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11:24 感謝祭のパレードの模様が画面に映し出される。
11:29
モニカの部屋。
モニカ: Mmm, looking good! Okay! Cider's mulling, turkey's turking, yams are yamming.... What? (んーん。おいしそう! オッケー! リンゴジュースは温まってるし、ターキーはターキーしてるし(焼けてきてるし)、サツマイモはイモイモしてきてるし…。(浮かない顔のロスを見て)何?)
ロス: I don't know. It's just not the same without Mom in the kitchen. (さあね。ただ、台所にママがいないと(いつもと)同じじゃないってだけだ。)
モニカ: Oh, that's it. You know what? Just get out of my way and stop annoying me! (あぁ、それまでよ。いい? ただ私の邪魔をしないで。私をいらいらさせるのはやめて!)
ロス: Well, that's closer. (あぁ、それで似てきたよ。)
感謝祭のパレードの映像の中で、今回のエピソードの英語タイトルにも出てくる Underdog (アンダードッグ)のバルーンが映ります(アンダードッグについては、後にセリフで出てきた時に説明します)。
cider は日本の「サイダー」のイメージとは異なり、ここでは「リンゴジュース」のこと。日本語のサイダーのような「ソーダ、炭酸水」は soda pop と言います。
cider はアメリカでは「リンゴジュース」(リンゴの絞り汁を発酵させないもの)を指し、イギリスでは「リンゴ酒」(リンゴの絞り汁を発酵させたもの。アルコールを含む)を指します。
Wikipedia 日本語版: サイダー#各国のサイダー に、各国のサイダーのアルコール・炭酸のありなしや色の一覧表があります。
mull は「(ワインやビールなどに)砂糖や香料を入れて温める」。
Wikipedia 日本語版: アップルサイダー に以下の記述がありました。
伝統的にハロウィン、感謝祭、クリスマス休暇に供され、温めて香辛料を加える場合もある。
ウィキペディアに「温めて」と書かれているところから、モニカも感謝祭用に「温めて香辛料を加えたサイダー」を作っているのだろうと想像できますね。
mull は辞書では「砂糖や香料を入れて温める」という他動詞として紹介されているのですが、モニカのセリフの Cider's mulling は「サイダーが温まってきている」のような自動詞の感覚で使っていることになるだろうと思います。
yam は「さつまいも」。
Cider's mulling, turkey's turking, yams are yamming. のように<主語+現在進行形>の形が3つ続いていますが、ターキーとヤムは最初のサイダーと同じような言い回しを使う言葉遊びのようなものだと思われます。
ターキーやイモが、感謝祭の料理っぽいターキーとイモになってきたわよ〜、というニュアンスだろうと。
日本語で「イモがイモイモしてきた」みたいに表現すれば、それに近い感じになる気がしました。
モニカが着々と感謝祭ディナーの準備をしているのに、ロスはなぜか浮かぬ顔をしています。
ロスのセリフ、It's just not the same without Mom in the kitchen. について。
without は「〜がなければ」で、いくらモニカがママみたいな料理を作ってくれても、ママが台所にいないといつもの感謝祭っぽくない、ということ。
その発言にカチンと来たモニカが怒ると、ロスは that's closer と返します。
直訳すると「今のはより近い」ということですね。
「ママがいないといつもと違う」と言った後なので、モニカが怒った時の発言で、いつものママがいる時の雰囲気に似てきたと言ったことになるでしょう。
ヒステリックな怒り方がママに似ていて、いつもの感謝祭らしくなってきたよ、ということですね。
11:50
スキーの服を着て、チケットを頭上に掲げながら嬉しそうに入ってくる。
レイチェル: I got the tickets! I got the tickets! Five hours from now, shoop, shoop, shoop! (私、チケットをゲットしたの! チケットをゲットしたの! 今から5時間後には、シュー、シュー、シューよ!)
チャンドラー: Oh, you must stop shooping. (あぁ、(その)シューシューってやつ、やめてくれないと[頼むからやめてよ]。)
レイチェル: Okay, I'm gonna get my stuff. (よし、私の荷物を取ってくるわ。)
ジョーイ: Chandler, will you just come in, already? (チャンドラー、もういい加減、中に入ったらどうだ?)
チャンドラー: No, I prefer to keep a safe distance from all this merriment. (いや、俺はこの陽気な騒ぎから安全な距離を保つ方がいいよ。)
フィービー: Look out! Incoming pumpkin pie! (注意せよ! 接近するパンプキンパイだー!)
チャンドラー: Okay, we all laughed when you did it with the stuffing, but that's not funny anymore. (よし、(七面鳥に詰める中身の)スタッフィングでそれをやった時はみんなで笑ったけど、今のはもう面白くないな。)
レイチェルがスキーのポーズをしながら「シューシュー」と言っていると、そのシューシューはやめて、とチャンドラーは言います。
トラウマがあって感謝祭が苦手なチャンドラーが戸口に立ったままで部屋に入ってこないのを見て、ジョーイは will you just come in, already? と言っていますね。
already は現在完了形などと結びついて「もう、すでに」という意味で使われますが、このように、Will/Would you...? や命令形と一緒に使うと、already は「とっとと(…して)、もういい加減に」のようないらだちを表す表現になります。
そんな風に一人で頑張ってないで、いい加減あきらめて、腹をくくって、部屋に入ってきたらどうなんだ? というニュアンスになるでしょう。
merriment は「陽気さ、陽気な騒ぎ」。Merry Christmas の merry 「陽気な」の名詞形。
incoming は「入ってくる」というニュアンスで、対義語は outgoing になります。
フィービーはパンプキンパイのトレーを持ってチャンドラーに近付けながら、「イヤ〜ォ」みたいな音を口真似しています。
Netflix のト書きには、( imitating airplane engine ) と書かれてあり、飛行機のエンジン音を真似しているわけですね。
形状的には円盤形でUFOのように見えますが、何かしらそういう飛行物体の真似をして、子供がいじわるするみたいに、苦手なものをわざと「ほれほれ」と近づけている感覚でしょう。
stuffing は「七面鳥の中に詰める詰め物」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stuffing : a mixture of bread, onion, herbs, and other foods, that you put inside a chicken, turkey etc. before cooking it
つまり「パン、タマネギ、ハーブや他の食べ物を混ぜたもの、チキンやターキーを調理する前に、その中に入れる」。
stuff は「詰める、詰め込む」という動詞なので、詰め物は stuffing と呼ばれることになります。
「前にスタッフィングでそういうことをやった時はみんなで笑ったけど、今のはもう面白くない」とチャンドラーは言っていて、前はスタッフィング、今度はパンプキンパイと二度も同じことをされたら面白くないよ、いらいらするだけだよ、という気持ちなのでしょうね。
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11:36 Cider's mulling,
サイダーは冷やして飲む感覚なのですが、
温めるサイダーとはどんなものですか?
ご質問ありがとうございます。
ブログ記事に書いた通りで、英語の cider は日本人がイメージする冷たいサイダーではなく、「リンゴジュース」のことです。
そのジュースに香辛料などを加えて温めることを、Cider's mulling, と言っていることになります。