2018年06月08日

コースターがなく水滴が木のテーブルの表面に近づく フレンズ1-6改その15

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9:16
モニカ: Okay, so I'm responsible. I'm organized. But, hey, I can be a kook! (いいわ、私は責任感があるわ。私はきっちりしてるわ。でも、ねぇ、私は変人にもなれるわよ!)
ロス: All right, you madcap gal! Try to imagine this. The phone bill arrives, but you don't pay it right away. (よし、向こう見ずなギャル! これを想像してみて。電話代の請求書が届く。でもお前はそれをすぐには払わない。)
モニカ: Why not? (どうして払わないの?)
ロス: Because you're a kook! Instead, you wait until they send you a notice. (それはお前が変人だからだよ! 代わりに、相手が(催促の)お知らせを送ってくるまで待つんだ。)
モニカ: I could do that. (それくらいできるわよ。)
レイチェル: Okay, okay, then, uh, you let me go grocery shopping, and I buy laundry detergent. But it's not the one with the easy-pour spout. (オッケー、オッケー。それじゃあ、あなたが私を食料雑貨の買い物に行かせる、そして私は洗剤を買う。でも簡単に注げる注ぎ口のついてるやつじゃないの。)
モニカ: Why would someone do that? One might wonder. (どうしてそんなことするの? …って、人は不思議に思うかもしれない。)
チャンドラー: Someone's left a glass on the coffee table. There's no coaster. It's a cold drink. It's a hot day. Little beads of condensation are inching their way closer and closer to the surface of the wood.... (誰かがコーヒーテーブルにグラスを置き忘れた。コースターはない。冷たい飲み物。暑い日だ。水滴のしずくが徐々に近づいて近づいて、木の表面に…。)
モニカ: Stop it! Oh, my God! It's true. Who am I? (やめて! なんてこと! ほんとだわ。私は誰(何者)?)
ロス: Monica, you're Mom. (モニカ、お前は(僕らの)ママだよ。)
(MONICA GASPS)
モニカは息を呑む。
フィービー: Ree! Ree! Ree! Ree! Ree! Ree! Ree! Ree! (リー! リー! リー! リー! リー! リー! リー! リー!)

みんなに几帳面すぎる部分を責められたモニカは、ええ確かに私は几帳面よ、と認める発言をしています。
responsible は「責任感がある」。
organized は「整理された」ということから「きっちりしている」。
でも私は a kook になれるわ! と言っていますが、kook は「変人」。
発音は「クーク」という感じです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
kook : (informal) someone who is silly or crazy
つまり「愚かでクレイジーな人」。

私は几帳面だけど、私だって「まともじゃない人間」にもなれるわよ、ということですね。

madcap は「向こう見ずな」。
LAAD では、
madcap : done or behaving in a wild or silly way that is often amusing or entertaining
例)a madcap adventure

つまり、「しばしば楽しい、または娯楽的な、ワイルドまたは愚かなやり方で行われた、または(そのように)行動している」。例は「向こう見ずな冒険」。
gal は「ギャル」ですね。
LAAD では、
gal : (informal) a girl or woman
と出ているように、ガールのインフォーマルな言い方となります。

phone bill は「電話代の請求書」、right away は「すぐに」。
Why not? は「なぜ not なの?」ということで、ここでは「なぜ払わないの?」という文字通りの意味。
モニカはきっちり屋なので、請求書が来たらすぐに払うタイプ。「それをすぐには払わないことを想像しろ」と言われたので、払わない理由はなぜかを尋ねている文章となります。
Why not? は「なぜしないの?」という意味であることから「もちろん」という意味の返答として使われることもよくあります。
instead は「その代わりに」、notice は「通知」で、請求書の代金が払われていませんので払って下さい、というお知らせがくるまで払わない、ということですね。

I could do that. は「やろうと思えばそれくらいできるわ」という感覚。
そう答えたモニカに、レイチェルは「例えばこういうことがあればどうする?」という話をしています。
go grocery shopping は「食料雑貨を買いに行く」。
laundry detergent は「洗濯洗剤」で、前回のエピソード 1-5 の英語の原題は、The One With the East German Laundry Detergent 「東ドイツの洗剤が出てくる話」でしたね。

pour は「(液体)を注ぐ、つぐ」なので、easy-pour spout は「簡単に注げる注ぎ口」。
液体洗剤に注ぎ口が付いていないと、使った後に容器の側面に液が垂れてしまいます。
几帳面なモニカはそういうのが許せなくて、液が垂れないように上手に注げる the easy-pour spout 付きのものを必ず買う、ということなのでしょう。
それで「もしそういう注ぎ口じゃないものを私が買ってきたらどうする?」と言ったわけですね。
ちなみに、the one with the easy-pour spout は「簡単に注げる注ぎ口がついてるやつ」という感覚で、さきほどご紹介したフレンズ1-5 の原題、The One With the East German Laundry Detergent と構造が同じです。
これも「東ドイツの洗剤が出てくるやつ・もの」のような感覚で、the one に with 以下のことが「伴っている」感覚となります。

Why would someone do that? は「どうして誰かがそんなことをしようと思ったりするの?」という感覚。
One might wonder の one は人を一般的に表すニュアンスで使っているのだと思われます。
「人はどうして〜なのかなぁ、と思うかも」というところですね。
「どうしてわざわざ、簡単注ぎ口じゃないものを買うの? そんなことするの信じられない」みたいに叫んだ後で、また几帳面すぎると言われそうだと気づいたモニカは、今のは非難の言葉じゃなくて、どうしてそういうの買うのかなぁ〜? って疑問に思う人がいるかも、って思ったのよね、のように言い直したことになるでしょう。
「どうして〜なの?!」と非難のニュアンスで言った後に「責めてるんじゃなくて、単なる疑問よ」とごまかした感覚でしょう。

