2008年08月28日

晴山陽一さんの「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その1)

英語本を始め、数多くの本を出版されている晴山陽一さんが、サイン入りの本を私に送って下さいました!

最初のお話では最新刊を1冊送って下さる、ということだったのですが、その他にも、少し前に出版されて話題になった本も一緒に送って下さいました。つまり、合計2冊も!
晴山さん、本当にありがとうございます。とっても嬉しかったです。

どうして、私にサイン本を送って下さることになったのかについて、その経緯をご存知ない方のために、ここで簡単に説明します。

私はこのブログで、晴山陽一さんの「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎)を読んだ感想を書きました。
晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1)
「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その2)
その記事を晴山さんが見つけて読んで下さり、その後、晴山さんご本人とコメント欄でお話させていただけるようになりました。

また、大変光栄なことに、晴山さんご自身のサイト 晴山陽一オフィシャルサイト私の本棚から のページで、私が書いた本、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 を紹介して下さっています。

晴山さんがコメントを入れて下さったのは、以下の記事になります。
晴山陽一氏が拙著を紹介して下さいました
そうだったら良かったのに フレンズ3-14その8
ここは笑うべきところ? フレンズ3-14その10  

そのコメントのやり取りの中で、晴山さんが、ご本にサインして私に送って下さると言って下さったので、厚かましくもそのお話に甘えさせていただきました。
2冊の本を送って下さったのですが、そのうちの1冊が今回ご紹介するこの本(↓)です。
8月26日に発売になった新刊本です。
使える英語すごいノウハウ―「英語がスラスラ出てくる」ようになる本 (三笠書房)

もう1冊の、知的生産のためのすごい!仕事術 については、また日を改めて書きたいと思います。

「使える英語すごいノウハウ」(以下、「この本」とします)は、CD付で、1,365円とオトクです。
本についている帯を見て驚いたのですが、
「著書累計100万部突破!!」
だそうです。
本のタイトル通り、「すごい」としか言いようがありません。

この本の「はじめに」には、こう書かれています。

もともと英語が好きでたまらないという人は、放っておいても学習します。問題は、さして英語が好きでもないのに、何らかの理由で英語上達を求められている人たちです。このようなジレンマに立たされている「英語恐怖症」の人々に、このささやかな書物を贈ります。

この本は、英語初学者向けの内容になっています。
ですから、文章の口調も穏やかで優しいものとなっていて、とても読みやすいです。

以下、私が「そうそう!」と思った点を、いくつか挙げていきます。

p.20 まずは「ネイティブを目指す」のをやめてみる
お断りしておきますが、これは、英語学習者をがっかりさせるために言っているのではありません。ありもしない可能性を求めて挫折感を味わうことの愚かしさを知っておいてほしいだけなのです。
p.21 とにかく「ネイティブの壁」は、それほどに高くて厚い壁なのです。でも、そうと知れば、むしろ気が楽になるのではありませんか。


これは、特に、英語初学者にとっては、大切な考え方だと思います。
本や教材で、「ネイティブ並みの英語力」という言葉を時々見かけますが、ネイティブ並みの英語力なんて、そんなに簡単につくはずがありません。

英語を学べば学ぶほど、それなりに英語に関する知識も増えてきますし、いろんな表現も覚えます。
でも、そういう知識の増加に比例して、英語が流暢に話せるようになるわけではありません。
英語力がつけばつくほど、「ネイティブの壁」というのがどんなものかを実感するのです。
ですから、ある程度、英語を学んだ人は、その「ネイティブの壁」という現実を知っていると思うけれど、英語を学び始めたばかりの人は、そのイメージがはっきりしていないだろうから、余計にその「壁」の存在をはっきり認識しておいた方が良いと思うのです。

私自身は、英語学習者として、「出来るだけネイティブに近づきたい!」という強い思いは持っています。
日本語で書ける、話せるくらいのスピードで、英語でも書けるようになりたい、話せるようになりたい、ということですね。
もちろんスピードだけでなく、「内容」も母国語と同じレベルのものを生み出したい、ということです。
でも、母国語である日本語と同じレベルで、第二言語である英語を駆使できるようには到底ならないだろうと思います。
少しでも、日本語で出来るレベルに近づけたい、日本語と英語のギャップを縮めたい、という感じですね。

