2023年09月09日

よくもまあそんなことができたわね フレンズ1-12改その15

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17:51
[Scene: Paolo's clothes falling down to the street shift zoom to Rachel emptying Paolo's suitcase over the balcony]
シーン:パウロの服が通りに落ちて行き、レイチェルがバルコニー越しにパウロのスーツケースをカラにしているところにカメラが移動しズームする。
パウロ: Hold it! Ascolta! (待って! (イタリア語で)聞いて!)
[Scene: inside girls' apartment]
女子のアパートメントの中。
ロス: How's it going? (どんな感じ?)
モニカ: Don't stare. Now she just finished throwing his clothes off the balcony. Now there's just a lot of gesturing and arm-waving. [shows Rachel gesturing with hands in front of her chest] Okay, that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" Here he comes. (じろじろ見ちゃだめよ。今、彼女(レイチェル)は彼(パウロ)の服をバルコニーから投げ(落とし)終えたばかりなの。今はたくさんジェスチャーをして、腕を振ってるわ。[レイチェルが胸の前で手でジェスチャーしている様子が映る] そうね、あれは「よくもまあ(そんなことができたわね)」か、または「巨乳よ」かのどちらかね。あぁ、彼が来るわ。)
フィービー: Ooh! (うー!)
[Paolo enters. Ross, Phoebe, and Monica scatter]
パウロが入ってくる。ロス、フィービー、モニカは散り散りになる。
パウロ: Uh, I am, uh, to say goodbye. (あー、僕は…さよならを言うよ。)
フィービー: Oh, okay, bye-bye. (あぁ、わかったわ、バイバイ。)
モニカ: Paolo, I really hate you for what you did to Rachel. But I still have five of these, [hands him a lasagna] so heat it at 375 until the cheese bubbles. (パウロ、あなたがレイチェルにしたことで、私は本当にあなたを憎んでるわ。でも私にはまだこれが5つ(も)あるの。[彼にラザニアを一つ手渡す] だから、そのラザニアはチーズが泡立つまで(華氏)375度で加熱して。)
パウロ: Grazie. (グラッツィエ(ありがとう)。)
ロス: Paolo, I-I just wanna tell you and I, I think I’d speak for everyone when I say... [shuts door in his face and walks away] (パウロ、ただ君に言いたいんだ、僕はみんなのために話してるという気持ちなんだよね[みんなを代表して僕から言わせてもらうと]それは… [パウロの目の前でドアを閉めて(ドアから)歩き去る])
フィービー: Oh, just look at her. [girls move toward Rachel on the balcony] (あぁ、見て彼女(のあの姿)を。[女子たちはバルコニーのレイチェルの方に向かう])
ロス: Oh, you guys, I-I really think only one of us should go out there, so she's not overwhelmed. (ねぇ(君たち)、僕はまさにこう思うんだよね、僕たちのうちの一人だけが向こうに行くべきだ、って、そうすれば彼女は圧倒されない[参ってしまわない]だろ。)
モニカ: Oh, you're right. (あぁ、それはもっともね。)
ロス: [pulls Monica back] And I really think it should be me. ([(バルコニーに行こうとする]モニカを引き戻して] そして僕はまさにこう思うんだよ、それは僕であるべきだ、って。)

ascolta はイタリア語で「聞く」を意味する動詞のようですので、英語で言うと Listen! 「聞いて!」と言っていることになるのでしょう。
How's it going? を直訳すると「it はどのように進んでいるの?」ということで、it は状況を表し、「今の状況はどんな感じで進んでるの? 今はどんな感じ?」と尋ねていることになります。

stare は「じっと見る、じろじろ見る」なので、Don’t stare. は「じろじろ見ちゃだめ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stare: to look at something or someone for a long time without moving your eyes
つまり、「何かや誰かを長い間見ること、目を動かすことなしに」。

「見る」を意味する動詞は英語にたくさんありますが、英英辞典の語義を調べることで、細かいニュアンスの違いを知ることができます。
今回の場合は「長時間、目を動かさずに」というのがポイントで、二人が喧嘩しているところを、見ているのが相手にわかるほど「じーっと見る」のはやめた方がいいと言っていることになります。

that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" について。
外のバルコニーで身振り手振りでパウロと話しているレイチェルの姿を見て、声が聞こえないので何と言っているのかわからないということで、that is either A or B 「あれはAかB(と言ってるの)ね」とモニカは言っています。
How could you! を直訳すると「あなたはどのようにして(そんな・あんなことが)できたの?」ということで、信じられないようなことをした人を非難する言葉として「よくもまあ(そんなことができたわね)、そんなことするなんて信じられない」という意味で使われます。
LAAD では、
how can/could you...? :
used when you are very surprised by something or disapprove strongly of something
例1) How can you say that about your own parents?
例2) How could you be so rude?

つまり、「何かにとても驚いている時、または何かを強く非難する時に使われる」。例文1は「自分の親についてどうしてそんなことが言えるんだ?→そんなことが言えるなんて信じられない」。例文2 は「どうしてそんなに無礼になれるんだ?→そんなに無礼だなんて信じられない」。
このロングマンの例文のように How can/could you の後に動詞が続いて「どうして〜する/〜であることが可能なんだ?」という形で使われることも多いですが、信じられないことをしたその内容が明白な場合には、具体的な動詞を省略した How could you! だけでも意味が通じるということになります。

Enormous breasts は「巨大な胸」ですから、いわゆる「巨乳」。
「よくもまあ!」とパウロを非難する時の手振りが、胸の前でのジェスチャーになっているので、見方によっては「胸が大きい」ことを示すような手振りにも見える、「パウロを非難してるようだけど、巨乳よ、と言ってるようにも見える」というジョークになります。

so heat it at 375 until the cheese bubbles について。
375度、という日本人にはピンと来ないこの温度は、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 で説明した「華氏(F)」です。
華氏の F は、温度単位の考案者である学者の Fahrenheit(ファーレンハイト)の頭文字。
1-11 では The high today was 45. 「今日の最高気温は(華氏)45度だった。」という形で出てきました。

「レイチェルにしたこと(レイチェルへの仕打ち)で、パウロのことを憎んでる」と言いながらも、ラザニアが余ってしまっているので、パウロに手土産として持たせ、「チーズが泡立つまで375で加熱」というレシピのような表現を使っているのが面白いです。

speak for everyone は「みんなを代弁する、みんなを代表して話す」。
when I say の後、その「みんなを代表して言いたいこと」を言うのかと思ったら、何も言わずにドアをバタンと閉めてしまいます。
shut the door in someone's face は「人の顔の前(眼前)でドアを閉める」という相手を拒絶するニュアンスが感じられる表現。
何か言うそぶりを見せながらも、何も言わなかったという面白さも感じられますが、どちらかと言うと、彼の眼前で思いっきりドアを閉めたことが、彼に対する言葉の代わり(=「もう来るな、もう二度と顔を見せるな」)だったと考える方が自然かなと思います。

overwhelmed は「圧倒される、困惑する、参る」。
LAAD では、
overwhelm : if an emotion, experience, or problem overwhelms you, it affects you so strongly that you cannot think clearly
つまり、「感情や経験や問題が自分に overwhelm するということは、それが自分に非常に強く影響を与えるため、自分が明瞭に考えることができない、ということ」。

よって、be overwhelmed は「大きなプレッシャーがかかって、物事を明瞭に考えられないようになってしまう」というようなイメージで考えるとよいでしょう。
パウロと別れた直後で動揺・混乱している時に、大勢で押しかけたらレイチェルはより混乱してしまうだろう、僕らのうちの一人だけが行けば、それを避けられる、とロスは言っていることになります。

そのロスの発言を聞いた後、モニカが一人でバルコニーに向かおうとするので、兄のロスはモニカの腕を引っ張って引き留め、And I really think... と続けます。
I really think 「僕はまさに(本当に)こう思うんだよね」というのは、「僕らのうちの一人だけが行くべき」という提案の際にも使われていましたが、その言葉の意味をわかってないのか、と言わんばかりに、また同じ表現 (And) I really think を使ったことになるでしょう。
同じフレーズで文を始めることで、先ほどの内容の続きであることが示され、「僕らのうちの一人だけが行くべき。そしてその一人というのは僕であるべき」というところまでが、僕の考えであり提案だったと強調していることになるでしょう。
「僕らのうちの誰か一人が」という発言でわかってもらえると思っていたのに、モニカがわからなかったので、はっきり言葉にして付け加えた、ということです。


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posted by Rach at 16:24| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
10年以上前、あなたと大喧嘩したものです。
それは過去のこと、、続けてやっておられて何よりです。

じつは、、マシュー・ペリー(54)・・・チャンドラーの訃報をしりました。
おおいなる悲しみにいます。

フレンズを愛した同志として、、この悲しみを分かちあいたく。
Posted by 多吉 at 2023年10月29日 18:31
多吉さんへ
コメントありがとうございます。「何より」とのお言葉もありがとうございます。

マシュー・ペリーさんの訃報、私も大変驚き、すぐには信じられませんでした。本当に悲しいです、、、
同じように悲しんでおられるファンの方々の声がSNSのあちこちで聞かれます。みんな、フレンズが大好きで、チャンドラーが大好きだったんだなぁ、と改めてその人気の高さと作品の素晴らしさが身に染みているところです。

早速のコメント、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2023年10月29日 21:47
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