^)
Friends 25周年、実におめでたいですよね!
25年経っても多くのファンに愛されていますし、今シーズン1を見ても(多少の時代設定の古さはあるものの)思わず笑ってしまうセリフの面白さというのは全然古びていないなぁと思います。
拙ブログを見つけて下さったことも本当に光栄でありがたく、これからも楽しんでいただける記事が書けるように頑張ります!
温かいコメントありがとうございました<(_ _)>