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モニカ: Goodbye, Nana. [She kisses her on the forehead] (さよなら、おばあちゃん。[モニカはおばあちゃんのおでこにキスする])
ロス: Bye, Nana. (さよなら、おばあちゃん。)
[He goes to kiss her but she moves. Monica screams. Ross shouts and stares in disbelief. Ross double-takes. Monica runs out of the room]
ロスはおばあちゃんにキスしようとするが、おばあちゃんが動く。モニカは叫ぶ。ロスは叫んで信じられないという顔で見つめる。ロスは(驚いて)二度見する。モニカは部屋から走り出す。
モニカ: Ross! (ロス!)
[Ross runs out too]
ロスも走り出す。
モニカ: Nurse! (看護師さん!)
ゲラーママ: What is going on? (何が起こってるの?)
ロス: Y'know how-how the nurse said that-that Nana had passed? Well, she's not quite... (おばあちゃんは亡くなった、って看護師さんが言ったの、覚えてるだろ? あぁ、おばあちゃんは完全には(亡くなって)なかったんだ…)
ゲラーママ: What? (何ですって?)
ロス: She's not passed! She's present! She's back! (おばあちゃんは亡くなってない! おばあちゃんは存在する(いる)んだ! 戻ってきたんだ!)
リリアンおばさん: [Reentering] What's going on? ([再び入ってきて] 何が起こってるの?)
ゲラーパパ: She may have died. (おばあちゃんは死んだかもしれない。)
リリアンおばさん: "She may have died"? (”おばあちゃんは死んだかもしれない”ですって?)
ゲラーパパ: We're looking into it. (私たちがそれを(今)調べてるところだ。)
[Monica returns with the nurse and they go into Nana's room]
モニカが看護師を連れて戻ってきて、みんなはおばあちゃんの部屋に入る。
ロス: I, uh, I'll go see. [He goes in] (僕が見てくるよ。[ロスが中に入る])
看護師: This almost never happens. (こんなことが起こることはほとんどありえません。)
[Nana passes for the second time and the nurse pulls the blanket over her. Ross and Monica go to tell the family]
おばあちゃんは二度目に亡くなり、看護師がブランケットを彼女の上に引き上げる。ロスとモニカは家族に言いに行く。
ロス: Now she's passed. (今(こそ)、おばあちゃんは亡くなった。)
さよならと言ってモニカがおばあちゃんのおでこにキスし、続いてロスもキスしようとしたところ、おばあちゃんが動いたので、モニカとロスは叫び、部屋を出ていきます。
ト書きに Ross double-takes. とありますが、double take はいわゆる「(驚いて)二度見する」ということ。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
double take [noun] [countable] :
do a double take : to look at someone or something again because you are surprised by what you originally saw or heard
つまり「誰かや何かをもう一度見ること、最初に見た、または聞いたことに驚いたという理由で」。
何か驚くべきものを見たり聞いたりした後で「え? ほんとに?」という感じでもう一度その対象物に目をやる、という感覚で、日本語で「驚いて二度見した」と表現するのと似たニュアンスになるわけですね。
What is going on? / What's going on? は「どうしたの? 何が起こってるの?」という決まり文句。
何か大変なことが起こっているように見える状況で、事情を知らない人が尋ねる時によく使われる表現。
このシーンでも最初にママが、その次にリリアンおばさん(おそらくママの妹)がこのセリフを言っていますね。
pass は「亡くなる、逝く(ゆく)」。die の婉曲表現で、pass away とも言います。
LAAD では、
pass : DIE (informal) a word meaning "to die," used when you want to avoid saying this directly
つまり「死ぬことを意味する単語で、このことを直接的に言うのを避けたい時に使われる」。
quite は「全く、完全に、すっかり」という意味の副詞。
not quite は「完全には〜ではない」という部分否定で、ここでは「看護師さんは、おばあちゃんが亡くなった、と言ってたけど、実際には、完全には亡くなっていなかったんだ」と言ったことになります。
She's not passed! 「亡くなっていない」と言った後の She's present! She's back. は「亡くなっていない、生きている」を別の表現で言った形。
present は「そこにいる、存在している」。会議だと「出席している」という意味になります。
She's back. は「彼女は戻ってきた」で「死後の世界から、この世に戻ってきた」という感覚でしょう。
大騒ぎしている様子を見て、おばさんが「何が起こってるの?」と尋ねると、パパは She may have died. と答えます。
おばさんが同じ言葉を「〜ですって?」というニュアンスで、繰り返して聞き返していることから、その表現が「理解しがたい不可解な表現」であることが想像されます。
<may have+過去分詞>は「〜したかもしれない」という意味。
She may die. なら「彼女は死ぬかもしれない」ということですが、may have+過去分詞になると「(過去に)〜したかもしれない」という意味になり、過去に起こった出来事が確かに起こったのではなく、もしかしたら実際にはそれが起こっていなかったかもしれない、ということを意味することになります。
「亡くなった」と宣言されたわけですから、亡くなったはずなのに、「かもしれない」という表現をパパが使ったことに対して、それって一体どういう意味? とおばさんは思ったわけですね。
look into は「詳しく調べる、調査する」。
亡くなったと言われたが、本当に亡くなっていたのかどうかを今調べているところだ、ということですが、事情がわからないリリアンおばさんにとっては「???」というところでしょう。
This almost never happens. の almost never は「ほとんどない」。
This never happens. 「こんなことは決して起こりません」のように完全否定はできないが、ほとんど起こりえない、起こることはめったにないと言えるレベルだということですね。
Now she's passed. は「今こそ、彼女は亡くなった」というところ。
不謹慎とも言える表現ですが、いったんは亡くなったと思われた後、息を吹き返し、みんなが大騒ぎとなった後なので、「前のは”亡くなったと言われたが実際には亡くなっていなかった”状態だったが、今回こそ、本当に亡くなった、ついに今、彼女は亡くなったんだ」と言っている感覚になります。
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>ロスはおばあちゃんにキスしようとするが、おばあちゃんが動く。
この場面、何度か見ていて最近気がついたのですがおばあちゃん、ロスのお別れのキスを拒絶しているようにも見えますよね。
思えば妻キャロルはスーザンの元に走り、意中のレイチェルはパウロになびき、挙げ句の果て、息を引き取ったはずのおばあちゃんにまで・・・
あぁ、かわいそうなロス・・・(^^;)
では。
こんばんは。コメントありがとうございます。
おっしゃるように「ロスのお別れのキスを拒絶している」ように見えますね^^
そういう視点で見たことがなかったので、何だか新鮮です(^^)
興味深いコメントありがとうございました。
>おばあちゃんは二度目に亡くなり、
「007は二度死ぬ」を連想したので Wikipedia を見てみたら・・・
>松尾芭蕉の俳句にならって詠んでみたという英文俳句「人は二度しか生きることがない、この世に生を受けた時、そして死に臨む時」に由来する。
らしいです。まさかおばあちゃんの逝去から芭蕉に繋がるとは(^^;)
では。
コメントありがとうございます。
上のト書きの Nana passes for the second time や、このエピソードの原題の The One Where Nana Dies Twice は、確かに 007 の「二度死ぬ」を連想しますよね。
そして「二度死ぬ」という邦題だった 007 の原題は You Only Live Twice なんですね。once をもじって twice にしたものであるとか、芭蕉とも関係あるとか、ウィキペディアはいろいろなことが載っていて、興味深いな、と私も思いました。
とても久しぶりにこちらのサイトで勉強再開しています(^^)
またお世話になります⭐
さてさて、最初のエピソードから読み直して気づいたのですが、ロスのセリフ
how-how the nurse said that-that Nana had passed?とありますが、このhowはどのようなニュアンスなのでしょうか?how がなくても意味は通じる気もしますが…あえて入れることで会話が生きてくるのでしょうか?
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
拙ブログで勉強を再開して下さっているとのお話、大変光栄で嬉しいです。
それではご質問のセリフについて。
これは、You know how the nurse said that... という形で、このような how は
that とも言い換え可能ですが、that と how の違いをあえて訳に出すとすると、
You know that the nurse said that... =おばあちゃんは亡くなった、って看護師さんが言った”こと”を覚えてるだろ?
You know how the nurse said that... =おばあちゃんは亡くなった、って看護師さんが言った”様子”を覚えてるだろ?
という感じになります。
研究社 新英和中辞典では、
how=[関係詞]《口語》 …ということ
(用法)接続詞ともいえる
I told him how I had read it in the papers. 「それを新聞で読んだのだと彼に告げた。」
(用法)how を that の代わりに用いるのは、特に物語風の調子でしばしば込み入った事情などを述べる場合
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
how : INTRODUCING A FACT used like "that" for referring to a particular fact, an event, or a situation
例) It's amazing how they've managed to do the work so quickly.
つまり、「事実を紹介する。ある特定の事実や出来事や状況を言及するのに、that のように使われる」。
例文は、「彼らがその仕事をそんなに早くやり遂げたことは素晴らしい。」
各辞書の説明にあるように、こういう how は、接続詞 that と同じようなニュアンスで、「…ということ」という意味になるわけですが、「こと」という「単なる事実」よりももう少し「込み入った事情、様子」を述べたい場合に、how+S+V 「どんな風にSがVしたかを、SがVした様子を」というニュアンスが感じられる how を使う、ということになります。
このような you know how の形は、後のシーズンに出て来た時にブログで何度か解説していたので、最初に戻った「シーズン1改」でも既に解説したような気になっていました。そのため、ここでも説明をせずにスルーしてしまったようです。ご質問をいただいたおかげで、解説を追加できて良かったです(^^)
ご質問ありがとうございました。
ロスは看護師さんが話しているのをその現場にいて直接聞いているので、一部始終を知っているという意味でthatよりhowの方が聞き手にも伝わりやすいということですね。
全シーズンはすでに見終わっているのですが、改バージョンでより詳しい解説をしてくださり勉強がはかどってます(^^)
これからもまだまだ頼りにさせて頂きます。
ありがとうございました‼
こちらこそご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。とても分かりやすいと言っていただけて嬉しいです♪
あんな風こんな風に言ってたことを知ってる(覚えてる)だろ、のように how を使って表現することで、言っていた時のことを臨場感を持って思い出させる効果があるということですね。
また「改」バージョンについてもそのように言っていただけてとても嬉しいです。昔の記事で言い足りなかったところが多々あり、いつかそれをきっちり埋めていきたいなと思っていたので、今こうして「改」を書けていることをとても幸せに感じています。これからもお役に立てる記事が書けるように頑張りますね!
温かいお言葉ありがとうございました(^^)