2008年05月07日

端と端を合わせるか積み上げるか フレンズ1-13その6

フレンズ1-13その1 のコメント欄 で、フレンズ1-13 のセリフ
"Are they end-to-end, or tall, like pancakes?"
に関するご質問がありましたので、今日は、フレンズ1-13 を取り上げたいと思います。

(ちょっと言い訳、というか、説明)
フレンズで英語学習を始めよう!という方は、やはりまずシーズン1から見始める方が多いと思うのですね。
ですから、シーズン1は、できるだけ丁寧に解説した方が望ましいのですが、私のブログではシーズン1の頃の解説が非常に淡白です(笑)。
ですから、特にシーズン1に関してはこのように、少しでも説明を追加していけたら…と思っています。

以下で取り上げるシーンは、実は以前に下書きを書いていました。
配管工plumber フレンズ3-10その22 で、「ジョーイのパパは配管工である」であることがわかるセリフが出てきて、その時に、フレンズ1-13 のセリフ "... your father's pipe fitting business ..." というのを取り上げました。
その時に、1-13 の過去記事で触れていなかった部分を、詳しく解説しようかなと思って、私なりの解説を書いてみたのですが、配管工の話からの脱線としては長すぎるかな、と思い、そのままお蔵入りになっていたのです。
私自身、解釈に自信があるわけではありませんので、皆さんにそれを披露して、一緒に解釈を考えていけたらいいな、と思います。(言い訳、終わり)


取り上げるのは、フレンズ1-13その4 辺りのシーンです。
「パパとロニーに寝室を貸してしまったので、ジョーイとチャンドラーはソファーで一緒に寝ています。」というシーンですね。

[Night. Chandler's & Joey's place. They're sharing the sofa-bed... Joey is tossing and turning, and kicking...]
夜。チャンドラーとジョーイの部屋。二人はソファーベッドを分け合っている。ジョーイはごろごろと寝返りを打っている。そして足をバタバタ蹴っている。
チャンドラー: Hey, kickie! What are you doing? (おい、キック野郎! 何やってんだよ?)
ジョーイ: I'm just trying to get comfortable. I can't sleep in my underwear... (俺はただ、快適になるように試みてるだけなんだよ。下着をつけて寝ることなんてできないよ。)
チャンドラー: Well, you're gonna! (下着をつけたままで寝ろよ!)

toss の基本的な意味は「軽く投げる」。
そこから、「からだをあちこち動かす」という意味にもなります。
turn は「回る、転がる」。
そういう toss と turn の感覚から、toss and turn が「(ごろごろと)寝返りを打つ」という意味になるのですね。
ジョーイの場合は、寝返りを打ちながら、足までバタバタしているので、いかにも「眠りたいのに眠れない!」という感じがト書きからもにじみ出ています。

kickie について。
DVD英語字幕では kickie、ネットスクリプトでは、kicky と表記されています。
どちらの場合でも、「蹴ってくるやつ」「足をバタバタさせているやつ」みたいな呼び掛け語のニュアンスでしょうか?
私は最初「蹴り魔!」と訳してみたのですが、DVD日本語字幕では「キック野郎」となっていて、そちらの方がぴったりだと思ったので、そちらを使わせていただきました。

フレンズ3-4その7 では、a kicky beret 「おしゃれなベレー(帽)」という表現が出てきて、kicky は「おしゃれな、かっこいい、いかす、いけてる」という形容詞で使われていました。

you're gonna! は "you're gonna sleep in your underwear." ということで、そのままで眠れよ、はいてるパンツを脱ぐなよ、ということでしょうね。
gonna の部分を強調してしゃべっています。
gonna = going to で、「ハートで感じる」大西先生はそれを「流れ」という言葉で表現されていますが、今回の gonna も、「今のままでいろよ」と「今の流れをそのまま維持すること」を求めているセリフ、という感じがしました。

過去記事でも触れましたが、ジョーイはいつも下着をはかずに寝ているので、たまにはくと寝にくいようですね(笑)。


ジョーイ: I've been thinking. You know, about how I'm always seeing girls on top of girls... (ずっと考えてたんだ。ほら、俺がいつも、どんな風に女の子をとっかえひっかえして付き合ってるかを。)
チャンドラー: Are they end-to-end, or tall, like pancakes? (女の子の上に女の子、っていう(お前が見ている)その女の子たちは、端と端をくっつけてるのか、それとも(積み上げられて)高くなってるのか、パンケーキみたいに?)

be seeing someone という進行形は「(人)と付き合う」という意味。
girls on top of girls は、「女の子たちの上にまた別の女の子たち」というニュアンスでしょうね。
それをチャンドラーは、「付き合っている」という意味の be seeing を「見ている」と解釈した上で、その女子たちが「女の子たちの上にまた女の子たち」という「物理的な並び」になっているかのようにわざと言ってみせたのだろうと思います。
モテないチャンドラーにしてみたら、「何人も女の子とつきあってるのに、そのまた上に女の子」という表現をしたジョーイに、やっかみみたいなものがあって、その表現にチャチャを入れたくなったのかなぁ?と。

end to end は「端と端をくっつけて」。
上に、と言っているけど、それは、女の子を平面に並べて、ある女の子の頭の上に別の女の子の足をくっつけて、縦にずらっと並べた状態なのか、それとも、パンケーキを積み上げるみたいに、女の子の上に女の子を積んでいって高くなっているのか、と、実にくだらないこと(笑)を尋ねているような気がします。
つまり、「端と端をくっつけて並べているのか、パンケーキのように高く積み上げているか、のどっちだ?」と尋ねているわけですね。

大爆笑!という感じのジョークにも思えないのですが、私の解釈では多分、そういうことじゃないかなぁ、と。
また、他の方のご意見もお待ちしております。
(2009.10.27 追記)
end-to-end について、下のコメント欄にてご意見を頂戴しました。
人が立った状態でその人の上にまた人がどんどん積み上がっている状態、組み立て体操かトーテムポールみたいな、縦に高くのびていく感覚を指すようです。
コメント欄も併せてご覧いただけると幸いです。
(追記はここまで)

この後のシーンも、続けて解説したいと思います。
もうしばらく、フレンズ1-13 にお付き合い下さいませ。


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posted by Rach at 14:17| Comment(10) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月13日

何故8歳なのか? フレンズ1-1その8

フレンズ3-9その12 のコメント欄 で、フレンズ1-1 のセリフに関するご質問がありましたので、今日は、フレンズ1-1 を取り上げたいと思います。

only one woman であったはずのキャロルが出て行って、ロスがそれを嘆いているシーン。
ジョーイはそれを聞いて、アイスクリームのフレイバーだってお気に入りは一つだけじゃない、いろんな種類があるぞ、と言います。
そして、そのセリフは以下のように続きます。

ジョーイ: This is the best thing that ever happened to you! You got married. You were like, what? 8? Welcome back to the world! Grab a spoon!

その "8" とは何でしょうか?というご質問でした。

ネットスクリプトでは、You got married, you were, like, what, eight? と書いてありますが、どちらにしても、8 = eight です。

まず最初に説明すると、この 8 は「8歳」ということです。
「小さい子供」というニュアンスですね。
この部分、DVDの日本語音声では、

「結婚した時はまだガキだったろ? 8つ?」(と言ってジョーイは吹き出す)

になっていました。
だから、私が 8 = 8 years old だと気付いたわけではなくて、吹替の情報でそれが8歳だという意味だとわかった、というだけです。
日本語字幕・音声は意訳されていて、英語本来の意味とはかけ離れたものになっている場合もあるのですが、このセリフに関しては、きちんと 8 が訳出されていて助かったのですね。(ありがとうございます)

そのジョーイのセリフを私なりに訳してみると、

「今回のキャロルとの別れは、ロスにこれまで起こった出来事の中で、最高の出来事なんだぞ! ロスは結婚した、その時、ロスは8歳くらいだったっけ? (現実の)世界によく戻ってきた! スプーンを掴めよ!」

ロスは大学を卒業してから結婚しているので「8歳で結婚した」ということはないのですが(笑)、そのくらい世間を知らない若い間に結婚してしまった、他のいろいろな女性のことを知らずに、「この人が僕のたった一人の人だ」と信じて結婚した、というニュアンスだと思います。
それが今回離婚することになって、再びフリーになった。
アイスクリームのフレイバーをいろいろ吟味して選べるように、今は素敵な女性を選べる立場になったんだぞ、という意味で、「(現実の)この世界にようこそ!」と言っているのですね。
そして、スプーンを掴んで、好きなフレイバーを選ぶように、女性を自分の目で選んでみろよ、と言っているのです。
いかにもプレイボーイのジョーイの言いそうなセリフです(笑)。

