2019年06月11日

いったん〜すると楽しむのは難しい フレンズ1-9改その9

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8:01
モニカ: Chandler, here you go. Got your traditional holiday feast. You got your tomato soup, your grilled-cheese fixings and your family-size bag of Funyuns. (チャンドラー、どうぞ。あなたの伝統的な休日のごちそうを買ってきたわ。トマトスープに、グリルしたチーズの付け合わせに、家族で食べられるサイズの袋のファニオンズよ。)
レイチェル: Wait, wait, Chandler. This is what you're having for Thanksgiving dinner? What, what, what is it with you and this holiday? (待って、待って、チャンドラー。これがあなたが感謝祭の夕食に食べるものなの? あなたとこの休日には何があるの?)
チャンドラー: All right, I'm 9 years old. (わかったよ、俺が9歳の時のことだ。)
ロス: Oh, I hate this story! (あぁ、その話は嫌いだ!)
チャンドラー: We just finished this magnificent Thanksgiving dinner. I have-- and I remember this part vividly, a mouthful of pumpkin pie. And this is the moment my parents choose to tell me they're getting divorced. (俺たち家族は素晴らしい感謝祭の夕食をちょうど終えたばかりだった。俺は、この部分を鮮明に覚えてるんだけど、口いっぱいにパンプキンパイをほおばってるんだ。そしてこれが、俺の両親が自分たちが離婚するつもりだということを俺に言おうと決める時なんだ。)
レイチェル: Oh, my God. (まぁ、なんてこと。)
チャンドラー: Yes, yes. Very difficult to enjoy Thanksgiving dinner once you've seen it in reverse. (そう、そうなんだ。感謝祭の夕食を楽しむのはすごく難しいんだよね、いったん、その食事が戻るのを見てしまうとね。)

Got your traditional holiday feast. は I got your... ということで「私はあなたの…を買ってきた」。
次の You got your... は「(私が買ってきたので)あなたにはあなたの…がある」というニュアンスになるでしょう。
feast は「ごちそう」。

fixing は「料理のつま、添え物、付け合わせ」。
family-size bag は「家族で食べられる量の徳用サイズの(ひと)袋」。
Funyuns は「ファニオンズ」という名前の、リング状になっているオニオン風味のコーンスナック。
Wikipedia 英語版: Funyuns
Funyuns で検索すると、Onion Flavored Rings と書いてある、黄色い袋に黄緑のロゴのお菓子の画像がたくさんヒットします。

一般的な感謝祭の食事である「ターキーやパンプキンパイ」とはかけ離れたものをチャンドラーのためだけに用意したとわかり、レイチェルは「これがあなたの感謝祭の食事? あなたと感謝祭には一体何があるの?」と疑問を示します。

その後、「俺は9歳で」という感じで話を始めるので、9歳の時に何かしらきっかけになる出来事があったことが想像されるのですが、ロスが「その話、嫌い」と言っており、また、モニカも「その話は言わないで」というようにかすかに首を横に振っていることからも、レイチェル以外はその「9歳の出来事」を知っていることがわかります。

magnificent は「素晴らしい、立派な」。
a mouthful of は「口いっぱいの」。
I have-- and I remember this part vividly, a mouthful of pumpkin pie. は、I have a mouthful of pumpkin pie. 「俺は口いっぱいのパンプキンパイを持っていた」→「俺は口いっぱいにパンプキンパイをほおばっていた」という文の間に「俺はこの部分を鮮明に覚えてるんだけどね」という言葉が挿入句的に入った形となります。
感謝祭の食事を終えたばかりで、9歳のチャンドラーは口いっぱいにパンプキンパイをほおばっていて、そしてその時に、両親が離婚することを自分に言おうと決めたんだ、と語っていますね。
9歳の時という過去の思い出話ですが、その場にいるかのような臨場感を持って、現在形で語られているところにも注目したいところです。

Very difficult to enjoy ... once の once について。
once は「一度、一回」または「昔、かつて」という意味の副詞として使われますが、今回の once は接続詞で「いったん・ひとたび〜すると」という意味。
ですからこのセリフは「いったん〜しちゃうと…を楽しむのはすごく難しいんだよね」ということになります。
in reverse は「逆に、逆戻りした」。感謝祭の食事が逆戻りするのを見てしまう、というのはつまり、口に入れていたものを吐いてしまった、ということで、それを言った後で、もどすようなしぐさを2回しています。
そういう嫌な記憶があるから、それ以降、パンプキンなどの感謝祭の食事は食べられなくなっちゃったんだよ、と言っているのですね。


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posted by Rach at 21:27| Comment(3) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは

チャンドラーの両親は、感謝祭の夕食後にチャンドラーに離婚の話をすることを以前から決めていたはずです。頃合いを見計らっていて選んだのが、チャンドラーが口いっぱいにパイをほおばった瞬間ということでしょう。
Posted by mq at 2019年06月14日 22:26
choose の目的語としては the moment と to tell の 2 つの可能性があります。後者だとすると、夫婦が唐突に子供に離婚の話を告げることを決意したことになりますが、これはいささか不自然です。前者の「夕食の席で話を切り出すタイミングとしてチャンドラーの口がふさがっているときを狙った」という解釈には、「反対意見を言いにくいから」というギャグ的要素も感じられます。普通は子供の顔を見ていたらむしろ離婚の話がしにくくなるし、その瞬間に決意しただけではチャンドラーが口の中の物を吐き出すという反応に直接つながらないことを考えると、前者の方がふさわしいように思います。
Posted by mq at 2019年06月15日 12:16
mqさんへ
コメントありがとうございます。

「俺に言おうと決める時」という和訳が、自分でもちょっとピンと来ていなかったのですが、「頃合いを見計らっていてその瞬間を選ぶ」という解釈だと確かにしっくりきます。

感謝祭の食事が終わったところ、チャンドラーが口いっぱいにほおばっている時、両親が離婚を告げようと選んだ瞬間がその時だったんだ、ということだったのですね。

チャンドラーの口がふさがっていると、チャンドラーからは何も言えない、一方的に何かを伝える場合にはその方が都合がいい、というのも納得です。

貴重なご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2019年06月15日 17:08
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