2019年10月18日

ウィッシュボーンを真似て願い事をする フレンズ1-9改その22

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19:42
外の夜の風景が映り、時間が経過したことがわかる。喧嘩した後、疲れ切って沈んだ表情のフレンズたち。
19:53
フィービー: Ew! (うぇ〜!)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: Ugly Naked Guy's taking his turkey out of the oven. Oh, my god! He's not alone. Ugly Naked Guy is having Thanksgiving dinner with Ugly Naked Gal. (裸のブ男がオーブンからターキーを取り出してるわ。なんてこと! 彼は一人じゃない。裸のブ男(ブサイクな裸の男)は感謝祭のディナーを食べてる、裸のブ女(ブサイクな裸のギャル)と。)
ジョーイ: I gotta see this! All right, Ugly Naked Guy! (これは見なくちゃな! いいぞ、裸のブ男!)
モニカ: Ooh, Ugly naked dancing! (うー、ブサイクな裸のダンシング!)
フィービー: It's nice that he has someone. (彼(裸のブ男)にも(一緒に感謝祭を過ごしてくれる)誰かさんがいる、ってことは素敵ね。)
フレンズたちはそれぞれ隣にいる人と向き合い、穏やかな表情になる。

Ew! というのは「嫌だ! 気持ち悪い!」という時に使われる言葉。
窓の外から向かいの裸のブ男の部屋を見ていたフィービーは「オーブンからターキーを取り出してる」と言いますが、それを聞いてもフレンズたちは大喧嘩した後で疲れているのでしょう、「そんなことどうでもいい」みたいな顔をしています。
その後、フィービーがずいぶん驚いた様子で「彼は一人じゃない」と言い、「感謝祭ディナーを食べてる、Ugly Naked Gal と」と言った途端、他のフレンズたちも一斉に立ち上がり、窓の近くに集まってきます。

gal は girl のこと。日本でも随分前に「ギャル」という言葉が流行り、その後もコギャルとか、最近ではギャル男とかいう表現もあります。
It's nice that he has someone. というフィービーの言葉で、自分たちも友達と一緒にいるありがたさに改めて気づいた様子のフレンズたち。
フィービーはちょっと変わったキャラですが、みんなが我を忘れている時などに、ヒューマンなコメントをしてみんなの目を覚まさせる、ということも多いです。


20:35
テーブルについているみんな。チャンドラーはナイフを手に持っている。
チャンドラー: Shall I carve? (切り分けましょうか?)
レイチェル: By all means. (ぜひ(よろしく)。)
チャンドラー: Okay, who wants light cheese, and who wants dark cheese? (よし、白いチーズが欲しいのは誰で、黒いチーズが欲しいのは誰?)
ロス: I don't even wanna know about the dark cheese. (黒いチーズについては知りたくないね。)
モニカ: Does anybody wanna split this with me? (誰かこれを私と分けっこしたい人はいる?)
ジョーイ: Oh, I will. (あぁ、俺、したい。)
フィービー: Ooh, you guys have to make a wish. (うー、あなたたち、願い事しないとね。)
モニカ: Make a wish? (願い事?)
フィービー: Come on, you know, Thanksgiving. Ooh, you got the bigger half! What did you wish for? (ねぇ、ほら、感謝祭だもん(こうやって願い事しなくちゃ)。うー、ジョーイが大きい半分を取ったわ! 何をお願いしたの?)
ジョーイ: The bigger half. (大きい方(が欲しい)って。)

Shall I carve? の shall I...? は「…しましょうか? …いたしましょうか?」という相手の意向を尋ねる言い方。ここでは、ちょっと気取った感じが出ています。
carve は「(食卓で)(肉を)切る、切り分ける」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
carve : to cut a large piece of cooked meat into smaller pieces using a big knife
例)What's the best way to carve a turkey?
例)Carve the roast into thin slices.