何故7歳でも9歳でもなく「8歳」なのか?は知りません。
ちょうど日本人だと小学校低学年(小2〜小3)くらいなので、日本人の言うところの「お前は小学生かっ!?」みたいなニュアンスなんだろうと思います。
「小学生」と言っても、高学年はもうかなり冷めていますし(笑)、小1だとまだ幼稚園児とさほど変わらない感じもします。
うちの息子はもうじき8歳になるのでよくわかるのですが(笑)、一応大人と対等に話は出来るけれども、まだまだ子供っぽい無邪気な部分を残していて、大人の現実を知らない「ガキんちょ、子供」みたいなことなんでしょう。

実は、フレンズの他のエピソードでも、「8歳」という表現が出てきます。
同じような「子供」というニュアンスで使われているようです。
1-1 よりも後になりますが、1-1 から順に解説を読んでいかれる方にとってネタバレにならない程度にセリフを引用します。(どちらも過去記事では触れていません。)

フレンズ1-5その5 辺りのセリフ。

ボブという男性を称賛しているモニカ。
モニカ: I've gotta tell you, Bob is terrific. (ねぇ、ボブって最高ね。)
アンジェラ: Yeah, isn't he? (えぇ、そうでしょ?)
モニカ: It's so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)

この部分はDVDの日本語でも「精神年齢が8歳以上の男」ときちんと訳出されていました。
つまり、「賢い人や面白い人はたまにはいるけど、そういう人は精神年齢が幼い、ってことが多いのよね。」とモニカは言いたいようです。(それってチャンドラーのことか?とか思ったりしますが…笑)
で、ボブは smart かつ funny であり、同時に精神年齢も大人である、大人の男性の魅力も持ち合わせている、という稀有な存在よ、そんな男性に会えるなんてすごいことだわ!とモニカは感動しているわけです。

また、フレンズ2-5 にも、8 という数字が出てきます。
フレンズ2-5その9 辺りのシーンです。

モニカが昔、ベビーシッターをしていた子供(スティーブ)と再会するシーン。
モニカ: Oh my god, little Stevie Fisher? How've you been? (まぁ、なんてこと。ちっちゃなスティービー・フィッシャーくん? 元気にしてた?)
スティーブ: Good, good, I'm a lawyer now. (えぇ、元気でしたよ。今は弁護士です。)
モニカ: You can't be a lawyer. You're 8. (弁護士であるはずがないわ。あなたは8歳の坊やだもの。)

最後のセリフで、自分がベビーシッターをしていた子供が今は弁護士になっていることにモニカは驚いています。
DVDの日本語では「うそ、8つだったのに。」となっていました。
そのニュアンスは「私がベビーシッターをしていた頃は、あなたは8歳だったわ。あんなに小さかった8歳のスティービー坊やが、今は弁護士だなんて信じられない。」ということですね。
そのように、日本語としては「8つ”だった”のに。」と過去形で表現するのが自然だと思います。

ところが実際の英語のセリフを見てみると、You're 8. となっています。
were の語尾も -re なのですが、
ロングマン現代英英辞典によると、
're = the short form of 'are'
なので、この場合はやはり、You were 8. ではなくて、You are 8. だと解釈すべきだと思います。
were と過去形である場合は、「過去」であることを示すのが重要なので、are と同じ表記になる 're という短縮形は使わない気がしますし。
ですから、モニカのセリフを英語に忠実に訳すと、「あなたは8歳だったのに。」ではなくて、「あなたは8歳なのに。」と現在の状態を言っていることになります。

このニュアンスを私なりに考えてみると…。
You can't be a lawyer. の can't は可能性を否定しているニュアンスで「…はずがない、あり得ない」みたいなことですね。

あなたは自分が弁護士だって言うけど、そんなはずない、そんなことありえない。
「だって、あなたは8歳なんだもの。」

みたいな感じでしょうか。
私の知っているスティービー坊やは8歳で、今、目の前にいる弁護士だと名乗る人は私の知ってるスティービーくんじゃない、「あなたは私の知っている頃から、すっかり変わってしまったのね。見違えたわ。」ということなのでしょう。

私の知っているスティービーくんは8歳よ、8歳のままなのよ、というのがその現在形のニュアンスなのかな、と思います。

また、モニカが彼のベビーシッターをしていた頃、スティーブは本当に8歳だったのかもしれませんが、とっさに当時の年齢を、それも他人の年齢をすぐにパッと思い出す、というのはちょっと不思議な感じがしますね。
ここでの「8歳」という年齢も、上の2つの例と同じように、「小さな子供」というニュアンスで使っているのではないかな、と私は思います。
世間の仕組みもよくわかっていなかった子供のあなたが、今は弁護士だなんて、という感じで、知的な大人の職業である弁護士との対比として、「8歳の子供」という表現を使ったのかな、と思ったりします。

ということで、「8歳」の話を長々としてしまいましたが、フレンズでは「小学生くらいの子供」の例えでは、やたらと「8歳」という年齢を使いたがる、という気がするので、今回はそれを追及してみました。
「8歳」と聞くと、ネイティブには何か共通したイメージが湧く、ということかな、と思うのですが、どうでしょう?
フレンズ以外でもやはり「8歳」という年齢を使うのかなぁ?


あ、それから、昨日の記事、フレンズ3-9その14 では、チャンドラーの仕事について触れて、「フレンズ1-1(パイロット版)でも、チャンドラーの仕事が数字がらみのものである、ということがわかるセリフがあります。」と書きました。
そのセリフを以下に紹介しておきます。

フレンズ1-1 で、これから仕事に出かけようとしているチャンドラーが、
チャンドラー: All right, kids, I gotta get to work. If I don't input those numbers,... it doesn't make much of a difference... (よーし、みんな。俺は仕事に行かなくちゃ。もし俺がそういう数字をインプットしなかったら…別に大した違いはないけどな。)

make a difference は「違いをもたらす」ということから、「影響を及ぼす、効果を生じる、重要である」という意味になりますね。
偉そうに「俺が数字を入力しなかったら、会社は動かないんだよ。たくさんの人が困るんだよ。」とでも言いたいところなんでしょうが、別に俺が数字を入力したところで、何も大きな違いは生まれないんだけどね、俺の仕事が会社にとってそんなに重要なわけでもないんだけどね。まぁ、とりあえず行ってきますわ、みたいな感じの、「拍子抜け」のオチになっているセリフです。


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2007年10月17日

大麻のいろんな呼び名 フレンズ1-15その7

一昨日の記事、フレンズ3-7その27 で、「マリファナ入りブラウニー」について解説しました。
今日はそれに関連して、フレンズ1-15 を解説します。
英語の原題は、The One With the Stoned Guy 「麻薬で酔っぱらった[ラリった]男の話」でした。
過去記事では、フレンズ1-15その6 辺りのシーンになります。

スティーブというレストランのオーナーがヘッドシェフを探していて、モニカの料理の腕を確かめるために、モニカの部屋に面接にやって来ます。
スティーブはフィービーのマッサージ店のお客さんなので、フィービーは一緒に車に乗って来たのですが、その途中、スティーブが車の中でマリファナを吸うところを見てしまったのですね。
それをレイチェルに必死に説明するシーンです。

レイチェル: What's up? (どうしたの?)
フィービー: [whispers] In the cab, on the way over, Steve blazed up a doobie. ([ささやき声で] タクシーの中で、ここに来る途中に、スティーブは、doobie に火を付けた[doobie を吸った]のよ。)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: Smoked a joint? You know, lit a bone? Weed? Hemp? Ganja? (joint を吸ったのよ。ほら、bone に火をつけたの。weed よ、hemp よ、ganja よ!)
レイチェル: OK, OK. I'm with you, Cheech. OK. (わかった、わかった。あなたの言っていることがわかったわ、チーチ。わかった。)

