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13:31
[Scene: Fancy restaurant. Monica, Joey, Angela, and Bob are seated at the table.]
おしゃれなレストラン。モニカ、ジョーイ、アンジェラ、ボブがテーブルに座っている。
モニカ: [to Joey] He's so cute! [to Angela and Bob] So where did you guys grow up? ([ジョーイに] 彼(ボブ)ってすっごく素敵(セクシー)! [アンジェラとボブに] それであなたたちはどこで育ったの?)
アンジェラ: Brooklyn Heights. (ブルックリン・ハイツ。)
ボブ: Cleveland. (クリーブランド。)
モニカ: Ha? How did that happen? (は? どうして[どうやって]そんなことが起こったの?)
ジョーイ: Oh, my God! (なんてこった!)
モニカ: What? (何?)
ジョーイ: I uh, suddenly had the feeling I was... falling. But I'm not. (俺、突然、…落ちてる感じがしたんだよ。でも落ちてないや。)
Commercial Break
ボブとアンジェラ、モニカとジョーイがそれぞれ向かい合って話をしています。
モニカはボブたちと話しながら大笑いしていて、笑ったままの状態で、後ろにいるジョーイの太ももをバンと叩きながら、He's so cute! と言っています。
目の前にいるボブに聞こえないよう、面白くて大ウケしているかのようなふりをしながら、ジョーイにそう言った感じですね。
He's so cute! は「彼って素敵ね! セクシーね!」。
過去エピソード、フレンズ1-4 で、女性陣がジョージ・ステファノプロスのことを語る際、
モニカ: The one with the great hair, sexy smile, really cute butt. (素敵な髪の毛、セクシーな微笑み、実にセクシーなお尻の人よ。)
レイチェル: Oh, he is so cute. (あぁ、彼って本当にセクシーね。)
のように cute という言葉を使っていましたが、それと同じニュアンスですね。
cute は日本語で「キュート」というカタカナ英語になっており、主に女の子や子供を指す「かわいい」という意味で使われますが、男性に対して使った場合には「恋愛対象として見た場合に性的に魅力的な」という意味になります。
Macmillan Dictionary でも、
cute : (INFORMAL) sexually attractive
と説明されています。
二人はどこで育ったのか? という質問に、アンジェラとボブは別の地名を答えています。
ブルックリンハイツはニューヨーク州ブルックリン区にあり、クリーブランドはオハイオ州エリー湖岸にありますので、地理的にかなり離れた場所になります。
モニカは、ボブとアンジェラの二人を兄妹だと思っているので、二人はどこで育ったの? と子供の頃いた場所を尋ねているのですが、二人が別々の地名を挙げたので、別々の場所で育ったなんて、どうやってそんなことになったわけ? と尋ねているわけです。
How did that happen? を直訳すると「どのようにしてそんなことが起こったの?」ということですから、「兄妹なのに育った場所が違うとか、どうしてそんなことになったわけ? 兄妹なのに何か別々に育てられる事情でもあったの?」という驚きから、そう言っていることになるでしょう。
モニカは二人を兄妹だと思っていますが、ボブとアンジェラの方はジョーイがそんな嘘を言っているとは知りません。
モニカが「どうして別々に?」と尋ね、二人が事情を説明すると兄妹でないことがバレてしまうと気づいたジョーイは、話題を変えるために、Oh, my God! と言ってみんなの気をそらし、「自分が落ちてるような感覚がしたんだけど(でも実際には)落ちてないや」みたいなことを言ってごまかすことになります。
14:01
[Scene: Fancy restaurant. Joey and Bob are talking.]
おしゃれなレストラン。ジョーイとボブが話している。
ジョーイ: So, you and Angela, huh? (それで、君とアンジェラ、ってわけだな? [君とアンジェラは付き合ってるんだな?])
