2018年03月09日

彼女の目を叩いちゃった フレンズ1-5改その24

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19:17
[Scene: Central Perk. Chandler is still trying to ease things over with Janice, and there are about a dozen empty Espresso cups in front of him. He is extremely wired.]
シーン:セントラルパーク。チャンドラーはまだジャニスとの件を収めようとしている。チャンドラーの前には約12個(注:実際には10個)のエスプレッソのカラのカップがある。チャンドラーは極度に興奮している。
チャンドラー: Here's the thing, Janice. You know, I mean, it's like we're different. I'm like the bing, bing, bing. You're like the boom, boom, boom. [Chandler flails his hand out and hits Janice in the eye] (こういうことなんだよ、ジャニス。ほら、つまり、俺たちは違うって感じなんだ。俺はビンビンビンって感じで。君はブンブンブンって感じなんだよ。[チャンドラーは手を振り回して、ジャニスの目を叩く]。)
ジャニス: Ow! (痛っ![アウ!])
チャンドラー: Oh, my God! I'm so sorry! Are you okay? (なんてこった! ほんとにごめん! 大丈夫?)
ジャニス: Ow. Um, it's just my lens. It's my lens. I'll be right back. (痛い。あー、ただ私のコンタクト(のせい)よ。コンタクト(のせい)なの。すぐに戻るわ。)
[She leaves.]
ジャニスは席を離れる。
チャンドラー: [to Phoebe] I hit her in the eye! I hit her in the eye! This is the worst breakup in the history of the world! ([フィービーに] 彼女の目を叩いちゃった! 彼女の目を叩いちゃった! これって史上最悪の別れ方だ!)

セントラルパークでは、テーブルに10個ものエスプレッソのカラのカップが並んでいるのが映り、続いて、木のテーブルを打楽器のようにトントコトントコとリズミカルにチャンドラーが叩いている姿が映ります。
ジャニスに一言言う前に、気付け薬か何かのようにエスプレッソをぐっと飲み干してから話す、というのをもう10回くらい繰り返していることがわかる描写ですね。
カフェインの過剰摂取で興奮してハイになっていることが、その机トントコの姿に表れていると言えるでしょう。

Here's the thing. は「こういうことなんだ」という意味で、これから大事なことを切り出そうとする時の表現。
It's like, I'm like, You're like のように like が連続で使われていますが、どれも「主語は〜という感じ」というニュアンス。
チャンドラーは「君と俺とは違うんだ」ということを説明しようとして「俺はビンビンビンって感じで、君はブンブンブンって感じなんだ」と言っています。
bing という表現を使っているのはやはり、Chandler Bing という自分の名字の音からでしょうね。
boom に対しては「ビン」と同じような擬音語っぽい音「ブン」を選んだということになるのでしょう。
手を振り回しながらブンブンブーン!と言った時、3回目のブンで振り回した手がジャニスの目に当たってしまい、ジャニスは痛そうに Ow! 「アウ」と言っています。
日本語の「いた! いて! 痛い!」に相当するのがこの Ow! ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ow [interjection] : said to show that something hurts you
つまり「何かが自分を痛くする[自分に痛みを与える]ことを示すのに使われる」。
ouch 「アウチ」も「痛い!」という意味で使われますが、「いたたた、いててて」「痛い痛い」のように痛いことを連呼する場合には、Ow, ow, ow... と ow を繰り返しているのをよく見ます。

It's just my lens. は「私のコンタクト(レンズ)のせいなの」「問題となっているのはコンタクトなの」というニュアンス。
lens = contact lens ということで、省略して lens と呼んでいるのですね。
英語ではもっぱら lens と言われることが多いように思うのですが、今回、改めて英英辞典を調べてみたところ、contact の方もコンタクトレンズを指すと説明してありました。

LAAD では、
lens : a contact lens
contact : a contact lens


Macmillan Dictionary では、
lens : a contact lens
contact : (INFORMAL) a contact lens


コンタクトレンズは物としては「レンズ」なので、lens という略称の方が本来の姿を表していると言える気がしますが、日本語で「コンタクト」と呼ぶように、英語の場合も contact という略称もアリ、ということみたいですね。
マクミランでは、contact の方だけに「インフォーマル」と書かれているので、lens よりも contact の方がよりくだけた使われ方なのかなと思ったりします。

フレンズではもっぱら lens の方が使われていますし、一般的にも lens という呼び名の方が多いような気はするのですが、上の英英辞典の説明を見る限り、日本語風の「コンタクト」(contact)という略称も可能ということになりそうです。

実は過去記事、プラグとレンズをつけた フレンズ1-2改その28 で、"And you got lenses." 「それに、コンタクトつけたのね」というセリフが出てきた際、「コンタクトは英語では lens と言う」と説明したのですが、今回の記事の内容に合わせ、そちらの過去記事も追記にて訂正させていただいています。

I hit her in the eye! について。
「“彼女の目を”叩いた」と日本語では言いますが、英語ではこのように、hit her in the eye と言います。
叩いた相手は彼女なので、彼女を叩いた、と言い、その後で、具体的に叩いた場所(この場合は、in the eye)を詳しい説明として付け加える形ですね。
「彼女を叩いた、叩いた場所は目の中だった」という感覚になります。
hit him on the head 「彼の頭を叩く」、take her by the arm 「彼女の腕をつかむ」など、こういうパターンは多いので、出てくるたびにその感覚をつかんでいくようにしたいですね。

This is the worst breakup in the history of the world! という大げさな表現も面白いです。
世界の歴史において最悪のブレイクアップ、ということですから、史上最悪の別れ(方)だと言っていることになります。
別れを告げようとしている相手の目を叩いてしまったわけですから、チャンドラーのパニクり具合にも納得、というところですね。


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posted by Rach at 16:10| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

英語とは関係ないのですが、今回のシーンで一番衝撃を受けたのはジャニスが席から離れた後のチャンドラーの仕草です。

靴を履いたままソファの座面上で自転車を漕ぐような動きしてることです。(^^;)

英米では靴を履いたままソファやベッドに上がることにあまり抵抗がないんですかね。児童書の Oxford Reading Tree にもベッドに土足で上がってる絵があって驚いたことがあります。

日本人だと大多数が抵抗を感じるのではないでしょうか?
英米人が日本人の麺類をすする音に抵抗を感じるのと同じようなものでしょうか。

では。
Posted by aki-kiyo at 2018年03月09日 20:35
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
そのチャンドラーのソファの上での動き、面白いですよね。

おっしゃるように、欧米の作品では靴を履いたままベッドに上がるという姿はよく見かけますよね。
フレンズ1-4改その9 で、ロスがキャロルとの初エッチの時のことを語る際、「キャロルはブーツを脱がなかった」と言っていましたよね。それくらい情熱的だったという話ではありますが、「ベッドの上での土足に抵抗がない」欧米人ならではの感覚なのかもと思ったりもしました(^^)

テレビで「日本のおいしいラーメンが食べたくて来日した」という外国人の方が、麺とスープを一緒に食べる(麺をすする)のがうまくできなくて困っている、というのを見たことあるのですが、文化の違いというのは本当にいろいろありますよね。
ドラマを見ていて、へぇ〜と思えたりするのもまた、楽しみの一つだなぁと思います。
Posted by Rach at 2018年03月11日 10:19
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