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ジョーイは女性の香りをかいで
ジョーイ: Ooh, you smell great tonight. What are you wearing? (うー、今夜の君はいい香りがするね。何(の香水)をつけてるの?)
女性: Nothing. (なーんにも(つけてないわ)。)
ジョーイ: Listen, uh, you wanna go get a drink or something? (ねぇ、その、一杯飲みに行かない?)
女性: Yeah, that would be-- Oh. (そうね、それって… あぁ。)
ジョーイ: What's wrong? (どうしたの?)
女性: I just remembered I have to do something. (しなくちゃならないこと(用事)があるって思い出しちゃったの。)
ジョーイ: Oh. What? (あぁ。それって何?)
女性: Um, leave. (あの…立ち去ることよ。)
ジョーイ: Wait, wait, wait! (待って、待って、待って!)
(The poster says: What Mario isn't telling you...VD. You never know who might have it.)
ポスターにはこう書いてある、「マリオがあなたに話していないこと・・・性病。誰が性病にかかっているかもしれないか、あなたには決してわからないのだ」
前に一緒に香水売場で働いてたよね、という会話の後、プレイボーイのジョーイは、話のネタに良いと思ったのでしょう、「今夜の君は素敵な香りだね。香水は何をつけてるの?」と尋ねます。
wear は「服を着る」という意味ですが、服以外にも、靴、帽子、指輪、眼鏡・コンタクトなどを「身に付けている」という意味でも使われます。
そして今回のような「香水」をつける場合も wear が使われるということですね。
それに対して女性は、色っぽいというか思わせぶりな言い方で、「なぁ〜んにも」(Nothing.)と言っています。この女性もジョーイに対してまんざらでもない様子が伺えます。
nothing というのは、香水は何もつけてない、ということで、香水をつけなくても、何だかいい香りがするということであれば、フェロモンムンムンみたいなセクシーな感じがしますね。
Nothing. という返事を聞いたジョーイも、ニヤニヤしています。
you wanna go get a drink or something? は、相手に気安く気軽に「飲みに行かない?」と言う誘い文句。
get a drink と、慣用的に a がつきます。
女性の返事 That would be-- は、That would be great. 「それはいいわね」などと言おうとしたのでしょう。
飲みに行くことを快諾しようとした瞬間、何かを見つけて女性は絶句します。
「何かをしなければならないことを思い出した」というのは、「用事があったのを今思い出した」という感覚。
something 「何か」って何? と尋ねるジョーイに、女性は、Leave. と答えています。
I’m leaving. だったら、「私は(もう)行くわ、ここを去るわ」という感じで、ジョーイの質問を無視して行ってしまう感じですが、この leave は I have to leave. が省略されたもの、という気がします。
しなければならない something というのは、leave なの、という感覚で、do something = leave ということだろうと思います。
その後、彼女が見た方向に目を向けたジョーイは、あるポスターが貼ってあることに気づく、という流れになります。
女性が見ていたそのポスターには、ジョーイの写真が載っています。
ジョーイがモデルになると言っていた無料診療所のポスターであることがわかりますね。
そのポスターに書かれていた文章は以下のようになっていました。
what Mario isn’t telling you… VD
You never know who might have it.
つまり、「マリオがあなたに話していないこと…性病。誰が性病にかかっているか、あなたには決してわからないのだ」ということ。
VD は、venereal disease の略で「性病」。
どの病気のモデルになるかの話で、ライム病がいい、と言っていたジョーイですが、性病のポスターに使われてしまったということですね。
あなたの彼が性病かもしれない、そしてあなたもそれに感染しているかもしれない、だからいますぐ市の無料健康診断を受けましょう、という啓発ポスターのようです。
ポスターを見て茫然とするジョーイを映した後、街中に貼られているジョーイのポスターが次々と画面に映ります。
ここで、バックに流れているのは、ポリス(The Police)の Don't Stand So Close to Me (邦題:高校教師)という曲。
この曲は、「若い男性教師に恋する女生徒」のことを歌った歌で、タイトルの Don’t stand so close to me というフレーズは、歌詞の中でリフレインされます。
男性教師が自分に恋する女生徒に対し「そんなに(僕の)近くに立たないで」→「近づかないで、そばに来ないで」と思っているという歌詞ですが、ジョーイのポスターが伝染性の強い性病を扱ったものであることを考えると、「(病気がうつるから)私の近くに来ないで」と誰かがジョーイに対して言っているように聞こえます。
そう思わせる意図があって、この場面ではこの曲が選ばれたようですね。
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この Obsession girl は香水売り場で働いていたので、外出時に香水をつけないという設定は少しそぐわない感じがします。女性が意味ありげに "Nothing." と言ってから、やや間があって、ジョーイが状況を理解してにやけるという様子からすると、ジョーイの「(香水は)何をつけてるの?」という質問に対して、女性が「(下着は)何もつけてないわ」という、wear という動詞が香水にも衣服にも使われることを利用した台詞のように思えます。
フェロモン説も有力だと思いますが、ハリウッドの脚本家はどうしてもモンローとシャネルの5番の話を思い出して、それに重なる台詞を書いてしまうのではないでしょうか。
Obsession girl が習慣として香水をつけないのが不自然であるとすれば、やはりジョーイの質問の意味を意図的にずらして受け取り、性的な挑発の意味を込めた台詞と考えてよいと思います。
こんにちは。コメントありがとうございます。
私も wear / nothing と聞くと、"What do I wear in bed? Why, Chanel No.5, of course." を思い出すので「(下着は)何もつけてないわ」ということを示唆している可能性も考えていました。その内容で途中まで記事も書きかけていたのですが、You smell great tonight. What are you wearing? のように「香り」の話をした後での wear だったので、「下着をつけてない」という意味に持って行くのは強引かな、また、外出中に下着をつけてないというのも設定が過激すぎるかなと思って、下着の件に触れるのはやめました。
ちなみにジョーイのセリフは音声でも What are you wearing? と進行形で言っているようです。
この女性は外出時に当然香水をつけているでしょうし、また当然下着もつけているでしょうから、香水の話にしても下着の話にしても、nothing 「何もつけてない」というのはあくまで「セクシーなジョーク」であって事実ではないわけですね。「下着をつけてないはずはないから、下着の件は違うな」と私が判断したのは間違いで、ジョークとしてはどちらの意味に取るのも可能だし、モンローの件を彷彿とさせる、bed という言葉も連想させるような、思わせぶりな返しだったという方が確かに面白いと思いました。
なるほど、私のリスニングの問題点を再確認できました。You smell great tonight. What are you wearing? でないと台詞としてはおかしいわけで、そうでないところがポイントかと思ったのですが、単なる誤りでした。先のコメントの該当部分は撤回します。失礼しました。
Rach さんの"「何もつけてない」というのはあくまで「セクシーなジョーク」であって事実ではない" という懐の深い受け止め方が nice です。私は単純に本当に何も着けていないと思っていました...。
こんにちは。ご丁寧なお返事ありがとうございます。
私も最初「下着をつけてないということはさすがにないだろうし」と思ったのですが、要は「そういうセクシーな会話」をすることで相手の誘いをまんざらでもないと思っていることを示しているということだったのでしょうね。