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(ENTER JOEY)
ジョーイ登場。
みんな: Hey Joey. Hi. Hey, buddy. (はい、ジョーイ。やあ。よお。)
モニカ: Hey, Joey, what would you do if you were omnipotent? (ねぇ、ジョーイ、もしあなたが全能なら、あなたはどうする?)
ジョーイ: Probably kill myself. (多分、自殺するね。)
モニカ: Excuse me? (何ですって?)
ジョーイ: Hey, if little Joey's dead, then I got no reason to live. (ほら、もし、リトル・ジョーイが死んでいるのなら、俺には生きている意味がないから。)
ロス: Joey, uh… OMnipotent. (ジョーイ、あの… 全能(アムニポテント)だよ。)
ジョーイ: You are? Ross, I'm sorry. (お前は不能(インポテント)なのか? 気の毒に。)
「一日、全能になれたらどうするか?」という話題で盛り上がっていたフレンズたちは、セントラルパークに入ってきたジョーイにもその質問をします。
それに対してジョーイは、Probably kill myself. と答えていますが、what would you do if...? という質問に対する返事なので、Probably I would kill myself. の I would が省略された形になっています。
「全能という能力を持てたら、こんな願いを叶えたい」というのとは全く違った反応なので、不審に思ったモニカが聞き返すと、ジョーイは、little Joey の話をし始めます。
little Joey 「リトル・ジョーイ」で何となくわかる方も多いかと思うのですが、これは「ジョーイのモノ(大事な部分)」を「小さなジョーイ」と表現しているわけですね。
日本語でも「俺のムスコ」などと表現する男性もいますので、日英の感覚には共通するものがあるように思います。
If little Joey's dead は、「俺の大事な部分が死んでいるのなら」ということで「その部分が機能しない」というニュアンス。
そのように表現したことで、ジョーイは、omnipotent という単語を、音が似ている impotent 「性的に不能」(ダイレクトに書いてしまいますとインポテント)と勘違いしたらしいことがわかります。
ジョーイは omnipotent「全能」という単語にはあまりなじみがなかったのでしょうね、それを impotent という性的な言葉に聞き違えるところ、そしてそうなってしまったら生きる理由がない、とまで言い切ってしまうところは、さすがにプレイボーイというところでしょうか。
I got no reason to live. の got は、本来 get の過去形ですが、ここでは have の意味で使われています。
セリフのような口語では、have の意味で got が使われることも多いです。
ジョーイが単語を聞き間違い、勘違いしていると気づいたロスは「君が思ってる impotent じゃなくて、omnipotent だよ」というのをはっきりさせるために、2つの単語で違っている部分に当たる om の部分を特に強調して発音しています。
強く発音しているので「アムニポテント」と言っているように聞こえます。
それを聞いたジョーイは、しばらく沈黙した後で、"You are?" と言っていますが、この You are? という返しが「ジョーイがロスのセリフをどのように誤解したか」がわかるための大きなヒントになっています。
ジョーイが You are? と聞き返したということは、ロスが I am / I'm ... と言ったと勘違いしたことを示唆します。
「お前が〜なの?」と聞き返したわけなので、「僕は〜だ」とロスが言ったことを示すことになるわけですね。
ロスはただ、omnipotent という「単語」の最初の部分をはっきり「アム」と発音しただけですが、その「アム」を「アイム」だとジョーイが聞き間違えたことになります。
つまりジョーイは、ロスのセリフ "OMnipotent." を、"I'm impotent." 「僕は impotent なんだ」と聞き間違えたわけですね。
ロスが「僕は impotent なんだ」と告白したと思ったジョーイは、"You are (impotent)?" 「お前は不能なのか?」と聞き返したというオチになります。
その後ジョーイは、I'm sorry. と言っていますね。
I’m sorry. は人に謝る時に「ごめんなさい」という意味で使いますが、何か相手に不幸なことがあった場合に「大変だったね、お気の毒に、同情するよ」というニュアンスでも使います。
ここでのジョーイはまだ勘違いしたままのようなので、ロスが不能だと勘違いしたことを謝っているのではなく、「それは大変だね、お気の毒に」という意味で言っているのだと思います。
このやり取りは、ジョーイが2回も聞き間違えたことが面白く、真っ先にそういうエッチ系の連想ばかりが働くところがプレイボーイのジョーイっぽいところなわけですが、ジョーイが聞き間違えたのが自然に思えるように、「アィム・ニポテント」という紛らわしい言い方を(脚本上)わざとしている、そのロスの言い回しが大きなポイントと言えそうですね。