ボブ: Yep. Pretty much. (あぁ。まさにね。)
ジョーイ: You're a lucky man. You know what I miss the most about her? That cute nibbley noise she makes when she eats. Like a happy little squirrel… or a weasel. (君はラッキーな男だよ。俺が彼女のことで一番恋しく思ってる[なくなって寂しいと思ってる]ことは何だと思う? 彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ。幸せな子リスみたいな、、、もしくはイタチかな。)
ボブ: Huh, I never really noticed. (そうか、僕は気づかなかったよ。)
ジョーイ: Oh, yeah, yeah. Listen for it. (あぁ、そう、そうなんだよ。(その音に気づくように)耳を傾けてみなよ[聞き耳立ててみなよ]。)
ボブ: Monica. Monica is great. (モニカ。モニカは最高だね。)
ジョーイ: Yeah, yeah, she is. But it's not gonna last. She's too much for me in bed. Sexually. (あぁ、そうだ、彼女は最高だよ。でも(モニカとの関係は)続かないだろうね。彼女はベッドの中で俺にとっては”過ぎる”んだよ[手に余るほどなんだよ]。性的にね。)
CMの暗転の後、場面が変わり、ボブとジョーイの男性二人が話をしています。
So, you and Angela, huh? は「それで、君とアンジェラ、だな?」みたいな感じですが、そのジョーイの言い方から、「君とアンジェラは付き合ってるんだよな?」みたいな意味であることが想像できます。
You know what I miss the most about her? は「彼女について俺が一番 miss することが何かわかる?」ということ。
miss は「〜がなくて寂しく思う」。
I miss you. 「君がいなくて寂しい、君が恋しい」という意味でよく使われますね。
You know what SV...? 「S が V するのは何だと思う?」と前振りをした後、ジョーイはその内容を説明しています。
That cute nibbley noise she makes when she eats. と長めの文章になっていますが、対象物は noise 「音」ですね。
アンジェラと別れたために、あの音が聞けなくなって寂しいよ、ということになります。
noise は音楽的な「音」ではなく、「物音、雑音、騒音」のようなものを指します。
That cute nibbley noise she makes when she eats. の構造は「彼女が食べる時に make する、あのキュートで nibbley な音」。
「音を出す、音を立てる」という時は、make a noise のように動詞 make を使うので、ここでも ... noise she makes という形になっていますね。
nibble は「(動物が食べ物を)少しずつかじる」なので、nibbley noise は「かじるような音、かじる時に出す音」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nibble :
a) to eat small amounts of food by taking very small bites
例1)We put out nuts for the squirrels to nibble.
例2)Guests were nibbling on hors d'oeuvres.
つまり、「非常に小さい一口ずつで、少量の食べ物を食べること」。例文1は「リスがかじるようにと、私たちは木の実(ナッツ)を差し出した」。例文2は「客たちはオードブルをつまんでいた]。
b) to gently bite something, as a sign of sexual attraction
つまり「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」。
まず a) の方ですが、例文1に出てくる「リスが木の実をかじる」というのが、典型的な nibble のイメージですね。
LAAD のイメージ画像にもまさにリスが手に持った木の実をかじる姿が載っています。
例文2の「オードブル」は「かじる」ではなく「つまむ」と訳しましたが、その方が少量のオードブルをちょこちょこと食べている感じが出ますよね。
実際、一口食べるような「おつまみ」は、nibble の名詞形を複数形にした nibbles と表現します。
LAAD では、
nibbles [plural] : small things to eat, especially at a party
つまり「(常に複数形で)食べるための小さなもの、特にパーティーで」。
「少量の食べ物をかじる、つまむ」という感覚はわかりやすいですが、ちょっと気になるのが a sign of sexual attraction という b) の語義でしょうか。
これと似た意味は、Macmillan Dictionary で以下のように説明されていました。
nibble : to bite the surface of something gently several times
例)The parrot was nibbling her ear.
つまり、「何かの表面を優しく(そっと)何度も噛むこと」。例文は「そのオウムは彼女の耳を(優しく)噛んでいた」。
gently は「優しく、そっと、穏やかに」という副詞で、一つ前の記事では洗濯用語として、gentle cycle 「弱流洗い」という言葉も出てきたばかりでしたよね。
ロングマン、マクミランの両方で、bite gently という表現が使われていることになりますが、犬や猫などのペットが飼い主の手を軽く噛んだりする「甘噛み(あまがみ)」みたいなイメージだろうと思います。
ケガするほど思いきり噛むのではなくて、じゃれる感じでカミカミ、カジカジする感じと言いますか。
マクミランの例文では「オウムが彼女の耳を噛む」となっていますが、これは人の肩にオウムが乗った状態で、オウムがその人の耳を優しく噛んでいる状態を指すようです。
それを考えると、ロングマンの b)
