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レイチェルがスキーに出かけようとしていた時、チャンドラーがモニカの家に入ってくる。
チャンドラー: The most unbelievable thing has happened! Underdog has gotten away! (最も信じられないことが起こったぞ! アンダードッグが逃げ出したんだ!)
ジョーイ: The balloon? ((あの)バルーン?)
チャンドラー: No, no, the actual cartoon character. Of course the balloon! It's all over the news. Right before he reached Macy's, he broke free and was spotted flying over Washington Square Park. I'm going to the roof. Who's with me? (いいや違う。本当のカルトゥーン[アニメ]のキャラクターだ。[しばらくの沈黙] もちろん、バルーンに決まってるだろ! それがあらゆるニュースになってる。メイシーズ百貨店に到着する直前に、彼は解き放たれて[自由になって]、ワシントン・スクエア・パークの上を飛んでいるのが発見されたんだ。俺は屋上に行く。俺と一緒に来るのは誰だ?)
レイチェル: I can't. I gotta go! (私は(屋上には)行けないわ。(旅行に)行かなくちゃ。)
チャンドラー: Come on. An 80-foot inflatable dog loose over the city? How often does that happen? (町の上に解き放たれている80フィートの空気で膨らんだ(風船の)犬だぞ。そんなこと、どのくらいの頻度で起こる?)
フィービー: Almost never. (ほとんどめったにないわ。)
みんなが次々と部屋から出て行く。
モニカ: Got the keys? (カギ、持った?)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
チャンドラーは興奮した様子で、アンダードッグが逃げたことをみんなに知らせています。
現在完了形の has happened, has gotten away はどちらも「ちょうど〜したところ」という「完了」の意味。
Underdog は、1964年から1973年までアメリカで放送されていた Underdog という cartoon(アニメ、カルトゥーン)の主人公です。
IMDb : Underdog (TV Series 1964-1973)
上にリンクした IMDb (Internet Movie Database) では、Videos / Photos で、動画や画像を見ることができます。
ちなみに、IMDb というサイトは、日本からアクセスすると、タイトルが「日本語タイトルのローマ字表記」になるという仕様になっていて、この Underdog も Urutora wan-chan という表示になっています。
その表示の通り、日本では「ウルトラわんちゃん」のタイトルで放映されていました。
Wikipedia 日本語版: ウルトラわんちゃん
2007年には、Underdog というタイトルでアメリカで実写映画化されました。
日本では劇場未公開でしたが、「鉄ワン・アンダードッグ」のタイトルでDVDが発売されています。
この実写版がどんな感じなのか確かめようと、以前レンタルして見てみたのですが、マッドサイエンティストのバーシニスター博士役でピーター・ディンクレイジが出演していました(「ゲーム・オブ・スローンズ」のティリオン・ラニスターを演じている俳優さんです)。
underdog とは元々、「負け犬、敗北者」という意味。日本語も英語もどちらも「犬(dog)」なのが興味深いですね。
このテレビアニメは、Shoeshine Boy という名前のダメ犬が、スーパーマンのようなヒーロー Underdog に変身して大活躍するというストーリーです。
赤い服と青いマントがトレードマーク。赤い服の胸に白抜きでUの文字が入っていますが、これは、スーパーマンのSの文字をイメージしたものなのでしょう。
Underdog が現れた時の決めゼリフは、”There's no need to fear, Underdog is here!” 「恐れる必要はない、アンダードッグここに参上!」。
fear と here (フィアーとヒアー)が韻を踏んでいるのもポイントですね。
IMDb で見られる 2:21 の長さの動画の 1:24 に、この決めゼリフが出てきます。
「フレンズ」の今回のエピソードの少し前のシーン(11:24くらい)に、感謝祭のパレードの様子が3シーン挿入されていましたが、最後に出てきたウルトラマンが飛んでるようなポーズの赤い服を着た犬が Underdog です。
チャンドラーは、この感謝祭のパレードのバルーンが飛んでいったという話をしているのですね。