今度はチャンドラーがまた新たな仮定を話しています。
bead は「露、汗などの玉、しずく」。アクセサリーに使うガラス玉のビーズもこの beads です。
condensation は「濃縮、凝結、(水蒸気の)水滴」。動詞は condense で「液体を濃縮する、気体を液体に凝縮させる」。
コンデンスミルク(英語では、condensed milk と過去分詞形になります)は「濃縮したミルク」という意味ですよね。
チャンドラーの言い方が小説のような語り口になっているのも面白いところでしょう。

グラスからしずくが垂れてくるのに、コースターがない、、という状況を想像させられたモニカは、木のテーブルにグラスの跡がついてしまうことを恐れたのでしょう、「そんなの我慢できないわ!」というように Stop it! とチャンドラーの発言を制止しています。

ちなみに、これよりずっと後のシーズン9 の記事「跡を付けたくないからコースターを フレンズ9-22その4」(ネタバレになるので、リンクははっていません)で、モニカの家にある男性がやってきて、以下のセリフを言っていました。
Do you have a coaster? I don't wanna make a ring. (コースターあるかな? 輪(の跡)をつけたくないんだ。)
このセリフを言うまではその男性のことをよく思っていなかったのですが、この一言でモニカは急にその男性のことを気に入るという流れになっていました。
今回の 1-6 のセリフが印象に残っていれば、その 9-22 のセリフもより楽しめるのだろうと思います。
また、「フレンズ2-22その13」でも、モニカの気をそらすための作戦で、
フィービー: Oh no, ooh, ooh! Did somebody forget to use a coaster? (あらまぁ! 誰かコースターを使うのを忘れた?)
と言うセリフもありましたので、「モニカは必ずコースターを使う」というのはモニカというキャラのお約束となっているわけですね。

(今回のエピソードに戻ります)
みんなが言うように、そういうことを言われたら耐えられないと思ってしまうことに気づいたモニカは「私は一体誰なの? 何者なの?」みたいに言います。
ロスが Mom と言っているのは、語頭が大文字で固有名詞のような扱いになっている通り、一般的な「母親」ではなく、ロス&モニカのママのこと。
ロス&モニカのママは、フレンズ1-2 に登場していましたが、ママがモニカの家に来ることになっていた時、モニカはクッションがぺちゃんこにならないように膨らませたりと神経質になっていました。
実際に来た後も、ママはあれこれ気になり、お小言的なことを言っていましたが、そういうママの神経質なところをモニカは受け継いでるんだ、とロスは言いたいようですね。
ここでまたフィービーが、前回の記事、映画「サイコ」の音楽で恐怖を表す フレンズ1-6改その14 で説明したのと同じく、ヒッチコックの映画「サイコ」のBGMを真似て、リー! リー! という高い音を出しています。
最初に「リーリー」と言った時の Netflix のト書きは ( imitates music from Psycho ) でしたが、今回の2回目のト書きは ( imitates Psycho music ) となっています。
表現が全く一緒ということではないですが、どちらも同じく「サイコの音楽の真似」であると言っていることになりますね。

ここでフィービーが「リーリー」と言っているのは、前回と同じく「モニカの神経質さが恐怖のレベル」ということを言っているのかもしれませんが、ちょっと以下のような「別の意味」も考えてみました。
「モニカはうちのママだよ」と言われて、モニカがショックを受けた様子で gasp つまり「はっと息を呑んだ」ので、その様子が、映画「サイコ」の中で恐怖を感じた被害者の様子(映画のDVDのジャケットなどで使われているような恐怖の表情)を彷彿とさせるので、ここでまた「サイコ」のBGMを使ったという可能性もあるのかなぁ、と。
「サイコ」のこのBGMは、とにかく「恐怖」を思い起こさせる象徴的な音楽なのですが、最初にフィービーが使った時は「モニカが恐怖を与える加害者」のイメージで、今回の2回目の方も同様の「加害者」のイメージと捉えることも可能だとは思うのですが、モニカが恐怖の顔を浮かべていることから、2回目の方は「モニカが恐怖を感じる被害者」のイメージであると考える方が面白いかな、という気がしました。

(2018.6.9 追記)
非公開コメントにて、"Who am I?" "Monica, you're Mom." というやりとりの意味について、貴重なご指摘がありました。
映画『サイコ』のネタバレになってしまうのですが、新たに別の記事、You're Momと「サイコ」の繋がり フレンズ1-6改その16 として投稿しましたので、『サイコ』のネタバレになっても大丈夫、という方は、併せてお読みいただけると幸いです。
(追記はここまで)

いずれにしてもこの「リーリー」音が、日本人にも有名な映画「サイコ」のイメージだとわかると、このフィービーのセリフ(というか音?)もより楽しめると思います。
余談ですが、今日の日経新聞のテレビ欄「BSはいらいと」に「ベイツ・モーテル〜サイコキラーの暴走(新番組)(WOWOWプライム)」が紹介されていました。
その紹介文では
「映画「サイコ」に登場した殺人犯〇〇(注:ここでは一応伏字にしておきます)の青春時代をテーマにしたサスペンスドラマの第4シーズン。」
と説明されています。
前回の記事と今回の記事で、フィービーがサイコの音楽の真似をするセリフが連続しましたが、ちょうどそのタイミングで「サイコ」をテーマにした新シリーズのドラマの紹介が載っていたことがタイムリーだと思ったので紹介してみました。
ヒッチコックのサイコが有名だからこそ、このような新作ドラマも作られるわけですよね。
先ほど Netflix の字幕をご紹介しましたが、動画配信サイトではト書きも文字化されていることが多いので、そういうものも大いに解釈のヒントとして使っていただければと思います。


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posted by Rach at 14:17| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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