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21:00
[Rachel looks at Ross, who motions to her to get the cart back.]
レイチェルはロスを見る。ロスは「カートを取り戻せ」というしぐさをする。
レイチェル: I'm sorry. You know, maybe I wasn't being clear. Uh, this was our cart. (ごめんなさい。ほら、多分私の言い方がはっきりしなかったのね。これは私たちのカートだったのよ。)
女性: Hey, hey, hey, there aren't any clothes in it! (おいおいおい、カートの中には服が全然入ってないよ!)
レイチェル: Hey, hey, hey, hey! Quit making up rules! (おいおいおいおい! ルールをでっち上げるのはやめなさいよ!)
女性: Let go! Come on, it's my cart. (離しなよ! ちょっと、私のカートだよ。)
[They struggle for the cart. Finally, Rachel climbs inside of it.]
二人はカートをめぐってもめる。ついに、レイチェルはカートの中に登って入る。
レイチェル: All right. Listen, Mitzi, if you want this cart, you're gonna have to take me with it! (いいわ。ねぇ、ミッツィー、もしあなたがこのカートを欲しいのなら、私が入った状態で持っていくことになるわ!)
[She thinks it over, and then walks away.]
女性は思いを巡らせて、それから歩いて去る。
レイチェル: [to Ross] Yes! Did you see that? ([ロスに] やったわ! 今の見た?)
ロス: You were incredible. A brand-new woman, ladies and gentlemen. (君は信じられないほど素晴らしかった。真新しい(生まれ変わった)女性です、みなさん。)
レイチェル: I could not have done this without you. (あなたなしでは、こんなことできなかったわ。)
[Rachel stands up and kisses Ross. He is stunned. A moment of silence follows.]
レイチェルは立ち上がり、ロスにキスする(注:実際には、レイチェルはカートに乗ったままロスのシャツを掴み、引き寄せてキスしている)。ロスは呆然としている。少しの沈黙が続く。
ロス: Ok, um, uh, more clothes in the dryer? [Ross turns and bangs his head on an open dryer door.] I'm fine, I'm fine. (よし。まだ服が乾燥機の中にあるかな? [ロスは向きを変えて、開いている乾燥機のドアに頭をぶつける] 僕は大丈夫、大丈夫だよ。)
レイチェル: Are you sure? (ほんとに?)
ロス: No. (いや。)
「そのカートを持っていた」という表現をしたことで「私だって過去に持っていた細いウエストを失った。持っていたものは失われることもある」みたいに言い返されてしまったので、「私の言い方が明白ではなかったようね、あなたにわからなかったみたいね」と言って、「持っていた」ではなく「これは私たちのカートだった」とレイチェルは言い直しています。
女性が hey を3回言うと、レイチェルが hey を4回、つまり相手より1回多く言うのが面白いですね。
そのおばさんの勢いにレイチェルも負けずに頑張っている感じが出ています。
hey, hey, hey は日本語で言うと「おいおいおい、ちょっとちょっとちょっと」みたいな感覚ですね。
「カートの中に服は全然入ってないじゃないか」と言うおばさんに、レイチェルは、Quit making up rules! と言っています。
make up の基本的なニュアンスは「作り上げる」ということですが、根拠もないことを勝手に作り上げるというという意味の「でっちあげる」という意味でもよく使われます。
「作り話をする」の「作る」という感覚ですね。
直訳すると「ルールを作るのはやめなさいよ!」ということで「ありもしないルールをでっち上げるのはやめなさいよ!」ということですね。
カートの中に服が入っていない、と指摘するおばさんに、カートをキープするには中に服を入れなければならないなんてルールはないわよ、洗濯機の時みたいに勝手に自分の都合のいいルール作らないでよ! と怒っているセリフになります。
レイチェルがおばさんに対する呼び掛け語として使った Mitzi について。
このおばさんのキャラクターの名前がそれということはないようで、
エンドクレジットでも、
guest starring Camille Saviola as the Horrible Woman
と表記されています。
レイチェルはこのおばさんの知り合いではないので、そもそも名前を知っているというのも変ですから、レイチェルが何らかのイメージで呼び掛けた名前ということになるのでしょう。
誰か有名人の名前なのかなと思って調べてみると、一番有名そうだったのはミッツィ・ゲイナー(Mitzi Gaynor)という女優さんでした。
Wikipedia 日本語版: ミッツィ・ゲイナー
「ショウほど素敵な商売はない」「南太平洋」など、有名なミュージカル映画に出演しています。
写真などを見ると、特にこのおばさんとの共通点はなさそうで、あえて言うと髪型がショートで短いということくらいですが、おばさんの髪型は(帽子でよく見えないものの)かなりのベリーショートのようなので、髪型が同じとも言い難い感じです。
なので、どうしてレイチェルがおばさんのことを Mitzi と呼んだのかは正直よくわかりませんでした、、、。
レイチェルはカートの中に入って、「カートを持って行きたいのなら、中に入った私ごと持って行きなさいよ!」みたいに言っています。
そう言われたおばさんは、喧嘩するのをあきらめて去って行くことになります。
レイチェルが言う Yes! は「よし! やった!」というニュアンスですね。
このような「やった!」というニュアンスは、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも以下のように説明されています。
yes [interjection] : used to show that you are very excited or happy about something
例)"Dad says we can go to the movies." "Yes!"
つまり「(間投詞)自分が何かに非常に興奮している、または幸せであることを示すために使われる」。例文は「僕たち映画に行けるって、パパが言ってるよ」「やった!」
incredible は unbelievable と同じように「信じられないほど素晴らしい」というニュアンス。
「インクレディブル」という単語は 2004年公開の「Mr.インクレディブル」(原題:The Incredibles)というピクサーのアニメ映画のおかげで、日本人にもなじみがある単語と言えるでしょう。
私はこの作品が好きで DVDも持っているのですが、久しぶりの続編「インクレディブル・ファミリー」(原題:Incredibles 2)が今年2018年6月15日に公開されるとのことです。楽しみですね♪
A brand-new woman, ladies and gentlemen. というのは、まるでそこに聴衆がいるかのように、生まれ変わったレイチェルを紹介しているような感覚。
前はおばさんに言い負かされてしまっていたレイチェルが、今度は一人で立ち向かい、おばさんを退散させたので、それがまるで生まれ変わった真新しい女性のようである、と言っていることになります。
「ほら皆さん、ここに生まれ変わった女性がいますよ。見てやって下さい、褒めてやって下さい」みたいな感じですね。
I could not have done this without you. は「あなたがいなければ、こんなことはできなかった」。
謝辞を述べる際などによく使われるフレーズで、仮定法過去完了の例文にでてきそうな典型的な文章だと言えます。
「もし(事実に反して)あなたがいてくれなければ、私はこんなことはできなかったでしょうに」という感覚で、「実際にはこうしてあなたがいてくれたお陰で、こんな(すごい)ことが私にもできちゃった」というニュアンスになります。
あのおばさんを退散させたことが自分でもよほど嬉しかったのでしょう、興奮気味で話しているレイチェルは、ロスにムチュ〜! という感じの熱烈なキスをしていますね。
学生時代からレイチェルのことが好きだったロスは、そのレイチェルにキスされて呆然としています。
ロスとしてはレイチェルにキスされてうっとり、、というところでしょうが、ロマンティックな恋愛感情からのキスではなく感謝のキスですから、ロスは冷静さを装わないといけないところが辛いですね。
もっと乾燥機に入れる? みたいに言ったところ、開いていたドアに頭をぶつけてしまうロス。
「大丈夫」と言いながらも、やっぱり頭がクラクラしてふらついているロスを映してエンドクレジットとなります。
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Rachelが服を畳んでおり、Rossが乾燥機から服を取り出していて空いている乾燥機が多数ある状態からも乾燥は終わっていると思われます。
そのため「乾燥機にもっと服を入れる?」となることに違和感を感じました。
「まだ服が乾燥機の中にある?」でしたら前後の動きと一致していてわかるのですが「乾燥機にもっと服を入れる?」という訳になった理由などがあれば解説をお願いしたいです。
どうぞよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
シーンの流れから考えても、ご指摘の通り、和訳は「まだ服が乾燥機の中にある?」にすべきでした。
ブログ本文も訂正させていただきました。
貴重なご指摘ありがとうございました。