2019年02月22日

ベストフィーチャー=顔の部分で一番良いところ フレンズ1-8改その16

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13:13
[Scene 7: Mon+Rach's. Mon+Rach are preparing to leave for the funeral]
シーン7: モニカとレイチェルの家。モニカとレイチェルがお葬式に行く準備をしているところ。
ロス: [Entering] How we doing? You guys ready? ([入ってきて] どんな感じ? みんな準備いい?)
モニカ: Mom already called this morning to remind me not to wear my hair up. Did you know my ears are not my best feature? (今朝ママがすでに電話してきたわ、私が髪の毛をアップにしないように、って。私の耳は見た目が良くない[かわいくない]って知ってた?)
ロス: Some days it's all I can think about. (数日、そればかり考えるよ。)
フィービー: [Entering] Hi! I'm sorry I'm late. I couldn't find my bearings. ([入ってきて] はーい。遅れてごめん。ベアリングが見つからなくて。)
レイチェル: Oh, you-you mean your earrings? (あぁ。イアリングのことね[イアリングって言おうとしてたのね]?)
フィービー: What did I say? (私、何て言った?)
レイチェル: [Sticking her foot out] Hm-m. ([自分の足を突き出しながら]んーん[気づいてほしそうに軽く咳払いする]。)
モニカ: Are these the shoes? (これが例の靴なの?)
レイチェル: Yes. Paolo sent them from Italy. (そうなの。パウロがイタリアから送ってくれたのよ。)
ロス: What? We, uh... We don't have shoes here? (何? ここ(アメリカ)には靴がないの?)
ジョーイ: [Entering with Chandler] Morning. We ready to go? ([チャンドラーと一緒に入ってきて] おはよう。行く準備できてる?)
チャンドラー: Oh, don't we look nice all dressed up? It's stuff like that, isn't it? (あぁ、俺たちすっかりドレスアップして素敵じゃない? (クオリティっていうのは)そういうこと、なんだな?)
[They all leave]
フレンズたちがみんな部屋を出る。

wear one's hair up は「髪を上げている、髪をアップにしている」。
to remind me not to do は「私に〜しないようにと思い出させるために」。要は「〜するな、と言うために電話してきた」ということ。

Did you know my ears are not my best feature? について。
feature は「特徴」と訳されることが多いですが、ここでの意味は以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいでしょう。
feature=【名】[通例修飾語を伴って]【C】 顔の造作 《目・鼻・口・耳・額・あごなどの一つ》
例)Her eyes are her best feature. 彼女は目がいちばん美しい。


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも以下のように説明されています。
feature : a part of someone's face such as their eyes, nose etc.
例)Her eyes are her best feature.

つまり「例えば目や鼻のような、人の顔の部分」。例文は「彼女の目は彼女のベストな顔の部分だ(彼女は目がいちばん美しい)」。

研究社の英和とロングマンの英英は例文が同じで、モニカのセリフと同じく one's best feature という表現が使われています。
Her eyes are her best feature. が「顔の部分・部位」という意味の典型な例文だと言えるでしょう。
「目が彼女のベストフィーチャー=目がいちばん」を意味するとのことなので、顔の部位の中で「ここがいい」という部分を best feature と言うのだと理解すればよいでしょう。
今回のセリフでは「ベストフィーチャーではない」と否定しているので、「私は耳がかわいい、耳が魅力的、ってことはない」と言っていることになります。
「あなたは耳を見せるようなアップにしちゃだめよ」と実の母親に言われたということですね。

次のロスのセリフ、Some days it's all I can think about. について。
直訳すると「数日(何日間か)、そのことが僕が考えられることのすべてである」なので、「何日間か、そのことばっかり考える」ということですよね。
「私は耳がかわいくないってこと知ってた?」と「問われた(ロスが意見を求められた)」ことに対して、イエスまたはノーとその場で答えないで済むように「その答えについては、数日考えてみるよ」的に流して即答を避けたセリフになるのかなぁ、と思いました。

フィービーが入ってきて、I couldn't find my bearings. と言った後、レイチェルが You mean your earrings? と返します。
今、bearing と言ったけど、あなたが言いたいのは earring よね? イアリングと言おうとしてベアリングって言っちゃったのよね? という意味になるでしょう。
bearing は「方角、方面」という意味で、lose one’s bearings なら「道に迷う、方向がわからなくなる」という意味。find one's bearings だと「自分の位置を把握する、自分がどこにいるのかわかる」。
I couldn't find my bearings. だと「自分がどこにいるのかわからなかった」という意味になるので、しょっちゅう来ているモニカとレイチェルの家に来る途中で道に迷ったかのような意味になってしまいますから、「遅れた理由は、自分の居場所がわからなかったからじゃなくて、していくイアリングが見当たらなかったってことでしょ?」と問い返したことになるでしょう。
フィービーが「私、何て言った?」と問い返していることからも、フィービーはイアリングと言うつもりで、無意識にベアリングと言い間違えたことになるだろうと思います。

