2007年03月26日

フレンズ1-6その5

昨日の記事、フレンズ3-2その15 で、フレンズ1-6 のセリフについて触れたので、この機会に、1-6 のその部分の追加解説をしたいと思います。
過去記事、フレンズ1-6その4 では、
「フィービーはボケたことを言って、みんなを煙に巻くことが多いですが、今回は、傷ついたジョーイにとてもsweetな言葉をかけて、優しい一面を見せてくれました。」
と、
「みんなに几帳面すぎると言われるのがイヤなモニカ。わざと靴を片付けないで寝てしまいますが、ベッドの中で一人で悩んでいます。」
との間に当たる部分です。

みんなに几帳面すぎると言われて、何とか几帳面でないところを見せようと、靴を片付けないで寝ようとするモニカ。
レイチェル: Uh, Mon, you-you gonna leave your shoes out here? (ねぇ、モニカ、あなた、靴をここに出しっぱなしにしとくつもり?)
モニカ: (DETERMINED) Uh-huh! ([決然と]えぇ、そうよ!)
レイチェル: Really? Just casually strewn about in that reckless haphazard manner? (ほんとに? ただ何気なく、そんな全然気にかけない[意に介さない]でたらめなやり方で、ばらまいて[ごろごろ転がして]おくの?)
モニカ: Doesn't matter, I'll get 'em tomorrow. Or not. Whenever. (GOES TO HER ROOM) (気にしないわ。明日、それを片付けるわよ。もしくは片付けないか。いつでもいいわ。)
と言って、自分の部屋に行ってしまう。
ロス: She is a kook. (モニカは、変人だ。)

ト書きの DETERMINED は「決然とした、断固とした、断固とした意志を表わした、決意を秘めた、決意の固い」という意味。
英辞郎には
determined=むきになっている
という意味も書いてあります。
動詞 determine は「決心する、決意する、決定する」、名詞 determination は「決心、決意、決定」ですから、形容詞 determined はそんなふうにはっきりと意志を表明しているさまを表わしているのですね。

レイチェルのセリフを見ると、通常のモニカにとっては許せないような言葉が並んでいます。
casually は「何気なく、不用意に、ふと」、strew は「(砂・花などを)(…に)まき散らす、ばらまく」という意味で、strewn はその過去分詞なので「ばらまかれている、ごろごろしている」みたいな感じです。
strewn about の about は動詞と共に使うと「あちこちに、方々に」「そこいら中に、ぞんざいに」のような意味になります。
about をこのような意味で使うのは、イギリス英語の用法のようです。
アメリカ英語ではこの about を around と言うことが多いですね。
同じような「散乱する、点在する、散らばる」という意味の be scattered about という表現もイギリス的で、アメリカ英語なら、be scattered around と言う人が多いようです。
(何故上のセリフでは about を使っているのか?については、よくわかりません…笑)
ロングマン現代英英辞典には、
about: (British English) in many different directions within a place or in different parts of a place
(synonym) around
例) Cushions were scattered about on the chairs.

「(イギリス英語) ある一つの場所の中のいろんな方向に、または、ある一つの場所の違った場所に。同義語 around」
例) クッションは椅子の上に散らばっていた。
もう一方の around の語義は、
around: in or to many places or parts of an area
British Equivalent: about
例) He wandered around the streets, looking in shop windows.

「たくさんの場所で(へ)、ある場所の部分で(へ)」 イギリスの同義語 about
例) 彼は、店のウインドーを見ながら、通りをぶらぶら歩き回っていた。」

reckless は「向こう見ずな、無謀な、(危険などを)意に介さないで、気に掛けないで」。
haphazard は「でたらめの、偶然の」。
研究社 新英和中辞典の random の項目に、そういう「でたらめの」のような意味にあたる類義語の違いを説明してあります。
それによると、
random は、(はっきりした目的・計画のない)手当たり次第の、でたらめの、行き当たりばったりの
haphazard は、合理性・適切さや最終的な結果などを考慮せずになされる
casual は、熟慮・意図・目的などなしになされる

とのことです。

kook は「変人」。発音は「クーク」。
料理人、コックの cook の発音は「クック」で、kook の方が音が少し延びる感じがあります。
が、パッと聞くと、違いはよくわかりませんが(笑)。
この kook という単語は、このエピソードの中盤で出てきました。
「きっちりしすぎている」ことをみんなに指摘されたモニカが、
モニカ: Okay, so I'm responsible, I'm organised. But hey, I can be a kook. (そうね、私は責任感が強いし、几帳面[整理整頓好き]だわ。でも、ほら、「変人」にだってなれるのよ。)
と言ったのですね。
それでも、みんなはそんなの無理だよ、と思っていたのですが、こんな風に靴をほったらかして寝る決意をしたモニカを見て、「とうとう「変人」になれたんだね!、そのこだわりを捨てることができたんだね!」という意味で、"She is a kook." とロスは言っているのです。

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posted by Rach at 17:02| Comment(2) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月14日

フレンズ1-19その8 ご質問2

ここ数日、過去記事、M-1グランプリ2006(今さらですが) のコメント欄 でいただいたご質問から、記事を書いてきましたが、今日が最終日です。

今日は、フレンズ1-19 のエピソードから。

(質問)make your toes curl にはエッチな意味があるのか?
ロスとレイチェルは部屋に二人きり。
そこで、right guy 「理想の人」がいないと嘆くレイチェル。
レイチェル: I mean with Barry, it was, it was safe, and it was easy, but there was no heat. (ほら、バリーといると安心感があって気持ちが楽なんだけど、情熱[燃えるような熱さ]がなかったのよ。)
ロス: Mmm. (うん。)
レイチェル: You know with Paolo, that all there was, was heat. I, I mean, it was just this raw, animal, sexual... (パウロとは、燃えるような情熱だけ。ほら、みだらで、まるでケダモノみたいでエッチな…)
ロス: Right, right! I, I got it. I was there. (はいはい、わかった。僕はそこにいた[二人の関係を知っていた]からね。)
レイチェル: Ah. I mean, do you think you can ever have both? You know, someone who's, like, who's like your best friend, but then also can make your toes curl. (あぁ、その両方を手に入れることってできると思う? 親友みたいだけど、それと同時に、toes を curl させるような「誰か」、よ。)
ロス: Yes, yes, yes. Yes! Yes! I do! I really do! Er, in fact, it's funny. Very often, someone who you wouldn't think could, could, curl your toes, might just be the one who, er, who... (あぁ、そうだね。その両方を持った人を手に入れることはできると思うよ。実際、おかしな話なんだけど。よくある話なんだよね、(誰かの)toes を curl させることなんてできないと(人に)思われているような人が…)
と二人がいいムードになったところに、フレンズたちが帰ってきます。
モニカ: Hi! (はーい!)
ロス: ...gets interrupted! Hi! (邪魔が入っちゃったね。はーい!)

上の make your toes curl というフレーズは、調べてみるとどうやらエッチな意味があるようだけど、実際のところはどうなんだろう?…というようなご質問でした。

ちなみに、レイチェルは
"do you think you can ever have both? You know, someone who's, like, who's like your best friend, but then also can make your toes curl."
と主語に you を使っています。
do you think に関しては、ロスがどう思うかを尋ねているので、「 you =ロス」という解釈で良いのでしょうが、それ以降の you は「一般の人」というニュアンスです。
「”ロスに”、そういう両方の性質を持ち合わせた恋人ができる可能性があるかどうか」を尋ねているのではなくて、「そんな両方の性質を兼ね備えた恋人を持つことは、一般的に可能なのかしら? 人は、そんな恋人を手に入れることができるのかしら?」という感じですね。
さらに、このセリフの場合は、そうやって一般的な話として語っていながら、実はレイチェル自身のことを言っているわけでしょうね。
「私がそんな恋人をゲットできる可能性があると思う? 私の親友であり、私の toes を curl させてくれるような人が。」という感じなんだと思います。

こういう you の使い方に関しては、過去記事 フレンズ2-20その23 などで何度か簡単に説明したことがあるのですが、つい最近、そのことを簡潔にそしてわかりやすく説明してある文章に出会いました。

週刊ST 2007年1月12日号の、堀内克明さんとV.E.ジョンソンさんによるコラム「英語Q&A」で、「自分のことを指す you」という記事がありました。
「(インタビュー記事などで)、本人が自分のことを話しているのに、主語が "you" になっているのをよく見ます。I ではいけないのでしょうか?」
という読者の質問に先生方が回答しておられるのですが、その回答を以下に引用させていただきます。

こういう you は、generic you (総称的な you) または indefinite you (不特定の you)と呼ばれます。
つまり、この you は特定の「あなた」ではなく、「あなた(方)を含む人(たち)」です。これは「人」(one)に近く、結局「われわれ」(we)と同じ意味になります。この we には当然 I が含まれますので、回りまわって you = I に相当します。
要するに、最初から I と言うと自己主張のように聞こえて、客観性がありませんので、相手を含めて you と言うと、一般性のある意見を伝えることができるというわけなのです。


you の話が長くなりましたが、本題に入ります(笑)。
まず、make someone's toes curl を普通に調べると、英辞郎には、以下の意味が載っています。
make someone's toes curl
(人)を不愉快にさせる
例) It made her toes curl when you talked about her divorce in front of everyone. あなたが皆の前で彼女の離婚のことを話したとき、彼女は不愉快に思った。


