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SCENE 5: CENTRAL PERK (MONICA ALONE. ENTER ROSS, RACHEL, CHANDLER AND JOEY, DEJECTEDLY, IN SOFTBALL GEAR)
シーン5: セントラルパーク(モニカだけがいて、そこに、ロス、レイチェル、チャンドラー、ジョーイが登場。落胆した[しょげた]様子で、ソフトボールの用具一式を持っている)
モニカ: Hi. How was the game? (はーい、ゲームはどうだったの?)
ロス: Well.... (えーっと…)
みんな: We won! Thank you! Yes! (俺たちが勝った! ありがとう! やった!)
モニカ: Fantastic! One question: How is that possible? (素晴らしいわね! 一つ質問。そんなことがどうしてできたの?)
ジョーイ: Alan. (アランだ。)
ロス: He was unbelievable! He was like that-that-that Bugs Bunny cartoon where Bugs is playing all the positions, right. But instead of Bugs, it was 1st base, Alan. 2nd base, Alan. 3rd base, Alan.... (彼は信じられないくらい素晴らしかったんだ! 彼はまるで、あの…バッグス・バニーのアニメみたいだった、バッグスが全部のポジションを守ってる、っていうやつ。でもバッグスの代わりにこうなってたんだ、1塁がアラン、2塁がアラン、3塁がアラン…)
セントラルパークに、ロス、レイチェル、チャンドラー、ジョーイが何だか元気のない様子で入ってきて、それぞれ手には、バット、グローブ、スパイクなどを持っています。
ネットスクリプトのト書きには、IN SOFTBALL GEAR と書かれているのですが、この gear は「(使う)用具・道具一式、一揃いの装備」という意味なので、ト書きの IN SOFTBALL GEAR は「ソフトボールの用具一式を持って、ソフトボールの装備の状態で」のように説明してあることになります。
「ソフトボール」と限定しているのは、後のシーンで softball という単語が出てくるからなのですが、それについてはまたその時に語ります。
みんなの入ってきた様子は「スポーツをした後、がっかりして帰ってきた」感じが出ていますし、モニカもその流れに合う形で「試合はどうだった?」と尋ねていますね。
モニカはみんなが試合に行ったのを知っていて、そう尋ねていることがわかります。
4人はしばらく沈黙していたのですが、ちょっと間をあけてから一斉に We won! と叫んでいます。
won は win 「勝つ、勝利する」の過去形ですから、We won! は「俺・私たちは勝った!」ということですね。
モニカは、ファンタスティックね! と褒めた後、「1つ質問。どんな風にしてそれが可能なの?」のように尋ねています。
「どうして試合に勝つことができたの?」というニュアンスですね。
ジョーイが「(勝てた理由は)アランだ」と答えた後、ロスはアランのすごさを語り始めますが、that-that-that と、どもった感じになっているところにロスの興奮具合がよく出ていますね。
cartoon はアニメのこと。
日本にも「カートゥーン ネットワーク(CARTOON NETWORK)」というアニメ専用チャンネルもありますので、cartoon という言葉がアニメを指すことをご存じの方も多いでしょうか。
日本のアニメや漫画が世界で人気となった今は、anime や manga で通じるようになりましたので、日本のアニメは anime と呼ばれることが多いですね。
Bugs Bunny は「バッグス・バニー」。
アメリカのアニメ「ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)」シリーズに登場するウサギのキャラクター。
好物のニンジンを手に持っている、グレーと白のウサギで、このキャラクターは有名なので日本でも知っている方は多いでしょう。
"What's up, doc?" というのが口癖で、現在の吹替担当の山口勝平さんバージョンでは「どったの センセー?」といつも訳されています。
「ルーニー・テューンズ」のキャラクターたちの、イラスト入りのわかりやすい説明は、以下のワーナー公式サイトで。
【ワーナー公式】ルーニー・テューンズ
2013年に映画館のワーナー・マイカル・シネマズがイオンシネマに名称変更したのですが、ワーナー・マイカル・シネマズの頃は、映画が始まる前に、バッグス・バニーを始めとするルーニー・テューンズの仲間たちが映画鑑賞時の注意などを述べている映像がよく流れていたものでした。
「フレンズ」もワーナーですから、セリフにバッグス・バニーが出てきたのはワーナー繋がりとも言えますね(^^)
is playing all the positions は「すべてのポジションをプレーする」つまり「全てのポジションを担当している、守っている」ということ。
that Bugs Bunny cartoon where SV という形の where は関係副詞で、意味としては「バッグスが全ポジションを守ってるっていうバッグス・バニーのアニメ」ということになりますが、聞こえた順番に前からイメージしていくと、「あのバッグス・バニーのアニメ、そこでは(その中で)バッグスが全ポジションを守ってる」というニュアンスになるでしょう。
先に「あのバッグス・バニーのアニメ」と言っておいてから、where を使ってその内容を詳しく付け足している感覚です。
instead of は「〜の代わりに」なので、そのアニメではバッグスが全ポジションを守っていたけど、今回の僕らの試合では、バッグスの代わりにアランが全ポジションを守ってるって感じだった、と言っていることになります。
「1塁アラン、2塁アラン、3塁アラン」と言いながら、各ポジションを守っている様子を描写しているロスの動きが面白いですね。
「一人で全ポジションを守る」というのはいかにもアメリカのアニメでありそうな感じですが、これは「ありそうな感じ」だけではなく、実際にそういう作品が存在しており、ロスは、バッグス・バニーが一人で全ポジションを守るという Baseball Bugs(邦題:バッグスの野球狂時代)という作品のことを言及しています。
映画やドラマの作品データが掲載されている、Internet Movie Database にも載っていました。
IMDb: Baseball Bugs (1946)
上の IMDb の最初の説明にも、以下のように出ています。
Bugs plays every defensive position against the Gashouse Gorillas.