同じく晴山さんの著書の「英語ベストセラー本の研究」の p.95 に、
英語を身につけられない人は、基本的な見通しが甘すぎると思う。
という一文がありました。
この文章は、「英語ベストセラー本の研究」の中で、一番、厳しい言葉だったと思うのですが、上の話と通じる部分があるように思います。
基本的な見通しが甘い、ということは、「ある程度の時間やお金をかければ、ネイティブの壁は突破できる」と思うことと同義である気がします。

「英語を身に付けることが難しいことくらいわかってる!」という人も多いかもしれません。
でも、英語学習をやっていて「ヘコんだ」「自分自身に失望した」「私には語学の才能がないんだと思った」という人は、やはり心のどこかで「数ヶ月一生懸命勉強すればペラペラになる」というような「甘い見通し」を持っている、ということなんじゃないかと思うのです。
誰でも、想像通りに事が運ばない時には、自分に失望したりするものですから、その気持ちはよくわかるのですが。

私はフレンズのDVDを使って英語を学んでいる時に、わからない自分に失望したことはあまりありません。
ネイティブじゃないから、ネイティブと同じように理解できなくて当然だ、ということがずっと頭にあったからです。
簡単じゃない、とわかっているから、わからない自分にいらいらすることもないのです。

「ネイティブの英語」を目標として目指すのはいい、でもそんなに簡単に手に入るものだと思わない方がいい。
「ネイティブの英語」という究極の目標に限らず、「ある程度の英語力」(その「ある程度」がどのくらいかを説明するのも難しいですが)をつけることも、それほど簡単ではない、と知っておくべきです。

それは自分の能力の限界ではなくて、どんなに英語のセンスがある人でも、「英語力」はそんなに簡単にゲットできるものではないのだ、という事実をわかっていることが大切なのです。
私がずっと英語学習を続けてこられたのは、その事実を知っていたから、ということかもしれません。

もし「ある教材を使って数ヶ月でネイティブ並みの英語力を身に付けた!」という人がいたとしたら、私なら「その人はきっと語学の天才なのね!」の一言で片付けます。
まぁ、そういう人もいるのかもしれないけど、私には関係ない話だろうと割り切ります。
晴山さんの言葉の「ありもしない可能性を求めて挫折感を味わう」というのは、そういう宣伝文句を信じて、次から次へといろんなことを試し、その度に、自分自身の才能に失望する、ということなのでしょう。
買ってしまったものはしょうがないですが、そういうものを買った上で、それで英語力が伸ばせなくて、さらには自分に失望して英語学習をやめてしまう…なんて、もったいない話だと思います。

p.46 英語を使えるようになりたかったら、英語を使う練習をすればいい。
p.53 「英語の学習者」だという意識をやめにしてください。自分は「英語の使い手」なのだと思ってください。
英語は「使った者勝ち」なのです。


この部分には、私もはっとさせられました。
「英語学習者としての Rach」が、ブロガー Rach のアイデンティティであるとずっと思っていたのですが、ことさら「学習者」であることを強調するのも、実は問題があるのかな、と。

「英語を”勉強”する」という言い方は、何となく受験勉強などを彷彿とさせるので、個人的にはあまり好きな言葉ではありません。
英語という他言語を学びたい、という思いで、「学習」という言葉を私は多用しているのですが、いつまで経ってもただ英語を「学習」しているだけではダメなんだ、と。
使ってナンボ、人とコミュニケーションしてナンボの「言語」なわけですから、それをただ学んで、知識としてインプットするだけではダメで、使わなければ意味がない、と。
自分としては、使うための英語のデータベースを手に入れるつもりで、いつもフレンズのセリフを見つめ、それを分析しています。
いつも「いつかそれを使ってやろう」とは思っているのですが、まだまだ「使う視点」が足りないような気がします。
使うチャンスを与えないと、せっかくのインプットが無駄になってしまう、ということですね。
私がこのブログでずっとやってきたことは、英語を分析し、理解し、インプットするという「英語学習者」としての行動ですが、「英語の使い手」としての側面を意識してもっと伸ばしていかないといけないのだと感じました。


長くなりそうなので、2回に分けさせていただきますね。
2回目はこちら→ 「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その2)


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
posted by Rach at 16:15| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月15日

晴山氏がブログにコメントして下さいました

嬉しいお知らせです。
一昨日、晴山陽一氏が拙著を紹介して下さいました という記事を書きました。(晴山陽一さんは、幻冬舎「英語ベストセラー本の研究」の著者の方です。)
その私の書いた記事に、ご本人の晴山陽一さんが、コメントを入れて下さいました!