今回のエピソードの原題が The One Where the Underdog Gets Away(訳:アンダードッグが逃げる話)となっているのも、このバルーンのことを言っていることになります。
今日は感謝祭なので、アンダードッグが逃げた、と言えば誰しもあのバルーンを思い浮かべるわけですが、ジョーイはそんな当たり前のことをわざわざ「あのバルーンのアンダードッグ?」みたいに尋ねています。
あまりにも当たり前すぎることを聞かれた時、いわゆる「アメリカン・ジョーク」ではあり得ない返事を返すことが多いのですが、チャンドラーも「いや、それがカルトゥーンのキャラクターが画面から逃げ出したんだよ」みたいにトボケたことを言っています。
その後、「当然、バルーンだよ!」と自分のボケにツッコミを入れていますが、このように「バルーンに決まってるじゃないか」とツッコミを入れるのは、アメリカンジョークとしては逆にちょっと珍しいパターンに思えました。
エピソードが進むにつれて、こういうチャンドラーのオトボケはエスカレートして行きますが、だいたいはあり得ないことをしれっと言って、みんなが笑うか、「はぁ?」みたいな顔をしてそのジョークはおしまい、というパターンが多いです。
日本の漫才のように「んなわけないだろ、バルーンだよっ!」みたいにツッコむ方が珍しい気がする、ということですね。
Right before he reached Macy's, he broke free and was spotted flying over Washington Square Park. について。
Right before he reached Macy's は「メイシーズに到着する直前に」。
パレードがメイシーズの前を通ることがわかります。
今回のエピソードの少し前のシーン、ゲットアウト=まさか! フレンズ1-9改その10 で、地下鉄で会った女性に「俺たち一緒に働いてたよね」と言った後、
ジョーイ: Yeah. At Macy's. You're the Obsession girl, right? I was the Aramis guy. (そうさ。メイシーズでね。君はオブセッションの担当だろ? 俺はアラミスの担当だった。)
のように、百貨店メイシーズの名前が出ていました。
後でまたメイシーズの名前が出てくることのへ伏線だったのでしょうね。
break free は「自由になる、(支配されている状況から)逃げ出す」。
クイーンの曲にも I Want to Break Free (邦題:ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」という歌がありますよね。
歌詞でも I want to break free 「自由になりたい」というフレーズが繰り返し出てきます。
spotted flying over Washington Square Park は「ワシントン・スクエア・パークの上を飛んでいるのを発見された」。spot は 「発見する」。
今、アンダードッグのバルーンがふわふわ飛んでるから、屋上にそれを見に行く、とチャンドラーは言っています。
いろいろなバルーンがある中でも、特に「飛ぶ」キャラクターであるために余計に見ごたえがあるのでしょうね(今だと、インスタ映えしそうな感じでw)。
日本だと、仮面ライダーよりはウルトラマン、ゴジラよりはガメラの方が、「バルーンが飛んでる」状況がより面白く見える、というのと同じようなことでしょう。
スキー旅行に出かけようとしていたレイチェルは「私はスキーに行かないといけないから」と拒否するのですが、チャンドラーはそれを引き留めようとしています。
An 80-foot inflatable dog loose over the city? について。
長さの単位フィートは、英語では foot と feet という単語を使いますね。
単数形が foot で、複数形が feet ですから、80フィートは 80 feet になるのですが、上のセリフでは、数字との複合語の形で形容詞的に使われているので、80 feet ではなく、80-foot という形になっています。
「徒歩10分」は、ten-minute walk で、ten minutes という複数形にならないのと同じ原理です(名詞ではなく形容詞だから、複数形にはならない、という理屈)。
ちなみに、80フィートは 24.4メートル。
loose は「解き放たれた、自由な」という形容詞で、loose over the city が inflatable dog を後ろから修飾(後置修飾)しています。
inflatable は「膨らませることのできる、膨脹式の、空気を入れて使う」。
How often does that happen? を直訳すると「それ[そんなこと]はどのくらいしばしば[どのくらいの頻度で]起こる?」。
almost never は「ほとんど〜ない」。絶対ないとは言わないけど、限りなく起こり得ない出来事、という感じです。