つまり、「バッグスは、ガスハウス・ゴリラズ相手に[と対戦し]、すべての守備位置(ポジション)を守る」ということですね。
この作品が収録されているDVDが、Amazon にありました。
ルーニー・テューンズ コレクション バッグス・バニー 特別版 [DVD]
![ルーニー・テューンズ コレクション バッグス・バニー 特別版 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qXB79CN4L._SL160_.jpg)
Amazon にはジャケットの裏面の画像も載っているのですが、13作品が収録されている中で、「バッグスの野球狂時代」は、リストの一番最初に出ています。
ちなみに、ジャケット裏面にある、このDVDの宣伝コピーの英文がなかなか面白いですね。
全部大文字なので、読みやすく小文字表記にしてみますと、
Bugs Bunny in his most hare-larious 13 cartoons!
その hare-larious というのは「とても楽しい・愉快な、大笑いを誘う、爆笑させられる」という意味の形容詞 hilarious をもじったもの。
hare (発音は「ヘア」)は「ウサギ」のことで、rabbit よりも大きなものを指します。
ヒラリアスをヘアラリアスのように、ウサギにかけたダジャレにした感覚で、「最も笑える13のアニメのバッグス・バニー。バッグス・バニーの最も大爆笑な13作品」のようなキャッチコピーになっているわけですね。
各作品のタイトルでは、hare も rabbit もどちらも使われていますし(rabbit の方が数は多い)、バッグスは擬人化されたキャラクターなので、厳密にどちらかに分類されるわけでもないのでしょう。
上に紹介したコピーの場合はたまたま hare だどダジャレとして使えるから、、ということで hare になっているということでしょうね。
参考までに私もこの作品をレンタルして見てみました。
ロスが言っているのによく似たシーンが確かに出てきます。
DVD の 2:42 辺りからで、英語音声は以下のようになっています。
Catching, Bugs Bunny. Left field, Bugs Bunny. Right field, Bugs Bunny.
Pitching, Bugs Bunny. Third base, Bugs Bunny. Center field, Bugs Bunny.
First base, Bugs Bunny. Shortstop, Bugs Bunny. Second base, Bugs Bunny.
日本語字幕では、
捕手 バッグス 左翼 バッグス 右翼 バッグス
投手 三塁 センター
一塁 二塁 全部バッグス
のように訳されていました(文字数制限と、「全部」という言葉を是非入れたいからでしょうね、、ショート(shortstop)がない!)
「フレンズ」でのロスは、まるで忍者のようにポジションを素早く移動するかのようなしぐさをしていましたが、実際のバッグスのアニメでは、ずっとピッチャーの位置のバッグスが画面に映っているだけで、アナウンスで各ポジションがバッグスであることを言っているのみでした。
ロスがした動きのように、バッグスが各ポジションにささっと移動していたら面白いなぁと思ったのですが、残念ながら本家の方ではそういう動きはなかったということです。
ですが、Third base, Bugs Bunny のように順番にポジションを言っていくのと、「ポジション+名前」をとことん続ける「くどい」感じが、元ネタの「バッグスの野球狂時代」にそっくりだと思います。
アニメでは、その後、「バッグスが投げた球を受けるために、ピッチャーだったバッグスが急いでホームベースに走って行ってキャッチャーになる」という、「いかにもアメリカのアニメ」っぽいシーンも出てくるのが楽しいです。
ロスの「ポジションを移動するかのようなしぐさ」は、そのシーンのイメージから来ているのかもしれませんね。
1946年の古い作品で、きっと何度も再放送されているので、みんなこのシーンのことをよく知っているのでしょう。
試合でアランが大活躍したということの形容として、「バッグスみたいに全ポジションを守ってた、って感じだよ」と表現すれば、みんなの頭にはその作品が瞬時に浮かぶということなのでしょうね。
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>モニカ: Fantastic! One question: How is that possible?
このセリフ、どうして「How was ...」ではなく「How is ...」なんでしょう?
その前のセリフは、
>モニカ: Hi. How was the game?
と過去形なのに・・・
モニカの意識としては「常敗チームが勝利するなんておかしい。何かあったのかも?そしてそれは今日の試合に限ったことではなく今後も勝てる可能性のある変化・・・」というのがあって現在形を使っているのかなぁなんて思い悩んだりするのですが。
よろしくお願いします。
こんにちは。コメントありがとうございます。
was ではなくて、is が使われているのは、おっしゃる通り「常敗チームが勝利するなんておかしい」という気持ちが話者のモニカにあるからだろうと私も思います。
セリフの和訳では「そんなことがどうしてできたの?」と過去形のように訳してしまいましたが、時制に忠実に訳すと「どんな風にしてそれが可能なの? そんなことがどうして可能なの?」ということですよね。
「(あなたたちが勝つなんて)そんなの不可能だわ、ありえないわ!」という意味で That's impossible! と言う代わりに、How is that possible? を使っている感覚でしょう。
あなたたちの普段の状態ならそんなことは不可能である、という「習性、習慣」を表す現在形を使うことで、「いつもは無理なのに、どのようにして・どうしたら、そんなことが可能なの?」という気持ちが入っているということだろうと思います。
早速のご返答、ありがとうございます。
>was ではなくて、is が使われているのは、おっしゃる通り「常敗チームが勝利するなんておかしい」という気持ちが話者のモニカにあるからだろうと私も思います。
あ〜よかった。安心しました。(^^)
>「習性、習慣」を表す現在形
感覚がなんとなくわかってきたような気がします。
んでまたしばらくしたら凹んで・・・(^^;)
頑張ります。
ありがとうございました。
では。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
簡単な単語ばかりでも、こういう時制の感覚は難しいですよね。
今後はさらに、こういう時制に着目したいと思います。
お返事ありがとうございました(^^)
モニカの発音は How was that possible? と聞こえます。
こんにちは。コメントありがとうございます。
まず、文字情報では、DVD、Netflix、ネットスクリプトの全てで
How is that possible?
のように現在形 is で表記されていました。
そして、実際の音声については、何度か聞き直してみたのですが、How *z that possible? のような感じで、ズの前の音が不明瞭でよくわからない、というのが私の感想です。
ワズと言われればワズに聞こえるような気もするけれど、「イズではなくワズである」と断言できるほどではない、という感じでしょうか。
字幕でもネットスクリプトでも is と表記されているということは、「ネイティブにもそう聞こえる」ということで、それは「音としてそう聞こえる」ということ以外に、is であると判断しても文脈として違和感がない、ということなのだろうと私は思いました。
モニカの台詞について整理してみました。こんな仮説もあるという程度で読み流して下さい。
モニカ: 試合はどうだった?
みんな: 勝った。
モニカ: (a) どうして勝てたの? [was]
(b) どうしてそんなことがありえるの? [is]
(c) そんなことありえないわ。[is (修辞的疑問文)]
みんな: アランが活躍したんだ。
常識的に一番もっともらしいのは (a) です。しかし、Friends の台詞の sarcastic な傾向からすると、 (b), (c) もありえるような気がします。ちなみに、「このメンバーでなぜ?」という驚き・疑いを当人にストレートに伝えてしまうおかしさは、 (a) にもあります。
Courteney Cox に限らず、ネイティブが How is を速く言うと、自然に How's のようになります。How was を速く言うと、How-as のようになります。したがって、このとき s の前にある母音があいまいで特定できなくても、1 音節あるだけで How was と推定できます。
実際のところは知りませんが、制作費の都合上、DVD がネットスクリプトを流用し、Netflix が DVD の字幕を流用していたとすると、趣味でネットスクリプトを書き起こした一人のファンの解釈が (タイポを含めて) すべてのメディアに波及します。「ネイティブにもそう聞こえる」というのは錯覚かもしれません。
こんにちは。コメントありがとうございます。
(a)〜(c) のお話は、意味として was/is のどちらもあり得るということですね。
そして、発音についてですが、
How is = How's
How was = How-as
になるというお話、大変よくわかります。
How の w と was の w が音として重なって Howas みたいになるということですよね。
それを考えると、Howz ではなく、How *z のように聞こえる今回のセリフは、音としては How was に近いと考えるべきだということですよね?
ネットスクリプト、DVD、Netflix の字幕の流用の可能性ですが、これについては(ないとは断言できないけれども)可能性はかなり低い気がします。音が不明瞭な時に私はその3つを比較してみるのですが、それぞれ違っている場合が多く、DVDがネットスクリプトを「流用」していることはなさそうな気が(個人的には)しました。特にDVDは、実際の音声よりかなりはしょられていますので、DVDの字幕は他の字幕とはまた独立したものを感じるのです。
ネットスクリプトを書き起こした方の気持ちで考えてみると、先に How was the game? とあるので、How was that possible? のように同じく過去形だと捉えるのが「流れ的には自然」な気がします。今回は「そこを敢えて、現在形として聞き取った」ことになるので、possible の話に関しては、そのゲームに限らず全般的な話であると(ディクテした人が)捉えた、と考えられる気がします。これは「話の流れから内容としてそう判断した」ということで「音として聞こえた」のとはまた別物ですから、ディクテした人が is と書いたからと言って「確かに is と発音されている」という証拠にはなりませんが、文字化したネイティブとしては、is でも意味が通じるし、そちらの方がしっくりくるから is だと判断した、ということはあるのだろうと思います。