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フレンズ5-17その6 のコメント欄 で、「フレンズを鑑賞しながら、どのようにして微妙なニュアンスを理解できるようになったのか?」というご質問がありました。
私自身がどこまで「微妙なニュアンスを理解できているか」ということは、自分では正直よくわかりませんが、英語学習を続けて、このようなブログを書き続けている間に、「前よりもわかるようになってきた」という実感はありました。
このブログではこれまでDVD学習法についての記事をいくつも書いてきましたが、「このブログを5年半以上続けてきた私が、今、改めてその学習法について思うところ」を今日は記事として書きたいと思います。
まず、過去記事で参考になる部分をご紹介します。
海外ドラマのDVDを使った「Rach流DVD学習法」については、カテゴリー: DVD学習法 で、説明させていただいています。
その学習法の一番基本的な部分は、「DVDの字幕や音声をいろいろ切り換えて見ることで、英語のニュアンスを掴む」ことなのですが、その切り替え方法については、その「カテゴリー: DVD学習法」の記事をずっと下にスクロールしていただいて、一番下から3つ分の記事である、「DVDの音声と字幕(その1)〜(その3)」で説明しました。
ここで改めてその方法について述べますと、Rach流DVD学習法には、「完全5段階」と「はしょる3段階」があります。
完全5段階は、
1. 英語音声、字幕なし (必ず「“ネタバレ禁止”状態」で)
2. 英語音声、英語字幕
3. 英語音声、日本語字幕
4. 日本語音声、英語字幕
5. 英語音声、英語字幕 (ここで英語の意味を自分で調べる)
はしょる3段階は、
1. 英語音声、字幕なし
2. 日本語音声、日本語字幕
3. 英語音声、英語字幕
(はしょる3段階の場合でも、最初は「ネタバレ禁止状態で」と、最後は「英語の意味を自分で調べる」というのは同じ)
DVD学習法をまとめた拙著でも、この方法をご紹介しましたが、誤解のないように言っておきたいのは、「5回見なければいけない」と言っているのではない、ということです。
まず一つの方法として「5段階」をご紹介しただけで、「(はしょる)3段階」で十分であることを、ここで改めて強調させて下さい。
私が完全5段階をまず最初に紹介したのは、「英語字幕」「日本語字幕」「日本語音声」によって得られる情報の種類が違う、ということを一度じっくり感じていただきたかったからです。
詳しくは拙著で説明しましたが、「英語字幕」では「音だけではわからなかったものが文字にするとわかる」ことに気づくことができますし、「日本語字幕」は内容を簡潔に伝え、ダブルミーニングのような英語のだじゃれを言葉にルビ(ふりがな)をふることで示すことができます。
また「日本語音声(吹替)」は、文字数制限のある字幕では出し切れないような細かいニュアンスを表現することができます。
そういう情報の質の違いを一度理解してもらった方が、その後の情報の読み取りに役立つと考えたので、「まずはとりあえず5段階で」と書いただけです。
ですから、「はしょる3段階では不完全だ」と言っているわけではなく、「必要な段階は全て、はしょる3段階に含まれている」と思って下さい。
また、最初の「英語音声、字幕なし」は、「ネイティブと同じように見て今の自分がどこまでわかるか?」を確認するという段階です。
今の自分は英語の音声だけでどこまでわかるか、もしくはどれほどわからないか、というのを自分自身でしっかり認識しておくべきだと思うからです。
それを知ることで、今後「少しずつわかってくる」感覚がよりはっきり感じられると思うのですね。
それを考えると、もう日本語で何度も見ているようなお気に入りの作品を、無理に「英語音声、字幕なし」で見る必要はありません(もうすでに「ネタバレ」しているわけですから…)。
そういう大好きな作品なら印象的なセリフもたくさんあるでしょうから、実際に英語字幕を出してみて、「あの名セリフの原文は、こういう英語だったのか!」とじっくり確認する作業に時間を割いた方が良いでしょう。
拙著でも「自分なりに「カスタマイズ」する」ことについて述べましたが、誰かが言った方法を鵜呑みにしてそっくり真似するのではなく、その行為の意味を考えた上で、自分にとって無駄な作業は省き、柔軟にフレキシブルに対応することもまた、学習する際の大切な心構えです。
はしょる3段階では、「日本語音声、日本語字幕」という、一見、英語学習とは完全に離れてしまっているような段階が入っていますが、この部分で、キャラクターの立場や気持ちを含めた、「話の流れ、会話の流れ」をしっかり掴んでいただきたいと思います。
映画館で字幕つきの映画を見るノリで、「日本語字幕、英語音声」でDVDをご覧になる方は多いと思うのですが、日本語音声(吹替)で聞いたセリフのイメージは、オリジナルの英語のセリフを解釈する際に、思った以上に役立つものです。
そういう意味でも、この段階では徹底して、「話の流れ、セリフのニュアンスを日本語で掴む」ことに集中していただければと思います。
つまり私は、英語のセリフのニュアンスを掴むのに、「DVDの日本語訳」を大いに参考にさせていただいていた、ということです。
もちろん、字幕の文字数制限、口パクに合わせるための吹替の秒数制限などもあり、必ずしも英語の意味が日本語に完全に訳し切れているわけではありません。また、文化的背景の違いなどから直訳しても日本人には笑えない(日本人にはその面白さが伝わらない)部分については、大胆に意訳されている場合もありますので、それが英語のセリフの「答え」であるとは限らないのですが、それでもその日本語訳は「大きなヒント」となるものです。
逆に、直訳されていない部分は、表現は悪いですが、「プロの翻訳者が日本語に訳すのは難しいとあきらめたところ」なわけですから、その部分がわからないからと言って落ち込むことはありません。
まずはヒントを使ってわかる部分から取り組んで行く、という姿勢が大切だと思います。
DVD学習法は、生きた英語を大量に浴びる、という意味で、留学や英会話学校に匹敵するような効果が期待できます。
そして、英語の意味を理解するための「ヒント」が、DVDにはたくさん隠されている…恐らくここが、留学や英会話学校との大きな違いなんだろうと思います。
いくつか例を挙げますと、
1. 音だけではわからなかった言葉が、英語字幕となって文字化されているため、わからない言葉をその場で、辞書や文法書を使って調べることができる。
2. よく聞き取れなかった音は、巻き戻して何度も聞き直すことができる。
3. (必ずしも直訳されているとは限らないが)「日本語で言うとこんな感じ」という日本語訳があるので、そのイメージを英文解釈に役立てることができる。
実際にネイティブとの会話から英会話を学ぶ場合には、それはほとんど「音だけの情報」になっているはずです。
そういう場合は、わからない部分、気になる部分が出てきても、その全てを記録し、覚えておくことは不可能な気がするのですね。
言葉の全てをメモることはできないし、わからないからと言っていちいち会話を止めていたら、会話が成り立たない、もしくは相手が嫌がるからです。
わからないところで立ち止まり、じっくり調べることができる点が、DVD学習法の最大の利点だと私は思っています。
私は、何かを学ぶということは、「自分がどこがわからなかったかを知り、その弱点をつぶしていく、間違いを修正していく」という作業の繰り返しだと思っています。
いくら素晴らしい授業を受けても、何度テストを受けても、自分でしっかり復習する時間を設けなければ、自分の身につかない…というような一般論がありますが、それと同じことで、「質の高い、本物の、生の英語」に触れられたとしても、それを「きちんと消化し、吸収する」という作業があるかないかで、理解度が大きく違ってくると思うのですね。
「暗記する」のではなくて、「理解する」という作業が不可欠だと思うのです。
DVDには、英語字幕や日本語訳があるために、そういう理解するための「復習」の作業がしやすい、それが私が考えるDVD学習法の利点です。
また、言葉の意味というのは、前後の文脈があって初めて、その意味が考えられるものです。
ある程度の長さのリアルな会話をドラマのDVDを使って学ぶことで、「この流れだとこういう意味になるんだろうな」という推測がより楽になるのだろうと思います。
辞書には一つの単語やフレーズに複数の語義が載っている、つまり、同じ表現であってもいろいろな意味に理解できるわけですから、どんなにすごい辞書があったとしても、その意味がこれになるだろうと決める感覚は「前後の流れ」です。
ですから、「使える便利なフレーズ集」のようなものに載っている、それぞれ独立した単発のフレーズや言葉をたくさん丸暗記したところで、そういう「流れ」を意識して学んでいない間は、「決まり文句をつぶやくだけの”会話らしきもの”」を超えることができない気がしています。
ある程度、会話の流れがわかるようになってきた人には、そういうフレーズ集は語彙を増やすための大きな武器になるとは思うのですが、そういう流れもわからないまま決まり文句を覚えるだけでは会話は成り立たないと思います。
接客のためのマニュアル言葉を覚えても、それで言葉全体が豊かになるわけではないのと似ているでしょうか。
会話ができるようになるためにはたくさんの「本物の会話」を浴びなければならないと思います。
それも、相手がこう言えばこう返す、というような一問一答、質疑応答レベルの短さではなく、「ある程度の長さのある複数のやり取り」をじっくり観察することが必要で、それが一番手軽にできるのが、海外ドラマや映画のDVDを見ることだと思います。
また、英語のコメディーを見続けることで、英語のジョークもわかってくるはず、と思います。
「日本に行ったことはないけれど、日本のアニメやマンガが大好きで、それを見て日本語を覚えた」という外国人の方々の話をテレビで見ることがありますが、それはごく自然なことだと思います。
好きなものを興味を持って見続けていれば、どんどん理解が深まると思うからです。
それが何かを学ぶ際の、一番基本的な気持ちだからです。
私自身、こういう学習法を続け、このブログを続けてくる中で、理解度が深くなってくるのを感じました。
その様子は、このブログの昔の記事と最近の記事を読み比べていただければ明白だと思います。
例えば、シーズン1の記事は、5年以上も前に書いたオリジナルの記事と、それから何年か経った後に追記の形で書いた記事があります。
また、コメント欄でのお返事も、5年前から現在に至るまで、いろんな時期に書いたものがあります。
記事やコメントを書いた「時期」を見ていただければ、昔に書いたものは、内容が「薄く浅い」ことに気づいていただけると思います。
初期の頃は、DVDの日本語訳を見て、「そういう意味なのかー」と思い、手持ちの辞書を調べてみたら、確かにそういう意味が載っていた…という程度のものだったと思います。
最初は「そういう程度」のものであっても、まずはそこから始めないといけません。
最初から全てを理解できるかのように錯覚してはいけません。
わかる部分を増やしていくことで、自分の中に知識のストックが増えてきて、今度は今まで自分が気づかなかった部分に注目できるようになってくるはずです。
最初はどうしても「使える便利なフレーズ」ばかりに目が行くものですが、それはそれで知識として蓄えて、それにプラスする形で、普段の何気ない会話のセリフをじっくり見つめてみることで、フレーズ集を丸暗記するだけでは学べない、深いニュアンスが理解できるようになってくると信じています。
私がずっとブログを続けているのも、昔の稚拙な記事やさまざまな間違いを読者の方々に見える形で残しているのも、そういうことを経てきて今の私がいる、ということをわかっていただきたいからです。
最初からいろんなことをわかっていた、知っていたわけではない、気になる部分で立ち止まり、調べ、気づき、修正し…の繰り返しでここまで来た、ということを知っていただけたらと思います。
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