晴山さんのお優しいお人柄が感じられる素敵なコメントです。
晴山さん、ありがとうございます!
(晴山さんの最新のコメントへのお返事は、もうしばらくお待ち下さいませ。)

いつも応援して下さる読者の方々に、その驚きと喜びをお伝えしたくて…。
その記事のコメント欄 を読んでいただけると嬉しいです!

なお、いつものフレンズ解説記事は、この下(↓)に投稿しています。
今日は、久しぶりに「調べたがり屋の Rach」の本領発揮か!?という内容です。
こういう記事は、「面白い」と思う方と、「そんなこと調べて何になる?」という方の真っ二つに分かれるタイプの記事なのですが…(笑)。
私自身がこういうのを調べるの、大好き!なんですよね…。(すみません)

拙著 p.64 「サブカルネタの調べ方」に書いてあることを実際に行うとこうなる…という実例になっているかな、と思います。
posted by Rach at 17:18| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月13日

晴山陽一氏が拙著を紹介して下さいました

このブログの過去記事、晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1)(その2) で、晴山さんの著書、英語ベストセラー本の研究 (晴山陽一 著) について語らせていただきました。

その晴山氏のホームページ、晴山陽一オフシャルサイト の、私の本棚から のページで、なんと、私の著書、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 を紹介して下さっています!
晴山さん、本当にありがとうございます!!

晴山さんのサイトは「お気に入り」に登録していたのですが、ブログではなくホームページなので、それほど頻繁には更新されないだろう…と毎日チェックしてはいませんでした(すみません)。
今日、ふと、サイトのトップページを見ると、
What's New のコーナーに、
■2008.07.07■ 「私の本棚から」に、久しぶりに1冊を追加しました。
と書かれているのを発見。
「へぇ〜、おすすめの本が1冊増えたんだぁ…どんな本なんだろう?」と思って、私の本棚から のページを見て、ずっと下にスクロールしていくと、自分の本のことが書いてあったので、「うっそ〜!」と叫び、腰を抜かすほど驚きました(本当です)。

晴山さんは7月末に、三笠書房から「使える英語 すごいノウハウ」という本を出版されるそうです。
その本でフレンズをおすすめされているそうで、それに関連して、私の本のことを紹介して下さっているのです。
さらに嬉しいことに、私のこのブログへもリンクをはって下さっています。
紹介文もとても素敵に書いて下さっていて、本当に感謝の言葉もありません。

先日、晴山さんの本についてこのブログで語った時、
日経ビジネスオンラインの、
晴山陽一の「本で変わる、あなたの英語」 ベストセラー英語本から見えてきたもの
というコラムの、
第1回 ベストセラー英語本は語る〜 最初の課題は「学習への抵抗感」なのだ へリンクをはらせていただきました。
その時に、トラックバックさせていただいたので、私のブログの記事を読んで下さったのかなぁ?とも思います。

晴山さんの本を読んだ感想を、晴山さんご本人に読んでいただけるだけでも光栄です。
その上、私がブログの記事で「私の学習法や、拙著に書いたことと通じる部分がある」と書いたのをご覧になって、わざわざ私の本を購入して下さって、読んで下さった…わけですよね?
そしてさらには、こんなに素敵にご自分のサイトで紹介して下さったなんて…。
こんなに誉れなことはありません。

ご本人にどうやってこのお礼の気持ちを伝えたら良いのかわかりません。(この記事を「日経ビジネスオンライン」にトラックバックするのはちょっと筋違いのような気がしますし…)
いつかこの記事を晴山さんに見ていただく日が来るのを信じて、ここでお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました!!


(Rach からのお願い)
本もブログも頑張れ〜!と応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします♪


(追記)
この記事のコメント欄に、晴山陽一さんご本人から、コメントをいただきました。
その他にも、以下の記事でコメントを下さっています。
そうだったら良かったのに フレンズ3-14その8
ここは笑うべきところ? フレンズ3-14その10

そして、とても嬉しいことに、私にサイン本(!)を送って下さいました。
その本について語った記事はこちら(↓)。
晴山陽一さんの「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その1)
「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その2)
「知的生産のためのすごい!仕事術」を読んで

晴山さん、本当にありがとうございます!
posted by Rach at 12:54| Comment(16) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月05日

「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その2)

