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12:48
(CUT TO CHANDLER'S OFFICE BLOCK)
チャンドラーのオフィスのブロックに画面がカット。
(CHANDLER LOOKS ROUND, THEN OPENS HIS DESK DRAWER AND TAKES A PUFF OF A CIGARETTE. THEN HE SPRAYS AROUND SOME AIR FRESHENER AND TAKES SOME BREATH SPRAY. HE TYPES FOR A MOMENT. THEN HE OPENS THE DRAWER AGAIN AND TAKES ANOTHER PUFF. NOT PAYING ATTENTION, HE SPRAYS THE BREATH SPRAY AROUND THE ROOM, TAKES A SQUIRT OF AIR FRESHENER AND GAGS)
チャンドラーはあたりを見回す。それからデスクの引き出しを開け、タバコを一服吸う。それから消臭スプレーをあたりにスプレーし口臭予防スプレーを摂取する[自分の口にかける]。彼はしばらくタイピングしている。それからまた引き出しを開け、もう一回タバコを吸う。不注意で、彼は部屋に口臭予防スプレーをまき、消臭スプレーの噴射を摂取し、おえっとなる。
13:47
(CUT TO PHOEBE AND LIZZIE AT A SODA STAND)
ソーダスタンドにいるフィービーとリジーに画面がカット。
リジー: Keep the change. (お釣りは取っといて。)
フィービー: Thanks, Lizzy. (ありがと、リジー。)
リジー: (TO PHOEBE) Sure you don't want a pretzel? ([フィービーに] ほんとにプレッツェルはいらないのかい?)
フィービー: No, I'm fine. Thanks. (いいえ、大丈夫よ。ありがと。)
リジー: (LEAVING) See ya. ([立ち去りながら] じゃあね。)
高層ビルを下から映して、パーティションで仕切られたチャンドラーのオフィスに画面がカットします。
チャンドラーは大きなビルで働いていることがわかる描写ですね。
約1分ほどセリフなしの状態ですが、フレンズでこんなに無セリフ状態が続くのは大変珍しいです(まだ 1-3 ですが、これ以降のエピソードでも、なかなかこんなに長いのはありません)。
チャンドラーの行動が笑いを誘う仕組みになっていますが、このような動作を描写するネットスクリプトのト書きには学べる部分も多いので、表現を見ていきましょう。
今回のエピソードで、ジョーイのタバコの演技に付き合った時に、禁煙していたはずのタバコを吸ってしまい、また喫煙者に戻ってしまったチャンドラーは、PCに入力しながら、引き出しの中に入れてあるタバコをこそこそ吸っています。
チャンドラーはスプレー状のものを2つ持っており、大きな缶スプレーは air freshener、「空気をフレッシュにするもの」つまり「消臭スプレー」、小さな方は breath spray、「息のスプレー」すなわち「口臭予防スプレー」ですね。
タバコを吸った後、臭いで周りに気づかれないように、消臭スプレーをまいて、ミニ扇風機でスプレー効果を広げた後、自分の口にもブレススプレーをシュッシュしています。
not paying attention というのは「注意を払わずに」。
口にスプレーするはずの口臭予防スプレーを部屋にまき、部屋にまくはずの消臭スプレーを間違って自分の口にスプレーしてしまうという間違いを犯し、部屋用のスプレーを飲んでしまったことで、チャンドラーは口をヘの字にして、おえっ! となってしまっているわけですね。
さっき使っていたミニ扇風機で自分の口をあおいでいるのにも笑えます。
ト書きの最後の gag は、過去記事、gagの動詞の意味 フレンズ1-2改その24 にも出てきました。
そこでは、"Dr. Farber, Jason Greenspan's gagging." 「ファーバー先生、ジェイソン・グリーンスパンさんが、えずいてます[おえっ、となってます]」という形で使われていました。
チャンドラーがこそこそ隠れてタバコを吸っているシーンを映した後、カメラはまたフィービーとリジーの場面に戻ります。