to gently bite something, as a sign of sexual attraction 「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」
というのは、恋人がじゃれあっている時の愛情表現として、相手の耳などを優しく何度も噛んだりするような行為を指していると考えられるでしょう(アカデミックな LAAD に載っているのがちょっと不思議な感じもしますが^^)
nibble にはそれらの意味があることを踏まえて、セリフの続きを見てみます。
「彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ」の後、Like a happy little squirrel… or a weasel. と続けていますね。
squirrel は「リス」。ジャニスが「ロッキー&ブルウィンクル」の靴下を説明するセリフにも出てきましたね。
そして weasel は「イタチ」。
ロングマンで「リスが木の実をかじる」という例文や画像が出てきたように、ジョーイのセリフでも真っ先にリスの例えが出てきます。
先ほど説明したように nibble には「恋人の耳を優しく噛む」ような意味もあるとは言え、ここでジョーイは「食べる時に出す音、リスやイタチみたいな」と言っているので、「リスが木の実をかじる」時のような食べ物を少しずつかじる時の音を言っていると判断できるでしょう。
また、モニカがボブを形容するのに使った時の cute は「性的に魅力的、セクシー」という意味でしたが、この cute noise は「かじる音」のことですから、日本語のニュアンスの「かわいい」という意味で解釈すれば良いでしょう。
リスと並んで名前が挙がった weasel「イタチ」ですが、weasel は「(他人をだますような)ずるい人、こそこそする人」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
weasel : (INFORMAL) an insulting word for a dishonest person
つまり、「(インフォーマル)不誠実な人に対する侮辱的な言葉」。
要は「不誠実な人を意味する悪口」ということですね。
動物みたいなかじり方の例えとして、かわいらしいリスならまだしも、イタチまで挙げたのは、ボブがアンジェラに幻滅するように、わざとイメージの悪い動物を挙げたということですね。
今回のエピソードで、belch 「げっぷ(をする)」という単語が出てきた時にも書きましたが、欧米では、日本以上に食事中に音を出すことを嫌いますから(スープをズズズーと味噌汁のように飲んではいけないとか言いますよね)、アンジェラが食事中に音を立てる癖があることを言って、彼女の下品な振る舞いを教えていることになるでしょう。
「そんな音、僕は気づかなかった」と言うボブに、ジョーイは、Listen for it. と返します。
listen は listen to として使われることが多いですが、ここでの listen for のニュアンスは以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
listen=〔+for+【(代)名】〕(予期して)〔…に〕聞き耳を立てる
We listened closely for his footsteps. 彼の足音がせぬかと聞き耳を立てた。
listen to だと、今、実際に聞こえている音”に”耳を傾ける感覚で、listen for だと「何かの音が聞こえるのを”求めて”耳を傾ける」感覚になるということですね。
LAAD では、
listen for somebody/something : to listen carefully so that you will notice a particular sound
つまり、「ある音に気づくように注意深く聞く(耳を傾ける)こと」。
語義では「notice するように聞く」となっていますね。
今回のやりとりでは、ボブが「notice しなかった」と言ったことに対して、「notice するように聞けよ」という意味で「listen for しなよ」と言っていることになるわけです。
ジョーイがアンジェラの話を出したので、ボブはお返しのようにモニカについて言及しています。
ボブはモニカをジョーイの彼女だと思っているので、モニカのことを褒めています。
yeah, she is (great). と最高なのを認めた後の、it's not gonna last. 以下について。
この last は「続く」という意味の動詞なので、「続かないだろう」ということ。
「彼女は最高なんだけど、続かないだろう」ということから、この関係はこれ以上続かないと思う、と言っていることが想像されます。
too は「あまりに〜すぎる」ということで、許容範囲を超えている、過剰であるという感覚。
too much for me は「俺の手には余る、俺にはちょっとすごすぎるんだ」みたいなことですね。
モニカはエッチの時すごいんだ、というのを強調して、ボブに興味を持たせようとしているわけですが、in bed 「ベッドで」という表現だけで、エッチの時の話をしていることはわかるのに、その後、Sexually という言葉をわざわざ付けているのが面白いですね。
「具体的にそんな副詞を付けなくてもわかる」というところなのに、とにかく「エッチ面ですごい」ことを印象付けようとするあまりの「不自然な付け足し」であり、当のジョーイの方は「これくらいはっきり言っときゃわかるだろ」みたいなちょっと得意げな顔をしているのも楽しいところです。
ジョーイはアンジェラを手に入れるために、「ボブをアンジェラと別れさせて、モニカとくっつける」ことを画策しています。
ですから、アンジェラについては「魅力を損なうような情報」を与え、モニカについては「興味をそそるような情報」を与えることになりますね。
nibble には「恋人の耳を優しく噛む」というセクシャルな意味があると先に説明しましたが、アンジェラについて「セクシャルなこと、セクシーな連想をさせること」を言ってしまっては、ボブがアンジェラを手放さないことになるので、今回のセリフについてはジョーイとしては nibble に性的な示唆は含めておらず、純粋に「リスが木の実を食べるように”かじる”」「動物みたいに音を立てて食べる」というニュアンスでのみ使っていると考えて良いと思います。
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