皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は13位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
9:39
ジャニス: I got you... these. [pulls out a pair of socks] (あなたに買ってきたのは…これよ。[1足の靴下を取り出す])
チャンドラー: Bullwinkle socks. That's so sweet. (ブルウィンクルの靴下だ。それってすっごく素敵だね。)
ジャニス: Well, I knew you had the Rockys. And so I figured, you know, you could wear Bullwinkle and Bullwinkle, or you could wear Rocky and Rocky, or you can mix and match. Moose and squirrel. Whatever you want. (えぇ、あなたがロッキーの靴下を持ってるのを知ってたの。それで思ったのね、ほら、あなたはブルウィンクルとブルウィンクル(のペア)でもはけるし、ロッキーとロッキー(のペア)でもはけるし、または組み合わせることもできる。ムースと(空飛ぶ)リス(or ムササビ)をね。あなたの好きなもの何でも。)
チャンドラー: That's great. (それって最高だね。)
[The drinks arrive, and Chandler downs his espresso in one gulp.]
飲み物が届いて、チャンドラーは一口でエスプレッソを飲み干す。
チャンドラー: Well, I'm gonna get another espresso. More latte? (えーっと、俺はエスプレッソをもう1杯飲むつもりだけど。君はもっとラテは?)
ジャニス: [holding the full cup] No, no, I'm still working on mine. ([中身の入ったカップを持ちながら] いえいえ、私はまた自分のを飲んでる途中よ。)
[Chandler walks over to the counter where Phoebe is, and is asking her about the break-up.]
チャンドラーはフィービーがいるカウンターまで歩いていき、さっきの(トニーとの)別れについてフィービーに尋ねている。
チャンドラー: That's it? (あれでおしまい?)
フィービー: Yeah, it was really hard. (えぇ、本当につらかったわ。)
チャンドラー: Oh, yeah, the hug looked pretty brutal. (あぁ、そうだね、あのハグはかなり残酷に見えたからね。)
フィービー: Ok, you weren't there. (ちょっと、あなたは当事者じゃないくせに。)
ジャニスは、I got you... these. と言って、左右セットの靴下を取り出しています。
ト書きに a pair of socks と書かれているように靴下は左右のペアで1セットなので、代名詞の場合でも this という単数形ではなく、these という複数形になっていることに注目です。
チャンドラーが、Bullwinkle という名前を出し、その後、ジャニスのセリフの中では、Rocky という名前も出てきていますね。
これは、1960年代のアメリカの人気アニメシリーズ「ロッキー&ブルウィンクル」(The Rocky and Bullwinkle Show)に出てくるキャラクターの名前。
フルネームは、ロッキーが Rocket J. Squirrel で、 ブルウィンクルが Bullwinkle J. Moose というそうです。
日本では「空飛ぶロッキーくん」というタイトルで放映されていたようです。
Wikipedia 英語版: The Adventures of Rocky and Bullwinkle and Friends
上の英語版ウィキペディアでも説明されていますが、年代や放送局により、
Rocky and His Friends / The Bullwinkle Show / The Rocky and Bullwinkle Show /
The Adventures of Rocky and Bullwinkle / The Adventures of Bullwinkle and Rocky
など、さまざまなタイトルで表記されているようです。
ジャニスの説明では、moose and squirrel と説明されていて、彼らのフルネームにもそれぞれ、moose / squirrel という単語が含まれていますが、上のウィキペディアでの説明を見ると、ブルウィンクルは moose 「ヘラジカ、ムース」ですが、ロッキーは、a flying squirrel と表記されています。
squirrel は「リス」ですが、a flying squirrel のように flying がつくと、”一般的には”「ムササビ」を指します。
ただ、このロッキーの画像などを見ると、水色の飛行帽をかぶっていて空を自由自在に飛んでいますが、ムササビなどに特徴的な(前脚と後脚の間にある)飛膜を広げて飛んでいるようには見えません。
ロッキーのその姿を考えると、いわゆる「ムササビ」ではなくて、文字通り「空飛ぶリス」というニュアンスで、a flying squirrel と表現しているような気がしました。
mix and match は「(いろいろな物を)組み合わせる、(衣服を)着回しする」というニュアンス。
you had the Rockys と Rocky が複数形になっているのは、左右それぞれにロッキーが描いてある Rocky socks のイメージでしょう。
チャンドラーはロッキーの靴下を持っているので、そのコンビであるブルウィンクルの靴下を買うことで、左右ともロッキー、左右ともブルウィンクル、そしてブルウィンクルとロッキーのように左右でペアにして履くこともできる、とジャニスは言っているのですね。
