2018年06月27日

取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20

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13:29
SCENE 5: FILM SET (JOEY IS ENTERING FOR HIS SCENE)
シーン5 : 映画セット。(ジョーイが自分のシーンのために入ってくる)
監督(DIRECTOR): (TO PHONE) Damn it! Hire the girl. (PUTS DOWN PHONE) Okay, everybody ready? ([電話に] くそっ! その子を雇え! [電話を切る]よし、みんな準備はいいか?)
ジョーイ: Uh, listen, I just wanna thank you for this great opportunity. (あのー、この素晴らしい機会についてただお礼を言わせて下さい。)
監督: Lose the robe. (ローブを脱げ。)
ジョーイ: Me? (俺ですか?)
監督: That would work. (それならうまく行くだろ[それなら納得だろ、つじつま合うだろ]。)
ジョーイ: Right. Okay. Losing the robe! (TAKES IT OFF) Okay, and the robe is lost. (確かに。わかりました。ローブを脱いでいるところです。[ローブを脱ぐ] よし、そしてそのローブは脱げました[ローブは脱がされました]。)

シャワーシーンの撮影のために、ジョーイがスタジオに来ている時、監督は電話で誰かと話しています。
Hire the girl. の hire は「人を雇う」。
逆に「人を解雇する、首にする」は他動詞 fire を使いますが、対義語である hire と fire は発音も似ていますし、紛らわしいので注意しましょう。

撮影に入る前、ジョーイは神妙な顔で「素晴らしい機会のお礼を言わせてください」と言うのですが、監督はそのような言葉には興味がない様子で、無表情なまま Lose the robe. と言います。
lose the robe は「(バス)ローブを脱ぐ」で、この場合の lose は「取り除く、取り外す」という意味で、get rid of と同じようなニュアンスになります。
lose の基本的な意味を LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で見てみると、
lose : NOT HAVE ANYMORE if you lose something, you stop having it, especially because it has been taken from you or destroyed
つまり「もはや持っていない。人が何かを lose するというのは、それを持つのをやめること、特にそれが取られた時または壊された時に」。
主語が持っていたいと思うものであれば「失う」という感覚になるでしょうが、その何かが取られてもはや持っていないという状態を指すわけですから、今着ている衣服(ローブ)であれば「そのローブをなくせ」→「そのローブを取れ、脱げ」という感覚になるということですね。
lose=失う、というイメージが強いと、命令形を「失え」のように訳してしまいそうになりますが、「なくせ、取れ、取り除け」という意味でイメージすればわかりやすいかと思います。
今回のエピソードで後ほどまた、Lose (something). という命令形が出てきますので、先に詳し目に説明してみました。

That would work. の work は「うまくいく」というニュアンスで捉えれば良いでしょう。
ローブを脱げと言われて、Me? 「俺ですか?」と尋ねたジョーイに、「そうだったら、うまくいくだろうな」と答えている、つまり、ローブを脱ぐのが、他の誰でもなくお前だったら、ことが順調に上手く進むだろうな、と言っていることになるでしょう。
ジョーイの顔を見て、Lose the robe. と言っているのだから、ジョーイにローブを脱げと言っているのは明らかなのに、ジョーイが Me? と返してきたので、暗に「お前以外に誰がいるんだ、お前以外の誰かがローブを脱いでどうするんだ、お前に決まってるじゃないか」と言いたいわけですね。
ジョーイは今回役を与えてくれたことに対して一生懸命感謝の言葉を述べていたのに、それには全く反応せずに違うことを言われたため、思わず Me? と返してしまったのでしょうが、監督にしてみれば、尻の代役くらいでそんな礼をぐだぐだ言ってないでとっとと始めろ、という気持ちなのでしょう。

ジョーイの Losing the robe! Okay, and the robe is lost. について。
Losing the robe! は、I'm losing the robe! ということで、つまりは現在進行形ですね。
そして、the robe is lost は、lose the robe 「ローブを脱ぐ」という能動態を受動態にした形、つまりくどいくらいに受動態の感覚を出して訳すと「そのローブは脱がされた」になります。
最初は能動態の進行形を使い、次には受動態を使うというこの対比が面白いと思います。
能動態の進行形の方は、「脱げ」と命じられたことに対して、言われたことを今やっているところですよ〜とアピールしている感覚ですね。
その作業が終わったところで、今度はローブの方を主語にして「(あなたが脱ぐように言っていた)そのローブは(今、完全に)脱がれました[取り除かれました]」と説明しています。
監督としては演技が始められるように早くローブを脱いでほしいわけで、「ジョーイが脱いでいる」という「主語の行為」よりも「ローブが脱げた・外された状態である」という「ローブの状態」の方が重要なわけですから、まずは「脱いでいます」という行為を説明した後で、「(この通り)ローブはなくなりました」という監督が求めていた「結果」になったことを表現している感覚になるでしょう。


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posted by Rach at 13:48| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。

何度も見ていて今日やっと気づいたのですが、ジョーイがローブを脱いだ場面の影を見ると・・・トランクスを履いてるやないか(^^;)

お尻の代役なのにトランクス履いたままではクビになっても仕方ないなぁ(笑)

実にどうでもいい気づきで失礼しました。m(_ _)m

では。
Posted by aki-kiyo at 2018年12月07日 13:11
aki-kiyoさんへ
こんばんは。コメントありがとうございます。

そうなんですよね、トランクスの影が映っちゃっていますよね^^
これについては、今回のエピソードの IMDb の Goofs (失敗、失態、どじ)の情報にも以下のように載っていました。

https://www.imdb.com/title/tt0583585/goofs/?tab=gf&ref_=tt_trv_gf

Revealing mistakes
Where Joey is playing Al Pacino's "butt-double", Joey is supposedly naked but you can clearly see the shadow of a pair of shorts on the shower wall in front of him.

つまり「明らかになっている間違い:ジョーイがアル・パチーノの「尻の代役」を演じているところで、ジョーイは裸であるはずだが、ジョーイの前のシャワーの壁にショーツ(パンツ)の影がはっきりと見える」。

カメラもシャワーを浴びているジョーイの上半身しか映しませんから本来はバレないはずだったのに、こんなに影がはっきり映ってしまうとは、想定外だったんでしょうね。私は IMDb をチェックした時にそうだったのか、、と知ったのですが、aki-kiyoさんの気づき、素晴らしいです(^^)

楽しいコメントありがとうございました!
Posted by Rach at 2018年12月07日 20:19
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