2018年07月10日

そのためだったら何だってする=ものすごく欲しい フレンズ1-6改その23

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15:43
チャンドラー: Oh, so what you're saying is you're not completely fulfilled by Rick, Ethan and myself? (あぁ、それじゃあ君が言っているのは、君は完全には満たされてないってことだね、リックとイーサンと俺でも?)
オーロラ: No, that's not exactly what I was-- (いいえ、私が言おうとしてたのはそういうことじゃなくて…)
チャンドラー: Well, y'know, most women would kill for three guys like us. (ほら、たいていの女は俺たちみたいな男3人を(そのためなら何だってするってほど)ものすごく欲しいって思うものだぞ[俺たち3人を手に入れるためなら、何だってするぞ]。)
オーロラ: So what do you want? (じゃああなたは何が欲しいの?[あなたの望みは何?])
チャンドラー: You. (君だよ。)
オーロラ: You have me. (あなたは私を所有してるじゃない。)
チャンドラー: No no, just you. (いやいや、ただ君だけをだ。)
オーロラ: What do you mean? (どういう意味?)
チャンドラー: Lose the other guys. (他の男たちを切れよ。)
オーロラ: Like, all of them? (それって、男たち全員ってこと?)
チャンドラー: C'mon, we're great together. Why not? (ねぇ、俺たち二人は最高だろ。どうしてダメなんだよ?)

what you're saying is SV は「君が言っているのはSVということなんだね」という感覚。
つまり君はSVだと言いたいの? というところです。
be not completely fulfilled by は「〜によって完全には満たされていない」という部分否定。
ある程度は満たされているけれど完全に満足しているわけではない、というニュアンス。
リック、イーサン、そして俺、のように最後に myself を付けているのは「そんないい男3人もいて、まだ満足できないのか」のように、「いい男の一人」として自分も並べた感じになるでしょう。
普段は自虐的なチャンドラーですが、ここは少しジョークも込めて「いい男のふり」をしてみたわけですね。
本気でそう思っているわけではなくて、「俺も一応混ぜてみた」という風に付け足したところに、却って自虐的な雰囲気を醸し出す効果もあるように思います。

「私の言いたかったことはそういうことじゃなくて」と言いかけるオーロラに、チャンドラーはさらに「このいい男3人で満足できないなんて信じられない」という話を続けています。

most women would kill for three guys like us. という文について。
would kill for を直訳すると「〜のためなら殺す・人を殺(あや)める、殺すという犯罪をも行う」ということで、「〜のためなら何でも・どんなことでもする」さらには「〜がものすごく欲しい」を意味する表現になります。
「もしそれが必要であれば」そうするつもりがある、そうすることができる、という「仮定」のニュアンスが would / could に含まれています。

Longman Dictionary of Contemporary English (LDOCE) では、
would/could kill for something (also would kill to do something) :
to want something so much that you will do almost anything to get it or do it
例1)I could kill for a smoke right now.
例2)In those days, actors would kill to break into film.

つまり、「あるものがものすごく欲しいので、それを得るため、または、それをするために、ほとんどどんなことでもするつもりである」。
例文1は「今、ものすごくタバコを吸いたい(タバコで一服したい)」。例文2は「あの頃、俳優たちはものすごく映画の仕事にありつきたい(食い込みたい、参入したい)と思っていた」。

例文2の場合は「どんなことをしてでも映画(界)に参入したかった」のように解釈することも可能でしょう。
例文1のように「〜がものすごく欲しい、(飲食物を)食べたい、飲みたい」という表現で使われることも多く、(先のエピソードになりますが)フレンズ6-17 でも、魚介類の話が出た流れで、
レイチェル: Ohh! I would kill for a salmon skin roll right now. (あぁ! 今すっごく、サーモンスキンロールが食べたいわ!)
というセリフが出てきます。
kill for 「〜のために殺しをする」の「〜のため」という対象になっているのは「サーモンスキンロール」というアメリカの寿司店でよく見かけるメニューですから、本来の kill の意味である「殺してでも欲しい」と表現するようなレベルのものではないですよね。
何かが”ものすごく欲しい”ことを「人を殺してでも〜が欲しい」と表現する”誇張表現”であることがよくわかると思います

今回の 1-6 のセリフ、most women would kill for three guys like us. を訳すと、
「ほとんどの女は俺たち(みたいな)3人のため[3人を手に入れる・3人と付き合うため]なら何でもする」
「俺たちみたいな3人の男なら(人殺しをしてでも)ものすごく欲しいと思うものだぞ」
のどちらかになるでしょう。

俺たち3人の男なら喉から手が出るほど欲しい、俺たち3人と付き合えたら泣いて喜ぶのに、みたいなことで、(いい男の中に自分を含めつつ)これだけの男3人と付き合うなんて誰もが願う夢なのに、リック、イーサン、俺の3人でまだ満足できない、まだ他の男が必要だなんて、君は一体どんだけ贅沢なんだよ、と言いたいのだろうと思います。

オーロラに「あなたが欲しているものは何?」と聞かれたチャンドラーは「君だ」と答え、オーロラは「あなたは今こうして私と一緒にいて私を所有してるでしょ」というように You have me. と返します。
just you は「ただ君だけ」というところですが、オーロラは意味を測りかねたようで内容を尋ね、チャンドラーは Lose the other guys. と答えます。
「〜をルーズしろ」という形の lose を使った命令形は、今回のエピソードの過去記事、取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20 で、監督: Lose the robe. (ローブを脱げ。) というセリフで出てきました。
その記事でも、「失え」というよりは「なくせ、取れ、取り除け」という意味でイメージする方がわかりやすいと説明したのですが、今回も「他の男たちをなくせ」ということだと考えると、「俺以外に付き合ってる他の男たちを切ってくれ、そいつらと別れて、他の男と付き合ってない状態の”君だけ”になってくれ」と言っていることになるでしょう。

それを聞いたオーロラはちょっと不満そうな顔で Like, all of them? 「例えばそれって、他の男性全部ってこと?」みたいに返していますね。
「他って全部?」という返しからは、チャンドラーが知っている以外にもまだまだ他の男性がいそうな気配も感じますし、一人残らず全部切れってこと? 少しくらい残してもいいでしょ? みたいな気持ちが入っているのかもしれません。

We're great together. は「俺たち(一緒にいて)最高だろ、相性ぴったりだろ」。
Why not? は「もちろん」という意味で使われることもありますが、ここでは文字通りの「どうして他の男を切れないんだ?」という意味の「どうしてダメなんだ?」という意味になります。


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posted by Rach at 15:48| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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