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いつも詳細な解説ありがとうございます。
こちらこそご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
You are? という短いフレーズですが、これがこのオチをビシっと決めてくれていますよね。
最初からジョーイは impotent と勘違いしていたので、それを「さらに面白いオチにする」ためには、このまま単語を impotent だと勘違いしているだけではダメで、「ロスが丁寧に言い直してあげた」ことを「僕が」と言ったと勘違いした、ということで「さらなる笑い」に繋がる結果となっています。
こういう部分が本当にフレンズはうまく作ってあって、私も毎回感心し、感激(!)しています。シーズン1 からじっくりやり直すことができるのを、日々幸せに感じています。
いつも読んでいただきこちらこそありがとうございます。これからも一緒に楽しんでいただければ幸いです。
温かいコメントありがとうございました!(^^)
omnipotent のギャグは、既にモニカとジョーイのやりとりの段階で何となく笑えてきます。ジョーイの勘違いのパターンには、聞き違いや記憶違いなど、いくつかの可能性が考えられます。モニカの omnipotent の発音は impotent とはだいぶ違うので、ここでは「不能」を意味する単語がジョーイの記憶の中であやふやだったという理由がふさわしいように思います。とすると、ロスが助け舟としてゆっくり発音した omnipotent もジョーイがそのまま同じように勘違いしているという解釈も可能になってきます。
ロス: Joey, uh… OMnipotent.
ジョーイ: You are (omnipotent)? Ross, I'm sorry.
omnipotent と I'm impotent の発音が似ているという事実はとても面白いし、ロスの発音も相当に微妙なので、モニカの omnipotent とロスの -nipotent をジョーイがどちらも都合よく impotent と聞き違えるというパターンが脚本家の意図である可能性はおおいにあると思いますが、単純でブレない勘違いをしている上のパターンも、けっこう笑えます。
こんにちは。コメントありがとうございます。
ジョーイは、モニカのセリフで omnipotent を impotent の意味だと勘違いしているわけですが、その後のロスのセリフでも、引き続き、同じ誤解をし続けているという解釈もあるのでは? というお話ですね?
言葉を勘違いするというのはジョーイのよくあるパターンですが、今回については、最初のモニカの時は聞き間違い(または勘違い)としても、それをきちんと言い直したところ、オムがアイムに聞こえてさらに面白い、という解釈の方が笑いとしては面白いと私は思っています。
ジョーイが omnipotent/impotent の2つの単語を混同していたとして、ロスが一言、"Omnipotent." と言った場合、「僕は〜だ」という風には解釈できないと思うのですね。
ロスが言った時点では、フレンズたちも観客も、「モニカの言った”単語”をジョーイにもわかるようにゆっくり言い直しただけ」と感じたはずで、その「1単語」をジョーイが「アイアム付きの文」と聞き違えたことが You are? だけでわかるという面白さだろうと思います。
You are? と聞き返したことで、ロスが I'm と言ったとジョーイが思っていることがわかる。
<I'm ニポテント>と聞き違えているということは、ロスが I'm impotent と言ったと思っている。
というのが私には一番納得できる解釈だと思いますし、You are? という2語だけで、ジョーイの誤解が瞬時にわかるところが、本当によくできたやりとりだなと思います。
I'm sorry. が「同情」なのか「謝罪」なのかについてですが、不能である人物の前で「リトル・ジョーイが死んだなら生きている意味がない」と言ってしまったことを「詫びている」という可能性は十分ありそうですね。
大変だな、という同情よりも、声や身振りが大きい感じに見えるので、「知らなかったこととは言え、”俺なら自殺する”とか言ってごめん」というニュアンスかもしれないと私も思いました。
ご意見ありがとうございました。
今回のネタですが、日本版は途中で切れていますが、米国版を見ると
”Ross, I'm sorry."とジョーイが謝ったところでロスはあきれて席を立ち、その後チャンドラーに” I had no idea. I thought it was a theoretical question.”とちゃんと理由を説明しているので日本版のただの無知なジョーイとは印象が違います。
ちなみにチャンドラーはそんなジョーイの背中を優しくたたいて慰めています。
いい関係ですよね。
はじめまして。コメント、そして米国版の貴重な情報、ありがとうございます。
日本語版でシーンがカットされているせいで、つながりが悪かったり、説明不足になったりしていることってありますよね。
参考になる情報、ありがとうございました<(_ _)>