レイチェルが咳払いしながら足を差し出しているのを見て、モニカは Are these the shoes? と言っています。
the shoes のように定冠詞がついているのは「あの・例の靴」のように「お互いがそれと分かっているもの」というニュアンスですね。
パウロから靴をもらったの、という話を事前に聞いていたということでしょう。

「パウロがイタリアから靴を送ってくれたの!」と嬉しそうに話すレイチェルに、ロスは We don't have shoes here? と言っています。
here はイタリアとの対比で「ここアメリカでは」ということで、「アメリカには靴がないのかな?」みたいなことですね。
イタリアからわざわざ送ってもらわなくてもアメリカにだって靴くらい売ってるよね、というところです。

ジョーイとチャンドラーが入ってきた後、お葬式のために正装しているみんなを見て、Oh, don't we look nice all dressed up? とチャンドラーが言うと、フレンズたちが一瞬固まっています。
その後、It's stuff like that, isn't it? と言っていますが、これは直訳すると「そういうこと(やつ)なんだな、だろ?」みたいなニュアンス。
これについては、過去記事、フレンズ1-8その4 のコメント欄 で、解釈についての様々な意見を頂戴しました。

そのコメント欄の中で、私も意見が二転三転してしまっているのですが、今、私が考える解釈は、、、

部屋に入ってくるなりチャンドラーが「俺たちみんな、おしゃれして決まってるよね」とまるで女子のようなおしゃれの話をした。こういう部分が「ゲイのクオリティを持ってる」と言われるゆえんではないか、という意味で「(みんなが言うクオリティっていうのは)そういうやつなんだろ?」と言った。

ということになります。
過去記事のコメントにも書いたのですが、このシーンの流れを見てみると、

フィービーが、「イヤリングが見つからなくて遅れた」と言って入ってくる。
レイチェルは、パウロがイタリアから送ってくれた靴をモニカに自慢する。
ロスは、「アメリカにだって靴くらいあるだろ」と言う(これは、男だから靴なんか興味がない+ヤキモチを示唆)。
ジョーイは、「おはよう。準備できた?」と軽い挨拶。
チャンドラーは、開口一番「俺たちみんなドレスアップして決まってるよね〜」的発言。

フィービーはイヤリングを探していて遅れた、レイチェルとモニカはパウロがくれた靴のことで盛り上がっていた、という「いかにも女子の会話」的な前振りがあって、ロスやジョーイがそれに絡んでくることはないけれど、チャンドラーは入ってくるなり「俺たち決まってるよね」と自分も含めてみんなのファッションにまつわる話をした。
部屋に入っての第一声がおしゃれ話だったのが「チャンドラーは女子かっ!」と言いたくなるような感じで、チャンドラー自身もそれに気づいて、It's stuff like that, isn't it? と言った、という流れのような気がするということです。

このエピソード全体のテーマの一つとして「チャンドラーには(ゲイの)クオリティがある。でもそれが具体的にどんなものかは本人にも友人にもよくわからない」というものがあります。
エピソードはこの後も「チャンドラーのその”クオリティ”とはどんなものか?」にまつわる話が出てくるのですが、とりあえずこの時点で「もしかしてみんなが言うクオリティって、女子みたいな言動をしちゃうこと?」とフレンズたちに尋ねたのがそのセリフなのかなと思うわけです。
クオリティとは何ぞや? というのはこの後も話が続いていくので、「クオリティ=女子的な発言をすること」のような完全なイコールではなく、また、ここでクオリティの答えが出たわけでもなくて、「もしかしてこういうこと?」レベルでチャンドラーがみんなに問いかけたセリフである、というのが今の私の解釈になります。


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posted by Rach at 19:51| Comment(11) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは!大変細かい解説ありがとうございます!^^
ロスのSome days it's all I can think about.
なのですが、「そのことしか考えられない日もあるよ」=そんなこと知らないよ、興味ないよというロスの皮肉に感じたのですが、いかがでしょうか・・?
Posted by kyoko at 2019年02月25日 22:45
こんにちは

研究社新英和大辞典に次の例文がのっています。

Some days we win, and some days we lose.

ロスの台詞の some days も、連続した期間ではないように思えます。
Posted by mq at 2019年03月01日 18:14
kyokoさん、mqさん、コメントありがとうございます。まとめレスになってしまい大変申し訳ありません。

mqさんがおっしゃるように、some days という表現は連続した期間を指さないような気がしますね。
私が訳したように「数日(間)、そればかり考えるよ」という意味であれば、It's all I can think about for some days. のように期間を表す for が必要になってきますよね。
Some people... 「〜する人もいる」のように、「一部にはそういうものが存在する」という意味の some だと考える方が妥当かもしれません。

そうすると、kyokoさんが書いて下さったように「そのことしか考えられない日もあるよ」という意味になりますが、そういう意味だと解釈した場合、「私が〜だってロスは知ってた?」に対する返事としては「考える日もあるし、考えない日もある」という意味だとちょっと皮肉としてパンチ不足な気もするんですよね、、、

ここで、記事の中では省略してしまったのですが、私が「数日、そればかり考えるよ」と解釈するまでの経緯を書かせていただくことをお許し下さい。
「ねぇ、私の耳って変だと思う?」みたいに妹に問われたことに対してその場で返事をすることから逃げるために返事をはぐらかしたように感じ、そういう訳にしたのですが、このような訳をしたのは「ビッグバン・セオリー」の s1-1 で、以下のようなやりとりがあったのをふと思い出したからだったのです。

自分がやっているゲームを見せながら君も一緒にどう? とペニーを誘うハワード。
ペニー: That sounds interesting. (それは面白そうね。)
ハワード: So you'll think about it? (それじゃあ、その件(ゲームに参加する件)を考えてみてくれる?)
ペニー: Oh, I don't think I'll be able to stop thinking about it. (あぁ、その件について考えることを止めることができないと思うわ。)

「考えることを止めることができない」→「ずっと考えてしまう」→「いつまでも答えが出ない」という流れで、「あなたが言うように考えてあげるけど、イエスとは言わない」ということを暗に言っているわけですね。

このセリフが面白くて印象に残っていたため、モニカに「私の耳が変だって知ってた?」と話を振られたロスは、「しばらくそればかり考えるよ」と「数日の猶予」を確保することで、即答から逃れた、という「ビッグバン・セオリー」と同じ流れなのかと思ってしまったわけです。
最初にそういう印象を持ってしまったので、文頭の Some days は、for some days の for が省略された形かな、とか(a second だけで、for a second のような意味になる例もあるので)、そっちの方向で考えてしまったようです、、、

これについては私ももう少し引き続いて考えてみたいと思います。何か思いついたらまた書かせていただきます。

貴重なご意見ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2019年03月01日 20:19
Rachさん、mqさんもコメントありがとうございます!
私は「何日間か、そのことばっかり考える」ならば、セリフにwillが入るのかな?と思い、モニカの耳なんてどうでもいいわというロスの皮肉かなと解釈しました^^
TBBT大好きです!そのエピソードも10回は見ましたが全然今回の話と結びつかなかったです!><;Rachさんの記憶力さすがです><!!

アメリカ人と話す機会があったので確認してみたのですが、ロスの皮肉で間違いない、とのことです。ただ、ネイティブによっても解釈が違うかもしれないので、他の方のご意見もうかがいたいですね。
Posted by kyoko at 2019年03月03日 23:12
kyokoさん、ご丁寧なお返事ありがとうございます。

ご指摘のように「今から数日間(しばらく)考えるよ」なら、確かに will が必要になってきますよね。

また、アメリカ人の方のご意見もありがとうございます。その方もやはり「皮肉」と解釈されたのですね。

「私、耳が可愛くないんだってさ。ロス、知ってた?」という問いに対して「そのことしか考えられない日もあるよ」と答えることで、人生のうちの何日かはそればかり考える日もあるけど、ほとんどはそんなこと考えない、常にそんなことを意識してるわけじゃない、そんなこと僕にはどうでもいい、という皮肉になる、ということなのでしょうね。

TBBTも大好きとのお話、この作品も面白いですよね! IQ高い彼らに決して負けてないペニーのセリフがいつも面白いなと思っていて(今回のフレンズのセリフとはニュアンスが違ってしまいましたが)好きなセリフを併せてご紹介できて良かったなと思います。

貴重なご意見、誠にありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2019年03月05日 15:07
こんにちは

