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リジー: No, no, I ha-I have to give you something. (だめだめ、私はあなたに何かをあげなくちゃ。)
フィービー: No, it's fine. You don't.... (いいえ、いいのよ。そんなことしてもらわなくても…)
リジー: Do you want my tinfoil hat? (私のアルミホイル帽子、欲しい?)
フィービー: No. 'Cause you need that. No, it's okay. Thanks. (いいえ。だってあなたはそれが必要でしょ。ううん、大丈夫よ。ありがと。)
リジー: Please. Let me do something. (お願いだよ。私に何かさせてよ。)
フィービー: Okay, all right, I'll tell you what. You buy me a soda and then we're even. Okay? (いいわ、わかった。じゃあこうしましょう。あなたが私にソーダを買ってくれて、それで貸し借りなしよ。いい?)
リジー: Okay. (いいよ。)
フィービー: Okay. (オッケー。)
フィービーから高額のお金をもらうことになったリジーは、「私はあなたに何かしなくちゃ」と言っています。
こんな大金をもらいっぱなしじゃ悪いから、何かお返しさせて、ということですね。
フィービーが言った You don't... というのは、You don't have to ということで、「お返しなんかしてくれなくてもいいわ」のように、「〜する必要はない」ことを言っていることになります。
tinfoil は「アルミ箔、アルミホイル」。
日本語では「ホイル」と言いますが、英語の発音は「フォイル」で、「金属の薄片、箔(はく)」を意味します。
金箔(きんぱく)なら gold foil ですね。
アルミはアルミニウムのことなので、アルミニウムの英語である aluminum (英語の発音はアルーマナムでルにアクセント)を使って、aluminum foil とも表現されますが、今回のように tinfoil と呼ぶこともあるようです。
tin は金属の「錫(すず)」のことなので、厳密に訳すと「すず箔」ということになりますが、いわゆるアルミ箔であるという理解で問題ないでしょう。
tin には「ブリキ」という意味もあり、「オズの魔法使」に出てくるブリキ男は英語では Tin Man と呼ばれていました。
参考までに、英英辞典でのそれぞれの定義を見ておくと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tinfoil : thin shiny metal that bends like paper and is used for covering food (SYN: aluminum foil)
aluminum foil : a very thin sheet of shiny metal that you wrap around food to protect it
tinfoil は「紙のように曲がる、薄くて光る金属で、食べ物を覆うのに使われる」。
aluminum foil は「光る金属の非常に薄いシートで、食べ物を保護するために食べ物を包む」。
どちらも「食べ物を包む、薄くて光る金属」ということですから、指しているものは同じですね。
あなたはそれが必要でしょ、あなたにとって大切なものでしょ、のようにフィービーは言って、帽子をもらうのを断っても、リジーはまだ訴えています。
Please. というのは「どうか、お願いだから」という懇願のニュアンス。
Let me do something. は文字通り「私に何かさせて」ということ。
もらういわれのないものをただでもらっても落ち着かないというところは、フィービーもリジーも似た者同士なのでしょうね。
I'll tell you what. を直訳すると「私は今からあること(これからすべきこと)を言うわ」という感覚で、「じゃあこういうのはどう? じゃあこうしましょうよ」のようなニュアンスになります。
その内容は「あなたが私にソーダを1つ買って、それで私たちは even である」ということ。
even の基本語義は「平らな、平坦な」で、類義語は flat になります。
「均一な」という意味から、「対等の、互角の」という意味にもなるので、今回の we're even は「貸し借りなし、おあいこ」という意味になります。
LAAD では、
be even : (informal) to not owe someone something anymore, especially money
例)If you pay for my ticket, we'll be even.
つまり、「もはや誰かに何かを借りてはいない、特にお金を」。例文は「もし君が僕のチケット代を払えば、それで僕らは貸し借りなしになる」。
「お礼に何かさせて」と言われて、「じゃあソーダを1本買ってもらってそれでチャラにしましょ」とフィービーは言ったわけですね。
1,000ドル(+フットボール・フォン)とソーダ1本では、金額的にはイーブンとは言えませんが、リジーの気が済むようにさせてあげるための優しい提案で、リジーもそれを受け入れることになります。
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いつも楽しくて役に立つ解説をどうもありがとうございます!
Tinfoil hatを調べたら、この2人の会話にぴったりなクスッと笑えるものだったので、コメントさせていただきました。
初めまして。コメントありがとうございます。
「楽しくて役に立つ解説」と言っていただき、大変光栄で嬉しいです(^^)
tinfoil hat のことを調べてみると、確かに面白いことが書いてありますね。教えていただきありがとうございます!
Wikipedia 日本語版: ティンホイル・ハット
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%88
ウィキペディアの説明を要約すると、「マインドコントロールなどから脳を守るアルミ箔のヘッドギア」で、そのような発想は偏執症や被害妄想の人のステレオタイプとして広く認識されているとのこと。
オンラインスラング辞典の Urban Dictionary にも同じような説明が出ていました。
Urban Dictionary : tinfoil hat
https://www.urbandictionary.com/define.php?term=tinfoil%20hat
「ティンホイル・ハットで洗脳を防げる」と信じる感覚は、「降って湧いた幸運を対価なく受け取ると罰(ばち)が当たる・災いが起きる」と感じる感覚に通じるものがありますね。
ティンホイル・ハットがそういうものだとわかると、このやり取りの面白さがさらに増します。
貴重な情報、本当にありがとうございました!<(_ _)>