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14:47
[Scene: The ladies' bathroom at the restaurant. Monica and Angela are talking.]
シーン:レストランの女子トイレ。モニカとアンジェラが話している。
モニカ: I've gotta tell you, Bob is terrific. (あなたに言わなきゃ(これだけは言わせて)、ボブって最高ね。)
アンジェラ: Yeah, isn't he? (えぇ、そうでしょ?)
モニカ: It is so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like, 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が、ほら、8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)
アンジェラ: You know what else? He's unbelievable in bed! (他にもあるの知ってる? 彼はベッドで信じられないくらいすごいのよ!)
モニカ: Wow. My brother never even told me when he lost his virginity. (まあ。私の兄は自分がいつ童貞を喪失したかさえ教えてくれなかったわ。)
アンジェラ: Huh. That's nice. (はぁ。それは良かったわね。)
terrific は「すごい、素晴らしい、最高」。良いニュアンスで使う単語で、意味は、fantastic に近い感じ。
よく似た単語の terrible は「ひどい」という悪い意味で使います。こちらは、extremely bad という意味。
ボブを褒めた後、「〜する男性に会えるなんてすっごく素敵よね」と言っており、a guy who's... 以下でボブの魅力を語っていることになります。
smart and funny は「賢くて(頭が良くて)面白い」。
人に対する褒め言葉として、英語ではよく出てくる組み合わせです。
emotional age は「感情の年齢」ということですが、よく言う日本語だと「精神年齢」というところですね。
age beyond, like, 8. の like は「ほら」というニュアンスの挿入句なので、「8以上の精神年齢」つまり 8 (eight) は「8歳」という年齢を指します。
過去記事、結婚したの、8歳くらいだっけ? フレンズ1-1改その22 でも、"You got married. You were, like, what? 8?" 「ロスは結婚した、その時、ロスは、ほら、8歳くらいだったっけ?」というセリフで「8歳」という年齢が出てきていました。
その 1-1 に続いて、今回の 1-5 が「8歳の子供シリーズ第2弾」になるわけですが、今回も「幼いガキんちょ」的なニュアンスで、8歳という年齢が使われていることになります。
「賢くて面白い人はたまにはいるけど、そういう人は精神年齢が幼い、ってことが多いのよね」とモニカは言いたいようですね。
ボブは smart かつ funny であり、同時に精神年齢も大人である、大人の男性の魅力も持ち合わせている、という稀有な存在よ、そんな男性に会えるなんてすごいことだわ! とモニカは感動していることになります。
「ボブには他にもいいところがあるのよ。ベッドでもすごいんだから!」みたいに言われ、ボブがアンジェラの兄だと思いこんでいるモニカは驚いています。
これより1つ前のシーンでは、ボブとの会話の中で、ジョーイがモニカのことを "She's too much for me in bed. Sexually." と言っていました。
そこでも in bed という表現が使われ、その時のジョーイは念押しのように、sexually と付け加えていましたが、今回のアンジェラのセリフのように、通常は unbelievable in bed だけで、エッチの意味だということは想像されるわけですね。
ここでアンジェラも in bed という表現を使ったことで、前のジョーイのセリフの sexually が「アピールしたいがための、くどすぎる念押し」だったことがより強調される気がします。
アンジェラが自分の兄の話をしていると思ったモニカは「私の兄」としてロスの話題を出しています。
lose one's virginity は「処女・童貞(であること)を失う」。
日本語では「ロストバージン」と言ったりしますが、英語ではこのように表現することになります。
virgin という単語は、少し前の記事、ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15 のレイチェルのセリフ、"I'm a laundry virgin." 「私は洗濯未経験者なの」というセリフで登場していましたね。
コインランドリーでレイチェルはロスに対してそういう単語を使っていて、同時進行中のレストランのシーンでモニカが「兄のロスが virgin ではなくなった日」の話をしている、というのが関連語繋がりのような感じで興味深いなと思いました。
アンジェラは「ボブがアンジェラの兄だとモニカは思っている」ことなど知らないので、どうしてこの流れで急に兄の話が出てきたのかちんぷんかんぷんなわけですね。
それで「自分の兄のその手の話は、知らないなら知らない方がいいと思うけど」という意味で「知らないならそれは良かったわね」と言っていることになるでしょう。
お互いの状況を誤解している(まるでアンジャッシュのコントのようなw)二人のチグハグ感を感じていただけたらと思います。
ちなみに、過去記事、ハロウィーンの11日前だから良い衣装がない? フレンズ1-4改その5 で、ロスが「今日はキャロルとの初エッチの日なんだ」と告白する前、モニカは今日がそういう日であることを知っている口ぶりでした。
それが「ロスの人生初エッチの日」であることまでモニカが知っていたかどうかはわかりませんが、兄のエッチ経験話を「全く知らない」ということでもない感じはしますね^^
15:16
[Scene: Central Perk. Phoebe is coaching Chandler on how to break up with Janice.]