大金をただでもらうのは気が引けるらしいリジーに、フィービーが「じゃあ、ソーダ1本おごって」と言ったため、そのソーダを買っているところですね。
Keep the change. は「お釣りはとっといて」。
今回のエピソードの過去記事、サタンのミニオンズが活動中 フレンズ1-3改その10 に出てきた、"What are you talking about? Keep it!" 「何言ってんだよ? その金は、とっとけよ[もらっとけよ]!」の keep と同じニュアンスになります。
keep は所有権がある人にそのものを返さず持っておく、という意味。
私が受け取るべきおつりだけど、それは返さずにあんたが持ってなさい、あんたがおつりを取っといていい、もらっといていいよ、という感覚ですね。
リジーはホームレスのようなので、普段はそんなことは言わないのでしょうが、今回は大金をもらったため、「お釣りはいらないよ、あんたがもらっときなよ」と太っ腹なことを言ってみた、一度そう言ってみたかった、というところなのでしょう。
Sure you don't want a pretzel? の文頭の sure は、Are you sure you don't want...? の are you が省略されたものと考えればよいでしょう。
「プレッツェルは欲しくない[いらない]っていうのは確かなの?[間違いないの?」」という感覚ですね。
sure なしの「プレッツェルはいらないの?」だけなら、ここで初めてプレッツェルの話を出した感じに聞こえる気がするのですが、「いらないっていうのは間違いないの?」のような Sure がついた言い方だと、すでに一度、「ソーダと一緒にプレッツェルもどうだい?」と尋ねたような印象を受けます。
そのソーダスタンドには、実際にプレッツェルも置いてあり、大金とソーダ1本では釣り合わないからリジーはそれも勧めた、でもフィービーは断った、その後、最後にもう一度、「プレッツェルはほんとにいらないのかい?」と念押しした感じが、この Sure you don't want...? に感じられる気がするということですね。
リジーの気遣いに対して「いいえ大丈夫よ、ありがと」と言って、フィービーはソーダだけを買ってもらいます。
カートを押しながらリジーは去っていきますが、「じゃあね」「さよなら、さらば」という意味の See you. を、リジーは See ya. (発音は”スィー・ヤ”)と発音しています。
口語ではこのように you を ya と発音することが多いですね。
そういえば、先週の目黒セミナーでも、I can't tell ya. や See ya. というセリフが出てきて、そんな説明をしたばかりでした(^^)
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いつも楽しく拝見しております!
当方学生で、談話分析の資料としてフレンズが使えたらいいのになと考えております。
フレンズのストーリーで、外国人が登場してきて(第二外国語として英語を使っている人や、幼少期から英語を話せるような人など)、英語で会話をするシーンはありますか?
あれば、教えていただけませんでしょうか。
また、フレンズ以外でも、なにかあればお教えいただければ幸いです。
宜しくお願い致します!
こんにちは。コメントありがとうございます。
拙ブログを楽しく見て下さっているとのこと、とても光栄で嬉しいです。
さて、ご質問についてですが、まず私がブログで取り上げている「フレンズ」については、外国人が出てくる場合は「英語があまり話せない外国人」というのが多いですね。(シーズン1 だと 1-7 に出てきます)。フレンズはコメディーなので、わざわざ外国人が登場する場合は「話が通じない面白さ」を出すためのキャラクターとして使われるようです。
「英語を話せる外国人」ということだと、他のドラマで LOST(ロスト)や、HEROES(ヒーローズ)には、そういう「英語を流暢に話せる外国人」が出てきます。キャラクターが国際色豊かになっているので、母国語の訛りのある英語みたいなものも使われています。
私が思いついたのは以上ですが、上に挙げた LOST や HEROES などを実際に見て確認していただけたら幸いです。談話分析の良い資料となることを願っています。
コメントありがとうございました。