2018年04月17日

これ以上ないほどの高嶺の花 フレンズ1-6改その4

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2:21
モニカ: Go over to her. She's not with anyone. (あの人のところに行きなさいよ。彼女は誰とも一緒にいないわ。)
チャンドラー: Oh yeah, and what would my opening line be? Excuse me... Blarrglarrghh.(あぁ、そうだね、で、俺の第一声は何になるんだろうね? すみません、ンガンガ…)
レイチェル: Oh, come on. She's a person. You can do it. (あぁ、もう! 彼女だって人間よ。(声を掛けるくらい)あなたにもできるわよ。)
チャンドラー: Oh please, could she BE more out of my league? Ross, back me up here. (あぁ、お願いだから(そんなこと言うの)やめてくれよ。彼女は、俺にとって(これ以上ありえないくらいの)史上最高の高嶺の花だよ。ロス、何とか言ってくれよ。)
ロス: He could never get a woman like that in a million years. (チャンドラーには、あんな女性は絶対に(100万年経っても)ゲットできないね。)
チャンドラー: Thank you, buddy. (ありがとう、(友よ)。)

少し離れたところに座っている女性を絶賛するチャンドラーを見て、モニカは「彼女のところに行ったら? 誰とも一緒にいないし」と言っています。
連れの彼氏もいないみたいで、今、一人だから声掛けに行きなさいよ、ということですね。

opening line は「出だしのセリフ・言葉・文句」。
つまり、彼女に最初なんて声をかけたらいいか? ということ。
お芝居やドラマでの「セリフ」も line と言います。
最初に何と言えばいい? と言いながら、バババババ〜みたいな、まるでドナルドダックのような声を出していますが、緊張して舌がもつれてしゃべれない感じがよく出ています。

She's a person. は「彼女は(一人の)人・人間である」ということで、ものすごい美人だとしても、結局は彼女も人でしょ、人間でしょ。同じ人間なんだからビビることないじゃない、というニュアンス。
日本語でも「彼女だって人間だ」と表現することで、自分たちと変わらない同じレベルの人間なんだ、ということを言ったりしますので、その使い方は同じでしょう。

You can do it. 「あなたにはできるわ、あなたならできるわ」と励ましたい時は、You can DO it. と do の部分を強調します。
can の部分を強く発音すると、You CAN’T do it. に聞こえてしまい、「あなたには(絶対に)できないわ」と言っているように聞こえますのでご注意ください。

Could she be more out of my league? は、be動詞が強調されて、Could she BE more out of my league? と発音されています。
BE を強く発音するこれと同じような言い回しが、今後フレンズのエピソードで何回も登場し、「チャンドラーの口癖、チャンドラー独特の言い回し」として認識されていきます。
その口癖を一般的な形で書いてみると、"Could+名詞+BE+any+形容詞の比較級?" と表現できますが、今回がその口癖の初登場で、any がないバージョンになります。

out of one's league は日本語で言うと、「高嶺の花」のニュアンスが近いです。
Macmillan Dictionary では、
be out of someone’s league (=too good/difficult/expensive etc for someone)
例)She'll never go out with someone like you: she’s way out of your league.

つまり「ある人にとって、良すぎる・難しすぎる・高価すぎるなど」。
例文は「彼女は君みたいな人とは絶対デートしないよ。彼女は君にとってあまりにも高嶺の花だ」。

league はメジャーリーグという言葉からわかる通り、「同盟、連盟」という意味ですが、そこから、「(同質の)グループ、仲間、部類」という意味にもなります。
ですから、「同じ部類には属さない」ということで、「手の届かない人、住む世界の違う人」みたいな感じの「高嶺の花」という意味になるのですね。
自分にとっては素晴らしすぎる、すごすぎる、レベルが違いすぎる、みたいな感覚です。
上のマクミランの説明でも「良すぎる・難しすぎる・高価すぎる」という表現がありましたが、どれも「自分のレベルではない、手が届かない」ニュアンスが感じられますね。
マクミランの例文は「彼女は君みたいな人とはデートしない」と言っていて、まさに「高嶺の花」を意味する例文となっています。

out of my league の意味がわかったところで、Could she be more out of my league? の意味を考えてみます。
Could she be more out of my league? は She could be more out of my league. の疑問形ですから、直訳すると、「彼女は俺にとって、これ以上高嶺の花になることは可能だろうか?」という意味になります。
疑問文の形になっているのは反語的表現で、「可能だろうか? いや、そんなことはあり得ない、不可能だ」と言いたい、つまり「彼女が俺にとっては、これ以上ないくらいの史上最高の高嶺の花だ」と言いたいわけですね。
もし more がなくて、Could she be out of my league? ならば、「彼女が俺にとって高嶺の花だという可能性があるか? 必ずしも高嶺の花だとは言えない」という意味になりますが、more が入っているために「それ以上〜である可能性があるか? (いや)もうそれ以上〜である可能性はない、これが最高だ」という意味になるわけです。

not と more の組み合わせで最上級の意味を表す、ということは英語でもよくあります。
例えば、I couldn’t agree with you more. だと、「これ以上ないくらいあなたに賛成です。大賛成です」(激しく同意、禿同(はげどう)←死語?)という意味になります。
最後の more を聞き逃してしまうと、not agree つまり「同意できない」という意味に勘違いしてしまいそうですからご注意下さい。

back me up here の back up は「バックアップ」と日本語にもなっていますが「俺をバックアップしてくれ」、つまり「おれを援護してくれ、俺に加勢してくれ」ということ。

not in a million years は「決して〜ない」。
「100万年経っても、100万年後でも〜ない」ということで、起こりえないこと、ありそうもないことを強調する表現。
英語で大袈裟な数字を言う場合に、million という単位はよく使われます。
LAAD では、
not/never in a million years : (spoken) said in order to emphasize how impossible or unlikely something is
つまり「何かがどれほど不可能か、どれほど起こりそうにないかを強調するために言われる」。

チャンドラーが「彼女は俺にとって、これ以上ないほどの高嶺の花(手の届かない存在)だよ。ロス、俺の意見をバックアップするように加勢してくれよ」と言った後で、ロスが「チャンドラーはあんな(素敵な)女性を、100万年経っても(死んでも)ゲットできないだろうね」と言ったことになります。
そう言われたチャンドラーは「ありがとう(友よ)」のように言っていますが、その顔を見ると「俺の意見をバックアップしてくれと頼んだけど、何も「100万年経っても無理」とまで言わなくても、そこまでひどく言わなくても、、」のような表情に見える気がします。
Thank you, Ross. ではなく、わざわざ友達、親友を意味する buddy を付けたのは皮肉で、「友達なのにそこまで言うのはひどいんじゃない?」という気持ちの表れなのだろうと思います。


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posted by Rach at 14:49| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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