これは多分、怒って(もしくは、「恥ずかしい」とか「気まずい」という気持ちで)、ぐぐーっと足の指に力が入っていることから来た意味なんでしょうね。

ですが、上のセリフでの意味は明らかにエッチな意味です。
DVDの日本語字幕では、「親友のような信頼感とエッチのときの情熱」
日本語吹替では、「まるで親友のように信頼できて、しかもエッチの時には超〜、感じさせてくれるような…」
となっていました。
また、make your toes curl とレイチェルが言った時の表情と、それに Yes と答えるロスの顔を見ても、それがエッチで情熱的な表現であることはわかりますよね。
まさに直訳通りの意味で、「(人の)つま先を曲げさせる」ということです。
このフレーズでロスの気持ちに火がついてしまったようで(笑)、ロスはとうとうレイチェルに告白しようとするけれど、みんなが帰って来てしまって残念でした…というシーンでした。
手持ちの辞書にはそういうエッチな意味は載っていないのですが、てっとり早くズバリその意味が書いてあるのを紹介します。

Urban Dictionary というオンラインスラング辞典に、Toes Curling として、以下の意味が載っていました。
Toes Curling: The way peoples toes curl during sex, especially during orgasm.
「エッチの最中、特に orgasm の際に、人がつま先[足の指]を曲げる様子」


実は、意外なことに(?)、このフレーズとよく似たものが、スタートレックで出てきたことがあります。
新スタートレック(TNG)のシーズン3第8話「非情なる駆け引き」(原題:The Price)。
ドクターのビバリー・クラッシャーと、カウンセラーのディアナ・トロイが、レオタードを着て(笑)、柔軟体操をしながら、恋愛話をしているシーン。
ディアナは今日会ったばかりのデビノニ・ラルという男性に夢中なのです。
ビバリー: You're unusually limber this morning. (今朝はいつになく軽快な感じね。)
ディアナ: I'll say. Devinoni Ral. It's ridiculous and wonderful. I feel completely out of control. Happy, terrified, but there's nothing rational about this. (そうね。デビノニ・ラルよ。ばかみたいなんだけど素敵な気分なの。全く気持ちが抑えきれない[制御・コントロールできない]って感じ。幸せなのに、怖いの。合理的な部分がどこにもないわ。)
ビバリー: Who needs rational when your toes curl up? (つま先が curl up している時に、誰が合理的なものを求めるって言うの?)
ディアナ: I'm afraid I'm going to lose myself. I can't get enough of him. Is it possible to fall in love in one day? (自分を見失いそうなの。彼に飽きてしまうってことがないのね。1日で恋に落ちるなんてあり得ることかしら?)
ビバリー: I did. (私にもそんな経験があるわよ。)

make your toes curl ではなくて、your toes curl up 「あなたのつま先が丸まる[曲がる]」ですが、ニュアンスは同じことですよね。
上のやり取りでわかるように、ディアナは「自分を見失いそうなほど」ラルという男性に夢中だということがわかりますね。
DVDの日本語訳では、「合理的なことがない、理性がなくなっている」というディアナに対し、「恋とはそういうものよ。恋をしてる時なんて、そんなものだわ。」とビバリーが返事をしていました。
つまり、「恋にすっかり夢中になっている時には、理性をなくすものだわ。」みたいな意味で言っているわけですが、つまり、頭では冷静であろうとしていても、「体が反応してしまう、体は正直」みたいな、ちょっとカゲキなニュアンスも感じますね。
ビバリーの when your toes curl up というセリフはさらりと言われていて、それに対してディアナが過剰に反応していることもありませんでした。
スタートレックの世界(23世紀)では、恋愛に関してはかなりオープンですし、この二人は、恋愛経験の豊富な大人の女性なので、そんなことくらいではドギマギしないようです(笑)。
(2007.2.24 追記)
上に「スタートレックの世界(23世紀)」と書きましたが、上でセリフを引用した新スタートレックの舞台は「24世紀」でした。
トレッキーの私としてはささいな間違いでも気になるので、訂正させて下さい(笑)。
(追記はここまで)

この会話の前に、ディアナとデビノニ・ラルのベッドシーンがあって(それほど激しいものではないですが)、当然そういう関係になっていることを見越してのセリフなわけですね。
(ちなみに、このデビノニ・ラルの日本語吹替をしているのは牛山茂さんで、ロスの吹替と同じ声優さんです。全くどうでもいいトリビアですが…笑)

私は最初にフレンズ1-19 でこのフレーズを知って、DVDの日本語訳からも想像される通りの文字通りの意味で、「つま先が曲がるほど…」ということなんだろうなぁ、と思っていたのですが、特に辞書には載っていなかったので、一般的な表現なのか、それともレイチェル独特の表現なのかがその当時はわからなかったのです。
その後、スタートレックで同じようなフレーズを発見して、ある程度、一般的な表現なのだとわかって、何だか嬉しかった記憶があります。

さらに、このフレーズに出会ってからかなり経った後、今から数ヶ月前の話なんですが、make your toes curl を思い出させる文章に出会いました。
日経新聞朝刊の明治大学教授 張 競 さんによるコラム「男を惑わす美女十選」で、有名な美女たちがその絵と共に取り上げられていました。
ジャン・クーザンの描いた「エヴァ・プリマ・パンドラ」の絵について、こんな説明が書いてありました。
「足の親指がわずかに立っているのも、性的な身体反応を連想させよう。」
それを読んで、フレンズやスタートレックに出てきた上のフレーズを思い出した私は、「やっぱり足の指とそういう感覚とを結びつけるという考え方はあるんだわ!」とわかって、さらに納得できたんですね。

一般的に日本語で「つま先が曲がる」と聞いて、そっち系(笑)を連想する人が何人くらいいるのかよくわからないのですが、日本の官能小説とかで出てきたりするのでしょうかねぇ?(私は官能小説には詳しくないので知らない…笑)
でも上の2つの例からわかるように、英語ではほぼ間違いなく、そういうエッチ系の想像が働くということみたいですね。
まぁ、女性としては、そういう状況で toes が curl するというのはわかりますので(もしかして爆弾発言? まぁ、さらりと流して下さい…笑)、私はそのフレーズを初めて見た時にすぐにピンと来たんですが…。
私が今回の記事の前半で、「you =ロス、ではない」ことをくどくどと説明していたのは、男性の側がそういう身体反応をすることはないように思ったからなんですが、その辺はどうなんでしょう?(ちょっと思っただけで、「僕の場合は…」などと誰かに答えて欲しいわけではないので、お気になさらず…笑)

とにかく、ここでのレイチェルは、「私のつま先を曲げさせるほど気持ち良くしてくれる男性」という意味で言っているのは間違いないと思いますね。
で、そんなフレーズを出されてドギマギしているロスの気持ちがよくわかるし、なかなか過激な表現だと思ったので、今回しつこく解説してみました。
この時のレイチェルは、ロスが自分に惚れているというのを知らないで言っているわけですが、もし自分に気があるとわかっていながら、そういうフレーズを使ったりすると、それはちょっと罪作りなのではないかな?と思うのですが…。
そんなこと好きな女性に言われたら、夜眠れなくなりません?(笑)。

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2007年01月13日

フレンズ1-24その8 ご質問2

引き続き、M-1グランプリ2006(今さらですが) のコメント欄 でいただいたご質問から、記事を書いてみました。

今日は、フレンズ1-24 のエピソードから。

(質問)hand over fist はダブルミーニング?
バイトでお金が入るというジョーイに、どんなバイトなのかを知りたがるフレンズたち。
ジョーイ: It's a fertility study. (受精率の研究だよ。)
モニカ: Oh, Joey, please tell me you're only donating your time. (ジョーイ、お願いだから、時間をささげてる[提供してる]だけだ、って言ってよね。)→これは暗に、「時間以外の”何か”を提供してる、ってことはないわよね?」と言っている。
ジョーイ: Alright, come on you guys. It's not that big a deal. Really... I mean, I just go down there every other day and... make my contribution to the project. Hey, hey, but at the end of two weeks, I get $700! (いいかみんな。そんなに大したことじゃないよ。ただ、一日おきにそこへ行って、プロジェクトに対して貢献するだけだよ。2週間後には、700ドル手に入るんだぞ!)
ロス: Hey. (へぇ。)
フィービー: Wow, ooh, you're gonna be making money hand over fist. (わぁ。hand over fist でお金が儲かるのね。)
観客は大爆笑。

ご質問は、この hand over fist というフレーズを調べてみると、(質問者の方の)辞書には、二つの意味が載っていて、そのダブルミーニングのために観客が大受けしているのか?というものでした。
確かに、お察しの通り、ここでの hand over fist は、「どんどん」という意味と、「(ロープを登る時の)たぐるような手の動き」のダブルミーニングですね。
私が過去記事で説明を飛ばしているのは、確かに「露骨だから」…でしょう(笑)。(昔はそうやって恥ずかしいのを飛ばしていることが多々あります。)
こういう内容は、コメント欄で誰かに対する「返事」として書く方が抵抗ありますので、開き直って記事にしました。
不思議なことに、記事として解説を書く方が、私としては恥ずかしくないんですよ。
読んでいる方はびっくりかもしれませんけどねぇ…(笑)。

1-24 を解説していた頃は、多分、そういう意味だろうなぁ、と思いながらあえて解説は避けたのですが、今回詳しく調べて、いろんなことがわかりました。

まず、私の手持ちの辞書やオンライン辞書では、hand over fist にそういう「手の動き」の意味が書いてありません。
英和(研究社 新英和中辞典や英辞郎)では、
hand over fist =どしどし、どんどん
という意味で、
make money hand over fist =どんどん金をもうける
というイディオムが例文に上がっています。

Merriam-Webster Online Dictionary では、
hand over fist: quickly and in large amounts
例) making money hand over fist

「すばやく、そして大量に」、例文は、「すばやく大量に金をもうける」。
ロングマン現代英英辞典では、
hand over fist: (informal) if you gain or lose something hand over fist, you gain or lose it very quickly
例) Five years ago, the company was losing money hand over fist.

