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[Scene 1: Hospital. The guy is in a coma and Mon and Pheebs are visiting]
シーン1: 病院。その男性は昏睡状態で、モン(モニカ)とフィーブズ(フィービー)が訪れている。
モニカ: Why did I woo-hoo? What was I hoping would happen? That-that he'd turn around and say, "Ohh, I love that sound. I must have you now"? (私ったらどうして「ウーフー」って声出しちゃったんだろう? 私は何が起こるのを願ってたわけ? 彼が振り向いて、「あぁ、その声好きだな。今、僕は君と付き合わなくちゃね」って言うことを(私は期待してたの)?)
フィービー: I just wish there was something we could do. [Bends down and talks to him] Hello. Hello, coma guy. Get up, you Girl Scout! Up, up up! (私たちにできることが何かあればいいのに、ってただ思うわ。[かがんで、彼に話しかける] ハロー、ハロー、昏睡男さん。起きろ、ガールスカウト! 起きろ、起きろ、起きろ!)
モニカ: Phoebe, what are you doing? (フィービー、何やってるの?)
フィービー: Maybe nobody's tried this. (多分、こういうのは(今まで)誰も試したことなかっただろうから。)
モニカ: I wish we at least knew his name. Look at that face. I mean, even sleeping, he looks smart. I bet he's a lawyer. (少なくとも彼の名前を知っていればいいのにって思うわ。ほら、眠っていても、彼は賢そうに見える。きっと彼は弁護士よ。)
フィービー: Yeah, but did you see the dents in his knuckles? That means he's artistic. (そうね、でも彼の指関節にあるくぼみを見た? それは彼が芸術的な人[芸術家肌の人]ってことだわ。)
モニカ: Okay. He's a lawyer who teaches sculpting on the side. And he can dance! (わかった。彼は弁護士で、副業で彫刻(を彫ること)を教えてるの。それに彼はダンスもできる!)
フィービー: Oh! And he's the kinda guy who, when you're talking, he's listening, y'know, and not saying, “Yeah, I understand” but really wondering what you look like naked. (あぁ! それから彼はこういう感じの人ね、相手が話している時、彼は聞いているの。そして「そうだね、わかるよ」とも言わずに、本当は相手の裸がどんな風なのかな、って考えてる。)
モニカ: I wish all guys could be like him. (全ての男性が彼みたいだったらいいのに。)
フィービー: I know. (そうね。)
What was I hoping would happen? は I was hoping (something) would happen. 「私は〜が起こるだろうと願っていた」の something 部分を疑問詞(=何)にして前に出した形の疑問文。
ですから「私は何が起こるだろうと願っていたわけ?」というところ。
次の文が、That he's turn で始まっていますが、これは Was I hoping that he would...? 「彼が…するだろうってことを私は願ってたわけ?」ということで、I was hoping の内容が that SV 「SVすること」で表現されていることになります。
I must have you now. を直訳すると「今、僕は君を所有しなければならない」という感じですが、つまりは「君を僕のものにする」→「君と付き合う」というようなことでしょう。
I just wish there was something we could do. は「私たちにできることがあればいいのに、とただ思う」。
<I wish we+過去形>は、「現実では不可能なことを仮定する」仮定法過去。
実際には私たちには彼にしてあげられることが何もないことを表現しています。
フィービーは(後にも語られますが)彼の名前を知らないので、coma guy 「コーマ・ガイ、昏睡男さん」と呼びかけています。