上に出てきた見慣れない英単語(doobie, joint, bone, weed, hemp, ganja)は全てマリファナを表す言葉ですね。
bone 以外は、英辞郎に全て「大麻、マリファナ、マリファナたばこ」などの意味で載っていました。
研究社 新英和中辞典にも、joint, weed, hemp はそういう意味だと書いてありました。

bone は Urban Dictonary に以下の語義が載っていました。
bone: 5) (n) A joint. "Smokin' bones in the staircase" -- Wu-Tang Clan (C.R.E.A.M. 1993).
つまり、bone = joint (マリファナたばこ)ということです。
ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)とは、NYをベースに活動するラップグループで、彼らの C.R.E.A.M. という曲に、"Smokin bones in the staircase" という歌詞が出てくるようですね。

weed は普通、「草、雑草」という意味ですが、日本語でも大麻のことを「ハッパ」という隠語で呼んだりしますので、その辺りの感覚は同じようです。
フレンズ3-7その27 でも触れましたが、cannabis という呼び名もありますね。

I'm with you. は、I agree with you. 「あなたに同感よ。」という意味で使うことが多いですが、今回の場合は、「あなたの話が理解できるわ、わかったわ。」みたいな感じでしょう。
「あなたと一緒にいる」→「あなたの話についていっている」というニュアンスですね。

最後のレイチェルのセリフの Cheech について調べてみました。
Urban Dictonary で調べてみると、以下の語義が見つかりました。
Cheech: Another name for weed, or to smoke weed. Named from Cheech Marin (from cheech and chong)
つまり、「weed(大麻)の別名、または大麻を吸うこと。Cheech & Chong の Cheech Marin から命名された。」

その由来となった Cheech & Chong というのはこちら。
Wikipedia 英語版: Cheech & Chong
上のウィキペディアによると、70年から80年代に人気のあった a comedy duo (お笑いコンビ?)だそうで、コメディ・アルバムを出したり、映画になったりもしたようです。
その当時の "hippie, free love and especially drug culture movements" をベースにしたお笑いだった、と書いてありますので、上でフィービーが言ったような麻薬がらみの言葉が彼らのネタには頻出するのでしょうね。

Urban Dictionary によると、cheech は「大麻」そのものも指すし、チーチという名前でもあるのですが、今回のセリフでは、名前を呼び掛け語のように使っているようです。
仮に、「大麻」という意味で使っていて、「わかったわ。チーチ、つまり大麻のことね。」と言っているのだとすると、
"I'm with you. Cheech." とピリオドになるか、
"I'm with you. That's cheech." みたいになるでしょうか?
上のセリフは、DVD英語字幕も、ネットスクリプトも、"I'm with you, Cheech." と Cheech の前はコンマで区切られていて、コンマの後に大文字になっているから固有名詞だ、と考えられるわけです。
実際のレイチェルの言い方も、you と Cheech が繋がっている感じで発音されています。
ピリオドだったら、そこに一呼吸、間(ま)があくはずなので、やはり呼び掛け語の人名として使っているのだと思えます。

ですからここでは、「そんなに隠語をたくさん出して詳しく説明してくれてありがとう、チーチ。よくわかったわ。」みたいな感じで、フィービーをチーチと呼んでいるのでしょうね。


(今日のポイント)
・今回はマリファナの隠語がたくさん出てきましたが、このフィービーの言い方から、それが全てマリファナを指す言葉であることは想像できますね。
私は確認のため、本当にそういう意味があるのかどうか裏を取ってみましたが、実際はそこまでする必要はないでしょう。
こんなにたくさんの表現があるんだなぁ、とどこかに心に留めておけば、また別の映画などで出てきた時に、「今回はこれを使っているな。」と楽しめる…そんな感じかな、と思います。
でも、調べてみると、Cheech が人名だった、というサブカルネタが楽しめたりもしますので(笑)、裏を取る作業も無駄ではないと思うのですが…。


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posted by Rach at 11:29| Comment(0) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月07日

head=be headed フレンズ1-1その7

昨日の、「DVD学習法の最終段階で英語字幕をどのように調べるか」という話の続きです。
今、例として取り上げているセリフは、フレンズ1-1 の、
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)
です。
今日は、動詞 head に関する話です。

普通は、head という自動詞として使うと、head for で「…へ向かう、行く、進む」という意味になります。
Where are you heading for? だと「どこへ行くつもりですか?」になります。
上のセリフでは、それが be headed for、つまり、「be動詞+過去分詞」という「受身形」で書かれています。
この head は他動詞で、「head+目的語+for」で、「(目的語)を…へ向ける、進める」という意味です。
そういう他動詞の意味があるために、be headed for でも「…の方向へ向かう」という意味になるのですね。

実際、英辞郎で調べると、
be headed for=〜に向かって進む
(例) Where are you headed for? 「どこ行くの?」

と載っています。

つまり、What are you heading for? という現在進行形でも、What are you headed for? という受動態でも、言っている内容はほぼ同じ、ということになるのですね。

ロングマン現代英英辞典でも、head を調べると、
head [verb]:
1. GO TOWARDS
also be headed
to go or travel towards a particular place, especially in a deliberate way

つまり、「ある特定の場所に向かって行く、または旅行する。特に計画的な方法で。」

ロングマンに also be headed と書いてあるのは、この意味の head という動詞は、be headed とも表現できる、つまり、head = be headed だということを表しています。

実際に他人から見た状況では、be heading for でも、be headed for でも、「その主語がどこかに向かっている」という様子を表していることになりますね。
だから、同じような意味で使われることが可能だ、ということなんでしょう。
ロングマンに head = go towards = be headed と書いてあるところを見ると、今はもう、head = be headed として成立していて、そこに元々あった「受身」の意味はほとんどなくなっている、be headed は「何かに向かっている」という状態を示す言葉として、head と同じように使われる、ということのようです。
つまり、be+headed 「…に向かっている(形容詞)という状態」ということですね。
head の過去分詞形 headed が形容詞化した、ということになるのだと思います。

ちょっと余談であり、私見ですが、言葉の成り立ちから厳密に考えると、be heading for (または head for)と be headed for には微妙な意味の違いがあるのかもしれません。
be heading for という自動詞は、主語が自ら意思を持って進んでいる感じがする、そして、be headed for という他動詞は、誰かの指示に任せて「どこかへ向かうという流れの中に乗っている」という状態を表している感じがする、ということでしょうか?(←あくまで私の感覚に過ぎませんが…)
上のセリフの場合も、恐らく、レイチェルが積極的にアルバ島に向かっていた、というよりも、新婚旅行としてアルバ島に向かう、というスケジュールに則って、そこへ向かっているはずだった、みたいな感じがどこかに含まれているのかもしれない、とも思います。

今日は head という動詞について細かく見てみたのですが、私は動詞が自動詞か他動詞かを判別することが大切だ、と言いたかったわけですね。
ただ、実際にフレンズを初見で見た時に、そこまで気が回るかというと、実際はそんな細かいところにまでは目が行かないでしょう。
私もフレンズ1-1 の解説を見ると、be supposed to については触れていますが、head については説明してありません。
2年前の私は、その be headed for というフレーズに「ひっかからずにスルーしてしまった」ということです。
誰かに「head には進む、という自動詞の意味があるのに、どうしてここはわざわざ過去分詞形を使った受動態になっているのですか?」と尋ねられて初めて、「そう言えばそうやなぁ〜」と思って改めて調べてみる、という程度でしょうね。

ですから、そこを見過ごしたからと言って自分を責める必要もありません。
学習していくうちに、そういうことに気付く時もいずれ来るだろう、と思いながら学習を続けていったらいいのだと思いますね。

どうして、ここが be headed for なんだろう?と思うのが一つ目の段階です。
そこに気付くのがまず一つ目のポイントで、それを調べてみて何か掴めたらそれで万々歳ですし、わからなければ、「どうしてここは headed と過去分詞が使われているの?」とメモするだけでもいい。
どこかでまた、be headed という表現に再びぶつかる時がきっと来るからです。
または誰かがチラっとそういうことを説明しているのを、本を読んだり、他のブログで知ったりして、「あぁ、あれはそういうことだったのか!」とわかればいい、ということですね。