「もし何かを hand over fist で得る、または失う、という場合は、それをとても早く得る、または失うこと、を意味する。」
例文は、「5年前、その会社は瞬時に金を失っていた。」

上に挙げた例文たちを見ていると、このイディオムは make money hand over fist (またはその逆の lose money hand over fist )として使われることがほとんどなのかもしれませんね。
make money hand over fist としてまとめて覚えておくと良いのでしょう。
フィービーのセリフも、そのイディオムを使っているので、普通の状況なら、ごくありきたりの表現なわけですが、ここでは別の意味も暗示している、ということで観客が笑っているわけですね。

英和辞典では、hand over fist の下に、それとよく似た、hand over hand というイディオムが載っていました。

研究社 新英和中辞典では、
hand over hand =(登る時に)たぐって
climb a rope hand over hand たぐりながらロープを登る


英辞郎では、
hand over hand =(ロープなどを)両手でたぐって

また、同じく英辞郎の hand over fist の項目をここで改めて見直してみますと、
hand over fist =大量に、どんどん (同)hand over hand
例) The man boasted that they were making money hand over fist on the stock market. その男は、株式市場でお金をどんどん儲けていると自慢した。

とあり、hand over fist = hand over hand だと書いてあるので、この二つのイディオムは同じように使われる、ということですね。
実際、fist は「握りこぶし、げんこつ」ですから、「手」という意味にもなりますよね。
登る時にロープをたぐる仕草というのは、握った手の上にまた手を乗せる、ということですから、hand over fist でも hand over hand でも、そういう仕草を意味するはずです。
そのようにロープを掴んで行う手の動きが、ジョーイが精子を提供する際の方法を彷彿とさせるので(きゃ〜!)、みんなは大爆笑している、ってことですね。

私は何を長々と語っているのか?と思いつつ…とにかく、これで make money hand over fist という表現は絶対に忘れないでしょう(笑)。

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posted by Rach at 15:00| Comment(2) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月12日

フレンズ1-19その7 ご質問1

昨日に引き続き、M-1グランプリ2006(今さらですが) のコメント欄 でいただいたご質問から、記事を書いてみました。

今日は、フレンズ1-19 のエピソードから。

(質問)何故、Unclench. が「怒るなよ。」になるのか?
ロスはおサルのマルセルくんを肩に乗せています。
ロスは明日、用事があって出掛けるので、あらかじめ、マルセルの世話をレイチェルに頼んでいたようです。
レイチェル: And I will see you tomorrow. ([マルセルに]明日、会いましょうね。)
ロス: That's right. You're gonna spend tomorrow at Aunt Rachel's. aren't you? Huh? (そうだよ。マルセルは明日、レイチェルおばさんのところで過ごすんだよねー?)
モニカ: Huh, hang on, hang on. Does Aunt Monica get a say in this? (ちょっと待ってよ。モニカおばさんは、この件に関して発言権はないのかしら?)
ロス: Please, Aunt Monica, Please? Oh, unclench. You are not even gonna be here. (お願い、モニカおばさん、お願い! [と甘えた口調でお願いしてみるが効果がないので] あぁ、怒るなよ。モニカは(明日)ここにはいないだろ。)

at Aunt Rachel's 「レイチェルおばさんのところ(=at Aunt Rachel's place)」で過ごす、と言っていますが、それはこの部屋のことで、今はルームシェアしているとは言え、元々はモニカの部屋なわけです。
モニカはきれい好きだから動物は苦手なんですよね。
モニカは、私もこの部屋の住人なのに、その私に断りもなくそんなこと勝手に決めちゃって…とロスたちを非難しているわけです。

unclench が、DVDの日本語では「怒るなよ。」と訳されていたのですが、それは何故?というご質問でした。

研究社 新英和中辞典では、
unclench=(こぶし・くいしばった歯などを)解く、ゆるめる
とあります。
また、その反対語の clench は、
clench=(歯を)くいしばる、(口を)固く結ぶ、(こぶしを)固める
ですので、どの意味を見ても、非常に力が入っているさまが伺えますよね。
緩んでくつろいでいるのとは反対の状態なわけです。
上の辞書の語義には「怒り」という表現は書いてありませんが、「ぐっと力が入っている」ことから、「何かに対して怒っている」ことが連想されますよね。

英辞郎には、
I clenched my teeth in anger. 私は怒りで歯を食いしばった。
clench one's fist in anger 怒ってこぶしを固める(両方のこぶしの場合は fists)

という表現も載っていますので、そういう怒っている時に使われる動詞なんですね。
ですから、unclench は、そういう動詞 clench に 接頭語 un- がついてその「逆」の動作を表わすわけですから、訳してみると、「そんな風に怒ってこぶしを握り締めるのはやめなよ、歯をくいしばるのをやめなよ、そんなにギリギリと歯ぎしりして怒るなよ。」みたいな感じになるんでしょうかね?

ロングマン現代英英辞典には、
clench の項目に、次のように書いてあります。
clench your fists/teeth/jaw etc: to hold your hands, teeth etc together tightly, usually because you feel angry or determined
つまり、「拳・歯・顎(あご)を clench する=手や歯などを固くつなぎ合わせること、たいていは怒りを感じている、または決意を固めている、という理由で」
ここにははっきりと angry という単語が出ていますね。

…と、ここまではただ辞書の語義を引用しているだけなので、これだけなら、わざわざ記事にはしなかったのですが…。
フレンズの過去のエピソードで、clench がそういう「怒る」というニュアンスで使われていたことがあったので、それを今回、合わせて紹介したいと思います。(過去記事の解説では、何故か飛ばしていたので…)

フレンズ1-6 のシーン。
ジョーイが、アル・パチーノのお尻の代役で、シャワーを浴びているところです。
ネットスクリプトのト書きも日本語訳しておきます。

(JOEY STARTS TO SHOWER WITH A GRIM, DETERMINED LOOK ON HIS FACE)
ジョーイはいかめしい断固とした表情で、シャワーを浴び始める。
監督: And cut. Hey, Butt Guy, what the hell are you doing? (カット。おい、尻役、何をやってるんだ?)
ジョーイ: Well, I'm- I'm showering. (えーっと、僕はシャワーを浴びています。)
監督: No, that was clenching. (違う、その尻が clench してるんだよ。)
ジョーイ: Oh. Well, the way I see it, the guy's upset here, y'know? I mean, his wife's dead, his brother's missing... I think his butt would be angry here. (あぁ、僕が思うに、その男はここでは憤慨しているわけですよね? つまり、妻が死んで、兄が行方不明で…。僕は、ここ[このシーン]で、彼の尻は怒ってるだろうと思うんです。)
監督: I think his butt would like to get this shot before lunch. (私が思うに、彼の尻は、昼前にこのショットを撮影してしまいたいと思ってるよ。)

このシーンでは、尻の代役なわけですから、お尻しかカメラに映ってないわけですよね。
ですから、「お前は何をやってるんだ?」と監督が言っているのは、ジョーイという人物の行動がどうこうではなくて、その映っているお尻の様子(?)に問題がある、ということです。
ですから、That was clenching. の that は your butt (または the guy's butt)であって、それが「固くしまっている」ことを指摘しているのですが、それは「緊張している」とか「力が入っている」ということでしょうね。
それに対してのジョーイの弁解が「彼の尻は怒っている」(笑)。
やはり尻が clench していると言われると、「あぁ、それは怒っているんですよ。」という連想が瞬時に働くわけですね。
clench という単語はそんな風に「怒り」と強く結びついた動詞だ、ということでしょう。

今回はたった一つの動詞を説明しただけでしたが、フレンズなどのドラマで英語を学んでいると、このように同じ動詞が何度も出てくることがありますよね。
前にどっかで出てきたよなぁ…と思い出して、その過去のセリフを再度見直してみることで、その単語に対する理解がより深まる、ということもよくあります。
私が、「過去記事でも(そういうフレーズが)出てきました」といつもしつこく書いているのは、単語というものは、できるだけたくさんの例文(セリフ)と共にそのニュアンスを覚えることが大切だ、と思っているから、なんですよ。

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posted by Rach at 09:27| Comment(10) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

フレンズ1-24その7 ご質問1

昨年末最後の記事、M-1グランプリ2006(今さらですが) のコメント欄 で、フレンズ1-19 とフレンズ1-24 に関するご質問をいただいておりました。
息子(小1)も今日から給食が始まって(笑)、生活リズムもいつものペースに戻ったところで、改めて、その質問に関する記事を書いてみたいと思います。
質問に対する私なりの回答は、エピソードの時系列に沿っておらず順不同となっていますが、何卒、ご了承下さいませ。

まずは、1-24 のエピソードから。
(質問) no get invited back とはどういう意味?
チャンドラーとジョーイが、炭(すみ)を持ってモニカの部屋にやってきます。
レイチェルの誕生日パーティーのために、バーベキューをするのです。
チャンドラー: Men are here! (男たちが来たぞ!)
ジョーイ: We make fire. Cook meat. (火を起こす。肉を焼く。)
チャンドラー: Then put out fire by peeing, no get invited back! (それから、おしっこで火を消す!…以下省略)

上で色をピンクにした部分の no get invited back の解釈はどうなるのか?というご質問でした。
ちなみに、DVDの日本語では「そのあと火は小便で消すから心配いらない。」となっていました。