coma は「昏睡(こんすい)、昏睡状態」。フレンズ1-4 の病院での会話にも出てきました。in a coma で「昏睡状態に陥って」。
Get up, you Girl Scout! Up, up up! はガールスカウトと言っていますが、ガールスカウトというよりは軍隊チックな言い方になっています。
軍隊において、「お前らはガールスカウトか(女の子か)」「もたもたすんなよ、お嬢ちゃん」のように女の子扱いすることで、テキパキやれ、さっさと動けと尻を叩いているような感覚なのでしょう。
Maybe nobody's tried this. は Maybe nobody has tried this. 「こんなことにトライした(やってみた)人は多分今まで誰もいなかった」という、経験を表す現在完了形。
昏睡状態に人に「ねぇ、起きて」と優しく声を掛けることは誰でもやってるだろうから、その逆で軍隊のように脅してみたの、というところでしょう。
I wish we at least knew his name. は「少なくとも彼の名前を知っているのなら良かったのに、せめて彼の名前だけでもわかっていればいいのに」。
先ほどの I just wish there was something we could do. と同じ「現実では不可能なことを仮定する」仮定法過去。
I bet he's a lawyer. は「彼はきっと弁護士よ、弁護士に違いないわ」。
bet の元々の意味は、「(〜であると)金などを賭ける」という意味なので、「(金を賭けてもいいほど)断言する、主張する、きっと〜だと確信する」。
この smart(賢そうな・頭が良さそうな)顔を見たらそうだと断言できる、という感覚。
dent は「くぼみ、へこみ」。knuckle は「指関節」。artistic は「芸術的な、芸術家の、芸術家肌の」。
That means he's artistic. は「それ(指関節にくぼみがあること)は彼が芸術的な人であることを意味する」。
モニカが「弁護士だ」と言った後、フィービーが「でも芸術家っぽいところがある」と言ったので、モニカは「じゃあ、その両方ね」と言うように、「弁護士かつ芸術家」だという意見を述べています。
on the side の直訳は「サイドで、傍らで」なので、「副業として」という意味で使われます。
名詞の「副業」は side job と表現できます。
サイドの仕事というカタカナでも「メインではない別の」というニュアンスはわかる気がします。
sculpting は「彫刻を彫ること」。sculpt は動詞で「彫刻する」、sculptor なら「彫刻家」。
モニカはさらに「彼はダンスもできるの!」と特に根拠もない話まで付け足しており、勝手に妄想だけがどんどん膨らんでいっている様子がよくわかります。
he's the kinda guy who... は「彼は…するようなタイプの人なのよ」。
先にまずは「こういう感じの人」(the kinda guy = the kind of guy)と言っておいてから、どういうことをするタイプの人かを 関係代名詞 who 以下で詳しく述べるという、英語っぽい構造になっています。
「彼は話を聞きながら、「わかるよ」などと相槌も入れずに、こんなエッチなことを考えてるのよ」とモニカ以上に妙な想像を膨らませているフィービー。
not saying, but wondering という not A but B 「AではなくB」の構文が使われています。
wondering what you look like naked は、相手が裸の状態で(naked)、どんな風に見えるか(what you look like = you look like something の something が what で前に出た形)かを wonder what 「どうなのかと思う、どうなのだろうかと考える」。
I wish all guys could be like him. とここでもまた仮定法過去が出てきています。
I wish+S+V(過去形)は、「SがVならいいのに」という願望を表す表現ですが、二人がこの男性のことを素敵な人だと思っていて「ああならいいのに、こうならいいのに」と助けてあげたい気持ち、してあげたいこと、願望などばかりを言っていることが、頻出する I wish+S+V(過去形)によく表れていると言えるでしょう。
お互いの勝手な妄想にツッコミを入れるどころか、二人はその妄想にどっぷり浸かって「全ての男性が彼みたいだったらいいのに」と言っています。
現実の彼を知らない二人が、勝手に彼を理想的な男性に仕立て上げたあげくに、「彼はこんなに素敵なのに、どうして現実にいる男は彼みたいに素敵じゃないの?」とまで言っている面白さになるでしょう。
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このフィーブの発言に対して「何とかして気を引きたかったの。」という訳がNetflixでは付けられているのですが、このような「全く」意味が違ってくる訳がつけられることはよくあることなんでしょうか?
DVDではどの様な訳になっているのか教えて頂けると有難く思います。
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり誠に申し訳ありません。
おっしゃる通り、英語の直訳とは意味が異なりますが、そういう和訳がついていることは結構あると思います。
この部分については、DVDの訳も
(字幕)気を引こうと
(吹替)何とかして気を引きたかったの
となっていました。
Netflix の「英語字幕」は、発売されている DVD や Blu-ray と表記が多少異なることがあり、間違いと思われる部分が修正されていることもあります。
ですが、日本語訳については、日本語字幕、日本語音声(吹替)ともに、Netflix と DVD/Blu-ray の内容は基本的には同じで、動画配信になり新たな日本語訳がつく、ということはないようですね。
新訳となると、別途翻訳費用が発生してしまいますし、声優さんが新たに吹替を新録音するのも同様に費用が発生してしまいます。
たまに、昔の映画の名作で「新訳、新吹替」を謳っているものもありますが、一般的な連続ドラマの和訳は、基本的に過去に放映されたバージョン、過去に発売された DVD の流用になっていると思います。
とりわけ文化的背景などに踏み込んだ解説には、本当に感謝です。
ありがとうございます。
今回、教えていただきたいのは、
フィービー: Oh! And he's the kinda guy who, when you're talking, he's listening, y'know, and not saying, “Yeah, I understand” but really wondering what you look like naked. (あぁ! それから彼はこういう感じの人ね、相手が話している時、彼は聞いているの。そして「そうだね、わかるよ」とも言わずに、本当は相手の裸がどんな風なのかな、って考えてる。)
の部分です。
ここを私は、
「彼って、話をちゃんと聞いてくれる人なのよ。(多くの男みたいに)口では「話、分かるよ」なんて言いつつ、頭の中では私達の裸を想像してる、とかじゃなくて。」
のように理解していました。
ここが、解説されているような「not A but B 構文」である、というのは、確かに形はそう見えるのですが、文意を考えてみると、
「彼は、こちらが話しているときに、きちんと耳を傾けてくれるタイプだ」と言いながら、
「こちらの話に相槌も打たずに、エロいことばかり考えている、というタイプだ」とつながるのが、どうも分かりにくいのです。
この「not saying, but wondering」のような構文は、
たとえば、he's the kinda guy〜, not「saying〜, but really wondering〜」だと考えるのは、無理でしょうか。
(ただし、not saying の前に、and が入っているのが気にはなります)
私は文法の知識が乏しいので、初歩的な見落としをしている恐れはあります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご教示いただければ幸いです。
この後の展開(目覚めた昏睡男との会話で二人が幻滅する場面)のフィービーの捨てゼリフ(昏睡のせいで勘違いしていた)から推測すると、
もしかしたら、
「こちらの話に余計な口をはさまずに無言で耳を傾けるという理性を持つ一方で、人間的な欲望も持ち合わせている、というタイプに違いない、素敵!」
というニュアンスだったのかもしれない、とも思えてきました。
とすると、素直に not A but B と受け止めてもよい気がします。
ともあれ、アメリカの肉食系女性の気持ちが分からず、振り回されております・・・。
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり、誠に申し訳ありません。
そして、私の解説を評価して下さるその温かいお言葉の数々、そのように言っていただけること、大変光栄で嬉しいです。本当にありがとうございます<(_ _)>
それではお尋ねのセリフについて。
「アメリカの肉食系女性の気持ち」という面から考えると、「態度は理性的だけれど、内面は自分に対して欲望を抱いている」という二面性に魅力を感じる、という方が自然な気がしますね。
not「saying〜, but really wondering〜」 のように、”「わかるよと言うが、裸を想像してる」んじゃなくて”と言いたい場合には、
and not saying, "Yeah, I understand", and not wondering what you look like naked.
と、それぞれの -ing の前に not が必要になるような気がするのですね。
「わかるよ、とは言わないし、裸を想像したりもしない」のように。
文法的にも not A but B だと感じられる理由としては、not saying ..., but "really" wondering の really が存在する点です。
「わかるよとは言わずに、”本当は、実際には”裸を想像している」ということで、この really が存在することで、but really wondering 以下の部分がフィービーが一番言いたいことであると強調されているように思いました。