シーン:セントラルパーク。ジャニスとの別れ方について、フィービーがチャンドラーにコーチしている。)
フィービー: Okay, you can do this. It's just like pulling off a Band-Aid, okay? Just do it really fast, and then the wound is exposed. Go! Go! (いいわ。あなたならこれができるわ。ただバンド・エイドをはがすみたいな感じよ、いい? ただそれをすごく素早くやるの、そしたら傷口がむき出しになるわ[露出するわ]。行って、行って!)
[Chandler walks back to couch, where Janice is.]
チャンドラーはジャニスがいるカウチに戻る。
チャンドラー: Janice. Hi, Janice. Ok, here we go. I don't think we should go out anymore. Janice. (ジャニス、はーい、ジャニス。よし、いくぞ。俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ。ジャニス。)
ジャニス: All right. Well, there you go. [she gets extremely wound up, and begins to try and calm herself down] Stop it, stop it, stop it. (わかった。うーんと、そうね。[ジャニスはひどく動揺し、自身を落ち着かせようとし始める] 止まれ、止まれ、止まれ。)
pull off は「はがす」。pull 「引っ張る」+off 「分離」というニュアンスです。
expose は「〜をさらす、露出する」。expose A to B なら、「A を B にさらす」。
この場合は、受身形なので、the wound is exposed は「傷口がさらされる、露出する、むき出しになる」。
「バンドエイドをさっとはがすと、痛みを感じるのは一瞬で済む」のような話だったら説得力もあるけれど、「素早くはがしたら傷口が露出する」という単なる結果を述べられてもなぁ、、というところですね。
バンドエイドで保護されていた傷がむき出しになることで、痛みがさらに増しそうな感じすらします。
この例えだと、思い切って別れても、後々痛みが残るんじゃないかと思わせるような妙なアドバイスですよね。
ジャニスが座っているカウチに戻ったチャンドラーは、またエスプレッソを一息で飲んでいます。
テーブルの上にはチャンドラーが飲んだらしいエスプレッソのカップが5個くらい置いてあるのにも笑えてしまいますね。
何か言おうとするたびに、まずはエスプレッソを一息でぐっと飲んでから、、という行動の流れが出来上がってしまっていることが想像できます。
I don't think we should go out anymore. は「俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ」。
「we should not go out anymore だと思う」という意味ですが、英語では not のような否定語は前に来る傾向にあり、このように I don’t think we should... という形になります。
日本語で言うと、「僕たち、もう会うのはよそう」という感じの、別れの時の決まり文句ですね。
それを聞いたジャニスは、見るからに動揺が隠せない様子で、自分に言い聞かせるように言葉を発していますが、泣きそうになり、その涙を手で乾かそうとでもするように顔の前で両手をうちわのようにパタパタ振っています。
フィービーが彼氏トニーに別れを告げた時は、少し話してハグをしてトニーはそのままあっさり去って行きましたが、動揺を抑えきれないジャニスの様子を見ると、この別れ話の前途多難さが想像されますね。
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今回の記事でもやもやと引っかかるところが出てきたのでご教示ください。
フィービーのコーチを受けたあとジャニスがいるカウチに戻る場面の次の説明文です。
[Chandler walks back to couch, where Janice is.]
couch に the が付いていないのが何故なのかよくわからないんです。
2018年01月23日
ロッキーとブルウィンクルの靴下 フレンズ1-5改その12
の記事内の説明文
>[Chandler walks over to the counter where Phoebe is, and is asking her about the break-up.]
これには counter に the が付いています。
こちらには the が付いているのに初めて場面に登場したわけではなく、まさにジャニスが座っている「その特定されたカウチ」に the が付かないのが納得いかんとです。(何故に九州弁(^^;))
よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
おっしゃるように、ご指摘部分のト書きには couch に the が付いていませんね。確かに納得いかんとです^^
フレンズのネットスクリプトをざっと調べてみたところ、今回の 1-5 以外では、フレンズ2-10 に、
[comes back to couch, with cake]
という the なしのト書きがありました。
それに対して、back to the couch と the がついているものは 2-8, 4-20 の2つのみでした。
back to (the) couch という表現ではそのような結果になりましたが、to couch と to the couch で調べると、
to couch は上に挙げた 1-5, 2-10 のみ。
そして、to the couch が出てくるものは、上に挙げた 2-8, 4-20 以外にあと 24エピソードほどあるようです。
couch は辞書を見ても可算名詞ですし、通常は to couch のような無冠詞の使い方はしないように思います。
たまたま、1-5, 2-10 のト書きにおいて、back to couch という無冠詞で書かれているだけで、これはタイポ、または back to basics や back to normal のような無冠詞表現の感覚で使ってしまった、ということなのかなぁ、と思いました。
ということで、やはり、back to the couch が正しい形になると思います(^^)
興味深いご質問ありがとうございました。
早速他のエピソードも調べていただいたようで恐縮です。
>通常は to couch のような無冠詞の使い方はしないように思います。
質問コメントをアップした後、手持ちの文法書で冠詞を調べたところ(順序が逆ですみません。m(_ _)m)「機能に焦点を当てた場合無冠詞になる」例として go to school や go to bed が挙げられていました。
仮に to couch のような使い方があるとしても場面としては「くつろぐためカウチへ行く」のであって「別れ話を持ってカウチへ行く」場合は当てはまらないですよね。(^^;)
Rachさんの解説でもやもやが晴れました。ありがとうございます。(^^)
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
調べて下さった情報の「機能に焦点を当てた」という説明、非常にわかりやすいですね。
どちらも家具であることからも、go to bed の感覚が、今回の to couch に一番近そうです。
「ベッドに行って寝る」「カウチに行って座る」ということで、慣用的に使われている go to bed のイメージで使っているのが、ト書きの back to couch なんでしょうね。
おっしゃるように今回は「くつろぐため」にカウチに戻ったわけではないですが、go to bed の「寝に行く」に近い感じの「座りに(座るために)戻る」というニュアンスで(意識してなのか無意識なのかはわかりませんが)walks back to couch という無冠詞を使っているような気が改めてしました。
>調べて下さった情報の「機能に焦点を当てた」という説明、非常にわかりやすいですね。
調べた文法書は「高校総合英語 Forest [New Edition]」です。ニューエディションといっても発行が2003年3月1日となってますので15年前のものです。最新版がどのような記述になっているのかわかりませんが、基本はそんなに変わってないんでしょうね。
Rachさんが調べてくださったフレンズ内文例数で比較すると無冠詞が2個、the 有りが26個、と圧倒的に the 有りですが、
>おっしゃるように今回は「くつろぐため」にカウチに戻ったわけではないですが、go to bed の「寝に行く」に近い感じの「座りに(座るために)戻る」というニュアンスで(意識してなのか無意識なのかはわかりませんが)walks back to couch という無冠詞を使っているような気が改めてしました。
う〜ん、ということは定冠詞無しの to couch もあり得るかもということですね。
日本語でも例えば「私は」か「私が」かで迷うことありますから、この辺りはグレーゾーンと理解しておくのが精神衛生上好ましいかもしれませんね。「もやもや」もちょっぴりもやっと残ってますが疑問点をシェアしていただけたことで気分的に大変すっきりいたしました。
ありがとうございました。(^^)
お返事ありがとうございます。
教えて下さった情報は「Forest」のものだったのですね。
私も改めて調べてみましたところ、数研出版「基礎と完成 新英文法」(安藤貞雄著)の「冠詞の省略と反復」の項で、冠詞の省略の例として「建造物が本来の機能を表す場合」と説明されていました。
ここでも「機能」という言葉が使われていますし、やはりそう捉えるのが無冠詞である説明としては一番わかりやすいですよね。
普通は back to the couch だろうけれども、back to couch という表現も「座る」という機能を意識した場合にはありうるのかも、、という感じで受け止めておいてもいい、というところでしょうか。
いろいろ考えを広げることができて楽しかったです。
こちらこそありがとうございました(^^)