私は、過去記事、フレンズ1-24その1 で、そのセリフを取り上げていますが、その時は、「それから、火事にならないように、おしっこで火を消す!」と訳してあります。

その時にどうしてそう訳したのか、という説明が足りなかったのでそれを今回補足したかったのと、今改めて見直してみると、もっと別の解釈もあり得るかも…と思ったので、今回、記事にしてみたわけです。
正直、私もよくわかりませんので、はっきりしない記事になっていますが、お許し下さい。

まず、get+過去分詞の形は、「…の状態になる、…される」ということですね。
研究社 新英和中辞典の get の項目に、
get+過去分詞=(…)される
I got caught in the rain. 雨に降られた。
He got scolded for being late. 彼は遅れてしかられた。

さらに、この get の用法の説明として、
この構文は動作を主とした結果に重点を置く受動態として 「be+過去分詞」に代わって用いられる。従って get は助動詞的である。
と書いてあります。
ですから、get invited back は be invited back とほぼ同じ意味ということですね。

invite は「招待する、招く」「求める、請う」という意味ですが、研究社 新英和中辞典によると、
「(非難・危険などを)もたらす、招く」
また、英辞郎によると、
「事態を引き起こす、〜の誘因になる」
invite criticism 批判を招く
His rudeness invited an angry retort. 彼の無礼が腹立ち紛れの口答えを招いた。

という意味もあります。
"invite fire" でぐぐると、何となく「火事を誘発する」みたいな意味で使われているような文もありますので、no get invited back は fire won't get invited back というような意味で(←こういう英文が存在するのかどうかもわからないけど)、「火がまた誘発されることはない」という感じかなぁ?と思ったので、過去記事では、「火事にならないように」と自分では訳したみたいです(当時の考えが、今となってはよくわからないけど…笑)。
DVDの日本語の「心配いらない」という意味が頭にあって、それに近い解釈を探したのかもしれません。
ですから、そういうニュアンスで再度、日本語に訳してみると、「それから、おしっこで火を消す! (だから)火事にならない!」みたいな感じかなぁ、と。


でも、「火事にならないように」とか「これで火事になることはない」みたいな意味なら、もっと他の表現を使う気もします。
さらには、Then put out fire by peeing, no get invited back! という文章では、put out の主語は省略されていますが、we (will) put out fire ということでしょうから、その後に続く文章の主語も we だと考える方が普通なのかもしれません。

このセリフの意味がわかりにくいのは、no get invited back というのが、文法的にちょっと変な感じの文章だからですね。
このチャンドラーとジョーイの話し方を聞いていると、原始人の真似っぽい感じがするので、そういう昔のまだ言葉が洗練されていない頃のカタコトっぽい話し方なんだと思うんですよ。

もし、no get invited back が we のことを言っているとした場合はどうなるでしょう?
意味としては、We don't [won't] have to get invited back. 「我々は invite back される必要がない。」、または、We won't get invited back. 「我々は invite back されることはないだろう。」のような意味でしょうか?

invite back を普通に調べると、次のような意味が見つかります。
英辞郎に、
invite someone back
(人)を再び[日を改めて]招待する

ロングマン現代英英辞典では、
invite somebody back (phrasal verb)
1 to ask someone to come to your home, hotel etc after you have been out somewhere together
(invite somebody back for の例)
Richard often used to invite me back for coffee after the show.
2 to ask someone to come to your home, your office etc again
例) If you keep arguing with Gerry, they won't invite us back.

1 は「どこかへ一緒に出掛けた後で、自分の家やホテルなどに来るようにと誰かを招く[呼ぶ、誘う]こと」
(ask は「頼む」ですが、ask someone to come の場合は「来てくれるように頼みこむ、依頼する」という感じではなくて、「招待する、招く、誘う」という意味になります。英和辞典にも載っています。)
例は、「リチャードはショーの後、しばしば、コーヒーを飲もうと私を家に誘ったものだった。」
2 は「誰かを自分の家や会社に再び来るようにと招くこと」
例は、「もし君がゲリーと論争を続けるのなら、彼らは私たちを再び家へ招くことはないだろう。」

で、上の一般的な invite back の意味だと考えて、改めてこのフレーズの解釈をしてみましょう。
2つの案を考えてみました。
1つ目は、「おしっこで火を消す!」の後のフレーズですから、火は消えてもう安全だから、再び僕らに助けを求める必要もないので、僕らが再度ここに呼ばれることはないだろう、という意味。
2つ目は、バーベキューの火をおしっこで消したら汚いですよね(笑)。
だから、そんなことをしたら、もうこの部屋には出入り禁止になってしまうだろうな、という意味。

ということで、no get invited back とは、fire のことを言っているのか、we のことを言っているのか、さて、どちらでしょう?
ネイティブはこのセリフを聞いて、頭に何を思い浮かべたんでしょうねぇ?
(消化不良になりそうな記事でごめんなさい…笑)

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posted by Rach at 12:08| Comment(11) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月24日

フレンズ1-18その12 ご質問6

フレンズ1-18 に関するご質問を元に書いた記事は、今日が最終日です。
昨日取り上げたシーンの説明の続きになります。

チャンドラー: Could you want her more? (まだ彼女のことがいいのか?)
ロス: Who? (誰のこと?)
チャンドラー: Who? Dee, the sarcastic sister from What's Happening! (誰のことかって? [以下、訳は省略])
ここで観客は大爆笑。
ロス: Look, I am totally, totally over her. (いいか、僕はすっかり、完璧に彼女のことはあきらめたよ。)

上のピンクの部分を解説します。
質問者の方も、質問後に調べてわかったそうなのですが、イタリック体で書いてある What's Happening は、あるドラマの名前で、Dee はそこに出てくる人物の名前。
最初、Dee の部分は、Gee!(ジー!)と言っているのかと思いました。
Gee は Jesus (イエス・キリスト、ジーザス)の婉曲形で、"Oh, my God!" などと同じように、「おや! まあ! 驚いた!」という驚きや喜びを表す表現なんですが、ここは Gee ではなくて、Dee だったんですね…。
ネットスクリプトには、Whats Happening と書いてあるのですが、正しくは What's と、アポストロフィーが必要です。
おまけにドラマの正式なタイトルは、What's Happening!! と、感嘆符が二つも付いています(笑)。

私は全くこのドラマを知りませんので、これ以下、ひたすら、ウィキペディアと IMDb からの引用記事が続きます(笑)。

まずはウィキペディア(英語版)から。
Wikipedia 英語版: What's Happening!!
上のウィキペディアの Premise (「前提」…つまりは「設定」ということだと思います)によると、
ロスのワッツ地域に住んでいる、労働者階級のアフリカ系アメリカ人3人のおふざけ(ふざけた・おどけた・こっけいな行動)を扱ったドラマ。
ロスにはワッツ(Watts)という場所(地域)があるんですねぇ。
Wikipedia 英語版: Watts, Los Angeles, California
「ワッツ・ハプニング」というドラマのタイトルと「ワッツ」という地名は、発音が似ているのですが、それは何か関係があるのでしょうか?
韻を踏んでいるというか、地名をタイトルにかけている、ってことなんでしょうかねぇ?
それに関する記述は見つからなかったのですが。

主人公は、Roger "Raj" Thomas (演じるは Ernest Thomas)で、そのロジャーの妹が Dee (演じるは Danielle Spencer)。
ちょっと話は脱線しますが、ラッセル・クロウの奥さんも、Danielle Spencer (ダニエル・スペンサー)という名前の女優さんなんですが、もちろん彼女とは別人です(笑)。
ですから、"Danielle Spencer" でグーグルのイメージ検索をすると、そのラックロの奥さんばかりがヒットしてしまうのですが、「Danielle Spencer Dee」とか、「What's happening Dee-Thomas」などの語句でイメージ検索すると、それらしい女の子の写真がヒットしますね。

話は戻って、そのウィキペディアの Premise によると、
Other schemes involved getting back at Roger's sister Dee, who was a caustic, bratty busybody.
他の枠組み(?)では、ロジャーの妹ディーに仕返しをする話も絡んでいる。ディーは、「痛烈・辛辣(caustic)」、「こまっしゃくれた、やんちゃの、行儀の悪い(bratty)」、 「おせっかいな、でしゃばりな(busybody)」人である。

ちなみに、bratty という形容詞は、名詞 brat 「(手に負えない)子供、(うるさい)がき、やんちゃ坊主、わんぱく小僧」の形容詞形です。

Major characters にディーの説明も載っています。
詳しく書いてあるので、そのまま引用させていただきます。
Dee Thomas is Raj's younger sibling. She personifies the typical 'annoying little sister'. Dee is obsessed with making money, usually by blackmailing her brother and his friends a quarter at a time. She is also shrewd, and difficult to keep secrets from. Her trademark phrase is "Ooh, I'm tellin' Mama!"
ディー・トーマスはラッジ(ロジャー)の妹。ディーは典型的な「うっとうしい妹」のキャラクターである。ディーはお金儲けに固執しており、時には自分の兄や友人を恐喝して一度につき25セントをゆすってお金を儲ける。彼女は抜け目がなく鋭いので、彼女に隠し事をするのは難しい。彼女のトレードマークのフレーズは、「あっ、ママに言いつけちゃうから!」

そのディーを演じている Danielle Spencer のウィキペディアにも興味深いことが書いてあります。
Wikipedia 英語版: Danielle Spencer (US actress)
Spencer tied with Alison Arngrim (Nellie on Little House on the Prairie) for "Character Most in Need of a Time-out" award on Nickelodeon's TV Land Awards in 2006 for her role on "What's Happening".
2006年のニケロデオンTVランド賞の「黙って反省する時間が最も必要なキャラクター」というのがあり、そこで、What's Happening の役柄(ディー)を演じたスペンサーは、アリソン・アーングリン(「大草原の小さな家」のネリー)と同点であった。


上の英語は、自然な日本語に訳しにくくて、変な日本語になってしまいました。
英語のままで理解した方が絶対にわかりやすい、という典型のような文ですね。
いろいろと面白い語句が出てくるので、ついでに説明させて下さい。
Nickelodeon は英辞郎を引用させていただくと、
Nickelodeon=ニケロデオン。アメリカの民放テレビ局。子ども向けのアニメのみを放映。Cartoon channel よりも内容が多少過激な番組もあり。
とのことです。
また、time-out も、英辞郎の語義がわかりやすいので引用させていただくと、
time-out=タイムアウト。学校や家庭において、悪いことをした子どもに反省をさせるための方法として、自分の部屋に閉じこもらせて(あるいは、いすに座らせて)数分間黙らせておくこと。
tie with は「…と同点である、並ぶ」ですから、多分1位で並んだか、上位で並んだ、ということですね。
「大草原の小さな家(Little House on the Prairie)」って、NHKで何度も再放送されていますよねぇ。
それなのに全く見たことないんですよ(笑)。
ざっとネットで調べると、そのネリーという娘は、意地悪で有名みたいなので、「その」ネリーと「並ぶ」というのは、かなりのものだ、ということなんでしょう。
「ちょっと反省してなさい!」と言いたくなるほど、「悪い子」の代名詞だ、ということですね。

今度は、IMDb (The Internet Movie Database)からの情報。
IMDb: "What's Happening!!" (1976) [TV-Series 1976-1979]
IMDb の Plot Outline の (more) をクリックすると、Plot Summary for "What's Happening!!" にジャンプするのですが、そこには、
the boys get into trouble because of Roger's bratty sister Dee.
(3人の)少年たちは、ロジャーのこまっしゃくれた妹ディーのために、苦境に陥る(もめごと[トラブル]に巻き込まれる)。

と書いてあります。
Trivia には
The character 'Dee Thomas' was ranked #5 in TV Guide's list of "TV's 10 Biggest Brats" (27 March 2005 issue).
”ディー・トーマス”というキャラクターは、2005年3月27日発行のテレビガイドの「テレビ番組で最大の悪ガキ(やんちゃ)10人」のリストで5位にランクされた。


ウィキペディアに書いてあった「ニケロデオンTVランド賞」もそうですが、このドラマ自体は1970年代後半のものなのに、2005年や2006年のアンケートの上位に名前が挙がる、というところが、彼女のすごさを物語っている気がしますねぇ。

また Quotes という項目で彼らのセリフが一部取り上げられています。

Fred 'Rerun' Stubbs: [makes joke and laughs]
Dee Thomas: That's funny!
Fred 'Rerun' Stubbs: Of course it is!
Dee Thomas: No, I mean the way your belly shakes when you laugh!


これを訳すと、
フレッド・「リラン」・スタブズ:(冗談を言って笑う)
ディー・トーマス:それ、面白い!
フレッド・「リラン」・スタブズ:当然だよ!
ディー・トーマス:違うわ。私は、あなたが笑う時にあなたの腹(おなか)が揺れる様子が面白い、って言ってるの。


うーん、確かに、子供にしては辛辣ですな(笑)。

ディーの説明に時間をかけすぎましたが(笑)、とにかく、チャンドラーが名前を出しているのは、間違いなく、この What's Happening!! の Dee Thomas なわけですね。

ネットスクリプトには、
[sarcastically] Dee, the sarcastic sister from Whats Happening.
と書いてあって、チャンドラーは、sarcastically 「皮肉たっぷりに、いやみに、からかうように」 ディーの名前を挙げている、とのことです。
このセリフのどこが「皮肉、いやみ」なのか、についての解釈を2通り考えてみました。
1つ目は、ロスのセリフがまるでディーのセリフみたいだよ、という解釈、2つ目は、「彼女ってだれ?」とすっとぼけたロスに対して、「彼女ってのは、あの有名なディーのことだよ。」と答えた、という解釈です。

まず1つ目。
明らかにレイチェルのことを言っているのに、「チャンドラーは一体誰のことを言ってるんだよ? 僕には何のことだか…」とロスがしらばっくれたことに対して、「お前は、What's Happening に出てくる、あの皮肉っぽい妹の Dee かよ!」と言っているのかなぁ?と。
ディーは抜け目のない子らしいので、自分の都合の悪いことに対しては知らん振りする、自分の都合のいいようにうまく立ち回る、という部分もあるんでしょうね。
例えばこれはあくまで想像ですが、人から金をゆするのが趣味(笑)みたいですから、兄が金欠だと嘆いている場面を想定してみると…

ロジャー: I'm a bit short today, because SOMEBODY blackmailed me for money yesterday. (今日はちょっと金欠だ。だって、昨日誰かさんに金をゆすられたからね。)
ディー: Somebody? Who? (誰かさんって、誰のこと?)

みたいなやり取りもあり得るかなぁ?と思ったりします。
(英語のセリフは私が適当に考えただけなので、何の参考にもなりませんが…笑)

そんな風に、「ディーが言いそうなセリフだな」というニュアンスを補足して日本語訳をつけるとすると、
ロス: Who? (誰のこと?)
チャンドラー: Who? Dee, the sarcastic sister from What's Happening! (誰のことかって? よくもまぁ、そんな風にしらばっくれることができるねぇ。お前は、What's Happening!! の皮肉屋の妹、ディーかよ。)

2つ目は、チャンドラーもロスも「彼女」がレイチェルを指しているのがわかっているのに、ロスが「彼女って誰?」と言ったので、「彼女と言えば、あの有名な”彼女”だよ。」と、理想の恋人像とはかけ離れたキャラクターの名前を挙げて、ロスがとぼけたように、チャンドラーもとぼけてみた、ということかなぁ?
ディーは悪ガキのベスト10で名前が挙げられるくらいなので、とても「恋人にしたいキャラ」ではないですよね。
「お前、まだ彼女のことが好きなのか?」と言った後、その彼女の名前に、誰でも知ってる「嫌われキャラ」(←表現は悪いですが)をすかさず挙げたそのセンスに、観客が大喜びしている、ということかな?と思います。

そういうニュアンスをつけて訳してみると、
ロス: Who? (誰のこと?)
チャンドラー: Who? Dee, the sarcastic sister from What's Happening! (誰のことかって? そんなの決まってるじゃん。彼女と言えば、あの有名な What's Happening!! の悪ガキ、ディーのことだよ。)

さて、どっちでしょう?
私は2つ目の方かなぁ…と思うのですが、もしかして、どちらでもなかったりして(爆)。
私はただ、ディーというキャラクターの説明をしてみたかっただけなのかもしれません…。
ここまで読んで下さった方、どうもありがとうございました。
明日は、フレンズ2-23 の解説に戻ります。

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posted by Rach at 14:00| Comment(2) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月23日

フレンズ1-18その11 ご質問5

引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問を元に書いた記事です。

セントラルパークにて。
レイチェルはたくさんの会社に履歴書を送りました。
その返事が郵便でたくさん送られてきていて、女性陣はその返事を読んでいるところ。
少し離れた場所に、ロスとチャンドラーは座っています。
チャンドラー: You know, I can't believe you. Linda's so great! Why won't you go out with her again? (お前が信じられないよ。リンダはすごく素敵だよ! どうしてもう一度デートしないんだ?)
ロス: I don't know. (わかんないよ。)
チャンドラー: Is this still about her whole "The Flintstones could've really happened" thing? (まだ彼女の言葉がひっかかってるのか? 「フリントストーンのアニメみたいなことが本当にあったかも」っていう発言のこと。)
ロス: No, it's not just that. It's just, I want someone who... who does something for me, y'know, who gets my heart pounding, who... who makes me, uh... (違うよ。そんなことじゃないんだ。ただ、僕が求めているのはその…僕に何かをしてくれる…ほら、僕の心をドキドキさせてくれる…僕を…)
レイチェルをじっと見つめているロス。
チャンドラー: ...Little playthings with yarn? (訳は省略)
ロス: What? (何だって?)
チャンドラー: Could you want her more? (まだ彼女のことがいいのか?)
ロス: Who? (誰のこと?)
チャンドラー: Who? Dee, the sarcastic sister from What's Happening! (誰のことかって? [以下、訳は省略])
ここで観客は大爆笑。
ロス: Look, I am totally, totally over her. (いいか、僕はすっかり、完璧に彼女のことはあきらめたよ。)

いただいた質問では、上でピンクにした部分の解釈がわからない、ということでした。
この一連のシーンは、マイブログの過去記事 フレンズ1-18その2 で少し取り上げているのですが、「フリントストーン」と「完璧に彼女のことはあきらめた」の部分だけを解説しており、その間がごっそり抜けているんですね。
これは、私にも意味がよくわからなかったからです(笑)。

まず、一つ目の Little playthings with yarn? について。
私もこの部分は難しいと思いました。
ですから、以下に書くのは、私はとりあえずこの辺までたどりつきました、という程度に過ぎず、結論が出ているとは言い難いものですので、ご了承下さい。

yarn には「作り話、ほら話、物語」のような意味もありますが、その場合は可算名詞なので、a yarn となるはず。
ここでは無冠詞で使われているので、不可算名詞の「編み糸」、つまり「毛糸」という意味でしょう。
編み物をする人はご存知だと思うのですが、毛糸の種類に「ループヤーン」など「ヤーン」と付くものがありますので、yarn というと私はまず毛糸の方が頭に浮かびますね。
"things with yarn" でぐぐると、"making things with yarn" というフレーズがいくつかヒットします。
一部、勝手に引用させていただくと…
Most of us - and we're mainly women - who learn how to make things with yarn are... 「私たち(主に女性)のほとんどは、毛糸でものを作る方法を学ぶが…」
We're trained from an early age to make things with yarn in the proper way. 「私たちは小さな頃から、毛糸でものを適切に作ることを仕込まれた(教えられた)。」