ちなみに、シットコム「フルハウス」のジョーイ・グラッドストーンは、スタンダップ・コメディアンでものまねが得意なのですが、彼のレパートリーの一つにブルウィンクルも含まれています。
両手の親指をこめかみ辺りに付け、手のひらを広げて、大きく広がったヘラジカの角を表現しながら、ちょっとこもった声でしゃべるシーンが出てくるのですが、それがこの「ロッキー&ブルウィンクル」のヘラジカ、ブルウィンクルのものまねです。
チャンドラーはエスプレッソを受け取るなり、そのままぐっと飲み干して、「俺、おかわりもらうけど、君もラテのおかわりどう?」みたいに聞いています。
ジャニスのラテはカップに満ち満ちた状態で届いたばかりで、ジャニスは、I'm still working on mine. と答えます。
work on は「〜に取り組む、従事する」で、何かの行為・仕事に取り組んでいることを指します。
「私はあなたみたいにそんなすごい勢いで飲み物を飲み干したりしないわ。これからゆっくり飲もうとしてるところだから、次の注文なんていらないわ」ということで、その後のジャニスのハハハハ、、という特徴的な笑い方、非常に耳に残りますね^^
チャンドラーは、カウンターにいるフィービーのところに行って、先ほどのトニーとの別れがあまりにもあっさりしていたことに驚いた様子で、That's it? は「それでおしまい? それだけ?」と言っています。
フィービーは深刻そうに「本当につらかったわ」と言うのですが、どう見てもつらそうに見えない爽やかな別れ方だったので、チャンドラーは「あぁ、さっきのあのハグはかなり残酷に見えたよね」と大げさに皮肉っぽく表現しています。
チャンドラーが皮肉でそう言ったのに気づいたらしいフィービーは、ちょっと怒った様子で、Ok, you weren't there. と返しています。
You weren't there. を直訳すると「あなたはそこ(その場)にいなかった」ということですね。
この場合は実際の「場所」というニュアンスよりも「その状況・立場」という感覚が近いでしょう。
別れのその場・現場にいて実際に経験したわけでもないあなたが、当事者でもないあなたが、深い事情も知らないくせに勝手なこと言わないで、当事者にしかその苦しみはわからないのよ、と言っていることになるでしょう。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
いつも詳細な解説をありがとうございます。また今回の記事で教えていただきたいところが出てきました。
>ジャニス: Well, I knew you had the Rockys. And so I figured, you know, you could wear Bullwinkle and Bullwinkle, or you can wear Rocky and Rocky, or you can mix and match. Moose and squirrel. Whatever you want.
このジャニスの発言で could が途中で can に変わってるのはどうしてでしょうか?
1.you could wear Bullwinkle and Bullwinkle
2.you can wear Rocky and Rocky
3.you can mix and match
ちなみに2番目のセリフ you can wear Rocky and Rocky はブルーレイの英語字幕では ...or wear Rocky and Rocky となっていて you can は省略されているようです。そして実際には you could と言ってるように聞こえます。
3番目は字幕も you can となっています。
よろしくお願いいたします。
こんにちは。こちらこそいつも記事を隅々までお読みいただきありがとうございます(^^)
ご質問のセリフの、could/can について、シーンを再確認したところ、以下のようになっていました。
And so I figured, you know, you could wear Bullwinkle and Bullwinkle, or you could wear Rocky and Rocky, or you can mix and match.
ですから、could, could, can の順番になりますね。Netflix の字幕も音声通り、could, could, can になっていました(よって、上の記事のセリフも、2番目を can → could に訂正しました)。
その上で、could, could から最後に can に変わった件について考えてみます。
ジャニスの中では「両方ブルウィンクル」と「両方ロッキー」がひとまとまりで、「ブルウィンクルとロッキー」のように組み合わせることは「追加」っぽいニュアンスになっているのだろうと思います。3つの方法が並列なのではなくて、1&2 と 3 の間に「切れ目」がある感じなんだろうと。
「同じキャラをはく」という選択肢として 1&2 があって、"I figured 案1 & 案2" のようにどちらにも figured がかかっているので、時制の一致で could を使っている。
その後、「こういうことも可能よ」と「左右がキャラのコンビになるようにする」という少し毛色の違う選択肢を挙げていて、その時にはもう I figured に続く that 節という意識はなく、「ミックス&マッチも可能だし」という言い方になっている、というのが、一連の流れかなぁと思いました。
その時制の一致(figured を受けているか否か)をはっきり出して和訳するとすれば、
「両方ブルウィンクルでもいけるし、両方ロッキーでもいけると私は思ったのね。もしくはほら、ブルウィンクル&ロッキーで組み合わせてもいけるじゃない」
という感じになるかと思います。
ご丁寧な検証と考察に感謝です。
>その時にはもう I figured に続く that 節という意識はなく、
なるほど!セリフを文字列で見ると一連の流れは一文に見えるから途中で時制が変わるとあれ?って思ってしまいましたが、実際の会話では話者は途中で気分的には文を終わらせて次に行くという感じですね。
すっきり納得です。ありがとうございました。(^^)
こんにちは。コメントありがとうございます。
すっきり納得と言っていただけて良かったです(^^)
ご丁寧なお礼のお返事、ありがとうございました。