まず日本人は head というと、「ヘッド、頭」という意味が思い浮かびますね。
それが、ここでは「進むという意味の動詞だ」と気付くことで、まずはカタカナ英語から脱却したことになります。
さらに、そこからもう一歩進んで、「これは自動詞か他動詞か? be headed という形になっているから他動詞だ。その他動詞が形容詞化した形で be headed でも進むという意味になるんだ!」と理解することが、「深く理解する」ということなのかなぁ、と。
そんな細かい話どうでもいい、という方がおられるのは承知の上ですが、そういう部分に「日本語訳を超越した英語の感覚、スピリット」のようなものを感じるのです。

そういう「深い理解」を、初見で全てクリアしようと思うのは無理な話だと思います。
だから、「今の自分が気付くこと、ひっかかったこと」だけを取りあえず調べてみればいいと思っているのです。

まずはわからない単語を調べることから始めればいいのです。
私もそうしてやってきました。
そして、わからないことは「わからない」とメモしておきました。
その「わからない」と思っていたことが少しずつわかっていく、ということが「英語力が伸びる」ということなのだと思います。

最初から全てがわかる人などいないでしょう。
どんな英語の達人の方々でも、そうやって、自分のわからない部分を一つ一つクリアしてこられたんだと思います。
何かを深く学ぶ、ということは、わかることが増えていく、と同時に、今まで気付かないことに気付くようになる、ということでしょうね。


(今日のポイント)
・自動詞として使っているか、他動詞として使っているか、の違いは重要です。
日本語の訳語にばかり注目していると、「そんなのどっちでもいいじゃん」ということになりかねないのですが、英語では動詞が文のキモであり、それが自動詞であるか他動詞であるかで文の構造が根本的に違ってきます。
英語を英語のまま理解するには、自動詞・他動詞の違いに敏感にならないといけないと私は思っています。


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posted by Rach at 17:33| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月06日

文の要素の機能とニュアンスを知る フレンズ1-1その6

Rach流DVD学習法に関する記事 私は英和辞典をこう使った のコメント欄 で、フレンズ1-1 に出てきた、I was supposed to be headed for Aruba on my honeymoon. というセリフについて触れました。
そのセリフは、フレンズ1-1その1 で簡単に説明していますが、今見ると説明し足りないと思う部分がたくさんあります。
このセリフを例に取って、DVD学習法の最終段階で、
「どんな風に英語のセリフを”調べる”か?」
について具体的に説明してみたいと思います。

このシーンはネットスクリプトでは以下のようなやり取りになっています。
ロス: So Rachel, what're you, uh... what're you up to tonight? (それで、レイチェル、君は…君は今夜、何か予定があるの?)
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)

セリフを解釈するには、そのセリフの中にある、アルバ島、ハネムーン、という「情報」は確かに大切なのですが、その情報が聞き取れたこと、読み取れたことで安心してはいけません。
特に、DVD学習法の場合は、最後の段階で英語字幕を確認する前に、日本語音声・字幕による情報が頭に入っていますから、アルバ島、ハネムーン、という単語を英語で確認すると、「あぁ、日本語と合ってる!」と安心してしまいがちです。

しかし、このセリフで一番学ぶべき部分は、be supposed to というフレーズのニュアンスと使い方です。
つまり、「どういう状況、どういう心情の時に使うか」「それにはどういうニュアンスがあって、それを使うことでどういう効果が生まれるか」ということです。
そのニュアンスを深く理解して初めて、自分で使えるまでになるのです。

よく、「読めるけど、または意味はわかるけど、自分では使えない単語・表現」というのがありますね。
それは、「使えるほどには”深く”理解できていない」ということなのです。
「日本語ではこういう意味」という「置き換え」の意味は知っていても、その表現の「機能」と「ニュアンス」がわかっていないと、自分では使えないと思うのです。

過去記事、英語字幕をリーディングする で、私は、英語を解釈する段階では、「意味が取れればいい」と説明しました。
それは、「訳す」としてしまうと、「日本語に訳す」という意味に捉えられてしまうからです。
日本語に訳す必要は全くありません。むしろ、「訳していてはいけない」のです。
英語を英語のまま理解する場合に、「意味の通る自然で美しい日本語に変換する」必要はないからです。
それは通訳・翻訳の仕事をされている方には必要なことですが、英語を英語のままで理解するのに、日本語をワンクッション挟むことは、タイムラグを生じさせるだけです。

その「意味が取れる」という意味は、英語字幕を見て、「だいたいこんなことを言っている」という大意を掴む、という意味でもありません。
I / was supposed to / be headed for Aruba / on my honeymoon.
という文のそれぞれの「要素」の意味を掴む、それぞれの要素がどういう意味を持ち、どういう機能を持ち、どういうニュアンスを出しているかを掴む、ということです。
わざわざ be supposed to を使っているのには、それを使って出したいニュアンスがあるのです。
どうしてここで be supposed to を使っているのかがわからなければ、自分でその言葉を使えるようにはなりませんよね。
それがどういうニュアンスであるかを、様々な情報から掴んでみよう、というのがDVD学習法の目的です。

要素、ということで、まずは、DVD英語字幕では省略されていますが、実際の音声にはある、kinda から見てみましょう。
kinda というのは、「…みたいに、みたいな」と「ちょっとはぐらかす」表現ですね。
フレンズにはしょっちゅう出てきます。
kinda はその日本語の意味を覚えるよりも、「はぐらかすために、断定を避けるために使うものだ」という「機能」を覚えるべきです。
その方が、いろんなセリフに出てきた時に応用が利くからです。
「日本語訳」を覚えていると、その日本語訳を「あてはめよう」としてしまって、却ってそのニュアンスがわからなくなってしまうのです。
ここでは、ハネムーンの予定が変わったことを説明するのが恥ずかしい、という気持ちがあるために、はっきり言いたくない、だから、はぐらかす表現を使っているのですね。

be supposed to について。
辞書で調べると、is supposed to と現在形の場合は、「…することになっている」と出ています。
「…するはずだ、…するのが決まりだ、…する予定だ」みたいな感じですね。
上のセリフでは過去形で、was supposed to ですから「…することになっていた」。
過去形で表現されていることで、「…することになっていたけれど、(レイチェルが結婚式を逃げ出したことで)その予定が変わってしまった。」ということまでが示唆されているのですね。
ですから、日本語っぽく訳すと、「アルバ島に向かっている”はずだったんだけど”…」と、逆接が続くみたいになるでしょうか。
ですから、「でもロスも知ってる通り、私は結婚式を逃げ出して、その予定が変わったから。」という理由をわざわざ付け加える必要はないのです。
was supposed to と過去形で表現することで、「その予定が変わってしまった」ことがわかるからです。
だから、その後すぐに、「だから、(予定は)何もないわ。」と繋がるのですね。

そして、be headed for という表現が実は説明が結構難しい。
この部分は、私は過去記事でも説明を飛ばしていました。
ですから、初見で気付かなくても問題はないと思うのですが、堀り下げ甲斐のある話でもあります。
それは明日にします。


(今日のポイント)
・何かを調べる時、どうしても難しい単語、知らない単語に目が行きがちですね。
でも、「使える英語」を身に付けようと思うなら、そのセリフで「何らかのニュアンスを醸し出している部分」に注目すべきです。
そのニュアンスを学んでいくことで、自分の使う英語にもいろいろなニュアンスが出せるようになるのだと思います。


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2007年05月14日

うっかり壊してしまう フレンズ1-1その5

妻が浮気して家を出て行った、という辛い状況をどうやって乗り切ったのか?と聞かれて、
ポール: Well, you might try accidentally breaking something valuable of hers, say her- (そうだな。妻の持ち物で価値のあるものを「ついうっかり」 break してみてもいいかも。例えば彼女の…)
モニカ: -leg? (脚を break するの?)
ポール: (LAUGHING) That's one way! Me, I- I went for the watch. ([笑いながら]それも一つのやり方だね! 僕の場合は…僕は腕時計にトライしてみたよ。)
モニカ: You actually broke her watch? (実際に彼女の腕時計を壊したの?)

try accidentally breaking でここで accidentally が使われているわけですが、try breaking、つまり、try ...ing 形になっていることにも注目してみましょう。
壊そうとする(try to break)のではなく、実際に壊してみる(try breaking)のです。
フレンズ2-10その9 でも、try to kill (未遂)と try killing (既遂)の差について語っています。

accidentally は「偶然に、ついうっかり」。
フレンズ3-3その14 の説明とカブりますが、再度その意味を確認しておきます。
ロングマン現代英英辞典の、形容詞 accidental の語義は、
accidental: happening without being planned or intended
つまり、「計画・意図されることなく、起こる」。
「そんなつもりはないのに」という感じです。