実は、DVDの英語字幕では、playthings の部分を play things と2語に分けて書いてあります。
plaything だと名詞で「遊び道具、おもちゃ、玩具」。
play things と分けられていると、play を動詞だと考えることも可能です。
が、目的語の things が何とも漠然としていて、具体的なイメージが湧きません。
things という目的語がなくて、play with yarn 「毛糸で遊ぶ」ならまだわかるのですが…。
猫が play with yarn(または play with a ball of yarn)「毛糸(の玉)で遊ぶ」というフレーズなら、いくつかヒットしましたし。
また、play を形容詞的に使って、play things = play-things、つまり playthings という名詞を play things と2語に分けているだけ、という考え方も可能です。(実際に、"play things" でぐぐると、名詞として使われているものがたくさんヒットします。)

ロスは、(someone) who gets my heart pounding, who... who makes me, uh... と言っていますね。この後、ロスは、「僕を(…な状態)にしてくれる人」という言葉を続けたかったけど、うまく表現できなくて口ごもっているようです。
例えば、
who makes me feel excited 「僕をドキドキさせてくれる人」(make+目的語+動詞の原形)
who makes me feel good 「僕を気持ち良くさせてくれる人」
who makes me happy 「僕を幸せ(な気持ち)にしてくれる人」(make+目的語+補語(形容詞))
みたいな感じでしょうか。
この make は「(人を)…にする」という意味ですね。

チャンドラーは、ロスの who makes me... に続けて次のセリフを言っているので、つまり彼は、
(someone) who makes me little play things with yarn?、または、who makes me little playthings with yarn? と言っているのです。

play を動詞と考えた場合、little は副詞の「ほとんど…しない」のような意味になりそう(?)です。
このような副詞の little は、研究社 新英和中辞典に、
little=(副詞) a をつけないで否定的用法で
1.ほとんど…しない
They see each other very little. 彼らはめったに会うことがない。
2.(know, think, care, suspect などの動詞の前に置いて)まったく…しない (not at all)
I little knew. 少しも知らなかった。
Little did I dream (that) a letter would come from him. 彼から手紙が来ようとは夢にも思わなかった。

という説明が載っています。
play things with yarn を強引に「毛糸で(何らかの)遊びをする」という意味だと考えると、そのセリフは「僕(ロス)に毛糸遊びをほとんどさせない人」という意味になりそうです。
が、ロスと毛糸遊びが結びつかないし、「(人)に…をほとんどさせない」ということだと、makes me hardly play と little ではなくて、hardly を使いそうな気がします。
ここから考えても、play を動詞だと考えるのは、ちょっとつらいかなぁ、と。

では、playthings という名詞だと考えた場合はどうでしょう?
その場合、makes me little playthings with yarn の make は、「(人)を…にする」ではなくて、「(人)に…を作る」という意味になると思います。
上に挙げたように、make things with yarn というフレーズは発見したので、それに作ってあげる相手である目的語(人)を挿入して、make me little playthings with yarn 「僕に小さなおもちゃを毛糸で作ってくれる」という感じでしょうか。

でも、「小さなおもちゃを毛糸で作ってくれる人」というのが、これまた意味不明なんですよね(笑)。
「毛糸のついたおもちゃを作ってくれる」なのかもしれませんが、どっちにしても、具体的にどういうものを指すんでしょうか?
毛糸と言えば編み物、編み物と言えば女の子っぽい遊び、つまりはファンシーなことが好きな、女の子っぽい、少女のような、乙女チックなお嬢様、ってことで、レイチェルのことを指している??
もしくはチャンドラーはレイチェルを指しているわけではなくて、ロスが makes me... と言った後、次の言葉が浮かばないのを見て、「僕を…にする人」と言いたいのがわかっていながら、適当な目的語を挙げて、何か物を「作って」くれるような(手先の器用な?)女の子がいいわけ?と茶化している??
その場合は、目的語である little playthings with yarn 自体にはそれほど深い意味はなくて、make という単語を利用したジョーク、つまり「…にする」を「…を作る」という意味に解釈したジョーク、になるわけでしょうか。

次の疑問点の、What's Happening について。
これは、質問者の方も気付かれたようですが、あるドラマの名前で、Dee というのはそこに出てくる人物名です。
長くなるので、明日にします。

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posted by Rach at 09:19| Comment(8) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月22日

フレンズ1-18その10 ご質問4

引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問を元に書いた記事です。

女性陣がポーカーで負けて、男性陣にお金を取られる時の話。
フィービーがお金を払った後、
ロス: So that just leaves the big Greene poker machine, who owes 15. (それじゃあ、それで、偉大なるポーカー・マシーンの(レイチェル・)グリーンが残ったわけだ。グリーンは15ドル払わないといけないよ。)
レイチェル: It's so typical: "I'm a man! I have a penis! I have to win money to exert my power over women!" (全く典型的ね! 「俺は男だ! 俺にはペニスがついてるぞ! 女に対して俺の力をふるうために金を勝ち取らないといけないんだ!」)
そう言いながら、レイチェルがお金を払います。
最後にモニカはお金をドンと机において、
モニカ: You know, this isn't over. We will play you again. And we will win and you will lose. And you will beg and we will laugh. And we will take every last dime you have. And you will hate yourselves forever! (いい、これで終わりじゃないわよ。私たちはもう一度あなたたちと勝負するわ。そして、私たちが勝って、あなたたちが負けるのよ。そして、あなたたちが許しを請い、私たちが笑うのよ。そして、あなたたちが持っている最後のダイム(10セント貨)まで取り上げるわ。そして、あなたたちは永遠に自己嫌悪に陥るのよ!)
レイチェル: Kind of stepped on my point there, Monica!

上で色をピンクにした部分、つまり、leaves と、kind of stepped on my point there のニュアンスがよくわからないのですが…というご質問でした。

まず、1つ目の leaves について。
that just leaves の leave は動詞です。
そして意味は、多分(笑)、「…を残す」という意味だと思います。

研究社 新英和中辞典に、
leave=(…を)(余りとして)残す、とり残す
Two from four leaves two. 4引く2は2。
There was little coal left. 石炭はもうほとんど残っていなかった。

というのが載っています。
that というのは今の状況を指しているのでしょう。
ただ、少しひっかかることがあります。
もし、フィービーとモニカが先に払って、最後にレイチェルが残っている場合なら、この leave が「最後に残す」という意味でドンピシャだと思うのですが、実際に支払う様子を見ていると、フィービー、レイチェル、モニカの順になっていて、レイチェルは最後ではないんですよねぇ。
でも、
日本語字幕では「残るはグリーンさん 15ドル頂きますよ」
日本語吹替では「お次はカードさばきがマシーンのようなミス・グリーンだなぁ。15ドル頂きます。」
となっていたので、やはり「残るは」「お次は」というニュアンスが出ていますし、「残す」という意味かな、と思うのですが…。

That leaves Rachel. 「それで残るはレイチェル、次はレイチェル。」と言えばいいところを、さっきレイチェルはあんなにカードさばきが見事だったのに、勝負では負けた、とロスは言いたくて、レイチェルを the big Greene poker machine と呼んで茶化しているのですね。


2つ目の、Kind of stepped on my point there. ですが、このニュアンスはちょっと難しくて、正直よくわかりません。
悩みに悩んで、恐ろしく長い記事なので、無理に読んで下さらなくても結構です。
ただ、私はこれだけ調べてみた、という「学習記録」みたいなもんですかね(笑)。

ネットスクリプトでは、Kinda となっており、DVD字幕では、Kind of となっていますが、どちらも意味は同じで、「ちょっと、なんだか、どちらかと言えば」という意味です。
step on は「…を踏む」。
辞書をざっと調べたところ、step on someone's point というイディオムは載っていません。
英辞郎には、step on someone's feet(または someone's toes)というイディオムが載っています。
それによると、
step on someone's feet(または someone's toes)=(人)の足を踏む、(人)を怒らせる、(人)の感情を損ねる[害する]、(人)を不快にする、(人)の権利[領分]を侵す

例1) At parties, Tony always interrupts conversations, stepping [treading] on others' toes [feet].
パーティーで、トニーはいつも会話に口を挟み、他人の気分を害する。
例2) Mary is angry with you. You stepped [treaded] on her toes [feet] when you mentioned her martial problems.
メアリーはあなたのことを怒ってるよ。彼女の夫婦の問題に触れたときに機嫌を損ねたんだ。


ロングマン現代英英辞典にも、
step on somebody's toes: to offend or upset someone, especially by trying to do their work
例) I'm not worried about stepping on anybody's toes.
訳しますと、「誰かの感情を害したり憤慨させたりすること。特に仕事をしようとすることで。」
例)私は誰かの感情を害することを気にしていない。


ロングマンの語義の do their work というのがよくわかりませんが、つまり何かをしようとして、上の英辞郎の例で言うと、「会話に口を挟んだり、他人の問題に触れたり」という誰かのやっていることに割り込んで何かしようとして、ということなのかな?

上の例からわかるように、足(つま先)を踏む、なので、もっぱら悪い意味で使うようです。
これが feet や toes ではなくて、point ならばどうなるか、ということですよね。
point には、「先端、先」という意味があるので、もし toe 「足指、つま先」の代わりに使っている、ということなら、上に挙げた step on somebody's toes と同じ意味だ、ということになって、一件落着!なのですが(笑)。

もし「先端」という意味で使っているのではないとしたら、どうなるのでしょう?
この point は「問題点、論点、論旨、ポイント、要点、真意、主張」みたいな意味でしょうかねぇ。
stepped on my point を直訳すると、「私のポイントを踏んだ」となり、何となく「私のポイントを言い表してくれた、私のポイントにドンピシャなことを言ってくれた」みたいに一瞬思いたくもなるのですが、上のイディオムの語義から判断すると、やはり「(足で)踏む」には悪いニュアンスが入っているんだと思います。
「踏む」、つまり「踏んづける、踏みつける」という感じなのかなぁ?と。
ちょっと意訳になるかもしれませんが、「足蹴(あしげ)にする、土足で踏みにじる」みたいに、せっかくの私の主張を台無しにしてしまう、みたいなニュアンスが感じられなくもないです。

モニカの前にレイチェルがひと演説ぶつのですが、それに対しては「よくぞ言った、レイチェル!」みたいな感じで、観客から拍手まで起こっています。
それに勢いづいたモニカが調子に乗って、さらに男性陣に追い討ちをかけるのですが、それがやはりモニカなので、ちょっとえげつないというか(笑)、しつこいというかくどいというか、「そこまで言うか?」みたいに随分とひどいことを言ってしまうわけですね。
モニカの長いセリフを聞いている間に、他のフレンズたちもだんだんげんなりしていく様子が映っています。
さんざん言い過ぎた後、レイチェルがポツリとその問題のフレーズを言うわけですが、その意味は多分、「そこまで言っちゃうと、私がせっかく言ったことをフォローする効果はなくなって、却って逆効果よ。」みたいな感じだと思います。
上に挙げた英辞郎の訳に、「(人)の権利[領分]を侵す」というのがありますが、「私の論旨を侵す」という感じで、「私の言ったポイントを台無しにする」ということかなぁ?

明らかにレイチェルもげんなりしているわけで、本音としては決してモニカを褒めるつもりはないはずですが、イヤミを込めて正反対のことを言う、ということはあり得ますね。
その場合だと、「私のポイントにドンピシャなことを言ってくれたわ。」という意味であっても構わないわけです。
ただ、そんな風に褒める表現だとすると、「モニカはまさに私の…を〜してくれたわね! ありがとう!」という感じで、exactly などの強調表現が入る気がするんです。
実際のセリフでは、kind of という「はぐらかす表現」が入っています。
そういう和らげる表現が入っていることからも、その後に続くのは否定的な話で「モニカは私の…を〜しちゃった、みたいね。」とやんわり批判しているような気がするんですよねぇ。
stepped と過去形になって there も入っているのは、モニカが直前にさんざんひどいことを言ったことを、距離感を持って「今さっきのあれは、…だったわよ。」と語る感じでしょうか。
日本語に訳すと、「ちょっとそれは、私の言わんとしたことを台無しにした、って感じね。」というところかな、と。

そして、こんなフォーラムを発見。
UsingEnglish.com ESL Forum: What "kinda stepped on my point" means?
フォーラムの内容をそのまま引用するのは避けたいのですが、少しだけ…(ごめんなさい)。
質問者の方は、まさにこの "kinda stepped on my point there" の意味を尋ねていて、さらには、「ネットの掲示板(message board on the net)で、このフレーズをよく見かける」とも書いてあります。
その質問に対しての答えが1件載っていて、そのニュアンスを2種類の動詞で表していますが、やはりネガティブな意味のようです。
その答えが一般的なネイティブの答えなのか、答えた人の持つイメージなのかもよくわからないのですが、step on someone's toes などから来るイメージと似た感じではあると思います。

このフォーラムを見て興味を惹かれたのは、どちらかと言うとその答えではなく(笑)、質問の方ですね。
このレイチェルのセリフと全く同じフレーズ、というのが気になります。(ご丁寧に、kinda と there まで同じ、という…)
質問は結構最近投稿されたもののようです。
フレンズ1-18 と言えば1995年頃ですから、全く同じフレーズが最近の掲示板でも使われている、というのは一体どう解釈したらよいのやら…。
全く同じフレーズをよく見かけるということは、レイチェルのセリフが誰かの有名なセリフを真似したものなのか、それとも、これはちょっと可能性が低いですが、フレンズでレイチェルが言ったフレーズをその後に誰かが使い始めた…とか?

ちなみに、"stepped on my point" でぐぐると、このフレンズのスクリプトがヒットしますが、それ以外にも、Kind of stepped on my point there をちょっとバージョン違いにしたような文が3つヒットしました。
どれも kinda または kind of がくっついているのが、偶然にしては出来すぎな気がして、何か明らかな出典がありそうな気がするんですよねぇ。

"step on your point" をぐぐってみると、I didn't mean to step on your point. というフレーズがいくつかヒットし、sorry などと一緒に使われています。
ということは「ごめんね、step on your point するつもりじゃなかったんだ。」ということですから、やっぱり相手に対して悪いことをした、ってことですよね。

実際の使用例で何となく使い方はわかる気がするけれど、意味を解説してくれていたのはそのフォーラムだけで、他にはどこにも意味が載っていない…というのが何とも不安でして。
これについては、誰かご存知の人に聞いた方が早い気がする(笑)。

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posted by Rach at 09:43| Comment(13) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月21日

フレンズ1-18その9 ご質問3

昨日に引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問から記事にしました。

(質問)サーモン・ルーレットって何?
モニカ: Alright, here we go. We've got salmon roulettes and assorted crudites. (さぁ、どうぞ。サーモン・ルーレットと、生野菜の盛り合わせよ。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, Monica, what're you doin'? This is a poker game. You can't serve food with more than one syllable. It's gotta be like chips or dip or pretz-- (おいおいおい、モニカ。何やってんだよ。これはポーカーゲームだぞ。1音節より多い食べ物は出しちゃいけないんだ。オッケーなのは、チップスとかディップとかプレッツ…。)

このサーモン・ルーレット(salmon roulettes)というのは、一体どんな料理なんでしょうねぇ、というご質問です。

サーモン・ルーレットって多分こんな感じの料理だよねぇ…というのは後で触れますが、その次のジョーイのセリフもちょっと面白いと思ったので、解説してみたいと思います。

more than... は「…より多い、…より大きい、…を越える、…より上」という意味なので、…に当たる部分は含まれないことになります。
日本語の「〜以上」は「〜」を含みますから、more than は「以上」と訳してはいけないわけです。
日本語には「…より下」を表す「未満」という言葉はあるのに、どうしてその逆の「…より上」を表す単語がないんでしょうねぇ。
「友達以上、恋人未満」という言葉がありますが、これは限りなく恋人に近いけれど、恋人ではない、というのをうまく表している気がしますよね。
「これは○○だ。それ以上でも、それ以下でもない。」というフレーズをたまに聞きますが、「以上」や「以下」が「それを含めて」という意味であるとすると、「それ以上でもそれ以下でもない」というのは、結局「それそのものでもない」ということになってしまい、変な気がするけど…(って、どうでもいい話…)。

とにかく、more than one syllable は「音節・シラブルが1個より上」ということなので、すなわち「2個以上の音節」を持つ食べ物はダメだ、と言っているわけです。
音節は母音とその前後の子音のまとまりを一つと数えます。
辞書では単語の見出しによく「・」で区切って書いてありますよね。
ですから、chips と dip は確かに1音節なのですが、次にジョーイが言おうとしたのは、pretzel で、でも pretzle は pret・zel で2音節なのです。
自分で1音節のものじゃなきゃ…と言ってしまったので、pretz で止まった、あるいは1音節で強引に止めたわけですね。
ジョーイはとにかく名前も簡単でカードゲームをしながら片手で食べられるような簡単なもの、という意味で音節の話を出したのでしょうが、自滅してしまった感じかな(笑)。
そういう簡単なものが似つかわしいポーカーに、おしゃれで凝っていて、恐らく片手では食べにくくて名前も長いオードブル、ということで、サーモン・ルーレットの名前を出したってことなんでしょうね。

ネットで検索すると、メニュー(献立)がいくつかヒットしました。
Greek Taverna KONAKI Chiristmas Dinner Menu
のメニューには、以下のように書いてあります。
SMOKED SALMON ROULETTE
Prawns in rosemarie sauce wrapped with smoked salmon

つまり、
スモーク・サーモン・ルーレット
ローズマリーソース漬けのクルマエビをスモーク・サーモンで巻いて包んだもの


Menu - The New York Grill
これは、ニューヨーク・グリルというお店のメニューのようです。
SEAFOOD の項目に、サーモン・ルーレットが載っています。
引用すると、
SALMON ROULETTE
Baked salmon roulette stuffed with snow crab, spinach and feta cheese, served with rice & vegetables.

つまり、
サーモン・ルーレット
ズワイガニ、ほうれん草、フェタ・チーズを詰めて焼いたサーモン・ルーレット、ライス・野菜添え

ということで、説明に「サーモン・ルーレット」と書いてあるので、ルーレットの説明にはなっていませんが(笑)、何となく雰囲気はわかりますよね。

他にも、Pork Roulette や Chicken Breast Roulette などもあるようです。
The Foody UK & IRELAND: Beef Roulette Recipe に、ビーフ・ルーレットのレシピ(調理法)が書いてあります。
Spread the mixture over the beef.
Roll up the beef firmly and tie with soft twine, ...

「(ハムや卵を)混ぜたものをビーフに塗る。ビーフを堅く巻いて、柔らかい麻糸で結ぶ…(以下略)」
つまりルーレットというのは、横から見たらあのゲームに使うルーレットみたいに見えるように、くるくる巻いたもの、ということなんでしょうね。

このシーンのサーモン・ルーレットがどういうものかよくわかりませんが、中に何かを詰めてくるくる巻いたサーモンのオードブルで、盛り合わせた生野菜の上にそのサーモンが乗っかっている、という感じなのかなぁ? 画面ではよく見えないですね。
サーモン・ルーレットが、上に挙げたような料理だとすると、とても手づかみで食べられそうなものではないし、食べると中身がベチョッと出てきて、手が汚れそうな気もします(笑)。
そんな手づかみで簡単に食べられないようなものを出すなよ、ということなのでしょう、きっと。

料理は「グーグルのイメージ検索」を使うと、あっさりその写真が見つかることが多いのですが、今回は、「なんちゃらルーレット」という名前の料理の写真を見つけることができませんでした。
写真を見れば一目瞭然なんですけどねぇ…(笑)。

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posted by Rach at 14:23| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

フレンズ1-18その8 ご質問2

先日の、フレンズ1-18その7 ご質問1+Tridentの話 に引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問からヒントを得て、また別の記事を書いてみました。
(いただいたご質問は、フレンズ2-23その20 のコメント欄 にあります。)

記事にするのは、Trident の話だけにしようと思っていたのですが、調べているうちに深みにハマってしまったので(笑)、いっそのこと記事にしたら何日分か稼げるしね…というのが本音なんですが。(もうすぐ冬休み、年末年始でバタバタするのが目に見えていますのでねぇ…笑)

でも、真面目な理由もあるんですよ。
以前にも、いただいたご質問から記事にしたことが何度かあります。
それはコメント欄よりも本文記事の方が記事を書きやすい、というのがまず一つ目の理由として挙げられます。
リンクもはりやすいし(何故か最近コメント欄では、ウィキペディアへのリンクがはれない)、辞書や文法書から引用する場合に、引用箇所の文字色を変えることができる…とかで、より見やすいものができるからです。

それから、質問をいただいた部分で私が記事にしようと思う部分は、私が過去の解説で飛ばしている箇所です。
過去の解説で飛ばしているのは、ほぼ間違いなく、当時の私には意味がわからなかった、もしくはうまく説明できないと思った部分なんですよね。
それを今の私が改めて解説しようとするとどうなるか、に挑戦してみたいなぁ、と。
質問された方と私以外にも、その部分がよくわからなかった、という方はきっとおられると思いますので、その方たちに読んでいただくことも想定して書いています。

なお、今も、そしてこれからも、ですが、質問者の方(かた)が必要以上に恐縮される必要はありません。
コメント欄での返事もそうなのですが、いつも私のコメントのレスが長いのは、質問した方に返事を書いている、というよりは、私自身が頭を整理するために書いているところがあります。
その時、思ったことや感じたこと、調べたことを全部ノートに書いておく、という感じかな。
後でそれが役立つことも度々ありますしね。

「フレンズを解説するブログだ」と謳(うた)っている以上、過去に説明漏れしているところは、できるだけ埋めていきたいと思いますし、わからないなりに、今の私に出来る限りの仮説を立てることも、それなりの意味があると思うんですよね。
ここで記事にしておくと、また何年後かにでも読者の方が有益なご意見を下さる、もしくは成長した私自身が(笑)また別の解釈を思いつくかもしれないし…。

ということで、このような記事を書いたことについて、ご理解いただけるとありがたいと思います。
こんな風に過去のエピソードを再度説明するチャンスが巡ってくることは、私としてはとても嬉しいことですし、「あぁ、そんなシーン、あった、あった!」と覚えておられる読者の方々に、私なりの見解を読んでいただけるだけで幸せなのです。
(長い前振りでした…)

質問への回答は、思いついた順に書いているので、ストーリーの流れには合っていませんが、何卒ご了承下さい。

(質問)ポピュラー・メカニックスって何?
フレンズたちは、レイチェルの履歴書を送る手伝いをしています。
履歴書の宛先を見て、
モニカ: Do you really want a job with Popular Mechanics? (レイチェルは本当にポピュラー・メカニックスでの仕事をやりたいの?)
チャンドラー: Well, if you're gonna work for mechanics, those are the ones to work for. (もしメカニックス(メカニック)関係の職場で働くつもりなら、それが一番適した職場だよ。)

この「ポピュラー・メカニックス」とは何でしょう?というご質問です。

Popular Mechanics は単語が大文字で始まっていることから、固有名詞であることがわかりす。
またDVD字幕ではイタリック体で書いてあります。
映画のタイトルや本の題名はそのようにイタリック体で書かれることが多いですね。
ということで、固有名詞であると想像した上で、グーグルで検索してみると、雑誌の名前であることがわかりました。
Popular Mechanics 公式ホームページ
このサイトの下の方に、その雑誌の写真が載っていますね。
また、日本でも購入できるようです。
紀伊國屋書店BookWeb: Popular Mechanics
上のサイトでは、日本語で解説が書いてあるのでわかりやすいですね。
Wikipedia 英語版: Popular Mechanics の解説をざっと訳すと、
「科学や技術をテーマにしたアメリカの雑誌。車、アウトドア、科学、技術に関する定期記事を扱う。」

レイチェルはどう考えてもメカに強そうでもないし、また興味がありそうでもない(笑)。
それなのにそんなメカ好きの人が買うような雑誌の会社(ポピュラー・メカニックスを発行している雑誌社、その雑誌の編集部?)に応募しようとしているから、モニカは驚いているんですね。

それに対するチャンドラーの返事ですが、2通りに解釈しました。
1つ目は、メカに興味がないレイチェルをからかって、「”メカ好きのレイチェル”なら、お似合いの会社だよな。」と言っている。
2つ目は、「メカニックス」という名前がついているとは言え、実際の仕事は雑誌の編集などの雑誌業界としての仕事になるから、メカニック好きの人にとっては憧れの職場だとは言えない、というのを逆説的に表現している。

2つ目の場合ですが、確かに一日中機械いじりをする仕事ではないけれど、取材でいろんな最新のメカに触ったり、新しい情報をいち早く知ったりできるでしょうから、メカ好きの人に相応しくない、とも言い切れないですよね。
だから、やっぱり1つ目の解釈が正しくて、びっくりしているモニカに、「何もおかしなことはないよ、そこに応募してるくらいならレイチェルはメカ好きなんだろうし、メカ好きにはたまらなく魅力的な会社だよ。」と言っているのかなぁ、と。

DVDの日本語吹替(ふきかえ)では、
「ポピュラー修理工場なんてとこにも出すの?」
「修理工場で働くなら、ポピュラーなところがいいさ。」
というやり取りになっていました。
これは、雑誌の固有名詞を出しても日本人にはわからないから、雑誌のジョークであることは訳出(やくしゅつ)せずに、ポピュラーという日本語から来るイメージのジョークに置き換えたのでしょうね。

ここで誤解のないように書いておきたいのですが…。
そんな風に、日本語では全然違うものに置き換わっている部分を見た時に、「誤訳だ、意訳しすぎだ」と批判する人がたまにおられるようですが、私はそんな風には思いません。
ちょうど1年ほど前に「日本語字幕の限界?」という記事を書いたのですが、そこにも書いたように、「DVDの日本語字幕・音声(吹替)は英語学習者のためのものではない!」のです。
翻訳をされている方は、まずはコメディとして成り立つことを真っ先に考えないといけないので、そのポピュラー・メカニックスが雑誌であるかどうかをここで説明しても、却って説明が長くなるだけですから、あえてそれを雑誌であるとは言わなかった「だけ」のことだと思います。

これをどうしても雑誌名だと言いたい場合はどうすればいいか?
「ポピュラー・メカニックスという雑誌(の仕事)」というだけでは、ちょっとつらい気もします。
「アイ・ラブ・メカニックスという(名前の)雑誌」みたいに、メカ好きの人が読む雑誌であることがわかるような名前に変えないと日本人にはピンと来ないと思いますし、でもそんな風に勝手に名前を変えてしまっては、あまり意味もないですしねぇ。

映画やドラマの翻訳をされた方は、こんな風に「字幕や吹替」と「オリジナルの英語」との違いが話題になるたびに、「私は、英語学習者向けに訳したわけじゃないですし…」と訴えたいだろうなぁ、と思ってしまうのですが(笑)。
私は、そういう「日本語には訳しにくい」部分をこのブログで解説しているのですが、決して、字幕や吹替の日本語訳が全然違っていることを批判しているわけではないんですよ!(そんな風には絶対に思わないで下さいね。)
日本語に訳すのがどれだけ大変かは、誰よりも(←言いすぎ…笑)わかっているつもりですからね。
それくらい、短い言葉でそっくりそのままの意味に訳すのは難しい、言葉を理解するには、文化的背景などの知識が不可欠だ、ということですね。

私のオススメするDVD学習法は、字幕や吹替をヒントにニュアンスを掴む、というものですが、それがヒントになるものか、あるいは全くの意訳なので参考にはならないか、を判断する必要が出てきますね。(中には一見意訳のように見えて、そこにうまく英語のセリフのニュアンスが入っている、というのもあったりして、翻訳者のセンスを感じることもよくあります。)
そういう判断は、結構難しいことなのかもしれませんが、ずっと同じドラマを見ていると、だんだんそういうところもわかってくるような気もします。
(何だか、日本語字幕・吹替の話になってしまいましたが…笑)

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posted by Rach at 11:30| Comment(7) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする