2019年01月18日

それがまさにそうよ フレンズ1-8改その9

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6:29
[Scene 3: Central Perk. The other four are there]
シーン3: セントラルパーク。(ロスとモニカ以外の)残りの4人がそこにいる。
チャンドラー: I just have to know, okay? Is it my hair? (ただ知りたいんだよ、いいか? 俺の髪のせい?[原因は俺の髪?])
レイチェル: [Exasperated] Yes, Chandler, that's exactly what it is. It's your hair. ([イライラしながら] そうよ、チャンドラー、それがまさにそうよ。あなたの髪の毛のせいよ。)
フィービー: Yeah, you have homosexual hair. (そうね、あなたの髪の毛はホモセクシャル・ヘアだわ。)
[Enter Monica and Ross]
モニカとロスが登場。
レイチェル: So, um, did she...? (それで、その…おばあちゃんは…?)
ロス: Twice. (2回だ。)
ジョーイ: Twice? (2回?)
フィービー: Oh, that sucks. (あぁ、それはひどいわね。)
ジョーイ: You guys okay? (二人とも大丈夫?)
ロス: I don't know. It's weird. I know she's gone, but I just don't feel, uh... (どうかな。変なんだ。おばあちゃんが亡くなったってわかってるけど、そんな感じがしないんだよ…)
フィービー: Maybe that's 'cause she's not really gone. (多分それは、おばあちゃんが本当には亡くなっていないからよ。)
ロス: No,no, she's gone. (いやいや、おばあちゃんは亡くなったんだ。)
モニカ: We checked. A lot. (私たちは確認したの。たくさん(何度も)ね。)
フィービー: No, I mean, maybe no one ever really goes, you know? Ever since my mom died, every now and then, I get this feeling that she's, like, right here, y'know? [She circles her hand around her right shoulder. Chandler, sitting on her right, draws back nervously] Oh! And Debbie, my best friend from junior high, got struck by lightning on a miniature golf course. I always get this really strong Debbie vibe whenever I use one of those little yellow pencils, y'know? ...I miss her. (いいえ、私が言いたいのは、多分誰も本当には亡くならないってことよ。私のママが死んで以来、時々、ママがほら、ここにいるっていう気持ちになるのよ。[フィービーは右肩の回りに手で丸を書く。フィービーの右に座っているチャンドラーは、神経質そうに後ずさりする] あぁ! そしてデビーは、私の中学の親友なんだけど、ミニチュア・ゴルフコースで雷に打たれたの。私はいつも強いデビーのバイブ(感触)を感じるのよ、よくある小さな黄色の鉛筆を使う時にはいつでもね。デビーが恋しいわ。)
レイチェル: Oh. Here, Pheebs. Want this? [Gives her a pencil] (あぁ。ねぇ、フィービー。これいる? [フィービーに鉛筆を渡す])
フィービー: Oh, thanks. (あぁ、ありがと。)
レイチェル: Sure. I just sharpened her this morning. (いいのよ。今朝、彼女を削ったところなの。)
ジョーイ: Now, see, I don't believe any of that. I think when you're dead, you're dead. You're gone! You're worm food. [Realizes his tactlessness] ...So Chandler looks gay, huh? (なぁ、ほら、俺はそういうのは全く信じないぞ。俺はこう思うんだ、人は死ぬ時には死ぬんだ、って。亡くなる(行っちゃう)んだよ! 虫の餌になるんだよ。[自らの無神経さを悟る] …で、チャンドラーはゲイに見えるよな?)
フィービー: Y'know, I don't know who this is, but it's not Debbie. [Hands back the pencil] (ねぇ、この人が誰なのかはわからないけど、デビーじゃないわ。[鉛筆を返す])

I just have to know, okay? は「ただ俺は知らなきゃならないんだ」で、「俺には知る必要がある、知りたいんだ」という感覚。
Is it my hair? は「俺の髪のせい? 原因は俺の髪?」というニュアンスで、何か今、頭の中でイメージしていて、焦点となっていること=俺の髪、という感覚になります。
レイチェルがイライラしながらそれに同意し、その後、フィービーが「ホモセクシャルな髪の毛」と表現していることで、「ゲイに間違えられてしまう原因は俺の髪の毛なの?」という意味で言っていたことがわかるわけですね。

