2018年10月26日

誰も教えてくれないから私から言うけど フレンズ1-7改その21

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16:11
[Rachel rubs Paolo arms some more. Phoebe enters the apartment.]
レイチェルはパウロの腕をさらにさする。フィービーがアパートメントに入ってくる。
フィービー: Alright, I looked all over the building and I couldn't find the kitty anywhere. (いいわ。私はビル中を見て回ったけど、ネコちゃんはどこにも見つけられなかった。)
レイチェル: Oh, I found him. It was Paolo's cat. (あぁ、私がその猫を見つけたの。パウロの猫だったのよ。)
フィービー: Ah, well, there you go. Last to know again. And I'm guessing, since nobody told me, this is Paolo? (あぁ、ほら、またそれよ。また、最後に知る(のは私)だわ。そして、思うに、っていうのは誰も私に教えてくれないからなんだけど、この人がパウロね。)
レイチェル: Oh, Paolo, this is Phoebe. (あぁ、パウロ、こちらがフィービーよ。)
パウロ: Oh. (あぁ。)
フィービー: Hi. (はーい。)
パウロ: Phoebe an ca tu belissimo ser setta tuti caus a wella mitros veri at la proc -crete. (イタリア語)
フィービー: You betcha! (もちろん!)

レイチェルと一緒に猫を捜していたフィービーが戻ってきます。
「どこにも見つけられなかった」と報告すると「私が見つけたの。パウロの猫だったの」とレイチェルが言い、フィービーは There you go. と返します。
There you go. は「ほら、またそれよ」という感覚。
フィービーは頑張ってネコの飼い主を探していたのに、自分が知らない間にとっくに飼い主は見つかっていた。そのことを、自分がまた何かを知る最後に人間になってしまったという意味で、Last to know again. とボヤくことになります。

And I'm guessing, since nobody told me, this is Paolo? について。
since は完了形と共に「〜以来」の意味でよく使われますが、今回の since は理由を表す since となります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
since : used to give the reason for something
例1)I'll be 40 next month, since you ask.
例2)Since nobody's replied yet, I guess they're not interested.

つまり「何かに対する理由を与える時に使われる」。例文1は「あなたが尋ねたので答えると、私は来月40歳になる」。例文2は「誰もまだ答えないので言うけど、彼らは興味がないと私は思う」。

例文2の「誰も答えないので言うけど、〜だと思う」と、今回のフィービーのセリフとでは、 since nobody, I guess という同じ単語が使われていて、ニュアンスに共通するものを感じますね。
ですから、And I'm guessing, since nobody told me, this is Paolo? は「誰も教えてくれないから言うけど、私が思うにこの人がパウロね」という意味になり、英語の語順に忠実に訳してみると、「で、私が思うに、っていうのは誰も私に言ってくれないからなんだけど、この人がパウロね?」みたいな感じになるでしょう。
「今の話の流れだと、この人がその猫の飼い主のパウロなのね」と表現したことになり、自分は一人で捜し回っていたのに「このパウロの猫だったのよー」と嬉しそうに話すレイチェルに対して、「私がパウロって名前を当然知ってるみたいに言ってるけど、私、まだ紹介されてないんだけど?」という気持ちが入っているわけですね。
それで慌ててレイチェルはパウロを紹介し、パウロはまだイタリア語で何か挨拶をしています。

You betcha! は You bet! で「もちろん」「その通り」「いいとも」「(お礼に対して)どういたしまして」などの意味があります。
LAAD では、
you betcha : said when what someone has just said is correct.
例)"So you're going to be there tonight." "You betcha."

つまり「誰かがたった今言ったことが正しい時に言われる」。例文は「それじゃあ君は今夜そこに行くんだね」「その通り」。
このシーンでは、イタリア語はわからないはずのフィービーが、パウロのイタリア語をさも理解したかのように「もちろん! その通り!」のように返事している、という面白さになるでしょう。

実はずっと後のエピソードで「フィービーはイタリア語が話せる」というシーンが出てくることもあるのですが、それは今回のような 1-7 という初期のエピソードの時点で既に決まっていた設定ではないように思います。
実際、本当にイタリア語がわかる人であれば、相手がイタリア語で話しかけてきたらイタリア語で返すでしょうし、「フィービーはイタリア語に堪能だったのか!」というよりも「わかってないのにさもわかったように返事している」という方がコメディ的にも面白いだろうと思うので、「意味がわからないのに、その通り! と返事した」という解釈の方が自然だろうと思いました。


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posted by Rach at 13:02| Comment(5) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

気になるところが出てきました。

>レイチェル: Oh, I found him. It was Paolo's cat. (あぁ、私がその猫を見つけたの。パウロの猫だったのよ。)

フレンズ1-7改その18でフィービーはパウロの猫をオス猫、レイチェルはメス猫とイメージしている流れからするとここは

Oh, I found her.となるのではと思ったのですが、フィービーがオス猫とイメージしていることをレイチェルが意識して I found him. と言ったとも考えられますか・・・

単に整合性が取れていないのか、う〜ん、どっちでしょう?(^^;)
Posted by aki-kiyo at 2018年10月28日 20:42
Rachさん、おはようございます。

気になるところが出てきました。今回はトリビア的なところではなく、まっとうな英語の疑問です。(^^;)

>フィービー: Ah, well, there you go. Last to know again. And I'm guessing, since nobody told me, this is Paolo? (あぁ、ほら、またそれよ。また、最後に知る(のは私)だわ。そして、思うに、っていうのは誰も私に教えてくれないからなんだけど、この人がパウロね。)

この発言での Last の品詞は何でしょうか?

私は (I'm the) last to know again. の I'm the が省略された名詞(最後の人)と考えたのですがいかがでしょうか?

よろしくお願いします。
Posted by aki-kiyo at 2018年10月29日 10:05
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
レイチェルが最初はネコのことをメス猫のように呼んでいたのに、ここではオス猫と呼んでいる理由について、ですが、まずは「単に整合性が取れていないだけ」(脚本家があまり気にしてなかっただけ)というのが考えられますね。

それ以外に私がふと思ったのは、「飼い主がパウロだとわかり、彼のことを素敵だと感じたレイチェルが、彼の飼い猫はオスであってほしい」という気持ちから him と呼んだのかなぁ、と。
可愛がっているペットがメス猫だったら(動物とは言え)妬いちゃいそう、、という心理がどこかにあるのかもしれないな、と。
脚本家が「わざと」性別を変えたのだとすると、純粋にネコちゃんの飼い主を探していた状態から、飼い主が恋愛対象になったというレイチェルの心境の変化を表すサインの一つにしたかった、ということかもしれません。(心理学的に深読みをすれば、ということなので、絶対これだ! と思っているわけではないです^^)

それから Last to know again. は I am the last to know again. の略ですね。
過去記事、
私は最後から2番目だったみたいね フレンズ1-7改その16
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/462023119.html
のセリフは以下のようになっていました。

フィービー: Yuh-huh! I was the last one to know when Chandler got bit by the peacock at the zoo. I was the last to know when you had a crush on Joey when he was moving in.

I was the last (one) to know... は「私は…を知る最後の人間だった」ということで、この時も one のない形の I was the last to know という表現が使われていました。
その記事では one のない形について、特に説明していませんでしたが、
研究社 新英和中辞典に、last の代名詞の意味として以下のものが出ています。

last=【代】
T [通例 the 〜; 単数または複数扱い]
1 最後のもの[人]
2 〔+to do〕〈…する〉最後のもの[人]

ですから the last to do だけで the last one to do のように「〜する最後の人」という意味になるということですね。
I was the last (one) to know というフレーズが何度か出てきた後なので、I am the の部分を省略して、Last to know again. 「また知るのが最後」だわ、のように表現したのだろうと思います(^^)
Posted by Rach at 2018年10月30日 18:48
Rachさん、こんばんは。

早速のお返事、ありがとうございます。

●ネコちゃんについて

>脚本家が「わざと」性別を変えたのだとすると、純粋にネコちゃんの飼い主を探していた状態から、飼い主が恋愛対象になったというレイチェルの心境の変化を表すサインの一つにしたかった、ということかもしれません。

う〜ん、深いぃ〜・・・、全然思ってもみなかったですが、言われてみれば大事なペットを it と呼ばれることに不快感を覚える人がいることからも十分考えられますね。

●Lastについて

>それから Last to know again. は I am the last to know again. の略ですね。

よし!正解だ・・・ですが、過去記事に同じような文があったのですね。(^^ゞ

リンクせず過去記事に繋がらなかったのは残念ですが正解に至ったのは過去記事を読んでいたからに違いない。(都合よく解釈しておきます。(笑))

追加で解説していただいたことにより、疑問に思ったことがよりクリアになりました。

ありがとうございました。(^^)

では。
Posted by aki-kiyo at 2018年10月30日 21:34
aki-kiyoさんへ
お返事ありがとうございます。
ネコちゃんの性別については、そういう意図が込められていたら面白いなぁ、という感じですね。
the last to know については、最初に出てきた時はさらっと流してしまったので、the last は the last one と同じ意味の「名詞」だと説明できるチャンスを与えていただけて良かったです♪

こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2018年11月02日 16:13
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