ゲラーママは何かとモニカにつらく当たります。病院では理不尽な嫌味を言われたモニカをロスが落ち着かせています。これを踏まえると、"Did you know ...?" と尋ねているモニカは、電話で母親に指摘されるまで自分の耳の形を意識しておらず、みんなに確認しているようにも聞こえます。

ロスといえども、妹の耳のことばかり考えている日があるわけはないので、「知ってるどころか、そのことしか考えられない日もあるくらいだよ」というロスの返事は、すぐに誇張のギャグであることが伝わります。Yes と言いながら真意は No である点は皮肉と似ていますが、ロスとモニカの表情からすると、冗談めかした慰め・励ましと見ることもできるかと思います。
Posted by mq at 2019年03月06日 07:02
mqさんへ
コメントありがとうございます。
セリフの言葉通りの意味は「知ってるどころか、そのことしか考えられない日もあるくらいだよ」ということで、それは「誇張のギャグである」という解釈、なるほどと思いました。
「知ってた?」と言われて、「うん、そればかり考えちゃう日もあるね」というありえない返事をすることで、それが文字通りの意味でないことがわかる、という流れだったのですね。

「〜なんだって、知ってた?」と尋ねてきたことに対して、モニカの耳がどうであるかという見解を述べるのではなく、「知ってたかと聞かれると、そのことについてはよく考えるよ」のように「知ってたかどうか、考えるかどうか」という方向でとりあえず返事をしてその会話を終えることで、「ママにそんなこと言われるモニカも大変だね」という気持ちが示されているということなのでしょうね。

貴重なご意見ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2019年03月07日 16:32
最後の一文の考察ですが、ネットフリックスでは不謹慎だったなと訳されていて、自分もそんな意味合いかなと感じました。みんながドレスアップしてというのは、普通は結婚式などおめでたい場所におめかししていく時に使うセリフなので、最後の一文はチャンドラーがみんなの反応を見て今のは不味かったかな?と思い、みんなの反応通りだよねという意味で「そういうことだよね」と言ったように思いました。
Posted by Sami at 2021年07月22日 00:29
Samiさんへ
コメントありがとうございます。

そのセリフについては、私もいまだに確信は持てないんですよね。以前は「不謹慎」というニュアンスだと私も考えていたのですが、過去のコメント欄でいろいろな議論があった結果、記事の結論になりました。
It's stuff like that, isn't it? 「そういう感じのこと(そういうもの)なんだよな?」という漠然とした表現が、(ロスはレイチェルの靴に興味がないけれど、チャンドラーは開口一番、ファッションの話をしているという点で)このエピソードのテーマとなっている「チャンドラーの性的クオリティー」について言っているような気がする、ということなのですが、絶対にそうだと言い切れるわけでもありません。

これについてはもう少し考えてみます。ご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2021年07月22日 22:01
It's stuff like that, isn't it?
の御解説。
感動を通り越して“お見事”と言う他ありませんでした。
ジョーイが、軽ーく「Morning. are we ready to go? 」と言うのに対比してのセリフですし、
その前後の各人の演技の仕方から、
私も、gay qualityで間違いないと思います。
(英検2級の者に裏書きされてもあまり意味はないのですが)
1エピソードで1つぐらいは、自分では絶対、真意を取れない一文があり、便利な“検索”で、毎回、解決でき、英語学習ツールとして最高品質だと思います。お世辞抜きで。
別件ですが。
最近のドラマは、どこも、不自然に黒人を出してきてうんざりです。
Will Smith、Denzel Washington、Morgan Freeman 等を見てて、何ら、黒人が白人より劣っているとは感じず、黒人嫌いでもないのですが、ポリコレもやりすぎると、逆差別で、返って、ドラマ・映画のクオリティーを低下させるうに思います。
不自然に、黒人と白人のカップルや夫婦が出てこないのも、フレンズの良い所です。
今だと、フレンズ制作は無理でしょう。
(ご返信、ご無用です)
Posted by JB at 2024年04月25日 13:10
JBさんへ
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。

It's stuff like that, isn't it? について、「お見事」とまで言っていただき、誠にありがとうございます。
この解釈については、いろんな方からご意見をいただき、私もいろいろと考えを巡らせることができた良い題材だったと思っています。
そのように便利な検索機能で活用していただけていることはブログの利点であり、高い評価の言葉を頂戴できたことも本当に光栄に思います。
そして、ポリコレについてですが、これはとてもセンシティブで本当に難しい問題だと常々感じておりますので、返信不要とお気遣い下さったことに感謝申し上げます。
Posted by Rach at 2024年05月01日 23:32
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