That's exactly what it is. は exactly が「まさに、まさしく」という副詞で、それを除くと、That is what it is. になります。
that は(チャンドラーが直前に言った)my hair(チャンドラーの髪の毛)のことで、what it is は「それ(焦点となっていること=ゲイだと勘違いされる原因・要因)が何であるか」ということですから、くどいくらいに訳すと「チャンドラーの髪の毛(that)が、チャンドラーがゲイだと思われる原因(it)が何(what)であるか、である」→「チャンドラーがゲイだと思われる原因はチャンドラーの髪の毛である」という関係になるわけですね。

ロスとモニカがセントラルパークに戻ってきたので、レイチェルは "So, did she...?" と尋ねています。
Did she pass away? のように「亡くなる」という言葉を言ってしまうのがはばかられて、その言葉を言わなかった感じでしょう。
そう言われてロスが Twice. と答えると、チャンドラーとジョーイは驚いた顔をします。
「2回死んだ、ってどういうことだよ?」というところですが、フィービーは驚く様子もなく、Oh, that sucks. 「それはひどいわね」のように答えます。
看護師さんは「ほとんどないこと」と言っていましたが、フィービーは Twice. と聞いて「死んだと思ったらまた生き返るってこと、たまにあるのよね。あれは嫌なものよね」みたいに平然と受け止めた感じになるでしょう。

ロスが「おばあちゃんは亡くなったけど、そんな気がしないんだよね」と言いかけると、フィービーは「それは本当は亡くなっていないからだ」と返します。
She's gone. を直訳すると「彼女は行ってしまった」で、「彼女は死んじゃった、死んでしまった」という意味にもなります。この世を「去ってしまった」、日本語の「逝く」のような感じです。
We checked. A lot. のように「確認したの。何度もね」と A lot. を付け加えるのが(不謹慎ですが)笑いのポイントにもなっています。
本当かどうか何度も何度も確認したわ、のようなニュアンスですね。

するとフィービーは「誰も本当は亡くなっていない、逝っていない」のように説明し始めます。
ever since は「〜して以来ずっと、〜の後ずっと」。
every now and then は「時々、時折」。同義語は sometimes。
ママが死んで以来、ママがこのあたりにいるって感じがするのよね、と言いながら、フィービーは自分の右肩のあたりを手でぐるぐるしてみせるので、フィービーの右にいたチャンドラーは「ここにママの霊がいるのか」という顔で、そこから離れるようにびびった感じで身を引くことになります。
vibe = vibration で、日本語の「バイブ」だと、携帯のバイブ音、「振動」のような意味ですが、ここでは「感触」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
vibe [noun] (informal) : the feelings that a particular person, group, or situation seems to produce and that you react to
a good/bad/strange etc. vibe
例)The place has a good vibe.

つまり「(インフォーマル)ある人、グループ、状況が生み出し、人がそれに反応する感覚」。例文は「その場所はいい感じだ」。

one of those little yellow pencils の one of those は「よくあるそういう〜の一つ」という感覚で、「ちまたでよく見かけるような、みんながよく知ってるようなあのちっちゃい黄色い鉛筆」ということ。
I miss her. は「彼女がいなくて寂しい、彼女が恋しい、彼女に会いたい」。

それを聞いたレイチェルは、エプロンに挟んであった黄色い鉛筆を取り出し、フィービーに手渡します。
sharpen は「シャープにする」ということで「(鉛筆などを)削る、とがらせる」。鉛筆削り(器)は pencil sharpener ですね。
I just sharpened her のように目的語が her になっているのは、「黄色い鉛筆=デビー」のように表現したフィービーに合わせたことになるでしょう。

ママはここにいる、黄色い鉛筆にはデビーが宿ってる、みたいな話を聞いて、ジョーイは「俺はそういうのは信じない」と言います。
I think when you're dead, you're dead. について。
この you は一般の人々を表す you だと考えれば良いでしょう。
「俺は思う、人が死ぬ時には、人は死ぬんだ、って」。
日本語でも「死ぬ時には死ぬんだよ」のように、死ぬとなってしまった時にはじたばたしたって始まらない、そうなるものはどうしようもない、というニュアンスで同じように表現しますよね。

worm food は「(ミミズのような細長い)虫の食べ物」ということですから「虫の餌」。
英辞郎には、
worm-food=【名】死体
と出ていますが、人が死んだら虫の餌になってしまう、というのはイメージわかりますよね。
ただ、肉親が死んだばかりの人(ロスとモニカ)の前で「人は死ぬときゃ死ぬし、虫の餌になるんだよ」ということを言うのはあまりにも不謹慎でデリカシーがない、それでロスとモニカだけではなく、他のフレンズたちにも何てこと言うの? という顔をされることになります。
ト書きの tactlessness は tactless 「機転の利かない、無神経な、デリカシーにかける」の名詞形。
tact が「機転、気配り」という意味で、LAAD では tactless は以下のように説明されています。
tactless : likely to upset or embarrass someone without intending to
つまり「意図せずに、人を動揺させたり恥ずかしがらせたりするような」。
人に対して言うべきではないことを言ってしまうというようなニュアンスですね。

みんなに冷たい視線で見られて、立場が悪くなったジョーイは、注意を他に向けようと、チャンドラーの話題を持ち出します。
So Chandler looks gay, huh? と言っていますが、実はこのエピソードでは、このジョーイのセリフまで、gay という単語は使われていません。
シェリーがチャンドラーに男性を紹介しようとしたということから、チャンドラーはゲイだと思われていた、という話がずっとトピックとして存在していたのですが、チャンドラーはそのことを語る際に、自ら gay という言葉は出さず、フレンズたちもそれに合わせて、gay とは表現しないまま、その話題を語っていました。
それがこのジョーイのセリフで初めてその単語が言及されたわけですが、それは分が悪くなった自分からみんなの注意をそらすために、はっきり gay という単語を出したことになるでしょう。
俺の発言よりも、チャンドラーがゲイに見えるって話題をしようぜ、のように言ったわけで、そちらを印象づけるためにダイレクトな単語を使ったことになります。

そんな話をしていると、フィービーは先ほどレイチェルからもらった黄色い鉛筆について、「これが誰かはわからないけど、デビーじゃない」と言い、レイチェルに鉛筆を返します。
受け取る方のレイチェルは「デビーじゃないなら、、誰?!」みたいにちょっとぞっとした様子で、気味悪そうに鉛筆の端っこをそっと持つことになります。


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posted by Rach at 17:05| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、おはようございます。

That's exactly what it is.の解説はありがたかったです。it はつい、this,thatと同類にみなしてしまう癖が今も抜け切れません。

この it については「なるほど!英文法」の p.55〜で詳しく解説してくださっていますね。

英語解説とはあまり関係のないところで興味を惹かれたところが

>フィービー: ・・・, got struck by lightning on a miniature golf course. ・・・

「ミニチュア・ゴルフコース」はフレンズ1-7改その10でも出てきましたね。

>レイチェル: Alright, well, see, I mean, Barry wouldn't even kiss me on a miniature golf course. (ほら、バリーはミニチュア・ゴルフコースで私にキスしようとすらしなかったわ。)

何か脚本家の思い入れとか意図するところがあるのかしら・・・

たまたまやと思う反面、脚本家に「ミニチュア・ゴルフコース」で何か苦い体験があったのかも(^^;)

では。
Posted by aki-kiyo at 2019年01月22日 09:23
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

That's exactly what it is. の解説について、そのように言っていただけて光栄です。
学研の本でも it は頁を割いて説明しましたが、こういう部分が意外とノンネイティブにはピンときにくいんですよね。

それから、miniature golf course が出てきたのは今回で2回目でしたね。
研究社 新英和中辞典の miniature(形容詞)の例として以下のように出ていました。

miniature golf ミニチュアゴルフ 《putter だけでする小型の模造ゴルフ》

辞書の例として出ているのでポピュラーなのでしょう。日本では「ミニゴルフ」という名称で呼ばれているようです。
近いエピソードで2回も出てきたので、やはり脚本家かスタッフにとって、何らかの思い入れがある場所なのでしょうね。
Posted by Rach at 2019年01月22日 19:36
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