今、実際に起こったことなので、また再び起こらないとも限らないから、never とは言い切れない、でも、限りなくあり得ない、起こり得ないことだ、ということですね。
「どんな頻度でこんなことが起こる?」に対して、「ほとんど起こらない」と答えるフィービーですが、How often...? という疑問文は「どのくらいの頻度かを尋ねている、質問している」わけではなく、この文自体が「どれくらいの頻度で起こるだろうか、いや、めったに起こらないよな」という反語的表現になっています。
モニカの Got the keys? について。
got は「ゲットした」、つまり「持った」。このセリフをそのまま文字通り訳すと、「カギ、持った(?)」というところ。
英語の会話表現では、この Got the keys? のように主語を言わない場合も多いですが、日本語でも「カギ持った」と主語を言わないことも多いので「わかりきったことを省略する」というのは日英同じですね。
モニカとレイチェルはこの部屋をルームシェアして同居しており、今回の場合だと、部屋を出る時にどちらか一人がカギを持っていればいい、と考えていることがわかります。
この Got the key? については、また後のシーンで解説することになりますので、とりあえず今回の説明はここまでにとどめます。
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一年ほど前から学習のためブログを参考にさせていただいてます大学生です!!
先日知ったことなのですが、FRIENDSのNetflixでの配信(確かHuluでも、、)が八月末で終了してしまうらしいです。ずっとNetflixにお世話になっていたので悲しいですが、これはDVDを買いなさいという神からの啓示でしょうか、、
配信終了した後も継続してレイチさんのブログを活用させていただきたいと考えています。以上すでにご存知かもしれませんがご報告でした。
いつもありがとうございます。本当に英語学習の助けになっています。
こんにちは。コメントありがとうございます。
拙ブログを英語学習の参考にして下さっているとのこと、大変光栄で嬉しいです。
配信終了についての情報もありがとうございます。
「フレンズ」の Netflix での配信は8月末までのようですね。私はフレンズのDVDを揃えているのですが、やはり動画配信の便利さに惹かれ、最近のフレンズの視聴はもっぱら Netflix でした。ですから今回の配信終了のニュースを私もとても残念に思っています。
この配信終了は、以下のニュースと関係しているようです。
日本経済新聞 ネットフリックス、値上げで狭まる包囲網 (2019/7/18 15:27)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47480190Y9A710C1TJ1000/
この記事によると、コンテンツを所有するメディア企業が自ら動画配信サービスを開始する、ワーナーメディアは20年春から「フレンズ」全話を独占配信する、ということだそうです。
ですから、「フレンズ」の権利を所有するワーナーメディア自らが独占配信する計画なので、他社の Netflix では見られなくなるという動きが起こったということのようですね。
また、Hulu については「08/31まで」と表示されていますが、これは「フレンズ」の完全な配信終了ではないかもしれません。
緑色の「フレンズ」のタイトルはリンクになっていて、フレンズの配信情報を見ることができるのですが、そこには以下のように書かれています。
奇数月に奇数シーズン(1,3,5,7,9)を、偶数月に偶数シーズン(2,4,6,8,10)を配信しています。
例えば今月8月の場合は「偶数シーズンが月末まで」ということになります。これまでも「08/31まで」のような「月末まで」という表示はありましたので、今回の場合も通例の「偶数シーズンは偶数月の月末まで」という表示である可能性が高いとは思います。
ただ、先ほどご紹介した記事にあるように、ワーナーメディアが来年「フレンズ」全話を独占配信する、ということだと、Hulu の配信も近いうちに終了する可能性が高い気はしています。
今年から来年にかけて、コンテンツを所有するメディア企業が次々と動画配信サービスに参入予定となっていて、サービスの競争がますます激しくなってきそうです。人気ドラマである「フレンズ」は目玉として独占配信されるとのことで、時期を待てばまた配信サービスで見られることになりそうですから、私個人としてはその点はホッとしているところです。
私もいろいろなドラマを見ているのですが、その中でも「フレンズ」は作品として本当に面白く、また英語学習の観点で見ても(私は今でも)「フレンズ」が一番だと思っています。その面白く楽しいフレンズのセリフの解釈を読者の皆さんとシェアできるのは本当に幸せです。
そのように「英語学習の助けになっている」と言っていただけることはとても嬉しく、読んで下さる方がいる限り、私もこのブログを続けて行きたいと思っています。
温かいコメント、ありがとうございました<(_ _)>
一つ悩みがあるのでご相談させていただきたいです!
