2007年01月26日

フレンズ2-24その20

花婿姿のバリーがやってきます。
バリー: Min. Oh, Rach, you're still here. At our wedding, they were packing up the chopped liver about now. (ミンディ。やぁ、レイチェル。まだここにいたの。僕たちの結婚式では、出席者の人たちは今頃チョップ・レバーを(持ち帰り用に)詰めていたところだね。)
レイチェル: Yeah, I love that story. Um, I got a question for you guys. Why do people keep saying it's good to see me up and about? (えぇ、その話は本当に楽しいわ。あ、あなたたちに一つ質問があるんだけど。どうしてみんな、私が元気になった姿を見て良かった、って口々に言うの?)
ミンディ: Well uh, after you ran out on your wedding, Barry's parents told people that you were sort of....insane. (えーっと、あなたが結婚式を逃げ出した後、バリーのご両親がみんなに言ったのよ、あなたはちょっと…正気じゃなかった、って。)
レイチェル: Insane? (正気じゃない、ですって?)
ミンディ: From the syphilis. (梅毒のせいで。)
レイチェル: What?! (何ですって?)
バリー: Yeah, what were they gonna say? You didn't love me anymore? (そうだよ、両親は(他に)何て言える? 君が僕をもう愛してない、って(言えばいいのか)?)

Chopped liver というのは「みじん切りにしたレバー(肝臓)」ということですね。
日本語では「レバー」と言いますが、発音は英語の文字通り「ヴァー」です。
よく似た単語に、lever 「てこ、レバー、操作棒」がありますね。
この lever は、主に「レヴァー」と発音されますが、研究社 新英和中辞典によると、「リーヴァー」と発音されることもあるようです。(う〜ん、ややこしい)
Wikipedia 英語版: Chopped liver
上のウィキペディアには、「アメリカやカナダの Kosher delicatessens の一般的なメニューである。」と書いてあります。
delicatessen は「デリカテッセン、調整食料品店、そのまま食卓に出せるような調理済みの食品を売る店」のことですね。
Kosher は、Merriam-Webster Online Dictionary によると、
kosher: selling or serving food ritually fit according to Jewish law
つまり、「ユダヤの慣習・戒律に従い儀式に則った食べ物を売る、または食べ物を出す」という形容詞なので、Kosher delicatessens は「伝統的ユダヤ料理を扱うデリカテッセン」という感じでしょうか。
この chopped liver について、ウィキペディアの Chopped liver in popular culture という項目に面白いことが書いてあります。
訳しますと、
「その変わった味とグレーの見た目のため、chopped liver は acquired taste (次第に好きになる味)であり、夕食の席で誰もが好きで気楽に食べる、という食品ではない。このことが、ユダヤ系アメリカ人が使う一般的な表現、"What am I, chopped liver?" (俺って何者? chopped liver か?)を生み出した。それは人付き合いの面において、無視されたことに対しての欲求不満や怒りを表すものである。」
英辞郎にも、
chopped liver=(名詞1)チョップレバー(レバー料理の一種)
(名詞2)「取るに足りない人[物]」

という語義が挙げられていますし、
Merriam-Webster Online Dictionary にも、
chopped liver: (slang) one that is insignificant or not worth considering
「(俗語) 重要でないもの、考慮に値しないもの」と書いてあります。
上のウィキペディアには、その作り方まで書いてありますので、興味のある方は是非どうぞ(笑)。
写真はこちら(↓)。
AtarChef Blog: kosher recipes: Qualified Cooking Advice: Chopped Liver

pack up は「…を詰める、詰め込む」という感じですから、料理を折り箱(?)に詰めている雰囲気が出ていますね。
つまり、バリーとレイチェルの結婚式ではレイチェルが逃げ出したので、せっかく用意したご馳走をその場で食べてもらうことが出来ずに、箱に詰めて帰った、途中で(というより元々始まることもできなかったのでしょうが)お開きになってしまった、というイヤミを言っているのですね。
ネットスクリプトでは about now となっているのですが、DVDの字幕は by now となっていました。
実際の音声は about now と言っているようなので、上のセリフは about にしておきました。
about now なら「今頃、今時分」、by now なら「今頃はもう、今頃までには、もうそろそろ」という感じになりますね。
run out on は「(家族・友人などを)見捨てる、(仕事などを)放棄する、(約束などを)破る」。
この場合は、「結婚式を逃げ出す、すっぽかす」という感じです。
フレンズ2-9その5 にも出てきました。
insane は「正気でない」。
フレンズ1-19その5 にも出てきました。
syphilis は「梅毒」。性病ですね。
理由なら他にもいろいろあるだろうに、と思うのですが、よりにもよってこんな病気が理由だと言われるなんて、よほどレイチェルのことを恨んでいたのでしょうね。

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2007年01月25日

フレンズ2-24その19+名前のハイフンの話

花嫁姿のミンディが駆け寄ってきます。
ミンディ: Oh my God, I'm married! (すごいわ! 私、結婚した[してる]のよ。)
レイチェル: I know. (ほんとね。)
ミンディ: I'm Mrs. Dr. Barry Hunter, hyphen, Farber. (私はドクター・バリー・ハンター・ハイフン・ファーバー夫人よ。)

ミンディ役の役者さんが前に出てきた人と違いますね。
出番の少ないサブキャラではよくあることです(笑)。
かつては、ロスの奥さんのキャロル役の女優さんが交替したこともありましたね。
ミンディは、結婚して名前がこうなる…と言っているのですが、その名前には、hyphen (ハイフン)が入っています。
今日は、その「名前のハイフン」の話だけで終わってしまいますので、興味のない方は、また明日、お会いしましょう(笑)。

エンド・クレジットでは、バリーとミンディはどちらもファーストネームしか書いてありません。
が、さすがはウィキペディア、ちゃんと二人のフルネームが書いてあるのを発見しました。
まずは今回のエピソードの解説ページ。
Wikipedia 英語版: The One with Barry and Mindy's Wedding
Additional cast の項目を見ると、
Barry Farber - Mitchell Whitfield
Mindy Hunter-Farber - Jana Marie Hupp
と書いてあります。
また、以前にバリーとミンディが登場したエピソード(フレンズ1-20)のページはこれ。
Wikipedia 英語版: The One with the Evil Orthodontist
ここには、
Mindy Hunter - Jennifer Grey
Barry Farber - Mitchell Whitfield
と書いてあります。
バリーのフルネームに関しては、劇中でも言及されており、フレンズ1-20その5 では、Barry Farber という名前がセリフに出てきましたね。
ウィキペディアを見ると、ミンディの女優さんが変わったというのもわかるのですが(笑)、Hunter がミンディの元々の名字(旧姓)で、Farber がバリーの名字である、そして、ミンディは結婚して、Mindy Hunter-Farber つまり、「ミンディ・ハンター・ハイフン・ファーバー」、日本語風に表記すると、「ミンディ・ハンター=ファーバー」になった、ということがわかりますよね。
(ちなみに、日本語では、こういうハイフンを「=」と表記していますが、それはきっと、ハイフン(−)だと、延ばす音(ー)と紛らわしいから、なんでしょうねぇ?)
で、ミンディは、自分が、医師「バリー・ハンター=ファーバー」の妻(夫人)になった、と喜んでいるということになります。
実際は、バリーはハンターの姓は名乗らないような気もするのですが(上のウィキペディアでも Barry Farber と書いてあるので)、自分がハンター=ファーバーになることをバリーの名前を使って表現している、ということでしょうかねぇ?
こういう名乗り方がどれくらいメジャーなのかはよくわからないのですが、夫婦別姓ではないけれど、自分の旧姓も残しておきたい、という場合には、これが一番良い手なのかもしれません。

このミンディのように、結婚して、自分の旧姓と夫の姓とをハイフンで繋ぐ、というのは非常に分かりやすいですが、それ以外にもハイフンで繋ぐ例があるようです。

昔、読んだ本に、ハイフンに関する話が載っていました。
徳間書店 刊 アリー myラブ the official guide (ティム・アペロ 著、大城光子 訳) の p.51 に、ビリーの妻のジョージアを演じている女優さん、コートニー・ソーン=スミス(Courtney Thorne-Smith)のことが書いてあります。
そこに、
本名はコートニー・ソーン・スミスだが、ミドルネームのソーンは母親の旧姓なので、両親の家族に敬意を表し、ソーン=スミスとハイフンでつなぐことにした。
と書いてあったんです。
それを読んで、そんな風に父と母の名字をハイフンで結ぶ、ってのもアリなのかぁ、と感心した記憶があります。
まぁこれは、バリーとミンディの子供が出来た場合に、その子供の姓を Hunter-Farber にするのと結局は同じことなんですが…。
ミドルネームであるソーンを、名字のように見せるためにハイフンを使う…たった1字の記号であるハイフンには、深い意味が込められているんですね。

あと、こういう感じの名前で思い出すのが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(Catherine Zeta-Jones)。
Wikipedia 英語版: Catherine Zeta-Jones
このウィキペディアに彼女の名前の由来について書いてあります。
Her name stems from those of her grandmothers - her maternal grandmother, Katherine Fair, and her paternal grandmother, Zeta Jones.
「彼女の名前は、彼女の祖母たちの名前に由来している。母方の祖母はキャサリン・フェアーで、父方の祖母はゼタ・ジョーンズ。」

IMDb: Biography for Catherine Zeta-Jones の Trivia にも同じような内容が書いてありました。
内容は以下のとおり。
Named after her grandmothers: Catherine Fair on her mother's side, and Zeta Jones on her fathers.
「彼女の祖母から名前をもらった。母方のキャサリン・フェアーと父方のゼタ・ジョーンズ。」


ということは、キャサリンというのは一方のおばあちゃんの名前で、ゼタ・ジョーンズというのはもう一方のおばあちゃんの「姓名(フルネーム)」だ、ということですね。
キャサリンの父の名は Dai Jones、母の名は Patricia Fair なので、父方の姓は Jones、母方の姓は Fair なのですが、その両親の姓を取ってハイフンでつなげて名字にする(Fair-Jones)のではなく、このように一方のおばあちゃんの姓名をハイフンでつなげて一つの名字(?)として使う、というのもアリなんですねぇ。

フレンズの俳優さんで言うと、モニカ役のコートニー・コックスは、デビッド・アークエット(David Arquette)と結婚後、一時期、コートニー・コックス・アークエット(Courteney Cox Arquette)と名乗っていました。
今でもお二人は結婚していて、なかなかのおしどり夫婦のようですが、今の俳優としての呼び名はコートニー・コックスに戻っているみたいです。
IMDb: Courteney Cox には、Sometimes Credited As 「時々、以下のようにクレジットされる」として、アークエットのついた名前が2つ書いてあります。
ハイフンがついていたり、ついていなかったりしますが、後のシーズンのフレンズのクレジットではハイフンはなかったような気がします。
この”アークエット”ネタについては、いろいろとトリビアがあるのですが、フレンズ3-3 で詳しく説明する機会があると思いますので、またその時に(笑)。

レイチェル役のジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)は、ブラッド・ピットと結婚後も、俳優としての名前はそのままでしたが、時々どこかに「本名: Jennifer Aniston Pitt」と書いてあるのを見たような気もします。
結婚したら、こんな風に両方の姓をつけるのが、普通、もしくは今風なんでしょうか。

(Rach からのお知らせ)
カナダ・バンクーバーの生活・遊び情報誌 Oops! の 2007年1月19日号で、このブログが紹介されました。
その公式サイトはこちら(↓)。
バンクーバーの生活・遊び情報誌 Oops! 【カナダ留学・ワーキングホリデー情報】
トップページの FOCUS 「お役立ち情報満載! バンクーバーでブログ的生活」をクリックすると、いろんなブログが紹介されていて、その2頁目、「その他のオススメブログ 他にもまだまだあります! アナタの毎日をもっと楽しくしてくれそうなブログ」 の、「楽しく手軽に。ブログで英語のお勉強!」という項目で、他の3人の方のブログと共に紹介して下さっています。
ブログランキングでよくお名前を拝見する方々のブログと共に紹介していただけるなんて、とても光栄に思っております。ありがとうございます。

この Oops! という情報誌は、掲載依頼のコメントを下さったライターの方の説明をお借りすると、「旅行者、留学生、ワーキングホリデー、移民者向けの月2回発行のカナダ、バンクーバーの無料日本語情報誌」だそうです。
ですから、実際にカナダで情報誌として発行、配布されていて、その同じ内容が上で紹介したウェブサイトでも見ることができる、ということだそうです。

実際にネットでこの情報誌の名前を検索すると、たくさんのサイトがヒットしますし、
All About スーパーおすすめサイト大賞2003 「カナダで暮らす」 で、この Oops! のウェブサイトが紹介されていました。(このサイトには、この情報誌 Oops! の人気ぶりが書いてあります。)

カナダに行ったことのない私の書いたブログが、カナダで発行されている情報誌で紹介されるなんて…。
それもこれも、いつも読んで下さり応援して下さる読者の方々のお陰だと思っております。
本当にありがとうございます。
このように紹介していただけたので、それに恥じないようにこれからも頑張っていくつもりです。
Oops! 関係者の方々にも、お礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

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posted by Rach at 11:50| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月24日

フレンズ2-24その18

知り合いの夫婦と会話を交わすレイチェル。
ワインバーグ氏: It's so wonderful to see you again, my dear. In fact, I hardly expected to see so much. (君をまた見ることができて[会えて]良かったよ。実際、そんなに多くのものを見られるとは予想していなかったけどね。)
ワインバーグ夫人: You told me you didn't see anything. (あなたは何も見てないって言ってたじゃない。)
ワインバーグ氏: I tell ya a lot of things. (たくさん(は見てない)、だよ。)
ワインバーグ夫人: Well it's wonderful to have you up and about, again, dear. (レイチェルがまた元気になって良かったわ。)
ワインバーグ氏: Stay well. (お大事にね。)
レイチェル: Okay, now that is the third time someone has said something like that to me today. (今日、誰かが私にあんなことを言ったのは、今ので3回目よ。)

see は「会う」ですが「見る」という意味もありますね。
ここではそれを使って、レイチェルの顔も見られたし(会えたし)、思ってもいないもの(お尻のこと)まで見られた、と言っています。
I tell ya a lot of things. にちょっとひっかかりました。
ya は you ですから、I tell you a lot of things. と同じですが、I told you と過去形にはなっていないんですね。
普通は「あなたは…と言ったじゃない。」に対しては、「私は…と言ったんだ。」と I told you になると思うのですが、しかし、この場合、もし I told you a lot of things. と答えたとすると、「私は君にたくさんのことを言った。」という別の意味になってしまう気がします。

ここはそうではなくて、前置きとして使う I tell ya (I tell you) 「確かに、 ほんとに、まったく」とか「ねぇ、いいかい」みたいな軽い感じなんでしょうか。
「anything じゃなくて、a lot of things だよ」と念押ししている感じでしょうかねぇ。
そして anything の代わりに a lot of things になるとしたら、I didn't see a lot of things. で「多くのものを見たわけじゃない。」という意味になるのでしょうね。
「多くを見たわけじゃない、と言っただけで、何も見てない(not anything)とは言ってないぞ。」ということでしょう。
You told me you didn't see anything. に対して、完全な文で答えようとすると、I told you I didn't see a lot of things. ということになるのだと思いますが、その誤解している部分だけを取り上げて、「私が言いたいのは、anything じゃなくて、a lot of things だよ」という意味で、I tell ya a lot of things. と答えたということでしょうね。

not any だと「少しも…ない、全く…ない」という完全否定ですから、奥さんは自分のダンナさんがレイチェルのお尻を全く見ていないと言ったと思って安心(?)していたのに、本当は「ちらっとは見た。」と言っているのであきれているわけですね。
だから上の日本語訳も、「たくさん見た」じゃなくて「たくさんは見てない」にしてみたのですが。
(2007.1.27 追記)
I tell ya a lot of things. の解釈について、下のコメント欄に追加説明と訂正があります。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)

up and about は「(病人が)床を離れて、(元気になって)歩き回って」。
up が起き上がる、about はその辺りをウロウロする感じで、そのニュアンスはわかりますよね。
stay well は「健康でいる、健康を維持する」。
well である状態に stay 「とどまる」のですね。
その2つの表現はかつて病気であった人が元気になった時に言う決まり文句なので、レイチェルは怪訝に思います。
それもこれが初めてではなく、今日はいろんな人にそう言われたようで、ちょっといやな予感のするレイチェルです。

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posted by Rach at 10:12| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月23日

フレンズ2-24その17

レイチェル: Oh my God. This is sooo humiliating. I think the only thing that tops that was, was, was when I was in the eighth grade and I had to sing the "Copacabana" in front of the entire school. I think I got about two lines into it before I ran and freaked out. Oh my God, my entire life is flashing before my eyes. (もういや。これってものすごーく屈辱的よ。これよりひどいことって言うと、私が8年生だった時、コパカバーナを学校の全員の前で歌わないといけなかったことね。その歌を2フレーズ歌ったら、慌てちゃってパニクっちゃった。もう、私の人生全てが目の前でフラッシュバックしてるわ。)
ロス: Rach, hey look, I remember that. It wasn't so bad. (レイチェル、ねぇ、聞いてよ。そのことは覚えてるよ。そんなに悪くなかったよ。)
レイチェル: Oh Ross, would you stop! You got me. I'm dating you. (もう、ロス、やめてよ! わかるでしょ? 私はあなたと付き合ってるのよ。)

昨日はコパカバーナの説明で終わっていました。
その続きです。

I got about two lines into it before... は「…する前に、その歌を(最初の)2行くらいまで歌った」ということでしょう。
つまり「2行くらい歌ったところで(before 以下の)状況になった」ということです。
ran and freaked out の ran が良く分からないのですが…。
いわゆるランニングの「走る、駆ける」という意味なら、「走って、パニクった」ということになるのですが、走ってからパニクる、という流れは何か変ですよねぇ…「パニクって、走って逃げた」というのならわかるけど。
ですから、ここは多分、ゆっくり歌わないといけないところを「走ってしまった」、つまり、「慌ててしまった、伴奏とうまくかみ合わないペースで歌ってしまった」、だからパニクった、ということなのかなぁ、と。
flash は「(考えなどが)急に浮かぶ」。
flash back だと「(記憶などが)突然過去に戻る」。
日本語でフラッシュバックと言いますが、そのフラッシュと同じニュアンスですね。

ロスはそのひどい思い出が君が言うほど悪いものではなかった、と慰めようとするのですが、レイチェルは納得しません。
"You got me. I'm dating you." の部分なんですが…。
DVDの日本語は「あなたは私の彼だもん。そう言うに決まってるわよ。」となっていましたが、確かにレイチェルの言いたいことはそういうことでしょうね。
彼であるあなたが私の失敗をバカにするわけがない、恋人であるあなたにそんな風に褒められたところで、私の恥ずかしさは消えない、あなたはあれを可愛いと思ったかもしれないけど、他の人はやっぱりあれを見て「わぁ、レイチェルがパニクってるよ、かわいそう、もしくは面白い」と思ったに違いないんだから…と言いたいわけですね。

get には「…を理解する、…の言ったことがわかる」という意味がありますよね。
Got it? は「わかった?」、I got you. は「君の言うことがわかった。」、You got me? なら「(私の言うことが)わかった?」となります。
ですからここの You got me. も「わかった? わかるわよね? わかるでしょ? わかるはずよ」みたいな感じなんでしょうか?
一瞬ちらっと思ったのは、You got me. は「あなたは私を手に入れた、ゲットした」という意味はないのかなぁ、ということなんですが…つまり深い関係になった、というようなニュアンスで。
「そんなこと言うのやめてくれる?」の後に、"You got me. I'm dating you." 「あなたは私を手に入れた(過去形)、そして今もデートしてるのよ(現在進行形)。」と言っている可能性もあるのでしょうか?
エッチするほどの関係である相手が「いやな思い出だ」と言っていることを慰めるのは、恋人として当然だ、という理由を述べているのかなぁ、とか。
でもやっぱり、「そんな慰めはやめて。(理由は言わなくても)わかるでしょ。私はあなたとデートしてるのよ。」という方が自然でしょうかねぇ?

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posted by Rach at 14:34| Comment(11) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

フレンズ2-24その16+コパカバーナの話

バリーの結婚式会場のロビーにて。
ドレスの後ろがめくれ上がってお尻(赤い下着はつけてましたが…笑)が見えていたのを知って激怒するレイチェル。
レイチェル: Why the hell didn't you tell me! (一体どうして私に言ってくれなかったの?!)
ロス: I'm sorry. What was I supposed to do? Stand up and shout, "Hey, Rachel, your butt is showing!" (ごめんよ。僕はどうしたら良かったんだろうね? 立ち上がって「おい、レイチェル、君のお尻が見えてるよ!」って叫ぶの?)
レイチェル: Oh my God. This is sooo humiliating. I think the only thing that tops that was, was, was when I was in the eighth grade and I had to sing the "Copacabana" in front of the entire school. I think I got about two lines into it before I ran and freaked out. Oh my God, my entire life is flashing before my eyes. (もういや。これってものすごーく屈辱的よ。これよりひどいことって言うと、私が8年生だった時、コパカバーナを学校の全員の前で歌わないといけなかったことね。その歌を2フレーズ歌ったら、慌てちゃってパニクっちゃった。もう、私の人生全てが目の前でフラッシュバックしてるわ。)

humiliate は「(人に)恥をかかせる、(…の)自尊心を傷つける」。
それに -ing をつけて形容詞にすると「屈辱的な、恥をかかせるような」という意味になります。
top は動詞で「(…の)頂をなす、頂点にある」ということから、「(高さ・重さなどで)(…を)上回る」「(質・技量などで)(…より)すぐれる、(…に)まさる」という意味になります。
この場合は「humiliating の度合いでいくと、トップに来る出来事は…」という感じでしょうか。

今日はコパカバーナ(Copacabana)について解説したいと思います。
Wikipedia 英語版: Copacabana (disambiguation)
Wikipedia にはよく disambiguation 「あいまい性の除去、あいまいさをなくすこと」という単語が出てきますが、まずこのページを見ると、「一つの言葉や名前が二つ以上の意味や物に用いられている場合」にそれが一覧できて、そのリンク先へ簡単に飛べるから便利ですよね。
日本語では「曖昧さ回避のためのページ」と訳されています。

Copacabana は地名としては、「ボリビアの都市、チチカカ湖のほとりにある」、「そのボリビアの都市名を付けられたブラジルのリオデジャネイロの地区」の2種類が挙げられています。
で、そのリオの地名をつけたナイトクラブが存在し、それを歌にしたのがバリー・マニロウ(Barry Manilow)のコパカバーナという歌である、ということが上のウィキペディアでわかります。
さらには、その歌を元にしたミュージカルも存在するそうで、さらには(!)宝塚歌劇も、このミュージカルを公演したそうです。
宝塚歌劇 TAKARAZUKA REVUE 公演案内 ミュージカル コパカバーナ
この宝塚のページには、バリー・マニロウのことも含め、そのミュージカルの内容が詳しく書かれています。
1947年に Copacabana というタイトルの映画もあったようですが、その邦題は「悩まし女王」というのだそうです。(何だか違った方面の映画を想像してしまうのは私だけ?)
有名なナイトクラブを舞台にしている点は同じですね。

その有名なナイトクラブなのですが、ある映画でそのクラブが出てきました。
その映画は、マーティン・スコセッシ監督の有名なマフィア映画、グッドフェローズ(原題: GoodFellas)です。
Amazon.co.jp: グッドフェローズ スペシャル・エディション 〈2枚組〉

そのシーンをざっと説明すると…。

マフィアのメンバーである、ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)が、恋人のカレン(ロレイン・ブラッコ)を連れて、あるナイトクラブに車でやって来る。
出迎えた店員にキーを渡して車を回させるヘンリー。
そのナイトクラブのひさしには、COPACABANA という名前が書いてある。(実際に、後のシーンで、店の名前がセリフの中にも出てくる。)
入り口は長蛇の列になっているのに、地下へ繋がる階段を通って特別な入り口から入るヘンリーとカレン。
厨房の中を通って、会う人に挨拶しながら、メインの場所に到着、店はすでに混んでいるのに、二人のために特別に机と椅子を用意する店員たち…。

それをずっと追いかけるカメラワーク(カメラの長回し?)がとても素晴らしいです。
それほど有名なクラブで、それほどの待遇を受けている、ということで、マフィアの力がどれほどのものか、そしてその中でのヘンリーの地位はどのくらいか、が自ずとわかる、ということなんですね。
その当時、カレンはヘンリーがマフィアの人間であることを知らなかったので、店の特別待遇にひどく驚いていましたし。
今回のフレンズ2-24 にちょっと関係する話が、その映画に出てくるので、また数日後にこの映画の話をします。

…ということで、コパカバーナの話で長くなりましたが、今回レイチェルが言っているのは、バリー・マニロウが歌っている歌のことですね。
この曲ですが、少し前に、ソフトバンクの携帯のCMで使われていました。
キャメロン・ディアスがノリノリで歩きながら電話をかけていたCMです。
日本人もこの曲を知っている人は多いと思うので、このCMを見て懐かしい〜と思われた方も多いのではないでしょうか。

長くなりましたので、"I think I got about two lines..." 以下の説明は明日にします。

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2007年01月21日

フレンズ2-24その15

バリーの結婚式会場にて。
モニカ: So, I read this article in the paper the other day that says you're not supposed to throw rice at weddings. Because when pigeons eat rice, it kills them. (それで、この間、新聞の記事を読んでたら、結婚式でお米[ライス]を投げちゃいけないって書いてあったわ。なぜなら、鳩がお米を食べると、死んじゃうんですって。)
リチャード: Oh, that's why you never see pigeons in sushi bars. See, we're having fun. (あぁ、だからスシバーでは鳩を見かけないんだね。ほら、僕たち、今、楽しんでるよね。)
モニカ: Oh, absolutely. Yeah, you know I'm not even thinking about that thing that we're not supposed to think about. (えぇ、全くその通りよ。ほら、考える必要のないことは考えることすらしてないのよ。)
リチャード: Neither am I. (僕もだよ。)

どうして結婚式にお米を投げるのでしょうね?
こちらのサイト(↓)の説明が簡単で分かりやすいかなと思います。
Wedding Themes and More: Wedding Customs and Traditions
このサイトの下の方に Throwing Rice という項目があります。
勝手に訳すのは避けますが、fertility という言葉がポイントのようですね。
fertility は「肥沃(ひよく)、多産、生産力、繁殖力」のような意味ですが、お米で言うと「豊穣(ほうじょう)」という言葉が適切かな。
試しに「wedding rice fertility」でぐぐると、やはりライスは fertility のシンボルである、という記述がかなりヒットします。
この風習なんですが、英語での正式名称は何と言うのでしょう?
日本語ではこれを「ライス・シャワー」というのだと思いますが、rice shower で検索してもあまり英語のサイトはヒットしないんですよね。
shower は「(…を)(…に)雨あられと浴びせる」という意味がありますが、結婚式関係で shower というと、bridal shower という言葉がヒットすることが多いです。
bridal shower は「ブライダル・シャワー、花嫁になる人に贈り物をするパーティー」のこと。
また、baby shower というと「出産前の母親にベビー用品を贈るパーティー」のことです。
どちらも後のエピソードで出てきます。
結局、ライス・シャワーに関しては、上のサイトの項目名にもなっている、throwing rice の方が一般的な名称なのでしょうかねぇ?

で、そのモニカが言っている話なんですが、まさにその件について触れているサイトを発見しました。
Throwing rice at weddings harms birds - Fiction!
このサイトでは、「鳥に害を及ぼす」という俗説はでたらめで、本当はどうなのか、ということがわかりやすい英語で書いてあります。
その内容は説得力があり、面白いなと思いました。

モニカのそういう世間話に対して、リチャードの返しもそんなに面白くありませんね(笑)。
面白くないジョークに無理して笑っている、二人もそれをいやと言うほどわかっている…のが滲み出ている、ということなのでしょう。


ウェディング・プランナー: It's time. Bridesmaids and ushers... let's see two lines. Thank you. (時間よ。ブライズメイドと案内役の皆さん。2列に並んでね。ありがとう。)

usher は「(劇場などの)案内係」のことですが、結婚式では「結婚式の案内役(先導役)、花婿・花嫁の男友達」のことを言います。
usher は動詞として使うと「(人を)(…へ)先導する、案内する」という意味になり、usher in だと「(天候が)(季節の)先触れをする、(事件・時代が)(…の)到来を告げる」という意味になります。
usher in a new era だと「新しい時代の到来を告げる」です。
まさに「(主語が)新しい時代に案内する」わけですね。

ところで、「2列に並んで」の表現が面白いと思いました。
let's see ですから「見ましょう」、つまり、「2列になってる姿を見ましょうね。」ということで、「2列になってね。」という軽い命令の意味になるということでしょうか?
see には「…を想像する、予想する」という意味があります。
また、see that だと「(…のように)手はずをする、取り計らう」という意味もあり、See that the window is shut. だと「窓を必ず閉めておきなさい。」ということになります。
この see のイメージに通じるものがあるのかもしれません。

普通に命令形で言う場合は、どう言うんでしょうね?
英辞郎によると、
line up in ... lines は「…列に並ぶ」
line up in ... rows は「…列横隊に整列する」

ということですから、二人ずつ並ぶ場合は、"Line up in two lines." ということになるのでしょうかね?

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2007年01月20日

フレンズ2-24その14

ジョーイが戻ってきました。リチャードにキスしようとしてモニカに蹴られたそうです。
ジョーイ: Man, I got this close to him, and Monica kneed me in the back. What's going on? (もう、リチャードにこれくらいまで近づいたのに、モニカが俺の背中を膝蹴りしたんだ。何やってんの?[どうしたの?])
フィービー: We're just wondering if Chandler's girlfriend is a girl. (チャンドラーの彼女って女の子なのかどうか、を今考えていたところなの。)
ジョーイ: Oh, well. Just ask her how long she's gonna live. Women live longer than men. (あぁ、じゃあ、ただこう尋ねればいいんだよ。その人はどのくらい生きるか、って。女は男よりも長生きだから。)
チャンドラー: How do you not fall down more? (どうしてお前はもっとたくさん転ばないんだよ。)
フィービー: Okay, ask her what is her current method of birth control. (わかった。彼女が今使ってる避妊方法は何かを尋ねてみたら?)
チャンドラー: All right. "My husband is sleeping with his secretary." She's married? (わかった。[質問すると、相手から答えが返ってくる。] 「私の夫は秘書と浮気をしています。」 彼女、結婚してるのか?)
フィービー: Well, at least we know she's a woman. (そう、少なくとも彼女が女性だ、ってことはわかるわね。)

wonder は「…かな?と思う」という意味ですよね。wonder if なら「…かどうか、と思う」。
この意味では、I'm wondering if... 「…かどうかを考えている」という表現がよく出てきますよね。
フレンズ1-9その1 では、"I was wondering, would it be possible, if I got a $100 advance on my salary?" (お給料を100ドル前倒しで、もらえたりするかなー、って思ったりしてるんだけど。)というレイチェルのセリフがありました。
遠回しにお願い事をする表現ですね。

ジョーイのアドバイスはなんともトンチンカンです。
確かに女性の平均寿命は男性よりも長いですから、仮に相手が100歳だとしたら、その相手が女性である可能性は高いのかもしれません(笑)。
しかし、どのくらい生きるか、つまり何歳まで生きられるか、ということは本人にわかるはずもありませんので、その質問は全く無意味なんですよね。

次の "How do you not fall down more?" はどう訳せばいいのか迷いました。
解説が長くなりますが、ご了承下さい。
how は「どんなふうに、どんな具合に、どのように」ですが、ここでは why のような意味で使っているようです。
why の場合は理由を尋ねているのですが、how の場合だと、「どういう経緯で、どういう顛末(てんまつ)で、そういうことになったのか?」と質問するニュアンスが感じられる気がします。

研究社 新英和中辞典の how の語義に以下のものがありました。
例文もちょっと多めに引用します。
how=[理由を尋ねて、しばしば can [could] を伴って] どうして(まあ)、なぜ
(例文)
How can you live alone? どうして一人で暮らすことができるのですか。
How can you say such a rude thing? よくもあなたはそんな失礼なことが言えたもんだね。
How is it that you didn't come? 君が来なかったのはなぜですか。
How is [comes] it (that) you are here? 君がここにいるのはどういうわけだ。
"Where is Tom?" - "How should I know?" 「トムはどこにいるの?」「そんなこと知るか(ぼくには関係ない)」

また、フレンズによく出てくる How come...? 「なぜ、どうして…なんですか?」という形は、How did it come that...? の短縮形だ、とも書いてありました。

こういう how の使い方を念頭において、それに似たフレーズを過去記事で探してみました。

フレンズ2-3その4
チャンドラー: How do you know that? How? (どうしてそんなことがわかるんだ? どうして?)
フレンズ2-14その5
ロス: Now, how do you know that? (どうしてそんなことがわかるんだよ?)
フレンズ2-16その17
レイチェル: How could you do this to me? This was your idea! (私に対して、どうしてそんなことが出来るの? これはあなたのアイデアだったのに!)

辞書の例文に出てきた How should I know? というフレーズは、フレンズ1-1 にも出てきましたよね。
ジョーイ: And you never knew she was a lesbian... (それでロスはキャロルがレズビアンだって知らなかったんだ…)
ロス: No!! Okay?! Why does everyone keep fixating on that? She didn't know, how should I know? (知らなかったよ! いいか? どうしてみんなそのことにこだわるんだよ? 彼女も自分がレズビアンだってことに気付いてなかったんだ。どうして僕にわかるんだよ。)

今回のセリフは、How do you know that? の how とニュアンスが似ているようですね。

fall down は「落ちる、ひっくり返る、転ぶ」です。
これはジョーイがモニカに蹴られた、と言っていることから、蹴られて転ぶ(ひっくり返る)ことを指しているように思うのですが…。
"How do you not fall down more?" は「どうしてお前はもっとたくさん転ばないんだよ。」ということで、そんなトンチンカンなことを言うやつは、もっと転んで頭でも打って、その頭の回路に刺激でも与えたらどうなんだ?というようなことなのでしょうか?
DVDの日本語は「膝蹴りが足りないみたいだな。」となっていました。
状況は、ジョーイが寿命の話を持ち出したので、チャンドラーとフィービーは顔を見合わせて「ジョーイは何ばかなことを言っているんだよ?」みたいな顔をしていました。
その後のチャンドラーのセリフなんですよね。
で、ジョーイは怪訝な顔をして、ドアを振り返っているのですが、それは今来た場所、リチャードにキスしようとして蹴られたことを思い出している、という様子で、「さっき、もっと転んでおけば良かった、って言うのかよ?」みたいな感じでした。

でも、「現在形」であるところに何かひっかかりを感じるのですが。
現在形というのは「現在の習慣を表す」んでしたよね?
モニカに蹴られた時の話なら、"How (または Why) didn't you fall down more over there?" 「何であそこでもっと転んでこなかったんだ?」の方がいいかな?とか。

もしくは、fall down は、もっと別の意味なのかなぁ?
fall down には「(計画・主張などが)くずれる、失敗に終わる」という意味もありますね。
失敗する、という意味だと「どうしてお前はもっと失敗しないんだ。」ということで、「どうしてそんなトンチンカンな意見を、そうも自信ありげに語ってるんだ?」みたいなニュアンスなのかなぁ…とも思うのですが、正直、よくわかりません。

birth control は「出産をコントロールする」ということですから、「産児制限、妊娠調節、避妊」ということですね。
その方法を聞くと、相手が男か女かわかるのでしょうか?
避妊にはいろんな方法がありますが、男性か女性どちらの側が使うものか、で判断する、ということでしょうか?
pill (経口避妊薬、ピル)を使っている、というのならまぁ女性かな、という想像はつくのですが…。
妙な話ですが、日本では圧倒的にコンドームが多いですよね。
アメリカではいろいろな方法が使われるようです。
フレンズでよく出てくるのはやはりコンドームで、コンドームがらみの話が多いのですが、フレンズ2-17その10 では、diaphragm 「ペッサリー(pessary)」という単語が出てきました。
アリー my Love では「避妊ゼリー」というのも出てきましたし。

質問の答えを見て驚くチャンドラー。
相手は、自分の夫は秘書に夢中だから、私とはエッチはしていない、だから避妊をする必要もない、という意味でその返事をしたのでしょうね。
その後のフィービーのセリフは、この緊急事態にそう来るか?!という感じで笑えます。
ただ、もっと大ボケの時のフィービーなら、「相手が女性だとわかって良かったわねぇ! 私の作戦うまくいったじゃん!」と無邪気に喜ぶという可能性もありますが、さすがにそこまではボケていなかったようで、しゃべっているテンションは低いです。
きまずい状況になったから、ちょっとギャグで逃げてみた…という程度ですね。

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posted by Rach at 07:47| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月19日

フレンズ2-24その13

フィービー: So how's your date with your cyber-chick going. Ooh, hey, what is all that? (それでサイバー・ガールとのデートはどうなったの? [パソコンの画面を見て]あ、ねぇ、それは何?)
チャンドラー: Oh, it's a web site. It's the, uh, the Guggenheim Museum. See, she likes art, and I like funny words. (あぁ、それはウェブサイトだよ。グッゲンハイム美術館のサイトなんだ。ほら、彼女は芸術(アート)が好きでさ、それで、俺は面白い言葉(ワーズ)が好きなんだ。)
フィービー: What does she mean by "H.H."? ("H.H." ってどういう意味なの?)
チャンドラー: It means we're holding hands. (それは、俺たちは手を握り合ってる、って意味なんだ。)
フィービー: Are you the cutest? (あなたって、超かわいいのね。)
チャンドラー: I'm afraid I might just be. (残念ながらそうらしいね。)
フィービー: You know, I think it's so great that you're totally into this person and yet for all you know, she could be like 90 years old, or have two heads, or... It could be a guy. (あなたがすっかりこの人にぞっこんなのは素敵なことだと思うわ。でも、ことによると、彼女は90歳かもしれないし、頭が二つあるかもしれないし、または…男かもしれないわよ。)

cyber はもうすっかり日本語になっていますが、「サイバーの、コンピュータ・ネットワークの」という意味ですね。
もともとは、cybernetic 「人工頭脳学の」、cybernetics 「サイバネティックス、人工頭脳学」から来た言葉のようです。
SFに出てくるサイボーグ(cyborg)は、cybernetic+organism 「人工頭脳有機体」を省略したものなんですね。
その cyber について、改めて英英辞典の語義を見てみることにします。
Merriam-Webster Online Dictionary によると、
combining form (連結形)の -cyber の語源は cybernetic
であり、その意味は、
-cyber: computer, computer network 例: cyberspace
と書いてあります。
また連結形ではなく、形容詞の cyber の語義には、
cyber: of, relating to, or involving computers or computer networks (as the Internet) 例: the cyber marketplace
つまり、「コンピュータやコンピュータ・ネットワーク(インターネットなど)と関係した[に関わる]」ということです。
chick は「若い女性、魅力的な女性」。
フレンズ1-15その3 にも出てきましたし、それ以外にもフレンズではよく「女の子」というニュアンスで登場します。

グッゲンハイム美術館についてはこちら↓
Guggeheim Museum
このサイトを見ると、グッゲンハイム美術館という名前の付くものは、ニューヨーク、ビルバオ、ヴェネツィア、ベルリン、ラスベガス、と世界各地にあるようです。
ニューヨークのものは、マンハッタンの Fifth Avenue にあるんですね。
Solomon R. Guggenheim という人のコレクションだったので、この名前がついているようです。
Wikipedia 英語版: Solomon R. Guggenheim Museum には、その NY のグッゲンハイム美術館のことが書いてあります。
世界各地のグッゲンハイム美術館については、
Wikipedia 英語版: Guggenheim Museum に書いてあります。
それを読むと、The Guggenheim UAE というのが United Arab Emirates (アラブ首長国連邦)に現在建設中で、2011年完成予定、ということのようです。
てっとり早くその美術館について知りたい方は日本語版をどうぞ。
Wikipedia 日本語版: グッゲンハイム美術館 を読むと、世界にその美術館があることの説明などが書いてあります。

最初にご紹介した、Guggeheim Museum で New York を選び、Collection Online で、The Collection の SEARCH ボックスにアーティストの名前を入れると、そのアーティストの作品を見ることができるようです。
私はピカソ(Picasso)で試してみましたが、いろいろな作品を見ることができますし、enlarge (拡大)して見ることもできます。
確かにアート好きの彼女なら、とても楽しめるサイトのようですね。
このフレンズ放映当時からこういうサイトがあったのかどうかは知りませんが、でもこの話の流れで言うと、その頃でもパソコンで作品がそれなりに見れたのではないかと思われます。

彼女が art が好き、それに対してチャンドラーは、自分は funny words が好き、と言っていますね。
アートとワーズは母音部分の「アー」の発音は異なりますが、同じような位置に r が入る単語ですよね。
韻を踏んでいるというほどのこともないのかもしれませんが、似た言葉を持ってきた、ということかな、と。
チャンドラーがアート関係のサイトを見ていて、チャンドラーもそれが好きで見ているのかと思いきや、彼は art じゃなくて、funny words 「面白い言葉、すなわちジョークやギャグ」が好きだ、と説明しているのが、このセリフのおかしさなのでしょう。
一晩中パソコン上で話をしているくらいですから、趣味が似ているのかと思いきや、実は趣味が全然違う、という面白さでしょうかね?
確かにチャンドラーはアートに興味のありそうなタイプではないのですが、でも彼女が好きだというからどんなのかちょっと試しにそのサイトを覗いてみた、ということでしょう。
興味がないのに覗いてみた、というところに、チャンドラーが彼女にすっかり惚れ込んでいる様子が伺えますね。
わからないなりにも何か掴んでみようとしている、というか、俺にはよくわかんねーけど、あの子はこーゆーのが好きなんだなぁ…と彼女に思いを馳せてみる…というか。
そういう気持ち、わかります。

What does she mean by "H.H."? は What does "H.H." mean? とほぼ同じですね。
ここでは「彼女が使っているその言葉の意味は何? 彼女はその言葉をどういう意味で使っているの?」という感じでしょうか。
hold hands は「手をつなぐ、手を握り合う」。
この二人のやり取りがどういう感じで繰り広げられているかわからないのですが(私はチャットとかもしたことないので)、例えば "You're so SWEET! (H.H.)" 「あなたって優しいのね。(むぎゅっ!)」みたいな感じなのかなぁ…と。
holding hands というのが可愛いですよねぇ。
まぁ、まだ相手のことをよく知らないというのもあるのでしょうが、言葉上だけのものだから、だんだんエスカレートして、もっと過激な行動を書いてしまう危険もあるのですが(笑)、手をつなぐところで止まっている、もしくは手をつなぐだけでお互い恥ずかしくて照れてしまう…というところが、フィービーも cutest だと思ったのでしょうね。
軽率なことを言って相手を傷つけたくない、相手のことをお互い大切にしたい、と思っている証なのかもしれません。
yet for all you know の yet は接続詞で、「けれども、それにもかかわらず、しかしそれでも」という意味。
for all you know は、「ことによると、(よくは知らないが)多分、おそらく」という意味。
直訳すると、「あなたが知っている全てのことを考えると」というようなニュアンスになるのでしょうか?
you の部分は他の人称代名詞に変えて使うこともできます。
すっかり相手に夢中のチャンドラーにフィービーの手厳しい一言ですが、フィービーの言うことにも一理あります。
のぼせてしまっているようなので、少しは冷静にならないとね、ということもあるのでしょうね。

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posted by Rach at 11:46| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

フレンズ2-24その12

ジョーイの部屋にレイチェルがブライズメイド(メイド・オブ・オナー)のドレスで入ってきます。
ドレスと同じ色のでっかい帽子を着ています。
レイチェル: Hey! (はーい!)
チャンドラー: I'm sorry we, we don't have your sheep. (ごめんよ、ここには君の羊はいないよ。)

何故、sheep なのか?
実はネットスクリプトのト書きにヒントがありました。
ト書きはこうなっています。
[Rachel, in her bridesmaid dress, complete with hat, which makes her look like Little Bo Peep, and Ross enter]
つまり、「レイチェルはブライズメイドのドレスで、帽子までちゃんとかぶって正装している。その装いはレイチェルを Little Bo Peep のように見せている。そしてロスが入ってくる。」

Little Bo Peep とはこの人↓
Wikipedia 英語版: Little Bo Peep
でっかい帽子にフリフリの服を着たリトル・ボーピープの絵も載っています。
上のウィキペディアの説明を訳すと、「Little Bo Peep は、nursery rhyme (童謡・わらべ歌)にその名が付いているキャラクターである。Bo Peep は羊飼いの女の子で、羊を見失って[羊が逃げて?]しまい、それを取り戻すためのアドバイスを受ける。」

その rhyme も載っていて、最初の部分は、

Little Bo Peep has lost her sheep
And can't tell where to find them.

リトル・ボーピープは羊を見失った[リトル・ボーピープの羊が迷子になった]
そしてどこで見つけることができるのかもわからない[どこにいるのかもわからない]

アマゾンで以下の本を見つけました。
Amazon.co.jp: Picture Me As Little Bo Peep and Other Nursery Rhymes (Picture Me) (ボードブック)
上の picture は「想像する、心(頭)に描く」という意味ですから、このボードブック(boardbook =ページが丈夫な厚紙[ボール紙]でできている本)のタイトルは、「私がリトル・ボーピープになった姿を想像してみて」ということですね。
Book Description にも「子供の写真を本に挿入すれば、古典的な童謡が蘇る。」と書いてあり、リトル・ボーピープの顔の部分がくりぬかれていて、そこに顔写真を挟むと、あなたもリトル・ボーピープになれるわ!という本なのですね。
よく観光地にありますよねぇ…顔がくりぬかれた人型の立て看板で、そこから顔を出すと忍者になれたり、武士になれたりする…という。
あれと同じ原理ですね。着替えるよりは遥かにラクですし(笑)。
この本のボーピープもかなりでっかい帽子を被っています。

Amazon.co.jp: Little Bo-Peep (A Peep-Through Nursery Rhyme) (ボードブック) は絵本のようですが、その表紙の女の子の絵が可愛いです。
帽子はそんなにでっかくないけど、服の色がレイチェルのドレスと同じような色ですね。

ウィキペディアに書いてあるのですが、映画「トイ・ストーリー」にボー・ピープというキャラクターが出てくるんですね。
こちらはもっと妙齢の女性(笑)の姿をしているのですが、服装はピンクで、帽子も被っています。
Disney.co.jp: トイ・ストーリー
このトップページから「キャラクター図鑑」→「ボー・ピープ」と進むと、ボー・ピープちゃんの姿が見られます。

最初に引用したウィキペディアでの説明、「リトル・ボーピープは、童謡[わらべ歌]にその名が付いているキャラクターである。」という文章の原文は、Little Bo Peep is an eponymous character from a nursery rhyme. と表現されているのですが、ついでにこの eponymous という形容詞にも注目しておきましょう。
eponymous は「名祖(なおや)の、名祖となった」。
名詞形の eponym は「名祖、土地や建物などの名の起こりとなった人名、言葉のルーツとなった人名」のこと。
英辞郎には、eponym の例として、
上着のカーディガン(cardigan)はカーティガン伯爵という人の名前からついた
と書いてありますし、
研究社 新英和中辞典には、
Romulus(ロムルス、古代ローマの伝説上の人物)が、Rome(ローマ)の名前の由来である
と書いてあり、eponymous の例文として、
Romulus was the eponymous founder of Rome. 「ロムルスは名祖となったローマの建設者であった。」
とあります。
ロングマン現代英英辞典によると、
eponymous: the eponymous character in a book, film, or play is the character whose name is in its title
例) Hester, the book's eponymous heroine

つまり、「本、映画、演劇の "eponymous キャラクター" というのは、その名前がその作品のタイトルに入っているキャラクターのことである。」
例文は「ヘスター、その本のタイトルに名前があるヒロイン」

ちょっと、脱線しますが、R.E.M. というアメリカのバンドがいますよね。
今年(2007年)「ロックの殿堂(the Rock and Roll Hall of Fame)」入りを果たす5組の中に選ばれたと、最近、ニュースになっていましたが、彼らの最初のベストアルバムのタイトルが、Eponymous です。
私の iPod には、R.E.M. の曲も入っていて、そのベストアルバムにも収録されている、It's the End of the World As We Know It (And I Feel Fine) と The One I Love をよく台所で聞いてます。
…あ、別にこの話がしたくて、eponymous という単語を説明したわけじゃないんですが。

…てことで長くなったのですが、レイチェルのその格好(特にでっかい帽子)を見ると、誰もが羊を探しているリトル・ボーピープを思い出すので、「僕らのところには君の羊はいないよ。」と返事している、というわけですね。


チャンドラーはそうやってからかうのですが、ジョーイはレイチェルを褒めます。
ジョーイ: Aww, Rach, I think you look cute. (あぁ、レイチェル。俺はキュートだと思うよ。)
と言ってレイチェルのほっぺにキスをして、ロスを見ながら
ジョーイ: And you, uh, you, you. I could eat you with a spoon. (それから、ロス。スプーンで君を食べちゃいたいくらいだ。)
と言ってロスにキスしようとします。
ロス: Get away from me. I said no.(僕から離れろ。(キスは)いやだ、って言ったろ?)
モニカ: Richard buzzed. He's waiting downstairs. (リチャードがブザーを鳴らしたわ。彼は下で待ってるわよ。)
ジョーイ: Oh, Richard's here? I should run down say bye to him. (あぁ、リチャードが来たの? 降りていって彼に挨拶しなくちゃな。)

普段なら、絶対にチャンドラーと一緒にそのレイチェルの格好をからかうジョーイですが、今はキスのターゲット探しに夢中なので、レイチェルを褒めておいて、その後、ロスに迫ろうとします。
リチャードが来ていると言うと、慌てて彼に会いに行くジョーイ。
次のターゲットはリチャードかぁ…もう誰でもいいんですね(笑)。
リチャードには大人の男性の魅力、というのはありますが、でもジョーイとキスしているところは想像したくないですよねぇ。

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posted by Rach at 15:32| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月17日

フレンズ2-24その11

リチャード: You really need the bassinet? (モニカは本当にバシネット[赤ちゃん用かご型ベッド]が必要なの?)
モニカ: Well, I just think the baby would keep falling off the dog. Do you, uh, do you , do you not see kids in our future? (赤ちゃんが(もし犬に乗ってたら)犬から何度も落ちちゃうと思うもの。私たちの未来に子供はいないの?)
リチャード: Oh, hey. I love children. I have children. I just don't wanna be 70 when our kids go off to college... and our life can finally start. (あぁ。ねぇ、僕は子供が大好きだ。自分の子供もいるしね。ただ、僕らの子供が大学へ行くようになって、僕ら二人の生活がとうとう始まる、って時に僕が70歳だ、というのはいやなだけなんだ。)
モニカ: Uh-huh. (あぁ。)
リチャード: Look I want you... now. (ねぇ、僕は、今、君と一緒にいたいんだよ。)
モニカ: Well, that's great. You know we don't need to talk about this now. Really, I mean this is, is so way, way, way in the future. I'm talkin' hovercrafts and apes taking over the planet. (それは素敵ね。そうね、今はこのことに関して話す必要はないわね。本当に、これって、ものすごく、ずっとずっとずっと先の未来の話だもの。(その頃には)私はホバークラフトを話題にしていて、猿がこの惑星を支配しているわね。)

You really need the bassinet? という質問に対して、モニカは精一杯ジョークで返そうとしています。
I just think the baby would keep falling off the dog. の dog はリチャードが勘違いした basset hound 「バセット犬」のことですね。
keep doing は「ずっと・・・し続ける」。
fall off は「…から落ちる」。
off は「…から離れて」なので、何かに接触(on)していたのがそこから離れて落ちる、という感じです。
この場合は、fall off a horse 「馬から落ちる・転落する、落馬する」のイメージですね。
ですから、keep falling off the dog は「犬から落ちるという行為が何度も起こる、何度も落馬…ではなく落犬(?)する」という感じです。
バシネットに寝かせるような新生児ならまだ首もすわってないわけで、犬にちゃんとまたがって乗ることもできないし、犬の背中に寝かせても落ちちゃうし…ということでしょう。
フレンズ2-14その19 にも、keep falling down という表現が出てきました。

ここでちょっと注目したいのは冠詞の変化でしょうか。
昨日取り上げたセリフでは、フランスにいると仮定して、a (little) bassinet, a (basset) hound をそれぞれ想像しているのですが、その後のリチャードのセリフは、"You really need the bassinet?" 「”その”バシネットが君には本当に必要なの?」となっています。
これは既出の[すでに言及された]名詞なので the がついているというのもあるのでしょうが、「その君がこだわっている」 bassinet、フランスでの君の生活には欠かせない「その」 bassinet という感じもあるのかなぁ、と思います。
そしてその次のモニカのセリフ、I just think the baby would keep falling off the dog. の the baby と the dog はまさに「特定している」 the で、the bassinet 「そのバシネット」に寝ることになっているはずの the baby 「その赤ちゃん」が、バシネットというベッドではなくて、the dog 「そのリチャードが想像している bassinet hound」に乗っていた[寝かされていた]としたら、keep falling off 「落ち続ける、何度も何度も落ちる」ことになっちゃうわ、と言っているのですね。
仮定・想像の世界で、a 「ある一つの」と言っていたのが、具体的なイメージとなって、the baby (私たちの赤ちゃん)に言及するところまで来た、という感じでしょうか。

I want you... now. というと、何だかエッチなセリフのようなんですが…(笑)。
フレンズ2-13その9 では、"I want you right here, right now." (あなたが欲しいの。今すぐ、ここで。)というセリフがありましたね。
ここでのリチャードの I want you... now. は、赤ちゃんがいるとその子が成人するまでは二人きりのこんな生活は楽しめない、僕は今のモニカと今を生きて楽しみたいんだ、僕は今、ここにいるモニカが欲しいんだよ、自分がおじいちゃんになってから、おばさんになった(←失礼!)モニカと人生を楽しむよりは…ということですね。

I'm talkin' hovercrafts の talk ですが、一瞬、talk about という風に、"about" は必要ないのかな?と思ってしまいました。
もしくは、taking の間違いかも?とも思いました。
でも、ネットスクリプトもDVDの英語字幕も、talkin' (または talking) hovercrafts となっていますし、モニカも実際に talking と発音しており、間違いではありませんでした。
talk は大体、What are you talking about? みたいに自動詞として使われることが多いので、私は違和感を感じたのですが(私だけ?)、talk が他動詞として使われることもあるようです。
研究社 新英和中辞典には、
talk =(他動詞)(…のことを)語る
例) We talked politics for a long time. 我々は長時間政治を論じ合った。

とあります。
また、Merriam-Webster Online Dictionary には、
transitive verb (他動詞)として、
talk: to make the subject of conversation or discourse

という語義が載っています。
「会話や論議の題目[主題]とする」、ということですから、要は、「話題にする」という意味になるわけですね。
その未来の世界では、世間話の話題にホバークラフトが出てくる、という感じなんでしょう。
(2007.1.19 追記)
I'm talkin' の解釈について、下のコメント欄に追加説明と訂正があります。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)

hovercraft は「ホバークラフト(水面や地面に空気を吹き出して、その空気の圧力で機体を浮かせて走る乗り物)」。
詳しくはこちら↓。
Wikipedia 英語版: Hovercraft
どうしてホバークラフトなのか?なんですが、「未来の乗り物」のイメージなんでしょうね。
上のウィキペディアの写真を見ると、どれも大掛かりなものばかりで、とても一般人が持つような代物には見えませんが(笑)、それが普通の道路を走っていて、マイカーみたいにどこの家庭にも一台ある、という時代、「ちょっとホバークラフトで買い物に行って来るわね。」みたいに、ホバークラフトのことを簡単に話題にできる未来、という意味で使っているのでしょう。

take over は「支配する、占領する」。
ape は「類人猿、直立して歩く尾のないサル」。
チンパンジーやゴリラなどを指します。
これに対して monkey はそれより小型で尾のあるものを指します。
apes と planet という言葉でわかりますが、これは1968年のチャールトン・ヘストン主演の映画「猿の惑星」(原題: Planet of the Apes)からの連想ですね。
2001年にティム・バートン監督が、この映画のリメイク…ではなくてリ・イマジネーションしたものとして、映画「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(原題はやはり Planet of the Apes)を作りましたよね。
この邦題でもわかるように、日本では有名な前作と区別するため、もしくは新作であることを強調するために、わざわざ英語タイトルの PLANET OF THE APES (プラネット・オブ・ジ・エイプス)を邦題に付けています。
それまでは「猿といえば monkey」という連想をする日本人が多かったと思うのですが、このタイトルで「こういう場合のおサルさんは ape というのかぁ…」と改めて知ったという方も多かったのではないでしょうか。
実際に映画に登場しているのは大型の類人猿(チンパンジーとかゴリラとか)でしたしね。
今すぐ一緒に将来のことを考えたいのに、リチャードは先のことは考えたくないらしい。
だからモニカは、そんな風にものすごい未来の話だと冗談で言ってみせて、気にしていないふりを装おうとしています。
つらいね、モニカ。

(Rach からのお願い)
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posted by Rach at 11:53| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする