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6:15
[Susan enters]
スーザンが入ってくる。
スーザン: Oh, hello, Ross! (まぁ、こんにちは、ロス!)
ロス: Susan. (スーザン。)
スーザン: So? So did you hear? (で? それで(あなたは)聞いたの?)
ロス: Yes, we did. Everything's A-OK. (あぁ、聞いたよ。すべては完全にオーケーだ。)
スーザン: Oh, that's so... [Susan hugs Carol, they giggle, Ross steps away] It really is. Oh, and do we know? (あぁ、それってすっごく… [スーザンはキャロルをハグし、二人はくすくす笑う。ロスは一歩離れる] 本当にね。あぁ、それでわかってるの?)
キャロル: We certainly do, it's going to be a-- (えぇ、確かにわかってるわ、赤ちゃんは…)
ロス: [flailing arms in protest] Oh, hey hey hey, ho ho ho, hello? See a guy who doesn't wanna know standing right here. [抵抗するように腕を振りまわしながら]あぁ、ねえねえねえ、おいおいおい、もしもし? ねぇ、知りたくない男がここに立ってるのが見える?)
スーザン: Oh, well, is it what we thought it would be? (あぁ、そうね、赤ちゃん(の性別)は私たちがそうだろうと思っていたものかしら?)
キャロル: Mm-hmmm [Susan and Carol hug, giggling. Ross stands back, reaches out and lightly taps Susan's shoulder] (ん−ん。[スーザンとキャロルはハグして、くすくす笑う。ロスは後ずさりして、手を伸ばし、スーザンの肩を軽く叩く])
ロス: Ok, what, what...ok, what did we think it was going to be? (よし、どうなるだろうって君たちは思ってたのかな?)
キャロル&スーザン: It's a--- (赤ちゃんは…)
ロス: [interrupts] No, no ,no. I don't want to know. Don't want to know. Ok, you know, I should probably, I should probably just go. ([さえぎって] いやいやいや。僕は知りたくない。知りたくない。よし、ねぇ、僕は多分、多分僕はただ出ていくべきだよね。)
キャロル: Well, thanks for the books. (えぇ、本をありがとう。)
ロス: No problem, ok, mmmwa [kisses Carol] oh, mmmwa [kisses Carol's stomach, then punches Susan's shoulder] Susan. [Ross leaves.] (いいんだよ。よし、ん−んまっ [キャロルにキスする]、あぁ、ん−んまっ [キャロルのお腹にキスして、それからスーザンの肩を(軽く)パンチする]スーザン。[ロスは出ていく])
スーザン: All right, who should we call first? Your folks or Deb and Rhona? [intercom buzzer rings] (いいわ、最初に誰に電話すべきかしら? あなたのご両親? それともデブかローナ? [インターコムのブザーが鳴る])
キャロル: Hello? (はーい?)
ロス [on intercom] Uh, never mind. I don't wanna know. [Carol and Susan laugh] ([インターコムで] あぁ、気にしないで。僕は知りたくないんだ。[キャロルとスーザンは笑う])
So did you hear? は「それであなたは聞いた?」ということ。
具体的に何を聞いたかという目的語がありませんが、少し前にロスに羊水の結果が出たことを伝えていましたので、今日は羊水の検査があることをパートナーのスーザンは当然知っていて、帰るとすぐに「例の結果を聞いた?」という意味で目的語なしの「聞いた?」という表現を使ったことになるでしょう。
先にキャロルから結果を聞いていたロスは、キャロルが答える前に「僕らは結果を聞いた」と言い、Everything's A-OK. と続けています。
A-OK は「エイ・オーケー(オウケイ)」と発音されていますが、これは「万事OKで、とても良い」という意味。
アカデミックな英英辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っていて、以下のように説明されていました。
A-OK [adjective] (informal) : in very good condition
例文)Everything's A-OK.
つまり「(インフォーマル)とても良い状況で」。
Macmillan Dictionary では以下のように出ています。
A-OK [ADJECTIVE] (AMERICAN INFORMAL)
perfectly OK
例文1)Everything is A-OK.
例文2)The sandwich is A-OK.
つまり「(アメリカ英語、インフォーマル)完璧にOK」
ロングマンやマクミランの英文にロスのセリフと同じ Everything を主語にした文が載っているように、A-OK はこのような形で使われることがよくわかると思います。
LAAD には Etymology (Word Origin) つまり語源も載っていて、以下のように説明されています。
A-OK
1900-2000 all (systems) OK
オール・オッケーのことだとわかれば、日本人にもピンときやすいですね。
なお余談になりますが、OK という言葉自体の語源には諸説あるようです。
Wiktionary : OK に詳しい説明がありますが、一般的に受け入れられている説としては、all correct をわざと(コミカルに)oll korrect と綴ったのだとする説があり、もしそうであるならば、LAAD の A-OK = all OK という説明は、A-OK = all all correct ということになり、何だか面白いなと思いました。
検査の結果が良好だとわかり、スーザンはキャロルにハグしています。
喜び合っている二人にはロスが全く見えていない感じで、ロスは少し二人から離れます。
その後の二人の会話、
Oh, and do we know?