ここ一年半ほど、様々な国の人たちと英語を使いコミュニケーションをとるという事と映画を字幕なしで見るという事を目標に掲げて、フレンズの視聴、レイチさんのブログや留学生との会話、TOEIC・英検の勉強など、様々な形で学習をしていますが、最近こんな事しててなにかためになるのかなと学習に対してのモチベーションが下がってしまうことが増えてきました。
TOEICの点数など勉強の成果が目に見えることでモチベを維持できていましたが、ここ最近もう今日はいいやなど投げやりになる機会が増えていています。フレンズは見るだけはものすごく楽しいのですがさあここの表現は、、単語は、、と考えてしまうと途端にやる気がなくなってしまいます。
レイチさんは、学生時代などにそのような経験はありましたか??もし経験されていたらどのように改善していったかなど具体的にアドバイスをしていただきたいです。
(TOEICは現在850で900を超えるように少しづつ勉強しています。また英検は次回の準一級に向けて勉強しています。上の資格は自分の目標とは関係ないのですが、せっかく英語を勉強しているから就活に使えると思い習得に励んでいます。この考え方が良くないのでしょうか、、)
長文失礼しました。。。
コメントありがとうございます。
モチベーションが下がってしまうというお話、よくわかります。
私も学生時代には「英語をやっていたら就職に有利かも」という気持ちから英検の勉強をしていました。そして運よく準1級には合格しましたが、1級には落ちてしまいました。それもものの見事な撃沈ぶりでこれ以上勉強してもとても通りそうな気がしなかったので、1級を目指すことは早々にあきらめました。
ただ、英語そのものは好きだったので「スクリーンプレイ」という脚本の載った本を使って、ビデオに録画した映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を見ながら英語を学ぼうとしていました。
結局、大学生の頃は、当時の「ビデオテープ」の操作がDVDほど便利ではなかったこともあり、その映画を一通り見て終わってしまったのですが、後に30歳を過ぎてから再学習する時に、映画で楽しく学べていた経験から、海外ドラマで英語を学ぶという方法に自然に入れたんだと思っています。
海外ドラマで英語を学ぼうとした方からは「ドラマを見るのに夢中になってしまって、英語学習であることを忘れてしまう」ということをよく聞きます。ですが「次を早く見たい」と思える気持ちが、英語学習を続ける原動力にもなってくれるのですね。私はその「見たい」気持ちを利用して、私が拙著などでおすすめしている「3段階」の方法を必ず行うようにすることで、学習を進めて行きました。次を見たいと思ったらその段階を踏まないといけないので、否が応でもその間に何かしらの単語やフレーズに触れられるわけですね。その場合もあまり英語学習的な観点で考え過ぎずに、「このセリフの意味やニュアンスを掴みたい」という気持ちでセリフを楽しみながら追っていくようにすれば良いのかなぁ、と。
結局、大学生の時に撃沈した英検1級に30歳を過ぎてから合格することができたのですが、それは海外ドラマで生きた英語を浴び続けたことで、英語を英語のまま理解できるようになれたからだと思っています。
大学生の方の場合、英語を就活の武器だと考えるのは当然のことですよね。社会がそれを求める風潮もありますし。それはそのように割り切った上で、楽しみながら英語を学ぶ方法として「フレンズ」の面白さに引っ張られながら英語学習を続ける、という方向に進んで行かれるのが良いと思います。
せっかくの素晴らしい作品を教材にされているのですから、とにかく楽しんで、少しずつわかってきたり、知らない単語やフレーズを知ることができたりすることを喜びとしながら、マイペースで進んでいっていただけたらと思います(^^)