つまり「調理された大きな肉片をより小さなピースに、大きなナイフを使いながらカットすること」。例文は「ターキーを切るベストなやり方は何?」「ローストを薄いスライスに切り分けて」。

by all means は「どうぞ、ぜひ、もちろん」。許諾・同意の気持ちを丁寧に表現したもの。of course と同じような意味になります。
LAAD では、
by all means : (spoken) used to mean "of course" when politely allowing someone to do something or agreeing with a suggestion
つまり「(口語)人に丁寧に何かをすることを許す、または提案に同意する時に「もちろん」の意味で使われる」。

レイチェルが By all means. と言ったあと、カメラはチャンドラーの手元の方を映します。
皿には感謝祭お決まりのターキーではなく、トーストらしきものが重ねてあります。
先ほど喧嘩していたように、オーブンで焼いていたターキーは焦げてしまっており、食べるべきターキーがないことから、トーストをターキーのように見立てているということです。
ちなみにパーティーで肉を切り分けるのは、その家の主人の仕事と言われていて、大きな肉を客人に切り分けたりするシーンもよく出てきます。

light cheese と dark cheese の light と dark は色の濃淡。
light は「色が薄い、淡い、白っぽい」、dark は「色が濃い、黒ずんだ、黒っぽい」ということ。
先ほど、「トーストをターキーのように見立てて」と書きましたが、ここで light/dark という言葉が出ているのも、ターキーを意識した表現になっています。
light meat というと「白っぽい肉」で、dark meat だと「黒味がかった赤肉」という意味になります。
「白っぽい肉」という意味ではもっぱら white meat という表現が多いようです。

LAAD では、
dark meat : the darker-colored meat from the legs, thighs etc. of a chicken, turkey, or other bird
つまり「チキンやターキーや他の鳥の、脚や腿(もも)から取れる、より黒っぽい色の肉」。

white meat : the pale-colored meat from the breast, wings etc. of a cooked chicken, turkey, or other bird
つまり「チキンやターキーやほかの鳥の、胸や手羽から取れる、白っぽい(薄い色の)肉」。

日本のスーパーで見かける鶏肉も、もも肉と胸肉では確かに胸肉の方が色が薄いです。
「ターキーのライトミート(ホワイトミート)の部分にする? それともダークミートの部分にする?」のような感じで「白っぽいチーズがいい人? 黒っぽいチーズがいい人?」と聞いているわけですが、ロスは「黒いチーズについては知りたくないね」と言っています。
いろいろなものを焦がしてしまった後なので、この dark cheese も焦げたチーズの一部である、だから「焦げて黒くなった」とかそんな理由は知りたくないよ、と言ったのかなと思います。

「私とトースト分けっこしたい人は?」との問いにジョーイが名乗りを上げると、フィービーは「願い事をしなくちゃ」と言っています。
「何で願い事を?」という二人の反応に、フィービーは「サンクスギビング」と言いながら、何かを二つに分けるしぐさをします。

ここで make a wish をする流れになるのも、ターキーと関係があります。
鳥の丸焼きを食べた後に残る骨の中で、V字型の骨があり、それは wishbone 「ウィッシュボーン」と呼ばれています。
V字になっている端と端を二人の人間が引っ張りあって、曲がった部分が付いた長いほうをゲットした方の願いが叶う、という占いのようなもので、do the wishbone with someone 「誰かとウィッシュボーンをする」のように表現します。
拙著「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」の p143 の wish の項目でも、この「ウィッシュボーン」について説明しました。

今回の場合は、ターキーがないからウィッシュボーンという骨もないので、その代わりにトーストを使って、ウィッシュボーンと同じようなことをしてみた、という「ターキーがあるつもりごっこ」のようなものでしょう。
トーストを分ける? とモニカが言ったので、「分けるというしぐさがウィッシュボーンをする時のしぐさに似てるから、ターキーの骨でやる時みたいにお願いしなさいよ」ということだろうと。

二人がパンを引っ張り合って、ジョーイの方が大きかったので、フィービーは嬉しそうに「何をお願いしたの?」と尋ねるのですが、ジョーイはぼそっと「大きい方(が欲しいって願った)」と答えています。
食いしん坊のジョーイっぽいオチが微笑ましいです。


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posted by Rach at 20:26| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

ウィッシュボーンで自動車のサスペンション(ダブルウィシュボーン式サスペンション)を連想。

Wiki を見てみると

>名前の由来は、鳥の叉骨 (Wishbone) の形に似たA字型のアームが上下に2組(Double)あることから

となっていて・・・初めて由来を知りました。(^^;)
Posted by aki-kiyo at 2019年10月18日 21:15
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

サスペンションにそんな名前のものがあるんですね。それは知らなかったです。

日本人にはあまりなじみのない骨の名前ですが、鳥の丸焼きを食べ、願い事をしてその骨を引っ張り合うという習慣のある欧米では身近な存在なのでしょうね。

このウィッシュボーンのことは拙著「リアルな英語の9割は〜」に書いていたので、懐かしさもあり紹介させていただきました。由来を知るきっかけにしていただけて良かったです(^^)
Posted by Rach at 2019年10月19日 11:01
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