We certainly do, it's going to be a--
について。
and do we know? も、シーン最初の So did you hear? と同じく、具体的な目的語が語られていませんが、「羊水検査の結果が出て、良好だった。そしてある件について知っている/わかっているかどうか」という話になれば、それは赤ちゃんの性別の話であることが想像できます。
今日、そういう検査をして赤ちゃんの性別がわかる(かも)ということが共通認識としてあるために、「(例の件は)わかってるの?[わかったの?]」と表現するだけでお互い何を指しているかわかるということです。
it's going to be a-- は主語が it となっており、これは「まだ性別のわからないお腹の中の赤ちゃん」を指していると考えるとよいでしょう。
赤ちゃんの性別はどっち? と質問する場合に Is it a boy or a girl? 「赤ちゃんは男の子? それとも女の子?」と尋ねるのが定型フレーズとなっているように、今回の場合もまだ性別のわからない赤ちゃんを(性別のない)中性代名詞 it で表現しているということです。
そして、少し前の会話で「赤ちゃんの性別は生まれてから知りたい」と主張していたロスが、it's going to be a-- つまり、it's going to be a boy または it's going to be a girl かのどちらかをキャロルが言おうとする寸前に、腕を振って止めたことになります。
See a guy who doesn't wanna know standing right here. について。
who は a guy を先行詞とする関係代名詞で a guy who doesn't wanna know は「知りたくない男」、standing right here は a guy を後置修飾している分詞と捉えることもできるでしょうし、see a guy standing right here のように「目的語が〜しているのが見える」と捉えることもできるかと思います。
前者の場合だと「ここに立っている、知りたくない男を見て」、後者の場合だと「知りたくない男がここに立っているのを見て」になるでしょう。
いずれにしても、ロスがいるのを忘れたかのように赤ちゃんの性別の話をしようとしている二人に対して、「もしもし、ここに性別を知りたくない人間がいるんだけど、僕のこと忘れてない?」とアピールしたことになります。
知りたくないと言っている人のそばでダイレクトに性別の話をしてはいけないと思ったらしいスーザンは、はっきりと性別そのものを尋ねるのではなく、is it what we thought it would be? とキャロルに尋ねています。
単語だけを見ると簡単なものばかりですが、このような遠回しな言い方はノンネイティブの口からはなかなかすっと出てきそうにない表現になっているなと感じます。
聞きたい内容は「今回判明した性別は、私たちが思っていたものだった?」ということですが、それを is it what we thought it would be? つまり直訳すると「赤ちゃん(の性別)は、赤ちゃん(の性別)がそうなるだろうと私たちが思っていたものかしら?」と表現したことになります。
多分こっちね、と二人の中で想像していた性別があれば、「そうなるって思っていたほうだった?」と尋ねるだけで結果がわかる、ということです。
キャロルは微笑みながら Mm-hmmm と言っているので、二人が思っていた性別が当たっていたことが見てとれます。
予想通りだったということで、また二人は嬉しそうにハグしていますが、それを見ていたロスは、知りたくないと言いつつも聞かずにはいられなくなったようで、キャロルと幸せな気分に浸っているスーザンの肩をトントンと叩き、「君たちはどっちになると思ってたの?」と尋ねます。
そう尋ねるロスに二人が性別を言おうとすると、またロスは我に返ったように「いや僕は知りたくない、知りたくない」と言って、「僕はここを出る・離れる方がいいよね」と言って、帰ろうとします。
キャロルは別れ際に thanks for the books. とお礼を言っていますが、本というのはロスがキャロルの家を訪ねてきた時に I brought all the books 「本を全部持ってきた」と言っていたことを受けたもの。
お礼を言われたロスは No problem. 「いいんだ、大したことないよ」と返していますが、Thank you. と言われたことに対してはこのように No problem. と返すことも多いですね。
「お安い御用さ」というニュアンスで返すイメージだと理解すると良いでしょう。
別れ際、キャロルの頬にキスして、お腹の赤ちゃんにキスした後、スーザンに対してはまるで男に挨拶するかのように肩を小突いて去っていくのが面白いです。
ロスがいなくなった後、「最初に誰に電話しようかしら?」と相談する二人。
folks は「人々」という意味がありますが、特に somebody's folks と所有格がついた場合はもっぱら「両親」の意味になります。
ここでも「あなたのご両親」という意味で使っていると考えればよいでしょう。
その後、インターコムが鳴り、キャロルが出ると、ロスの声が聞こえます。
Never mind. は「気にしないで。今のは忘れて」。
Never mind. は自分が何か発言した後、そのことについて深く追求されるのを避けるため、もしくは自分が言ったことを忘れて欲しい時などによく使われます。
LAAD では、
never mind : used to tell someone that somthing was not important, that you do not want to say something again, or that they should ignore what you said
例)"What did you say?" "Oh, never mind."
つまり「何かが重要ではなかった、何かをもう一度言いたくない、自分が言ったことを無視すべきだと誰かに言う時に使われる」。例文は「何て言った?」「あぁ、気にしないで」。
自分でインターホンを押しておきながら「気にしないで。僕は聞きたくないんだ」と言っているところに、実は赤ちゃんの性別が気になってしょうがない様子が見えるのが面白いです。
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2022年01月06日
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