前回 に引き続き、英語ベストセラー本の研究 (晴山陽一 著) について語りたいと思います。

この本の中で、「私のやってきたことは間違いではなかった!」と思えるフレーズをいくつか引用させていただきます。
そのフレーズの詳しい意味については、直接、晴山氏の本を読んでいただきたいと思います。

英語学習法のポイントとしては、
p.102 文法書などの規範的な例文ではなく、あるがままの英語こそ最高の「辞書」である。
p.104 文法的な観察眼を働かせつつ多量の英語を読み、かつ聞く。
p.105 文法書は覚えるものではなく、引くものである。
p.195 語順は英語の命である。
p.216 理解するための文法分析は有効である。


英語学習に対する姿勢については、
p.226 あなたは英語学習の何が楽しいのか。楽しくないのはよくない。苦手でも楽しいのは素晴らしい。
p.228 自分だけの学習法を見つけたほうが伸びる。なぜなら、ウキウキ勉強できるからだ。


私は、アメリカの人気ドラマ「フレンズ」の「生きたセリフ」は、英語の表現を学ぶ上で「最高の辞書」だと思っています。
文法嫌いな英語学習者の方は多いですが、私は文法を、「フレンズのセリフを理解するための知識」として使っています。
「理解するための文法分析」は、まさに毎回このブログのフレンズ解説でやっていることですね。

私が「楽しい」と思う「自分(だけ)の学習法」、それを披露しているのが、このブログであり、拙著でもあります。
晴山氏が各人の方法論を尊重して下さることは、いち英語学習者としてとても嬉しいです。

語順の話(p.197)で、晴山氏は、大西泰斗先生の著書「ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力」と、大西先生の、
「英語は並べることば/日本語は納豆系」
という表現を引用しておられます。

私もブログの記事中で大西先生の「イメージ」をよく引用させていただきますし、拙著でも参考文献として大西先生の「ハートで感じる」シリーズを挙げさせていただきました。
英語初学者に「配置、語順」の重要性を訴えたことは大きい、と私も思っています。
一番最新のシリーズ「ハートで感じる英語塾」でも、その語順に対するこだわりが感じられましたね。
ちょうど「ハートで感じる英語塾」の再放送が、7/3(木)から始まっていますので、興味を持たれた方は是非、番組をご覧になって下さい。
(それをまとめた本は、ハートで感じる英語塾〜英語の5原則編〜 です。)

「英語ベストセラー本の研究」の中で、
p.97 國弘正雄氏の <英語→イメージ→日本語>
p.123 伊藤和夫氏の <英語→事柄→日本語>
という「理解の流れ・順序」も印象的でした。
私も自分の著書の p.59 に以下のように書きました。
「私は自身のブログでは自分なりの訳をつけていますが、それは「日本語で言うとこんな感じだろう」というイメージを語る言葉として書いているだけです。日本語に訳すことが目的ではありません。」
私の場合も、日本語に訳すことがゴールではなく、その英語のニュアンスを理解するための手段として、一番細かくイメージを表現することのできる母国語を使っている、というだけに過ぎないのです。


晴山氏の本の奥付に、晴山氏のホームページのURLが載っていました。
晴山陽一オフシャルサイト
その プロフィールのページ に、また数々の印象的な言葉が並んでいました。

引用させていただきますと、

この良質の素材を集めるコツは、あくまで「自分にとって面白いかどうか」で判断する、ということです。

まず自分が英語を楽しまなければ、絶対に人を楽しませることはできない、ということだと思います。

読者の喜ぶ顔を思い浮かべながら「にやにやしながら書く」のが、いちばん執筆のモチベーション・アップにつながります。


本を執筆することについて、晴山氏は上のように述べておられるのですが、私は自分の本を書く時もそうでしたが、特に「ブログを書いている時の心境」がこれに当てはまるなぁ、と思いました。

フレンズを選んだのは、ただそれを面白いと思ったから。
自分が楽しみながら英語を学んでいる様子を見せれば、英語を学ぶ楽しさに気付いてくれるかも。
チャンドラーのジョークのほんとうの意味がわかって、それを誰かに話したくてたまらない。

私のそういう気持ちと、晴山さんのお話に通じる部分があるような気がして、私は嬉しく思いました。

自分なりの学習法を確立するためのヒントとして、「英語ベストセラー本の研究」は、実に有益な本です。
私もたくさんのことを学ばせていただきました。
著者の晴山陽一氏をはじめ、ベストセラー本を書かれた著者の皆様方に、心から敬意を表したいと思います。
ありがとうございました。


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします♪
posted by Rach at 12:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月03日

晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1)

日経新聞の中面広告を見て、面白そうな本だな、と思い、購入しました。
それが、晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」です。
アマゾンではこちら(↓)。
英語ベストセラー本の研究 晴山陽一 (幻冬舎)

思った通り、実に面白い本でした。
戦後60年のベストセラー英語本を取り上げ、その中の印象的な箇所を取り上げる、という形式になっています。
晴山氏がプロローグで、「先人の労作から英語学習のヒントを拾い集め」と表現しておられますが、まさにそういうヒントが満載の本です。

私の言葉と比較するのもおこがましいのですが、私も過去記事、学習法から何を学ぶか? (私が著書で訴えたかったこと その2) で、「人が語る勉強法・学習法は、自分の学習法の参考にするためのヒントでしかない。」と述べています。
でもそのヒントが、自分の学習法を見つけるのに大いに役立つのです。

晴山氏の本の p.201 に野口悠紀雄氏の言葉が引用されているのですが、

第二に重要なのは、英語勉強本の本など読まず、ただちに英語の勉強そのものを始めるべきことである。

この部分を読んで、声に出して笑ってしまったのですが、本当に「全くその通りです!」と言うしかありません。
この本に紹介されているような、多くの有用な英語ベストセラー本が登場したにも関わらず、日本人全体の英語力が飛躍的に伸びた感じがしないのは、そういう本を読んだ後、「ただちに英語の勉強そのものを始めた人の割合が少ないから」なんでしょう。
そしてそれを「一定期間続けた人」となるとさらに少なくなる、と。

「ある学習本を1冊読めば、英語ができるようになった!」ということはあり得ません。
学習法のやり方を述べているだけで、実際に本人がやってみないことには始まらないのです。

このようなベストセラー英語本を読んで気付くこと、それは、こんな本を出しておられるような英語の大家(たいか)の方々も、皆さん、ものすごい時間と労力をかけて英語を学んで来たのだ、という事実です。
それを思うと「私はこんなにやってきたのに…」と思うことすら恥ずかしい。
そのことに気付くだけでも、大きな意味があるかもしれない、と思います。

p.130 に「日本人の英語」のマーク・ピーターセン氏の言葉が載っています。

"I hate English!" とつい英語で叫んでしまうくらい、英語の「頭脳環境」に入ってみてほしいと思う。

ピーターセン氏は、「日本人の英語」の「はじめに」の部分で、「日本語を書く」ことについて述べておられます。
その部分がまた非常に印象深いので、これは、「日本人の英語」(p.8)から直接引用させていただきます。
(晴山氏が引用しておられる部分の直前の文章になります。)

ところで私自身は、この2年間、日本語を書く仕事が多かったが、まだそれに慣れていない。いまだにフラストレーションばかり感じている。語彙が限られているし、言い方が自然であるかどうかは、自分の判断力だけでは自信が全然ない。いくら時間をかけて書いたとしても、書き上がったところで、「いいものが書けたな」という満足感を得たこともない。

これは、日本人お得意の「謙遜」ではなくて、ピーターセン氏の「実感」なんだと思います。
晴山氏の表現(p.129)をお借りすると、ピーターセン氏は、
日本語で岩波新書が書けるほど日本語に堪能なアメリカ人の著者
なのです。
その人をして、「フラストレーションを感じる、自信がない、満足感を得たことがない」と言わしめるほど、外国語で書く、ということは難しいことなのですね。

だからと言って私自身の英文ライティングの出来が悪いことを開き直るための理由として使うつもりはありません。
ピーターセン氏ですらそうなのだ、だから私はそういうことを感じるのは当然なんだ、そう感じたからって英語を学ぶことをあきらめる必要はないんだ、むしろそこであきらめてはいけないんだ、と思えるのです。


ちょうど「英語ベストセラー本の研究」の発売に合わせて、日経ビジネスオンラインで、
晴山陽一の「本で変わる、あなたの英語」 ベストセラー英語本から見えてきたもの
というコラムが集中連載されています。
それをご覧になると、この本の概要がわかります。

第1回 ベストセラー英語本は語る〜 最初の課題は「学習への抵抗感」なのだ に「英語学習のコツ」が5項目書いてあります。
また、その項目をあえて逆の言い方にして、ポイントをわかりやすく説明しておられます。

その逆の言い方の中では、

1. 英語に抵抗感を持っていたら、学習は続かない。
4. 一朝一夕に英語力がつくというのは幻想に過ぎない。


という部分に激しく同意します。
さらには、その後に書いてある「文法も大事だ!」という部分にも共感します。

自分の学習法と比較するのは、これまたおこがましいのですが、やはり、英語の堪能な方と方向性が同じである、ということは大きな自信となります。
自分のやり方をこのまま続けて行っていいんだ、と信じることができます。

私は私なりの方法を確立し、それを元にこのブログを3年間書いてきました。
そしてその学習法を1冊の本 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 にもまとめました。
いつも言っているように、私は「英語を職業としている英語のプロ」ではないし、私が何を言ったところで「いち英語学習者」としての意見でしかありません。
でもその中にも「英語を学んで来た者」としての真実が必ずある、と思っています。

受験勉強のように勉強することに対しては、どうしても抵抗感が生まれます。
だから、私は「難しい」ことを承知で、海外ドラマ、それも笑い声の入るシットコムを題材に選んでいます。
作品として魅力的なものであることが重要なのです。
英語を学ぶには必ず「続ける」ことが必要、だから、「続けられるような魅力的な題材」を選んでいるのですね。
その部分が、晴山さんの挙げられた 1. と 4. に通じるものがあると自分では思っています。

実際に自分が時間をかけてやらないことには身に付かないものであるからこそ、間違った方向に時間を費やしてはいけません。
その方向を間違えないための、自分に一番合った方法を探すための先人の言葉、それが凝縮された本が、今回ご紹介した晴山氏の本です。
皆さんも、是非読んで下さい。

この本については語りたいことがありすぎるなぁ(笑)。
次回 も、この本について語らせて下さい。


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします♪


(追記1)
超有名な書評ブログ、聖幸さんの 俺と100冊の成功本 でも、この本が紹介されています。
「英語ベストセラー本の研究」英語学習法の黄金律とは:俺と100冊の成功本
本の内容を詳しく書いて下さっていますので、興味のある方は是非ご覧下さい。

(追記2)
この記事を書いたことで、著者の晴山陽一さんご本人とコメント欄でお話させていただけるようになりました。
また、大変光栄なことに、晴山さんご自身のサイト 晴山陽一オフィシャルサイト私の本棚から のページで、私が書いた本、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 を紹介して下さっています。

晴山さんがコメントを入れて下さった記事はこちら(↓)。
晴山陽一氏が拙著を紹介して下さいました
そうだったら良かったのに フレンズ3-14その8
ここは笑うべきところ? フレンズ3-14その10

そして、とても嬉しいことに、私にサイン本(!)を送って下さいました。
その本について語った記事はこちら(↓)。
晴山陽一さんの「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その1)
「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その2)
「知的生産のためのすごい!仕事術」を読んで

晴山さん、本当にありがとうございます!
posted by Rach at 11:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月24日

安河内哲也先生の「できる人の勉強法」

英検1級二次試験体験記を書こうと思っていたのですが、昨日読み終えたばかりの本について、ちょっと書いてみたくなりました。

その本は、カリスマ予備校講師として有名な安河内哲也先生の「できる人の勉強法」です。
ベストセラーになっているので、ご存知の方も多いですよね。
Amazon.co.jp: できる人の勉強法 (安河内哲也 著)
カリスマ予備校講師であるからこそ言える、ということがたくさん書いてあって非常に面白いなぁ、と思いました。

内容については、後で私の感想も含めて触れてみたいと思いますが、まず最初に、どうして私がこの本を読もうと思ったか、について書きたいと思います。
安河内先生は有名な方なので、私は以前から名前は知っていました。
そして、先生は海外ドラマ「フレンズ」がお好きなことでも有名な方です。

私がフレンズを知ったのは、私の英語学習歴(その2) で書いたように、日経WOMANという雑誌です。
その2001年2月号の「お茶の間海外生活でネイティブ英語を身に付けよう」というコーナーで、読者おすすめの映画&ドラマとして、
「フレンズ:親近感の持てるキャストばかりで、ストーリー展開にわくわくしながら、日常表現が学べるTVシリーズ」
と説明してありました。
それを見て、面白そうだな、と思って、フレンズを使ったDVD学習法を始めたのです。
私が安河内先生がフレンズをオススメしておられる、というのを知ったのは、このブログを始めて4日後(!)のことでした。
satさんのブログ、S-40〜ミドルエイジの思惑〜フレンズ <ファースト・シーズン>DVD Vol.1 という記事に、「カリスマ安河内哲也先生 ご推薦のアメリカのTVドラマだしね」と書いてあったのです。
(フレンズで検索をかけていて出会った記事なのですが、この記事は、私が一番最初にコメント(さらにはTBまで)を入れた記念すべき記事だったりします…笑)
そこで初めてその事実を知って、それからはあちこちでその話を聞きました。
他の方からも、「フレンズは安河内先生もすすめておられますよね。」という内容のコメントをいただいたこともあります。

フレンズはアメリカの人気ドラマですが、私の実感としては日本での知名度はそれほどでもないように思います(笑)。
しかし、その知名度のわりに、「フレンズが英語学習に最適」という話を日本人英語学習者の間でよく聞くのは、きっと安河内先生が推薦されているから、というのがその理由なのかなぁ、と思います。
日経WOMANでオススメに挙げられていたのも、そのためかなぁ、と。
ですから、私は直接、安河内先生の話を聞いてフレンズ学習を始めたわけではないですが、先生がオススメされていたためにそれが有名で、また、先生の話を聞いてフレンズに興味を持って、私のブログを訪れて下さる方もかなりの数おられるでしょうし、そういう意味で、ずっと気になる存在(笑)の先生だったのです。

先生のこの本が2006年12月に発売されて、ベストセラーになって、本屋さんにどかっと置いてあるのを見て、読んでみたいなぁ、と思っていたのですが、英検の試験が終わるまではと封印し(笑)、英検が終わって、合格もわかった後、やっと本屋さんに置いてある本を手にとって読むことができたんですね。
私はその本の裏表紙に目が留まりました。
上に挙げたアマゾンのサイトの、「この本のなか見!検索より」の「この本のサンプルページを閲覧する」の「裏表紙」をクリックするとその裏表紙を見ることができます(↓)
「できる人の勉強法」 裏表紙
それは、先生が「ふだん肌身離さずもっている勉強用の手帳」の写真です。
同じ写真がこの本の p.114 に載っていて、そのノートの説明が p.115 に書いてあります。
先生オリジナルの単語帳なのですが、そこに書いてある単語を見ていて、何だか見たことある単語だなぁ…と思いました。
「あ、これ、フレンズに出てきた単語だっ!」
実際にそのノートに書いてある単語を下に挙げてみます。(私が勝手に(a)〜(c)に分類させていただきました…笑)

(a)snuggle, fuzzy, Bullwinkle (moose), Rocky (squirrel), spaz,
That would be a judgement call.
Marshmallow Peep, underdog, jammies
(b) elm, Arbor Day
(c) impending, tinkle, troll

(a)群の単語は、フレンズ1-5(The One With the East German Laundry Detergent 土曜の夜を一緒に)に出てくる単語です。
That would be a judgement call. はロスのセリフです。
(c)群の単語は、フレンズ1-6(The One With the Butt 迷えるチャンドラー)に出てきます。
(b)群の、elm 「ニレの木」、Arbor Day 「植樹祭」 については、フレンズには出てこなかったような気がします。
このノートの説明では、「そのときどきに仕入れた知識を、どんどんボールペンで書きなぐっています。」ということなので、フレンズの1-5と1-6の合間に見た「何か」から仕入れた知識だ、ということなのでしょうね?

とにかく、その裏表紙のノートに書いてある単語が、フレンズのものだと知って、私は無性に嬉しくなってしまいました。
フレンズの英語を扱っているサイトやブログは以前からたくさんありましたし、今でもたくさんあります。
ですから、私一人が自分のことのように喜ぶのは変なのですが、フレンズの英語を扱っているブロガーの「一人」として、私の大好きなフレンズの単語が、「ベストセラー本の裏表紙に載っている!」という事実が、とっても嬉しかったのです。
しかし、私の過去記事の解説では、これらの単語を全く解説していなかった…という悲しい事実もあります。あの頃は私の解説もまだまだ淡白でした…(笑)。
フレンズ1-6その1 で、トロールだけは取り上げているのですが…。

このノートの単語がフレンズからのものである、とは本の中では触れられていませんし、本の最初から最後まで読んでも、実は「フレンズ」という単語は一つも出てきません(泣)。
それでも、ノートのどの部分を写真に使うかは、当然、先生がご自分で選ばれたのでしょうから、この写真を見るだけで、先生がフレンズファンであることは間違いない!と断言できるわけです。
ちなみに、All About: キャリアプランニング 「伝説の予備校講師 3」 に、安河内哲也先生のことが書いてあります。
このページの次頁、2. 楽しみながら英語を覚える「『フレンズ』が好き」 に先生がどれほどの「フレンズ」好きであるかが書いてあります。

あちこちで聞いた「安河内先生はフレンズが大好きだ」という話を、このノートの写真で実感できて感動し、またそのことに「ノートの単語」から気付くことのできた自分にまた感動し(笑)、この本がどうしても欲しくなって、何故かその本屋さんでは買わずに(?)、家に帰ってから早速アマゾンで注文することにしました。

本の内容については、勉強法も大変興味深いのですが、私はその「勉強に対する姿勢や哲学」みたいな部分に非常に感銘を受けました。
いきなり「はじめに」のところで、
「勉強することはめちゃくちゃカッコいい」
と書いてあります。
「私は勉強しています」と、まわりに堂々と公言してください。
とも書いてあります。
そういうことを、カリスマ予備校講師である先生に言ってもらえると、とてもすがすがしい気持ちになります。

学生でも社会人になってからでも、一生懸命自分の時間をやりくりして勉強している人は、勉強している自分自身に誇りを持っていて、自分では「カッコいい」と思っているはずだ、と私も思っています。
自分を磨くことは美しいことですものね。
でも、それを人に言うのは気がひける、というのもあります。
他の趣味であればやっていることを堂々と言えるのに、どうして「勉強」だと、言うのが恥ずかしくなるのか?
一生懸命勉強して努力している人はカッコいい、スポーツができる人や歌が上手い人と同じくらいカッコいいんだ、と言える世の中であって欲しいと私も思っています。
結果が伴わないかもしれないから、人に言うのが恥ずかしい、というのはあるかもしれません。
でも、何かを一生懸命やっていれば、必ず「何か」は身に付いているはずで、それを「頑張っても何もできやしないから」とやる前からあきらめてしまうよりは、ずっとずっと素敵なことなんだと思う気持ちが大切なんだと思うんですよね。
先生も第5章で、そういう精神的な部分に触れておられて、私はそういう部分にものすごく感銘を受けるわけです。

第7章に、「こんな人とのつきあいは徹底的に避けなさい」「向上心のある人とのつきあいがあなたを変える」という項目があります。
ここを読むだけでも気持ちが前向きになって、この本を買った甲斐があったと思えます。
詳しくは実際に本を読んでいただければいいと思うのですが、私たちも普段から何となく心の中で感じているようなことをズバっとはっきり書いてあります。
例えば、私のようなど素人が先生と同じことを言うと、ちょっと傲慢に聞こえそうな気がするのですが、それを説得力を持って言い切ることができる、そこが先生がカリスマと呼ばれる所以なんですね。
道を極めた人のやり方というのにはそれ相応の理由や根拠があって、とても説得力があります。

暗記法や記憶法などは、人の性格によって、合う合わない、ということがあるのかもしれない、とは思います。
ですから、いろんな人の独自のやり方を聞いて、自分の性格に合ったものを選択していけばいいんですよね。
先生も p.23 で語っておられますが、
「その道のプロのいうことを、とりあえず素直に取り入れてみた」のが自分にとってプラスだった
「その道の達人とは、それなりに正しいメソッドを踏んできた人たちであり、彼らのすすめる方法は決してまちがっていない」
とも書いておられます。
私もいつもそんな風に思っています。

「人の成功話を聞いてもつまらない」という人がいますが、成功した人には成功しただけの理由があるし、その方法には説得力があります。
ただ「うらやましいなぁ」と思うのではなく、その「ものの考え方」とか「取り組み方」のコツを学ぶだけでも、十分に価値のあることだと思いますね。

ということで、気になる存在であった安河内先生の本を読んだ感想をいろいろと書いてみました。
今ベストセラーである先生の人気にあやかろうと記事にしたんだろう?!などというネガティブな意見を持たれる方もおられるかもしれませんが(笑)、私はただ、フレンズファンである先生の本がベストセラーになったことが嬉しいのです。
ベストセラーを生むような先生がオススメしているんだから間違いない!と。
そして、(私が言うのはおこがましいですが、)先生の本を読んで感銘を受けた英語学習者がまた一人増えた、という事実は、先生にとってもまた嬉しいはずだ、という思いでこの記事を書きました。
先生のますますのご活躍をお祈りしております。

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気blogランキング
にほんブログ村 英会話ブログ

posted by Rach at 10:14| Comment(12) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする