前回の1. 「英語音声、字幕なし」の続きです。
2. 「英語音声、英語字幕」
次は、「英語字幕でさえ、助けになる」と実感できます。
字幕が全くないとチンプンカンプンだった言葉でも、英語で書いてあると少しはわかるものも増えてきます。
一度内容は見たわけですから、ここではセリフに合わせて、英語字幕を同じスピードで目で追って、その早さについていけるように頑張りましょう。
まだ単語は調べなくてもいいです。
英語に耳が慣れてくると、英語字幕を見るのでさえ、カンニングしているような気分になってきます。
また、英語を聞きながら英語字幕を見るということは、英語をナチュラルスピードで読むことと同じです。
しゃべるスピードで読む練習は、TOEICのリーディング対策にもなりますよ。
耳が慣れてくると、英語字幕では省略されている部分なども聞き取れるようになってきます。
3. 「英語音声、日本語字幕」
ここでやっと洋画を映画館で見るノリになってきました。
ここで、日本人はどれほど「字幕」の情報を頼りに洋画を見ているのか、ということを実感できます。正直ホッとしますし、これでやっと話が完全に見えてきますよね。
ここでは、英語でぼんやりと掴んでいたドラマの内容を、しっかりと把握出来るようにします。
4. 「日本語音声、英語字幕」
これは、3.の場合と似ているのですが、これにもメリットは多いです。
というのは、日本語字幕だけでは、セリフの雰囲気を完璧に伝えるには、情報が少なすぎるからです。
ご存知のように、字幕には字数制限というものがあり、セリフの長さに合わせて字幕の文字数が決まってしまいます。
日本語は漢字を使いますので、文字数が少なくてもそれなりの情報量はあるのですが、日本語音声だと、英語をしゃべっている時間そのまま、日本語に置き換えられるので、情報量がさらに多くなります。
英語字幕を見て、日本語音声を聞くと、直感的にその英語の意味が頭に入ってきます。
ここで少し問題になるのは、必ずしも英語を直訳してる場合ばかりではなく、ギャグなどは日本語風にアレンジしないと理解できないものも多いので、英語字幕の意味を完全に訳している場合ばかりではない、という点があります。
それも慣れてくると、翻訳した方のジレンマや苦労が見えてくるようにもなります・・・。今はそのあたりは流します。
セリフというものは、やはりイントネーションや抑揚などで印象が大きく変わるものです。
例えば、What are you talking about? という英文、これは文字通りに訳して「何について話しているんですか?」、ではなく、「何言ってんだよ。」みたいなちょっと非難めいたニュアンスが含まれていることが、吹き替えだと伝わってきます。
やはりニュアンスをつかむには、日本語でいうとこんな感じ、というのを聞いてみるのが一番です。
もちろん、ここでも、必ずしも直訳しているとは限らない、ということは頭の隅に置いておきましょう。
5. 最後に、単語の意味などを調べながら、「英語音声、英語字幕」を理解する
最終目標である、英語のセリフを解釈する段階がここです。
意味については、できればこの段階で調べた方がいいと思います。
私は自分がどこまで勉強したかを明白にした方がやりがいを感じられると思ったので、パソコンに入れた辞書ソフトで調べながら、メモみたいなものを作っていました。
(そのメモが、今このブログの元ネタとして使われているのです。)
そのメモには、耳で聞いた発音を自分流にカタカナで書いたり、
例: コヨーテが「カヨーティ」に聞こえる、など。
日本語ではこう訳してあるけど、これは英語の言葉のギャグだから、こういう意味じゃないかな、とか。
翻訳者の方は、字数制限もあり、セリフの時間も口パクに合わせないといけないので、説明したくてもできない、というジレンマがあるはずです。
ですから、実際はこういう意味だけど、説明できないから、まったく別の日本語のギャグに変えてしまったとか、日本人にも理解できる例えに変えてみるとか、いろいろご苦労されているご様子です。
そういう翻訳者の方の苦労を思い描きながら(笑)、自分なりに説明してみるとか、自分なりの訳を作ってみるとかしてみると、
「気分は翻訳者」
英語の解釈も深まり、調べるのも苦にならなくなってきます。
そうして1エピソードを終えた時、時間はかかったけど、英語のドラマを英語で理解できたことに喜びを感じられます。
次回は(え? まだ続くの?)
「はしょる」方法について語ります。
(毎回続く、Rachのお願い)
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2005年07月18日
2005年07月17日
DVDの音声と字幕(その1)
先日、「楽しむ! 英語学習」管理人のsatさんからご質問をいただきました。
「英語学習が目的の場合、DVDの音声と字幕をどうすれば良いか」です。
これについては、私がフレンズを見始めた時からやっている方法をご説明します。
ちなみに、この方法はかなり「くどい」方法です。
お忙しい方については、それを「はしょる」方法について、説明したいと思いますが、
まずは、一番オーソドックスと思われるアプローチを。
ざっと段階を説明すると、以下のようになります。
1. 英語音声、字幕なし
2. 英語音声、英語字幕
3. 英語音声、日本語字幕
4. 日本語音声、英語字幕
5. 英語音声、英語字幕
げっ! 五段階も!?
一応、それぞれ理由と意義はあるんです。
順番に説明していきますが、説明が長くなったので、うんざりした方は、速読して下さい(笑)。
自分のくどい説明を読んでみて、自分がかなりくどい人間なんだと再認識して、ちょっとへこんでます(笑)。
1. 「ネタバレ禁止」状態で、「英語音声、字幕なし」
まずは、英語のドラマを見ているんだ、ということで、ネイティブが見ているように見ることです。
フレンズは30分番組(CM抜きのDVDでは正味23分くらいしかありません)ですから、まあ全然わからないとしても、耐えられるレベルかと。
これが2時間近い映画だと、最初に「字幕なし」をお薦めしにくいんですが。
映画でも、初見の場合、私はチャプターごとにフレンズと同じような見方をして勉強してます。
ネタバレ禁止状態で、というのは、そのドラマのトピックを、出来れば知らないままで見た方が望ましい、ということです。
というのは、よく話題の映画で「結末は誰にも話さないで下さい。」という宣伝文句がありますが、それは、内容を知ってしまうと、それだけ感動や驚きが減るから、ですよね。
同様に、ドラマを見るに当たり、そのドラマをどれだけワクワクしながら見れるか、が、そのドラマにどのくらい集中できるか、につながるのです。
キーワードがわからなくて、話の筋が全く読めないということもあり得るのですが、逆にキーワードがわかって筋が理解できた時の感動はひとしおです。
ドラマには動きがありますので、セリフが聞き取れなくても、ある程度は話の流れがわかるものです。
さらに、日本語の情報をカットして、想像力を働かせ、内容を推測する訓練にもなります。
実際問題、他人が話している内容を聞いている時、人はある程度想像力を働かせながら話を理解しています。
相手が話し下手だったら、多少自分で言葉を補って理解しますし、知らない単語が出てきても、いちいち聞き返さず、文脈から意味を判断しようとしますよね。
人間というものは、辞書で調べたみたいにはっきり意味を知らなくても、それが使えるようになるものです。
うちの息子は、最近、「ばり」という言葉がマイブームらしくて、
「ばり暑いし。」(=すごく、暑い。という意味らしい)
とかブツブツ言ってます。
その「ばり」って何? 語尾の「し」って何??
と驚く母(私)。
若者が使っているらしい「ばり」という言葉を、多分お友達が使ってたのでしょう。
本人は、「"ばり"ってどういう意味?」とか友達に聞くことなく、友達が使ってるニュアンスから、だいたいの意味を察したのだと思います。
で、まぁ、カッコイイと思ったのか、最近、頻繁に使うようになったわけで。
ところで、「ばり」って誰が流行らせたんですか? 語源は何? バリバリ?
そういえば、すごく美味しいもののことを「ばりうま」とか言うけど。
ばり、は方言だと聞いたこともありますが。
「ばり」の話はともかく、
ここで私が言いたいのは、単語の全てがわからなくても、ある程度会話は出来る、理解できる、ということです。
そして、単語の意味というものは、使っている事例から推測することで、よりはっきり意味を把握できる、ということ。
知らない単語ばかりの英語でも、知ってる単語から類推したり、セリフをしゃべってる人の表情やしぐさから判断したり、そういうことで、何となくわかってくるようになるものなんだと。
リスニングテストとは違って、状況が目に見えるということは、たくさんの情報を与えられることになります。
それではリスニングの練習にならないかというと、そうではない。
実際は、音だけで判断することの方が少ないわけですからね。(電話くらい?)
そうやって、類推する訓練は、実生活でも必要なことですから。
正直言って、私も最初にDVDでフレンズを見た時は、簡単な挨拶などは聞き取れても、長い文章になるとわけがわからず、時々知ってる単語だけが頭に残る程度、でした。
でも、英語に慣れることがまずは大切。英語のリズム、抑揚、セリフの掛け合いなど、その音声にまずは慣れていくことから始めたいですね。
その状態で、最初は2回見てました。(時間がない方はとりあえずは1回だけでもこのやり方で、ぼーっと見てみてください。)
何か大事なキーワードがあるらしいのに、その意味がわからない時は話が見えないことも多いです。
その場合はあきらめて、次の段階に行きましょう。
やっぱりわからないものは、何回聞いてもわからないものです(笑)。
長くなりすぎたので、第二段階は次回。
To be continued...
(毎回、これも"くどい"、Rachのお願い)
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