上のセリフでは、「偶然に」というのを意味ありげに使っていて、本当は「偶然を装った風にして」という意味ですね。
わざと壊したんじゃないんだ、偶然何かが当たって…などと言い訳するためでしょう。
実際に、accidentally on purpose 「偶然のように見せて[偶然を装って]その実、故意に」というフレーズも存在しますが、ここではポールはあえて、accidentally だけで止めているわけです。

breaking something valuable of hers と言ったところ、モニカが break her leg? と尋ねるのがおかしいです。
break には「…の骨を折る」という意味もあり、break her leg なら「彼女の脚(の骨)を折る」ということです。
さすがにそこまではしないよ、という意味で彼は笑っているのですね。
日本語では、時計を「壊す」、骨を「折る」、と違う動詞を使いますので、しっくり来ませんが、英語ではどちらも break なので、すんなり続くジョークになるわけです。

go for は「…に向かって進む、…を求める」で、「…を試みる、試してみる、やってみる」という意味になります。
actually を使って、「本当に、実際に」それを実行に移したのか?とモニカはびっくりしているようです。
時計で驚いているところを見ると、やはり「脚を骨折」の話は冗談だったのね(笑)。

このやり取りの後、モニカとポールは一夜を共にするのですが、このように妻に捨てられた話をして同情させて…という同じ方法で、モニカの同僚の女性とも寝ていたことが後に判明します。

このエピソードの最後で、自分の部屋にポールの時計が落ちているのをモニカが発見する、というシーンがあります。
レイチェル: Hey Mon, look what I just found on the floor. (MON SMILES) What? (ねぇ、モニカ。見て、今、床でこれを見つけたの。[モニカは微笑む] 何?)
モニカ: That's Paul's watch. You just put it back where you found it. Oh boy. Alright. Goodnight, everybody. (STOMPS ON PAUL'S WATCH AND GOES TO HER ROOM) (それはポールの腕時計よ。見つけたところに戻しておいてくれたらいいわ。あぁ、それでいいわ。おやすみ、みんな。)
と言いながら、ポールの腕時計を思いっきり足で踏みつけてから自分の部屋に行く。

このラストで、ポールが話した、例の「時計を accidentally に壊す話」が生きてくるのですね。
妻が浮気をして出て行った辛さを乗り切るために「妻の腕時計を壊した」ポールでしたが、今度は、ポールに騙されて寝てしまったという悔しさをモニカは「ポールの腕時計を壊す」ことで晴らそうとしているのです。
その壊し方も、壁に投げつけて壊す、とかじゃなくて、元々落ちていた場所に戻しておいてから、通りすがりに踏む、のが accidentally なわけですね。
ポール、または別の誰かに事情を説明する時に、「わざと壊したんじゃなくて、落ちてたから間違って踏んづけちゃった」という「アクシデント」なんだ、と言い訳できるということです。
accidentally、つまり「わざとじゃない」ならば、責任は少し軽くなる…というのをわかっていて、二人ともそうやって憂さ晴らしをした、というお話なのでした。

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posted by Rach at 09:47| Comment(0) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月13日

きれいな歯 アリー3-17+フレンズ1-1その4

昨日の記事 フレンズ1-1その3 で、"how clean can teeth get?" というセリフを取り上げて、「クリーンな歯」について、私なりの解釈を書いたのですが、その記事でコメントをいただいて、昨日の私の解釈がどこかピント外れであることに気付きました。(ごめんなさい。)
今日は、accidentally について語る予定だったのですが、この clean teeth について、もう一度説明し直したいと思います。

昨日の記事では、clean とは「真っ白のきれいな歯」を指すのだ、のような話の展開になっています。
それで、その浮気相手の歯医者さんというのは、「(ホワイトニングや歯並びの矯正をしてくれるような)審美歯科の歯医者さんかな?」と思ったのです。
また、場合によっては「虫歯がない歯」を指すのかもしれない…とも書いていますが、それについては、やっぱり違う気がします。

では、clean teeth とは何かと言うと、「汚れていない清潔な歯」のことですね。
昨日は最初に clean の日本語訳として、「きれいな、汚れていない、清潔な、清浄な、病菌のない」と自分で書いておきながら、書いているうちに、「清潔」ではなくて「”見た目が”美しい」方向に話が行ってしまっていました。
食後に歯を磨いてきれいにした歯、そういうのが clean teeth だということですね。
まぁ、歯を磨くと「ツルツルでピカピカの歯」にはなりますから、全くの外れということでもない、と言うことは可能かもしれませんが…(笑)。

言い訳がましいですが、どうして「見た目が美しい白くてピカピカした歯」みたいなイメージを持ってしまったかというと、(ちょっとネタバレになって申し訳ないのですが)フレンズ6-8 で、ある人が歯を漂白する(whiten his/her teeth)というエピソードが出てきます。
その歯のイメージと、それから、アメリカから帰ってきた新庄選手が、すごく真っ白な歯をしていて、せっかくアメリカに行ったんだからと、歯をきれいにするのに思いっきりお金をかけた、みたいな話をしていたのを聞いて、アメリカでは歯の矯正も含めて、「歯の”見た目の”美しさ」に非常にこだわる国民性があるんだ、という先入観があったんですよ。

ですから、その浮気していた奥さんが、歯を美しく見せようとして歯医者さんに通いだした、ということだと思っていたのですが、クリーンな歯にする、まさに歯をクリーニング(cleaning)するわけで、歯をきれいに掃除して、歯垢(しこう)や歯石(しせき)を取り除いて清潔に保つ、ということなんですね。
コメント欄で「歯をクリーニング」という言葉を見て初めて、あぁそうか!とやっと気がついたのです。(←遅すぎ!)

そして「歯のクリーニング」という言葉を見て、思い出したことがありました。
アリー my Love で歯のクリーニングをしているシーンを見たことがあったのです。

アリー my Love(Ally McBeal)シーズン3第17話 「悲しみを乗り越えて」(原題:I Will Survive)。
これはアリーをご覧の方はご存知だと思うのですが、アリーの中でもっとも悲しくて衝撃的なエピソードの次の回に当たります。

アリーの事務所に新しい弁護士マーク・アルバートがやってくる。
ある理由から(←いちおう伏せておきます)アリーはマークのことが気に入らない。
アリーが彼の部屋を訪ねると、歯医者さんに置いてあるような椅子の上で、マークが歯科衛生士に歯をクリーニングしてもらっている。
驚くアリーに、
マーク: I get my teeth cleaned three times a week. Having the chair just saves time. I let the hygienist make house calls.
(僕は週に3回、歯をクリーニングしてもらってるんだ。その(歯医者にあるような)椅子を自分で持っていたら時間の節約になるんだよ。(歯科)衛生士に往診してもらってる。)
アリー: Three times a week? (1週間に3回も?)
マーク: It's the little things that win trials, Ally. Fresh breath, clean teeth. (小さなことが裁判の勝敗を分けるんだよ、アリー。さわやかな息、きれいな歯。)
アリー: What planet are you from? (あなたはどこの惑星の出身なの?)
マーク: Cute. Every lawyer has his way. This just works for me. (気の利いたことを言うねぇ。どの弁護士にもそれぞれのやり方ってもんがある。僕にはこれが効果があるんだ。)
アリー: Fresh breath and clean teeth, it's, it's how you... (さわやかな息ときれいな歯。それがあなたの…)
マーク: Are you gonna cut me any slack? (僕に理解を示すつもりなの?)
アリー: I came in to cut you slack... and I found you in a dentist chair. You're a nut. (理解を示そうとやって来たの。そしたら、あなたは歯医者さんの椅子に座ってた。あなたは変わり者だわ。)

週に3回も、なので、いちいち歯医者に通っていたら時間ばかりかかるから、自前で椅子を用意して、衛生士に事務所まで来てもらっている、ということですね。
マークのセリフに、まさに clean teeth という言葉が出てきます。
cut someone (any/some) slack という表現が出ていますが、フレンズ2-8その13 にも出てきました。
cut someone some slack は「人を勘弁してやる、人に理解を示す」という意味。
アリーのDVDでの日本語訳は「歩み寄る」になっていましたが、この場合は、その訳がぴったりですね。
アリーの方が一方的に嫌っていたのですが、少しは話をしてみよう、と思って自分からやってきたわけなので。

でも、自分の部屋に歯医者さんのような設備を揃えてクリーニングを受けている姿を見て、やっぱり相容れない人だと悟るわけですね。
マークが週に3回クリーニングしてると聞いて、アリーはかなり驚いていますが、ポールの奥さんは週に4、5回なわけですから、それがどれほど尋常ではない頻度であったか、というのがわかりますね。

nut は「変わり者」という意味です。
フレンズでは、形容詞 nuts の形で、フレンズ3-1その15 に出てきました。

その後のシーンで、マークはクイーンの We Will Rock You に合わせて鏡に向かって歯をキラッと見せているシーンもありました。
これが、彼の Pre-trial anthem 「裁判前の聖歌」であり、a theme song 「テーマソング」だと言っていましたね。

こんな風に、マークは「きれいな歯にこだわる人」というキャラ設定なわけですが、アリー my Love では他にも歯の衛生にこだわっている人がいました。
アリー my Loveシーズン1第2話「愛は妥協から」(原題:Compromising Positions)。

アリーを初めて見たボイル判事(かなりの高齢者)はビリーに尋ねます。
ボイル判事: Uh huh. Is she a good lawyer? (ほほう。その女性は良い弁護士かね?)
ビリー: Very. (非常に優秀です。)
ボイル判事: Let me see your teeth. (私に君の歯を見せなさい。)
アリー: I, I beg your pardon? (何とおっしゃいました?)
ボイル判事: Hygiene is important to this court. Show me your teeth. ((歯の)衛生はこの法廷では大切なことなんだ。君の歯を見せなさい。)
見せなきゃいけないの?という顔をするアリーに、ビリーはしょうがないんだよ見せないと…みたいな顔をする。
いやいや口を開けて歯を見せるアリー。

この愛嬌のあるおじいちゃんは、dental hygiene(歯科衛生)に大変こだわりのある人で、これ以降も度々歯の話を持ち出します。
ファンの間では有名なサブキャラクターですよね。

このボイル判事を演じるフィル・リーズ(Phil Leeds)はフレンズにゲスト出演したことがあります。
フレンズ2-11その8 で、ちょこっとそのことについて触れています。

上に挙げたアリーの二つのシーン、どちらも強烈でよ〜く覚えていたにも関わらず、どうして、昨日は clean teeth と聞いて、これを思い出さなかったのか、我ながら不思議です。
アリーではこんな風にやけに歯の衛生にこだわる人が出てくるのに、フレンズではあまりそんな人はいなかったような…。
バリーが歯医者さんの割には、それ以外でデンタルフロスを使っているところもあまり見ないような気がします。

…ということで、自分の昨日の説明が首尾一貫していなくて恥ずかしいので、言い訳がましく説明し直してみました。
説明がコロコロ変わってごめんなさい。

明日こそ、accidentally について説明します、hopefully.

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2007年05月12日

歯医者にせっせと通う妻 フレンズ1-1その3

昨日の記事、フレンズ3-3その14 で、accidentally という単語が出てきました。
フレンズの記念すべき第一話 フレンズ1-1(パイロット版)でも、accidentally という言葉が効果的に使われているシーンがあったので、今日は、その部分をを解説してみたいと思います。(長くなったので、2日に分けます。肝心の accidentally が出てくるのは明日になります…笑)

(CUT TO MONICA AND PAUL EATING IN A RESTAURANT)
モニカはポールという男性とレストランで食事をしています。
ポールには離婚歴があり、その妻が浮気をしていた時のことを話しています。
モニカ: Oh my God! (まぁ、なんてこと!)
ポール: I know, I know, I'm such an idiot. I guess I should have caught on when she started going to the dentist four and five times a week. I mean, how clean can teeth get? (そうなんだよ。僕は何てバカなんだ。妻が1週間に4、5回も歯医者に通い始めた時に、気付くべきだったんだろうね。ほら、(そんなに通ったら)歯がきれいになりすぎちゃうだろ?)
モニカ: My brother's going through that right now, he's such a mess. How did you get through it? (私の兄も、今まさにそういうことを経験しているところなの。兄は本当にボロボロよ。あなたはどうやってそれを乗り切ったの?)

idiot は「ばか、まぬけ」。
自分自身に対して「僕は何てバカなんだ。」と嘆く時に、よくこの "I'm such an idiot." を使いますね。
catch on は「わかる、理解する、…の意味を悟る」。
2日前の記事、フレンズ3-3その13 にも出てきました。

I should have caught on は should+have+過去分詞形で、「…すべきだったのに(実際はしなかった)」ということ。
ポールの奥さんが歯医者さんに毎日のように通っていたとのこと、つまり浮気相手が歯医者さんなのですが、普通はただの治療でそんなに頻繁に通うはずないのに、ということですね。

clean は「きれいな、汚れていない、清潔な、清浄な、病菌のない」。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
clean:
1 a : free from dirt or pollution
b : free from contamination or disease

a は「汚れや汚染がない」、b は「汚染や病気がない」ということです。
日本語で「クリーンな歯」というと、真っ白のきれいな歯、というイメージが浮かびますが、辞書の語義を見ると、Her teeth are clean. という場合、ただ単に歯の見た目がきれいなことを指すだけではなく、虫歯がない、ということも指すのかもしれません(←このへんは、よくわかりません)。

「きれい」だと解釈して、how clean can teeth get? を直訳すると、「歯がどれほどきれいになることができるか?」という感じで、反語的な表現です。
ちょっと下品な大阪弁で言うと、「そんなに毎日のように歯医者に通ってたら、どんだけ歯がきれいになるっちゅーねん! きれいになりすぎてピカピカ光ってもうて、口開いたらまぶしすぎるで!」みたいな感じでしょうか?
この場合は、相手が審美歯科・美容歯科のような歯医者さん、ということですね。
レイチェルの元婚約者バリーは、orthodontist (歯科[列]矯正医)なので、同じグループに入るのでしょうか?

「病原菌のない」→「虫歯のない」と解釈すると、美容系ではない、虫歯を治療するタイプの歯医者さんだとも考えられます。
それだと「歯がどんだけ無菌状態になるっちゅーねん?」みたいな感じですが、やっぱり「虫歯」の場合は clean という漠然とした単語ではなく、もっとはっきりと「虫歯」であることを示唆するようにも思えますね。
例えば、「そんなに治療に時間がかかるなんて、一体どれだけの虫歯があったんだよ?」という感じで、"How many cavities did she have?" とでもなったのかなぁ?(←このへんもよくわかりません)

モニカのセリフの go through と get through の違いについて。
1週間ほど前に、フレンズ3-3その9 のコメント欄 でご指摘いただいたばかりなのですが、この二つにはニュアンスの違いがありますね。

ロングマン現代英英辞典によると、
go through something: to experience a difficult or unpleasant situation, feeling etc
つまり、「困難な、または不愉快な状況、感情などを経験すること」

get through something: to come successfully to the end of an unpleasant experience or period of time
つまり、「不愉快な経験や時期の終わりに、うまく[首尾よく]到達すること」

go の場合はただ単に「経験している」だけですが、get を使うと、successfully に end に到達する、つまりその困難を「乗り切る、切り抜ける」というニュアンスになるわけですね。

明日、accidentally について解説します。

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posted by Rach at 09:29| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月17日

フレンズ1-6その6

一昨日の記事、チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29 で、フレンズ1-6 のセリフについて触れたので、この機会に、1-6 のその部分の追加解説をしたいと思います。
今日の記事では一つ、「気になる点」があります。
それ以外の部分はおまけなので、そこだけ読みたいという方は、「気になる点はこちら」までワープして下さい(笑)。

一昨日の記事では、"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" が「チャンドラーの口癖、彼らしい言い回し」だということについて説明しました。
今日、取り上げる 1-6 には、それとよく似たバージョンのセリフ、"could she be more out of my league?" が出てきます。
any more ではなく、「ただの more 」(笑)なのですが、物真似と同じように、be を強調気味に発音しています。
恐らく、このセリフが、後のエピソードで真似をされることになる言い回しの”原型”だと思うんですよ。

過去記事では、フレンズ1-6その1 に当たる部分で、その過去記事でもセリフを一部取り上げています。

ジョーイのお芝居を見に行って、ものすごい美女を見たチャンドラー。
チャンドラー: She's amazing! She makes the women that I dream about look like short, fat, bald men! (彼女は素晴らしいよ! 彼女と比べると、今まで夢見てきた女が、チビで太ってはげたおっさんに見えるよ。)
モニカ: Well, go over to her! She's not with anyone. (それなら、彼女にアプローチしてみたら。誰か(男性)と一緒にいるわけじゃないし。)
チャンドラー: Oh yeah, and what would my opening line be? "Excuse me. Blarrglarrghh." (あぁ、そうだね。最初にかける言葉は何? 「すみません。うわわわわ。」)
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ねぇ、大丈夫よ。彼女だって人間よ。あなたならできるわよ。)
チャンドラー: Oh please, could she be more out of my league? Ross, back me up here. (あぁ、お願いだから(そんなこと言うの)やめてくれよ。彼女は、俺にとって史上最高の高嶺の花だよ。 ロス、何とか言ってくれよ。)
ロス: He could never get a woman like that in a million years. (チャンドラーには、あんな女は100万年たってもゲットできないね。)
チャンドラー: Thank you, buddy. (ありがとう、友よ。)
フィービー: Oh, oh, but y'know, you always see these really beautiful women with these really nothing guys, you could be one of those guys. (でも、ほら、こういうすっごくきれいな女性が、全くつまらない男といるところをよく見るわよ。あなたなら、その男になれるかも。)
そう言われて、「なるほど。そういうことなら俺にも可能性があるかも?」みたいな顔をするチャンドラー。
他のフレンズたちも「フィービーの意見は正しい」と頷きます。
モニカ: You could do that! (それならできるかも。)
チャンドラー: Y'think? (そう思う?)
みんな: Yeah! (うん、思う。)
チャンドラー: Oh God, I can't believe I'm even considering this... I'm very very aware of my tongue... (なんてこった、声を掛けようと思ってることさえ信じられないよ。舌を意識しすぎちゃうよ…)
ロス: C'mon! C'mon! (頑張れ、頑張れ!)
チャンドラー: Here goes. (よし、行くぞ!)

彼女のところへ言って声を掛けたら?と提案されるのですが、what would my opening line be? "Excuse me. Blarrglarrghh." と言っています。
line は「セリフ」。
フレンズではこの意味で何度も出てきます。
opening というのは、open a conversation 「会話・話を始める」という意味の open ですから、opening line は「話の口火を切るためのセリフ、導入のセリフ」という感じになります。
フレンズ1-22その6 に、opener という単語も出てきましたが、それも「最初の話を切り出すもの」という意味ですね。
Blarrglarrghh 「バラグラガ…」と何だかよくわからないセリフを言っていますが(笑)、緊張してうまく舌が回らなくて噛んじゃった、みたいな感じですね。
声がドナルドダックみたい(笑)。

She's a person. は「彼女は一人の人間よ。」
いくらきれいだって言ったって、女神様ってことはなくて同じ人間でしょ、そんなに緊張することないわよ、という意味で言っているのですね。
日本語でもそんな風に「彼女も人間だ。」などと言って、いくら完璧な人でも何かしらの欠点があることを示唆したりしますよね。

You can do it! は「あなたならできるわ。」
フレンズ2-17その18 でも書いていますが、発音に注意。
「できるわ。」と言う場合は、do にアクセントを置きます。
逆に You can't do it! 「あなたにはできないわよ!」という場合は、can't という否定語「できない」にアクセントを置きますね。

そんな風に励まされて、逆にチャンドラーは「何と言っても、無理なものは無理なんだよ。俺を説得しようとするのはやめてくれよ。」という意味で Oh please. と言っているようです。
そのような please のニュアンスは、フレンズ1-5その3 で説明しています。

今日のメインテーマ、「気になる点はこちら」
out of one'e league は、フレンズ1-8その5 にも出てきますが、「高嶺の花」という意味。
league はメジャーリーグという言葉からわかる通り、「同盟、連盟」という意味ですが、そこから、「(同質の)グループ、仲間、部類」という意味にもなります。
ですから、「同じ部類には属さない」ということで、「手の届かない人、住む世界の違う人」みたいな感じの「高嶺の花」という意味になるのですね。
ロングマン現代英英辞典では、
be out of your league: to not be skilled or experienced enough to do or deal with something
つまり、「何かをするのに、または扱うのに十分なほど熟練していない、または経験がないこと」。
また、それと同じような not be in the same league という表現もあります。
同じくロングマンでは、
not be in the same league (as somebody/something)
also be in a different league (from somebody/something)
: to be not nearly as good or important as someone or something else
例) They're not in the same league as the French at making wine.

訳すと、「誰かや何かとほとんど同じくらい上手または重要ではないこと」。
つまり「…ほどの腕前ではない」という意味です。
例文は、「彼らはワイン作りに関してはフランス人ほどの腕前ではない。」という意味になります。

could she be more out of my league? は She could be more out of my league. の疑問形ですから、直訳すると、「彼女は俺にとって、これ以上高嶺の花になることは可能だろうか?」という意味になります。
これは反語的表現で、「可能だろうか? いや、そんなことはあり得ない、不可能だ」と言いたい、つまり「彼女が俺にとっては、史上最高の高嶺の花だ。」と言っているわけですね。
もし more がなくて、Could she be out of my league? ならば、「彼女が俺にとって高嶺の花だという可能性があるか? 必ずしも高嶺の花だとは言えない。」という意味になると思うのですが、more が入ってるために「それ以上…である可能性があるか? (いや)もうそれ以上…である可能性はない、これが最高だ。」という意味になると思います。

なぜここをしつこく解説しているかと言うと、この部分はDVDの日本語では以下のように訳されていて、少しニュアンスが異なるんですよね。
日本語訳は、(DVD日本語字幕/DVD日本語吹替)の順に書いています。
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ビビることないわ/ビビることないじゃん。行って来なさいよ。)
チャンドラー: Oh please, could she be more out of my league? Ross, back me up here. (落とせないとでも? ロス 言ってやれ/ビビるかよ。俺が落とせないとでも思うのか? ロス 言ってやってくれよ。)
ロス: He could never get a woman like that in a million years. (絶対に落とせないね/100万年たっても彼女は落とせないだろうね。)
チャンドラー: Thank you, buddy. (ありがと/ありがとね。)

この訳だと、「彼女は高嶺の花だって言うのか? そんなことはない。俺だって頑張れば落とせるよ。」と高嶺の花であることを否定しているニュアンスになりますよね。
つまり、私の上の解釈とは正反対のことを言っていることになります。

DVDの日本語訳がこうなっているのは、そのように訳したら、それはそれでまた「別のジョークとして成立する」し、その方が話の流れがシンプルでわかりやすいからなんだろうなぁ、と思います。
この日本語の場合だと、レイチェルが She's a person. とまで言っているのに対して、「そこまで言われなくてもそんなことくらいわかってる。俺だってやろうと思えば出来るさ。だからそんなことは言わないでくれよ。」と答えて、ロスに back up 「後援(支援・援護・バックアップ・助太刀・加勢)する」ことを求めたのに、ロスが「絶対に無理だ。」と言い切ったので、「それじゃ全然援護になってないじゃん」という意味で、「思いっきり俺を”擁護”してくれて感謝するよ。」と言った…というオチになるという感じでしょうか。

ただ、英語音声で一連のやり取りを見ていると、チャンドラーが声を掛ける気になったのは、フィービーの「美人がつまらない男と一緒にいる」発言がきっかけで、それまではずっと一貫して「あんなすごい美人に声を掛けることなんて出来ない」と感じているようなんですね。
ですから、レイチェルにいくら促されてもその心境は変わらず、「いくら説得しようとしてもダメだ。だからそんなことを言うのはやめてくれ。彼女は間違いなく高嶺の花だよ。ロスもそう思うだろ? ロスも何か言ってくれよ。」と言ったんだと思うんです。
back up と言うと、けちょんけちょんに言われている人間をフォローして、「彼はいいやつだよ、できる人間だよ。」とバックアップする、みたいなイメージがありますが、実際のところは、あくまで、チャンドラーの「意見」を back up するのであって、この場合は、「チャンドラーが自分のことをネガティブに捉えている」ことを、ロスが「それは正しい」とバックアップすることになると思うんですね。

back up してくれと言われたロスは、"I also think she is out of his league." 「うん、確かに高嶺の花だね。」くらいで止めておいてくれたらいいのに、not in a million years 「決して(ゲットでき)ない、100万年たっても(ゲットでき)ない」とまで「断言」しています。
チャンドラーは、「ありがとう。」と言いながらも、「そこまではっきり言わなくてもいいじゃん、そんなに強調しなくてもいいじゃん…」とがっかりしてるのがおかしい、というジョークなのかなぁ?と。
Thank you, buddy. は「そこまで言ってくれてありがとう。さすがは”友達”だね。」という感じですが、「いくら友達だからって、そこまで正直に言わなくてもいいんじゃないの?」というニュアンスが入っている気がするのですがどうでしょう?

ですから、私の英語の解釈が合っているとしたら、DVDの日本語訳は、ジョークをわかりやすくシンプルにするための「意訳」なんだろうと思いますね。
それはコメディを訳す時の宿命みたいなものでしょうか。

…ということで長くなりましたが、Could she be more out of my league? の解釈について、「私はこう思うけど…」などのご意見がありましたら、是非お寄せ下さい。

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posted by Rach at 11:33| Comment(6) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

フレンズ1-22その7

昨日の記事、チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29 で、フレンズ1-22 のセリフについて触れたので、この機会に、1-22 のその部分の追加解説をしたいと思います。

昨日の記事では、"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" が「チャンドラーの口癖、彼らしい言い回し」だということについて説明しました。
今日、取り上げる 1-22 にも、チャンドラーの口癖を真似た「物真似」のセリフが2箇所出てきます。

まず一つ目。
フレンズ1-22その4 辺りのシーンです。

フィービーはチャンドラーの会社で秘書としてバイトしていて、いろんな情報を仕入れてきます。
昇進してからのチャンドラーは、会社のみんなに嫌われている、という衝撃の発言をするフィービー。
フィービー: Yeah, yeah. They even do you. (みんなは、あなたの物真似もしてるわよ。)
チャンドラー: They "do" me? (俺の物真似だって?)
フィービー: You know like... uh okay... uh... "Could that report be any later?" (そうねぇ、ほら…あ、そうそう…「あのレポート、遅すぎるぞ!」)
[Joey and Ross laughs]
ジョーイとロスは笑う。
チャンドラー: I don't sound like that. (俺はそんな言い方はしないよ。)
ロス: Oh, oh Chandler... (またまたぁ、チャンドラー…)
ジョーイ: Oh... Yeah, you do. (あぁ、確かにそう言うよな。)

過去記事でも触れていますが、do (a) someone は「…の物真似(ものまね)をする」という意味です。
"Could that report be any later?" を直訳すると、「あのレポートがそれ以上少しでも遅くなることが可能だろうか?」ですから、「これ以上遅くなることなんてあり得ないぞ! あまりにも遅い、遅すぎる!」ということですね。
"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" の形にぴったり当てはまっています。
フィービーはこのセリフを言う時に、be any later の be を強調して発音しています。
それが、チャンドラーの発音の特徴なんですね。
「そうそう、そんな感じ!」とジョーイとロスが手を叩き、指を指して大笑いしているのが面白いです。
本人はあまり自覚がないようですが、癖というのはそういうものですよね。

次に二つ目。
フレンズ1-22その6 で、モニカとイーサンが別れ話をした後のシーン。

[Scene: A hall on the floor where Chandler works. Chandler and Phoebe enters, and overhears some employees' conversation. One of
them is doing Chandler.]
チャンドラーが働いている階の廊下。チャンドラーとフィービーが登場する。社員の会話が聞こえてくる。その中の人がチャンドラーの物真似をしている。
ガーストン: Uh, like, "Could these margaritas be any stronger?" [They discover that Chandler is listening] Hey, Chandler. (例えば、「このマルガリータ(お酒)、最高にキツいよね!」 [社員たちはチャンドラーが聞いているのに気付く。] やぁ、チャンドラー。)
サントス: Hello, Mr. Bing. (こんにちは、ビングさん。)
ピートリー: Loved your "Stevie Wonder" last night. (昨夜の”スティービー・ワンダー”、あれは良かった。)
チャンドラー: Thanks. Listen, about the weekly numbers, I'm gonna need them on my desk by 9 o'clock. (ありがとう。週末の数字についてだけど、9時までに俺の机に提出してくれ。)
サントス: Sure. (わかりました。)
ガーストン: No problem. (問題ありません。)
[They go away, trying very hard not to laugh at Chandler]
チャンドラーを見て笑わないように苦労しながら[笑いをこらえながら]、彼らは去って行く。
チャンドラー: You have to give them something, you know. Okay, now that was Gerston, Santos, and who's the guy with the mustache? (あいつらに何か与えてやらないとな。よし、さっきのは、ガーストン、サントス、それからヒゲを生やしたやつは誰だっけ?)
フィービー: Petrie. (ピートリーよ。)
チャンドラー: Petrie, right, right. Okay, some people are gonna be working... this weekend. (ピートリーだ。わかった。よし、誰かさんたちは、仕事をすることになるな、この週末も。)

言うまでもなく、ガーストンの、"Could these margaritas be any stronger?" がチャンドラーの物真似です。
ここでも be に思いっきり力が入っています(笑)。
strong にはこのように「(酒が)強い、きつい」「(コーヒー・茶が)濃い」という意味がありますね。
お酒がキツいということを言うだけなのに、確かにちょっと回りくどい感じがします(笑)。

ピートリーのセリフから、チャンドラーが昨夜のパーティーで、スティービー・ワンダーの歌を歌った、または真似をした、ということがわかりますね。
そうやってチャンドラーを誉めながら、ピートリーは首を振ってスティービー・ワンダーの仕草をしてみせます。
このピートリーの顔がどことなくスティービー・ワンダーに似ていて、首を振るとそっくりな感じなので吹き出してしまいました。
これを見ていると、ピートリーの方が上手いんじゃないか、チャンドラーの物真似や歌は全然似てなくて空回りしていたのではないか?などと勘ぐりたくなりますが(笑)。

by 9 o'clock の by にアクセントを置くチャンドラー。
部下たちは笑いをこらえながら去っていきますが、「また、変なところにアクセントを置いてるよ!」とウケているんですね。

give them something は普通の場合は、「彼らに何かを与える」ですが、この場合は、彼らが陰口、またはコソコソ物真似をしていたことに腹を立てたチャンドラーが、「何かお仕置きしてやる、懲らしめてやる」か、そういうお仕置きのための「仕事」を与えてやる、かのどちらかでしょう。
どちらにしても、何か「悪いこと、大変なこと」を与えてやるぞ、と言う感じですね。
最後のセリフでは、this と weekend の最後の d に力を込めるチャンドラー。
「俺のアクセントを笑いたいなら笑え! それがどういう結果になるか見てろよ!」という感じで、わざとそのアクセントを強調しているわけですね。

(Rach からのちょっとした言い訳)
現在解説中のエピソード(フレンズ3-2)に関係する過去のセリフを説明するのに、わざわざ「フレンズ1-22その7」として記事を分ける理由、について。

これまでは、現在解説中のエピソードに盛り込む形で書いていましたが、例えばシーズン1のvol. 6 のDVDだけを持っている読者の方であれば、そこに入っている話の解説にしか目を通しませんよねぇ?
過去のシーズンのセリフについて、3-2 の解説記事で触れたところで、それを読むことがない、という可能性が大いにあります。
フレンズは10シーズンもあるので、その一部分だけを使って学習する人の方が圧倒的に多いわけですからね。

ですから、少しでも解説を有効に使っていただけるように、また、「私はこう思ったけど?」という意見を広く集められるように、それぞれのセリフは該当エピソードの解説内で収まるようにしたいのです。
そこで、今回のように記事タイトルを分けて、1-22 の追加解説とし、1-22 のオリジナルの記事の該当部分には追記としてリンクをはって、今日の記事にジャンプできるようにしてあります。

こんな風に脱線していると、本来の 3-2 の解説がちっとも進まないのですが(笑)、本来であれば初期のシーズンの解説ほど詳しく解説しておくべきだろうと思いますので、どうか、私の解説方針についてご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

明日も「チャンドラーの口癖」に関連して、過去エピソード(フレンズ1-6)の追加解説をします。

(Rach からのお願い)
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posted by Rach at 16:08| Comment(6) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする