皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は25位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
7:55
ジョーイ: Okay, okay. How about if we split it? (わかった、わかった。俺たちで割り勘するってのはどう?)
チャンドラー: What do you mean? Like, buy it together? (どういうこと[意味]だよ? それって、一緒に買うってことか?)
ジョーイ: Yeah. (あぁ。)
チャンドラー: You think we're ready for something like that? (俺たちにはそういうことに対しての(心の)準備ができてると思うのか?)
ジョーイ: Why not? (どうしてできてないと思うんだよ?)
チャンドラー: Well, just that it's a pretty big commitment. I mean, what if one of us wants to move out? (ほら、ただ、それってかなり大きな、深いかかわり合いだと思うんだよ。ほら、もし俺たちの片方が引っ越したいと思ったらどうする?)
ジョーイ: Why, are you moving out? (なんだよ、お前は引っ越すつもり[予定]なのか?)
チャンドラー: I'm not moving out. (俺は引っ越さないよ[引っ越すつもりはないよ]。)
ジョーイ: You'd tell me if you were moving out, right? (もし引っ越すつもりならお前は俺に言うよな?)
チャンドラー: Yes, yes, it's just that, look, my last roommate, Kip-- (あぁ(言うさ)、ただ、ほら、俺の前のルームメイトのキップが…)
ジョーイ: Oh, I know all about Kip. (あぁ、キップのことは全部知ってるよ。)
チャンドラー: We bought a hibachi together and then he ran off and got married, and things got pretty ugly. (俺とキップは一緒にヒバチ[焼き肉用コンロ・グリル]を買って、それからやつは出て行って結婚して、ことがかなり厄介になったんだ。)
ジョーイ: Let me ask you something. Was Kip a better roommate than me? (ちょっと聞かせてくれ。キップは俺よりもいいルームメイトだったか?)
チャンドラー: Oh, don't do that. (あぁ、そういうのはやめてくれよ。)
How about if ...? は「〜したらどうですか?」と提案する表現。
split は「〜を割る、分割する」という動詞で、「壊れた机を買う」話をしているこの会話では「割り勘にする」という意味になります。
split the bill 「請求書を分割する」=「割り勘する」という感覚で、テーブルの支払いを二人で分け合おうということです。
チャンドラーは、split it というのは、buy it together ということだよな? と確認しています。
ready for thatは「そのことに対して準備が出来ている」ということ、つまり、「お金を出し合って一緒にものを買う、という覚悟があるのか」という感じ。
一緒に机を買うことについて「心の準備」の話をされたので、ジョーイは Why not? 「どうして準備ができてないと思うんだよ?」と返します。
a pretty big commitment の pretty は形容詞「可愛い、プリティな」ではなく、「かなり」という意味の副詞であることに注意しましょう。
形容詞 big を「かなり(大きな)」と強める役割を果たしています。
commitmentは「深くかかわり合うこと」というニュアンス。
commitment の日本語訳を英和辞典で調べてみると、「かかわり合い、献身、傾倒」「本気で深く関与すること」「特定の人と交際すること」などと書いてあります。
動詞 commit の名詞形なので、まずは commit という動詞から見てみましょう。
日本語で様々に訳される単語は、英英辞典でそのイメージを確認してみることも大切です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) での commit の基本的な意味は、
commit :
2. SAY YOU WILL DO SOMETHING
to say that you will definitely do something or that you must do something
「絶対に何かをする、または何かをしなければならないと言うこと」
3. RELATIONSHIP
to decide to have a long permanent relationship with someone
「誰かと長く永続的[恒久的]な関係を持つことを決めること」
続いて、名詞の commitment も見てみましょう。
同じく LAAD では、
commitment :
1. a promise to do something or to behave in a particular way
「何かをする、またはある特別な方法で振舞うという約束」
2. the hard work and loyalty that someone gives to an organization, activity etc.
「ある人が組織や活動に与える勤勉や忠誠」
3. someone's decision to have a permanent relationship with another person, especially a decision to get married
「ある人が別の人と永続的な関係を持つという決心、特に結婚するという決心」
4. something that you have promised you will do or that you have to do
「すると約束したこと、またはしなければならないこと」
「約束、忠誠」などが「献身、傾倒」のイメージで、3. の「ある人との(結婚を意識したような)永続的な関係」が「特定の人と交際すること」というイメージに繋がると言えるでしょう。
フレンズはラブ・コメでもあるので恋愛がらみの話が多く、commitment というと、そういう恋愛関係にある人物間の relationship での意味、「特定の人と深く真剣に交際すること」というニュアンスで使われることが多いです。
言葉を変えると「深いかかわり(拘り、関わり、係わり)合いを持つこと」「深入りすること」「退っ引きならない(のっぴきならない)関係になること」「引くに引けない関係になること」「遊びではなく真剣に付き合うこと」などと様々に表現できるでしょうか。
遊びのつもりで軽く付き合うこと、というのとは正反対のイメージで、今回のエピソード、フリング(軽いお遊び)はフリングされてる(ポイされてる)はずでは フレンズ1-12改その2 に出てきた、fling 「遊びで軽くつきあうこと、短期間の情事、長続きしないロマンス」と正反対の意味だと言えるでしょう。
二人で一緒に物を買ったりして、一人が引っ越す気になった時、どうするんだよ? と言っていますが、結婚する時に二人でお金を出し合って家財道具を買うと、離婚時にどちらがどれを取るかでモメる、というイメージが、チャンドラーの頭の中にあるようです。
「もし片方が引っ越したいと思ったら」という発言を聞いて、ジョーイは Why, are you moving out? と返しています。
この現在進行形は「(今)〜している」という意味ではなく、「決まった近い将来の予定を表す」現在進行形になります。
「お前は引っ越すつもりなのか? 引っ越す予定なのか?」と訳すとよいでしょう。
問われたチャンドラーの方も同じく「予定」を表す現在進行形を使って、「俺は引っ越すつもり・予定はない」と返しています。
You'd tell me if you were moving out, right? の You'd は You would ということで、仮定法過去が使われていることになります。
「もし引っ越すつもりなら、お前は俺に(引っ越すことを)言うだろう…な?」というニュアンス。
「実際には引っ越さないとお前は今言ったが、それに反して、もし引っ越すつもりなら」と現実とは反対の仮定をしていることから仮定法過去(were)が使われているということです。
「引っ越すつもりならもちろんお前に言うよ」という意味で yes と答えた後、「(引っ越すとかじゃなくて)ただ前のルームメイトのキップが」と、名前を出しています。
それを聞くや否や、ジョーイは立ち上がり、「キップのことなら全部知ってるよ」と返します。
名前を聞いた途端にそう反応した様子から、チャンドラーが前のルームメイトであるキップの話をあれこれジョーイに話すこと、ジョーイはそのキップの話をされるのはうんざりだと思っている様子が伺えます。
「またキップの話かよ。もう嫌ってほど聞いてるよ」という感じです。
チャンドラーはキップとの間にあった出来事を説明しています。
hibach は見た目の通り、日本語の「火鉢(ひばち)」が語源です。
アメリカでは、バーベキューなどで肉を焼く時に金網を乗せて使うコンロ・グリルを指すようです。
LAAD では、
hibachi : a small piece of equipment for cooking food outdoors, over burning charcoal
つまり、「燃える炭の上で外で食べ物を調理するための小さな器具」。
bought, ran off, get married 「(二人で)買って、(やつが)出て行って結婚して」という流れがテンポ良く説明され、その結果 things got pretty ugly と言っています。
ugly は「醜い、不細工な、見苦しい」という意味で、「悪い、厄介な、面倒な」という意味でも使われます。
この場合は「物事がアグリーになった」ということなので、「こと・状況が厄介になった」と理解すればよいでしょう。
got pretty ugly の pretty も、今回の記事で最初に説明した a pretty big commitment と同じく、後に続く形容詞を強調する副詞「かなり」という意味になります。
カタカナで「プリティ/アグリー」と書くと「可愛い/醜い」という対義語が並んでいるようにも見えて「??」となりそうですが、これはあくまで意味を強調する副詞であって「可愛い」という意味は全くないということです。
一緒にヒバチを買ったのに、彼は逃げて他の女と結婚して…みたいに言っていますが、まるで「一緒に家財道具を買ったのに、彼は自分を捨てて他の女に走った」と恨み言を言う「元恋人」の発言のように聞こえてしまうところもポイントです。
それを聞いたジョーイは、こちらも真剣な様子で「キップは俺よりもいいルームメートだったか?」と尋ねています。
「そういう質問はやめてくれ」とチャンドラーは返していますが、ジョーイの質問もまた「自分よりもその元恋人の方が良かった?」と嫉妬心むき出しみたいな発言になっているのも面白いところです。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2022年04月17日
この記事へのコメント
コメントを書く