2007年01月02日

フレンズ2-23その30

セントラルパークが閉店するところ。
ロスが制服姿で入ってきます。
このBGMは「愛と青春の旅立ち(An Officer and a Gentleman)」のテーマですよね?(映画は見てません…泣)
レイチェル: Oh I'm sorry, we're clo-... Hey, sailor. (あぁ、すみません、もう閉店なんです…まぁ、水兵さん。)
ロス: Is this what you had in mind? (これって君の思ってた通り?)
レイチェル: I'll say. (そうね。)

日本語で「水兵さん」と書いちゃうと、♪かもめの水兵さん ならんだ水兵さん♪という歌が浮かんできて、全くロマンティックではないのですが、こういう呼び掛け語って本当に訳すの難しい。


レイチェルをお姫様だっこするロス。
ロス: I'm shipping out tomorrow. (明日、出航だ。)
レイチェル: Well, then, uh, we better make this night count. Oh wait, I forgot to turn off the cappuccino machine. (そうね、それじゃあ、今夜は大切な夜になるわね。あぁ、待って。カプチーノ・マシーンを消すのを忘れた。)
カプチーノ・マシーンを消して
レイチェル: Anchors aweigh. Oh, no no, my purse, my purse, my purse, my purse, my purse, my purse! Oh, you know what. I forgot to turn off the bathroom light. (いかりは上がったわ。あ、だめだめ。私のバッグ(カバン)、バッグ、バッグよ! ねぇ、トイレの電気も消し忘れてたわ。)
ロス: Alright you know, why don't I just meet you upstairs? (わかった。上の部屋で会うことにしようよ。)

count は「大切である、重きをなす」という自動詞ですから、make ... count は「…を大切なものにする、…を重要なものにする」ということですね。
aweigh は Merriam-Webster Online Dictionary によると、
aweigh: raised just clear of the bottom -- used of an anchor
つまり「底から引き上げられた−「いかり」に使う」ということです。
動詞 weigh は「…をはかりにかける、重さをはかる」という意味以外に、「(いかりを)上げる、抜く」という意味もありますので、aweigh は、その「いかりが上がった状態」を表す形容詞なわけですね。
wake が「起こす」という動詞で、a- を付けて awake になると「起きている、目覚めている」という形容詞になるのと同じでしょう。
せっかくロマンティックになろうとしているのに、現実的な話ばかりされてロスはげんなりしています。
でも、ある意味、レイチェルも仕事に対する責任感が出てきましたね!?(笑)

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posted by Rach at 13:19| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月01日

フレンズ2-23その29

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
こちら大阪は、今日はとても良い天気。この後、実家に新年の挨拶に行きます。
元旦もいつも通りのフレンズ解説です(笑)。

ライアンがまた潜水艦に戻る日がやってきました。
レイチェル: So uh, Ryan, where're you shipping off to? (それでライアン、どこへ向かって出発するの?)
ライアン: I really can't say. (本当に言えないんだ。)
ロス: So do you have like any nuclear weapons onboard? (それじゃあ、核兵器とかを船に積んでるの?)
ライアン: I can't say. (言えない。)
レイチェル: Well, do you get to look through one of those like, those periscope thingys? (じゃあ、あの[例の]ペリスコープ[潜望鏡]ってやつを使って[を通して]見ることができるの?)
ライアン: I'm sorry, but I can't say. (悪いけど言えない。)
ロス: Wow, it, it's neat learning about submarines. (わぁ、潜水艦について学べて良かったよ。)

ここでの ship は自動詞で「船で行く」。
off to は「…へでかける」。
off to は、フレンズ1-9その1フレンズ2-22その13 にも出てきました。
ですから、ship off to は「船で…へでかける、…へ向かって出発する」ということになります。
DVDの日本語では「次の寄港地はどこ?」となっていましたが、まさにそういう意味ですね。
periscope は潜水艦についている「潜望鏡、ペリスコープ」のこと。
thingy は、フレンズ2-23その23 で説明しましたが、よく知らない単語の後に付けて「あれ、例のヤツ、そういう感じのやつ」とぼかす表現ですね。

潜水艦には多分潜望鏡が付いているだろうし、それを使うかどうかくらいはしゃべっても問題ないと思うのですが、とにかく守秘義務があるようで、潜水艦のことは一切話してはいけないようです。(相手がスパイだったりすると、国家反逆罪モノでしょうか?)
確かに核兵器を積んでいるとかは言えないでしょうね。
それから次の寄港地についてですが、これもかなりの重要事項なのでむやみに言うわけにはいかないでしょう。
ガンダムでホワイトベースの目的地が南米ジャブローであるという情報を入手するために、ジオンのスパイ、ミハル・ラトキエはわざわざ連邦軍の制服を着てホワイトベースに潜入したんですからねぇ…(新年早々、ガンダムネタかよ…笑)

ロスのセリフ、"it's neat learning about submarines" ですが、これはロスが潜水艦について「学んだ」という「事実」を示唆しているセリフなんでしょうね。
フレンズ2-10その9 で、Nice to meet you. と Nice meeting you. の違い、そして try to kill と try killing の違いを使って、to 不定詞と動名詞のニュアンスの違いを説明しているのですが、このロスのセリフも、to learn と learning ではニュアンスが異なってくるように思います。(元旦から細かい話ですみません。)
どちらも日本語では「…すること」と訳せるのですが、learning という動名詞の方がよりその「した」ことが強調される、という感じかなぁ?
ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 「Lesson 6 すべての -ing は躍動する」で、to 不定詞と動名詞の違いが説明されています。
引用させていただくと、
1.Speaking with your mouth full is very rude.
2.To speak with your mouth full is very rude.
-ing には常に生き生きとした躍動感があり、できごとがリアルに展開する感触がある。
その例文1.は「目の前でもぐもぐしながらおしゃべりをしている」状況。
to 不定詞では、リアリティに欠けた漠然とした状況が想起される。
例文2.のように to 不定詞が主語位置に置かれると、ルール臭・法則臭が強く感じられる。
「食べ物を口に入れたまま話すことはぁ、…」というリアリティから離れた漠然とした感触が強調される。


ロスのセリフの it は仮主語なので、結局、learning about submarines が本当の主語に当たるわけですね。
ここで to 不定詞を使うと「潜水艦について学ぶということは」と漠然とした感じになり、ロスのセリフのように動名詞を使うと「今まさに学んでいる、学んだ」というリアルな躍動感が感じられる、ということなのかなぁ、と。
ですから、私の上の訳は「学ぶことは素敵」ではなくて「(実際に)学べて良かった」と書いてみたんです。
どうしてここにこだわるかと言うと、実際はライアンは I can't say. の連発で、実は潜水艦の情報は何一つ教えてくれていないわけです。
つまりロスは全く何も「学んでいない」んですね。
でも、「結局何もわからないじゃん。」ではなくて、-ing 形を使ってあえて躍動感を出して、「Wow! お陰でいろいろ学べて楽しかったよ。」と、さもたくさんの情報を教えてもらったかのように語り、「実際に learn という行為が行われたことを示唆」しているのが何ともイヤミな感じで面白い、ってことなのかなぁ、と思うんですが…。
考えすぎかもしれませんが、どうなんでしょう?

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posted by Rach at 12:15| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月30日

フレンズ2-23その28

ミトンの手でバイバイする二人に、
ロス: Oh look, look. A low-budget puppet show. (ほら見て見て。低予算のパペットショーだよ。)
フィービー: It's such a shame you can't see what finger I'm holding up. (私がどの指を立てているかが見えないなんて残念ね。)

フィービーたちは痒(かゆ)さで苦しんでいるというのに、それを笑いのネタにするのでフィービーは怒っています。
shame は不可算名詞の時は「恥ずかしさ、恥」ですが、このように a shame と可算名詞になると「残念なこと、気の毒なこと」という意味になります。
It's a shame to do、または It's a shame (that)... で「…とは残念だ」という意味になります。
What a shame! だと「何と残念な! 何と気の毒な!」という意味ですね。
どの指を…というのはもちろん、相手を侮辱する時に立てる中指、ですね。
give someone the finger だと「手の甲を(人)に向けて中指を立てる、(人)を侮辱する」という意味です。


フィービーの顔を見つめながら、
ライアン: I must tell you. You look beautiful tonight. (これだけは言わせてくれ。今夜の君はきれいだよ。)
フィービー: What? (何?)

相手の顔を褒める時に顔を手で覆うのですが、今回はミトンをしているのでフィービーの耳が塞がって、せっかくの素敵なセリフが聞こえない、というオチ(笑)。
オーブンからコブラーを出す、こぼれたワインを拭く、そしてこの耳栓(笑)…よく次から次へとミトンネタを繰り出してきますねぇ。


ベッドでおやすみ中のリチャードとモニカ。
突然、リチャードがモニカを起こします。
リチャード: I thought of a thing. (a thing (こだわり)について思い付いたことがある。)
モニカ: Yeah? (そう?)
リチャード: Yeah. I have to sleep, have to, on this side of the bed. (そうなんだ。僕は眠る時はベッドのこっち側じゃないとダメなんだ。)
モニカ: No, honey. You have to sleep on this side of the bed because I have to sleep on this side of the bed. (違うわ、ハニー。あなたがこっち側じゃないといけないのは、私が(あなたの反対の)こっち側じゃないといけないからよ。)
リチャード: Or so I would have you believe. (もしくは、僕が君にそう信じさせて[思い込ませて]いるんだよ。)
モニカ: No. Big deal, so you have a side of the bed. Everybody has a side of the bed. (違うわ。そんな大袈裟な話じゃないわよ。だってあなたはベッドのどちらかのサイド(側)には寝るもの。誰だってどちらかのサイド(側)に寝るでしょう。)
リチャード: Hey, come on. You haven't heard my reason yet. (おいおい。モニカはまだ僕の理由を聞いてないだろ。)
モニカ: Alright, go on. (わかったわ、続けて。)
リチャード: Okay, I have to sleep on the west side because I grew up in California and otherwise the ocean would be on the wrong side. (よし、僕は西側に寝ないといけないんだ、なぜなら僕はカリフォルニア育ちだから、もし反対側だと海の位置が逆になるからね。)
モニカ: Oh, my God. You're a freak! (まぁ。あなたって変人だわ。)
リチャード: Yeah. How about that? (あぁ、そうだろ?)

a thing というのは、フレンズ2-23その23 での、
モニカ: My boyfriend doesn't have a "thing." (私の恋人には thing がないのよ。)
の a thing のことです。
この時、モニカは「こだわり」みたいな意味で使っていました。

モニカは誰でもベッドのどちらかには寝るのだし、私がこだわり屋で決まった場所にしか寝ないから、必然的にあなたがそこで寝ているだけだ、と言うのですが…。
なんとか理由を考えたリチャード。
ベッド全体をアメリカ、それ以外を海とみなして、ベッドの左側(地図で言うと西側)に寝ないといけない、と言ってるようですね(多分)。
無理やりの理由のような気もしますが、そういう他の人にはあまり説得力がないように聞こえる細かいこだわりの方がモニカは嬉しいようで、リチャードを freak だと言いながら、とても嬉しそうな顔をしています。
あなたも私の同志ね!という感じ。
freak という単語は、昨日の記事、フレンズ2-23その27 にも出てきました。
上のセリフの freak は「変人、一風変わった人」という意味ですね。

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posted by Rach at 07:15| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月29日

フレンズ2-23その27

ジョーイが辞めようとしないので、別の方面から反撃に出るチャンドラー。
チャンドラー: Alright, okay, alright. So I can't fire Joseph but uh, I can sleep with his wife. (よしわかった。じゃあ俺はジョセフをクビにできないが、ジョセフの奥さんと寝ることはできるぞ。)
ジョーイ: Not Karen! (カレンのことじゃないよな?)
チャンドラー: Yeah, Karen. I'm thinking about having an affair with her. Oh, you know what? I just did. (もちろんカレンだよ。カレンとの情事を今考えているところだ。お、何だと思う? 今ちょうどエッチしたよ。)
ジョーイ: Ahh. What the hell are you doing to me, man? (あー、どうして俺に対してそんな(ひどい)ことができるんだよ。)
チャンドラー: Oh well, it's not me, it's my character! Chandie. Yeah the rogue processor who seduces his coworker's wives for sport and then laughs about it the next day at the water cooler. In fact, I have her panties right there in my drawer! (そうだな、それは俺じゃなくて、俺のキャラクターの仕業(しわざ)なんだ。チャンディーのね。同僚の妻を冗談で[遊びで]誘惑して、それから次の日にウォータークーラーでそのことを笑いながら話す、悪党プロセッサー[入力担当者]なのさ。実際、俺は彼女のパンティーをそこの机の引き出しにしまってあるんだ!)
ジョーイ: Really? (ほんとに?)
チャンドラー: No, freak show, she's fictional! (ほんとなわけないだろ、ただの変な芝居だよ、彼女は架空の人物だ!)

すっかり想像上の人物のジョセフになりきっているジョーイに対抗するため、自分もその世界の想像上の人物(名前はチャンディー!?)として、ある行動に出るチャンドラー。
チャンドラーのセリフ、"Yeah, Karen. I'm thinking about having an affair with her. Oh, you know what? I just did." というのは、
フレンズ2-23その16 でのジョーイのセリフ、
ジョーイ: Yeah. Joseph and his wife, Karen, are thinking of having a third kid... Ya know what? Just did. (そう、ジョセフと彼の妻カレンは3人目の子供を作ろうかと考えているんだ…おっ? ちょうど今[子供が]できたよ。)
を真似しているんですね。
空想の話なのに、本気で怒ってるジョーイがおかしいです。

sport はいわゆる「運動、スポーツ」の他に「娯楽、楽しみ」「冗談、ふざけ、からかい」という意味もあります。
for sport だと「冗談に、ふざけて」という意味になるようですが、「相手の気持ちなど考えずに、ただ自分の楽しみだけのために」というニュアンスもあるような気がします。
ウォータークーラー(飲用冷水器)という場所の設定が何だかとてもリアルだわ(笑)。

freak show というのは「見世物(みせもの)」のような意味ですね。
フレンズ2-18その23 で、freak of nature という表現が出てきたのですが、そこでの freak と同じようなニュアンスです。
そう言えば、映画「インデペンデンス・デイ」で the freak show という言葉が出てきました。
(連日、ID4 を引用して申し訳ないのですが、私はもっぱらドラマばかり見ていたので、見た映画が少ないんですよね。さらに、私が「英語学習の教材」としてDVDで見た映画は5本(!)くらいしかなくて、その数少ない映画のうちの1本が ID4 なんですよ。だから何かの単語から「そう言えば…」と連想する場合でも、映画が限られてしまうんですねぇ…ごめんなさい。)

昔、エリア51に墜落したUFOに乗っていたというエイリアンの標本が保存されている保管室。
オークンという科学者が、その標本を、大統領を始めとする関係者に見せようとするシーン。
オークン: This is... This is the vault. Or, as some of us have come to call it... the freak show. (ここが…ここが保管室です。もしくは、我々仲間内では、こんな風に呼ぶようになりましたよ…フリーク・ショー[怪奇ショー]と。)
その後、出てきたエイリアンは確かにグロテスクなので freak show というおどろおどろしい言葉がしっくりくるのでしょうね。
チャンドラーも、最初はただの演技のはずだったのに、ジョーイがすっかりそれにハマってしまって想像と現実の区別がつかなくなっていることが、何とも恐ろしく奇妙であるという意味で、freak show という言葉を使ったのでしょう。
全くどんな芝居だよ、この世のものとは思えないほど常軌を逸してるね、とでも言いたいわけでしょうね。


フィービーは手にミトンを巻かれています。
かゆいところをかきむしらないようにモニカに巻かれたんでしたね。
レイチェルは出掛ける前に、フィービーに料理の説明をしています。
レイチェル: And there's a peach cobbler warming in the oven. So the plate's gonna be hot, but that shouldn't be a problem for you. (それからピーチコブラーがオーブンで暖まってるから。オーブンのプレートは熱いけど、あなたには問題ないはずね。)

cobbler とは研究社 新英和中辞典によると、
1.コブラー(ぶどう酒などにレモンなどのスライス・砂糖・氷を入れた飲み物)
2.(米)コブラー(パイ)(上部だけに厚いパイ皮をかぶせたフルーツパイの一種)

だそうです。
このセリフのコブラーは、当然、パイのことですね。
peach cobbler ってどんな感じのお菓子かな?(まぁだいたい想像はつくけどな…)と思いながら検索していたら、こんなサイトを見つけました。
Hannah Swensen Mysteries by Joanne Fluke
ジョアン・フルーク作の Peach Cobbler Murder という本があるようです。(翻訳本のタイトルは「ピーチコブラーは嘘をつく」)
このジョアン・フルークという作家は、ハンナ・スウェンセンを主人公にしたお菓子がらみのミステリーシリーズを書いておられるようですね。
みんなタイトルにお菓子の名前が入ってる(笑)。
翻訳本もたくさん出ており、日本でも有名な作家・シリーズのようです(私は全く知りませんでしたが)。
コブラーについては簡単な説明がウィキペディアにあります。写真も載ってます。
Wikipedia 英語版: Cobbler (food)
で、「オーブンでやけどしないように」と普通なら言うところだけど、「もうすでに手にミトンをはめているので大丈夫ね」ということですね。

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posted by Rach at 12:28| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月28日

フレンズ2-23その26+brown-noserの話

昨日の続きです。

ジョーイ: What're you talking about, everybody loves Joseph. (何言ってんだよ。みんなジョセフが大好きなのに。)
チャンドラー: I don't, I hate Joseph. Okay, I think he's a brown-nosing suck-up. (俺は大好きじゃないぞ。俺はジョセフが大嫌いだ。いいか、ジョセフはゴマすりのこびへつらい屋だ。)

brown-nose(brownnose) は「(人に)おべっかを使う、ゴマをする、こびへつらう」という動詞。
brown-noser(brownnoser)なら「ゴマすり、ご機嫌取り、おべっか使い、太鼓持ち」という人を表す名詞になります。

どうして「鼻が茶色」なのかと言うと、ここは英辞郎の説明をそのまま引用させていただくとしましょう。
brown-nose=(人)の尻にキスをして鼻にウンチがついて茶色になる、人の気に入るように振る舞う…
なんとも汚い話ですが(笑)、語源はそういうことなんですね。

Merriam-Webster Online Dictionary には語源について以下のように書いてあります。
Etymology(語源): from the implication that servility is equivalent to having one's nose in the anus of the person from whom advancement is sought
語源を訳すと、「ある人から出世(昇進)を求める(手に入れる)場合、その相手に対する卑屈さ(追従)が、相手の肛門に鼻を入れるのに相当するほど卑屈であること、を暗示することから」
うまく日本語に訳し切れてない上に何とも表現が露骨ですが(笑)、実際 anus 「肛門」という単語を使ってあるのでしょうがないですねぇ…。
フレンズ1-16その3 にも anus という単語は出てきたので、ここは開き直っておきましょう(笑)。
開き直りついでに、anus の形容詞形は anal です。
カタカナ読みすると日本語でもエッチ系でたまに聞く言葉になりますが(恥ずかしいのでここには書きませんが)、英語の発音は「エイヌル」という感じになります。

で、その Merriam-Webster Online Dictonary には brownnose の意味が以下のように書いてあります。
brownnose: to ingratiate oneself with : curry favor with
訳すと、「…に気に入られるようにする(取り入る)、人の機嫌を取る(へつらう)」なんですが、これは英英辞典として簡単な単語で語義を説明していると言うよりは、同じ意味の別の表現を紹介している、という感じですね。(だって、ingratiate の方が単語としては難しいような気がしません?…笑)
で、その次に挙げられている curry favor with という表現が気になりました。
これも brownnose と同じ「人の機嫌を取る」という意味なんですね。
この curry という単語はカレーライスのカレーと同じ綴り・発音なんですが、それとは別の単語です。
最初、私はカレーのことかと思って、もしかして、brown という「色つながり」? きったなーい!と思ったら、違ってたので良かったです。(度々汚い話でごめんなさい。)
curry は他動詞で、「(馬に)馬くし(currycomb)をかける、(馬を)くしで手入れする、(なめし革を)仕上げる」という意味。
curry favor with someone、または curry someone's favor で「ゴマをする」という意味になるらしいのですが、どうしてそういう意味になるのかいまいちよくわかりません。
favor には「好意、親切」「引き立て、愛顧、寵愛」「偏愛、えこひいき」などの意味がありますが、そういう「誰かの寵愛」が欲しくて、馬を手入れするように、せっせとその相手の favor を磨く、というようなニュアンスなのでしょうか?

ところで、上にも書いたように「お尻にキスをする」というのが brownnose の語源なのですが、まさにそのままの表現もあります。
kiss someone's ass は「人にへつらう、ご機嫌を取る」で、まさに brownnose と同じ意味です。
多分、こちらの方が表現としては先に存在していて、その後、その連想からさらに下品な(?) brownnose という表現が出てきたのだと思いますが。

kiss someone's ass で思い出したシーンがあります。
映画「インデペンデンス・デイ」で、NASAのスペースシャトルの乗組員になりたいヒラー大尉(ウィル・スミス)の元に、NASAからの採用に関する通知の封筒が届きます。
それを自分で開けるのが怖いヒラーは、友人のジミー(ハリー・コニック・ジュニア)に読んでもらうのですが…。
ジミー: "We regret to inform you that despite your excellent record of service..." I'm sorry, man. You know what you need to do? You need to, like, kiss some serious booty to get ahead in this world. That's what I'm trying to tell you. See, I like the one-knee approach, because it puts the booty, like, right in front of the lip... ([手紙を読む]「誠に遺憾ですが、貴殿の優秀な軍歴にもかかわらず…」 残念だったな。お前に何が必要かわかるか? この世界で出世するには誰かの(偉い人の?)ケツにキスしないといけないんだ。俺がこれからそれを教えてやるよ。ほら、片膝アプローチがお勧めだぞ。このアプローチだとその相手のケツが唇の真ん前に来るからさ…。)

ここでは ass ではなくて booty という単語が使われていますが、これも「尻」という意味です。
実際にジミーは片膝をついてみせるのですが、この「片膝をつく」というのは、男性が女性にプロポーズする時のお決まりのポーズですよね?
そういうポーズを使って媚びろと言っているのが面白いのだと思います。

he's a brown-nosing suck-up. の suck-up という名詞も「ゴマすり、ご機嫌取り」という意味で、brown-noser と同じ意味になります。
suck up to だと「(人)におべっかを使う、(人)にゴマをする、(人)の機嫌を取る、(人)に取り入る」という意味になります。
Merriam-Webster Online Dictionary では、
suck-up: a person who is ingratiating or fawning
例) a suck-up to the teacher

訳は、「ingratiate(…に取り入る)、または fawn(へつらう)人」
例は、「先生にゴマをする奴」
ロングマン現代英英辞典では、
suck up (phrasal verb)
to say or do a lot of nice things in order to make someone like you or to get what you want - used to show disapproval
suck up to としての例) He's always sucking up to the boss.

訳は、「誰かが自分を好きになるように、または欲しいものを得るために良いことをたくさん言う、またはすること。非難を示すのに使われる。」
例は、「彼はいつも上司にゴマをすってばかりいる。」
チャンドラーのセリフの、he's a brown-nosing suck-up. は、「brown-nose している suck-up」ですから、「ゴマをすっているゴマすり屋」という意味を、同じような意味の違った二つの単語を使って、強調しているわけですね。
かなりひどい非難の言葉だということになります。

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posted by Rach at 18:39| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月27日

フレンズ2-23その25

チャンドラーのオフィス。
上司のダグラスさんがチャンドラーを探してたぞ、と言うジョーイ。
ジョーイ: 'Cause he has a strong suspicion that you dropped the ball on the Lender project. (だって、レンダープロジェクトでチャンドラーが大失敗した、とダグラスさんはすごく疑ってるんだ。)
チャンドラー: Wha- wh- why, why? Why does he suspect that? (な、何で? 何で彼はそんなふうに疑ってるんだよ?)
ジョーイ: Because at first, he thought it was Joseph. But after he asked Joseph about it, turns out it was you. Anyway, I just thought you should know. (なぜなら、最初に彼はジョセフのせいだと思ったんだよ。でもジョセフにそのことを尋ねたら、それはチャンドラーのせいだってわかったんだ。とにかく、俺はただお前がこのことを知っておくべきだと思って。)

drop the ball は「大失敗をする、へまをやる」。
語源はスポーツでしょうね。
アメフトでも野球でも「ボールを落とす」というのはやはり「へま」なので、このニュアンスはよくわかります。
Lender project の Lender はレンダーさんという人名を付けたプロジェクト名か、それとも lender 「貸し手、貸し方」という意味なのかはよくわかりません。
どうしてチャンドラーが疑われているのかと言うと、その情報の発信源はジョセフ(ジョーイ)だった、という…(笑)。
他人事みたいに言うジョーイがおかしいです。
その騒動の原因を作ったのはお前やろっ!って感じなんですが、ダグラスさんに怒られる前に、俺がこうして事前に教えてやってるんだぞ、ありがたく思え、とでも言いたげなジョーイです。
吉本新喜劇でもこういうのありますよね。
「全く…誰がしゃべったんや。」「(全員で)お前や!」みたいな…。
昔はこの手のキャラの担当は、もっぱら花紀京(はなき・きょう)さんでしたが、最近は辻本茂雄さんの茂造じいさんがこのパターンのギャグを使いますね。


ついにキレてしまったチャンドラー。
チャンドラー: Alright, that's it. Look Joey, I'm sorry, I realize this is the role of a lifetime for ya, and if I could just fire Joseph, I would, but unfortunately that's not possible so I'm gonna have to let both of you go. (わかった、もうそこまでだ。いいか、ジョーイ、悪いな。俺はこれがお前には生涯最高のはまり役だってわかってる。もし俺がジョセフをクビにできるのなら俺はそうする、でも残念なことにそれは不可能だ。だから、俺はお前ら二人(ジョセフとジョーイ)に出て行ってもらわないといけないんだ。)
ジョーイ: What're you talking about, everybody loves Joseph. (何言ってんだよ。みんなジョセフが大好きなのに。)
チャンドラー: I don't, I hate Joseph. Okay, I think he's a brown-nosing suck-up. (俺は大好きじゃないぞ。俺はジョセフが大嫌いだ。いいか、ジョセフはゴマすりのこびへつらい屋だ。)

lifetime は「生涯」。
of a lifetime なら「生涯最高の、空前絶後の、未曾有の」という意味になります。
the chance of a lifetime なら「生涯にまたとない好機」という意味になり、このセリフの the role of a lifetime は「生涯にまたとない役柄、生涯で最高のはまり役」ということになりますね。
once-in-a-lifetime thing だと「一生に一度のこと」。
形容詞として使って、lifetime employment 「終身雇用」という表現もありますね。
その後の説明が、"If I could... I would, but that's not possible." 「もし…ならば俺は〜するだろう、だけどそれは不可能だ。」となっています。
チャンドラーにしてはえらくご丁寧な説明ですよね。
仮定法過去を使っていることから、それが「実現不可能な仮定」であるのは明らかですから、わざわざ but that's not possible. まで付けなくてもいいんですが…。
ジョーイは役になりきることを楽しんでいて、そのためにどれだけチャンドラーが迷惑しているかということに考えが全く及んでいないようなので、子供に説明するように一つ一つ丁寧に今の状況を説明しているのでしょうね。
brown-nose(brownnose)については、明日、説明します。

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posted by Rach at 15:22| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

フレンズ2-23その24+comeの話

昨日の続き、と言いますか、追加説明になります。
昨日取り上げたセリフはこちら。
モニカ: I can't believe this. I hate this. You're too normal. I can't believe my boyfriend doesn't have a "thing." My boyfriend doesn't have a "thing." (こんなの信じられないわ。こういうのはいやよ。あなたはノーマルすぎる。自分の恋人が thing を持ってないなんて信じられない。私の恋人には thing がないのよ。)
リチャード: See, if anyone overheard that, I didn't come off well. (ねぇ、誰かが今のを立ち聞きしてたら、僕はうまくいかなかった、ってことになる。)←昨日とは日本語訳を若干変えております。

thing に関しては、昨日解説しました。
昨日の記事、フレンズ2-23その23 のコメント欄 で、come off について、あるご指摘がありましたので、今日はそこから話を進めて、come や off のイメージについて語ってみたいと思います。

何やら全般的にエッチな話になっておるのですが、まぁ、フレンズ解説をする以上、あまり恥じらってばかりもいられないかなぁ、と思いまして。
結構、本人は「大真面目に」考察しておりますので、あまりエッチな部分にのみ注目しないで下さいね(笑)。

コメント欄でご指摘があったように、come off には「orgasm(性的興奮の頂点、オルガスム)に達する」という意味があります。
実は、研究社 新英和中辞典にも、英辞郎にも載っていました。
ですから、私も昨日の記事を投稿する時点で、そのことは頭の隅にあって、「そっち」かなぁ…と思いつつ、まぁ、そういうことも含めて「エッチがうまくいく」という何だか漠然とした表現に流してしまったようです。
英和辞典にはそういうエッチな意味が載っているのですが、英英辞典(Merriam-Webster Online Dictionary やロングマン現代英英辞典)の come off の項目には、そういうエッチ系の意味が何故か載っていないんですよ。
載っていたら、その英語の語義を使って説明したのですが、英英に載っていないので「これって本当のところはどうなんだろう?」と迷ったのかもしれませんねぇ。

「うまくいく」という語義は英英辞典にちゃんと載っていました。
ロングマン現代英英辞典では、
come off: (informal) to be successful
例) It was a good idea, but it didn't quite come off.
The performance on the first night came off pretty well.
(インフォーマルな[くだけた]表現) 成功すること
例) それは良い考えだったが、あまりうまくいかなかった[成功しなかった]。
第一夜の公演はかなりうまくいった[かなり成功した]。


ですから、I didn't come off well. は、「僕は成功しなかった。僕はうまくいかなかった。」ということで、それは「エッチがうまくいかなかった、相手を満足させてあげることができなかった。」ということを指しますよね。
それをもっと直接的でエッチな表現で言うとすると、「僕はイケなかった。イカなかった。」みたいな感じになるんでしょうか。
リチャードが thing という言葉をどう受け取ったのかは、未だによくわからないんですが、例えばリチャードが thing を「モノ」だと捉えて、「あなたにはモノがない、あなたについてるモノは役に立たない」とモニカが言ったかのようにわざと取って、「そんな風に言ったら、僕はうまくイカなかった、みたいに聞こえちゃうよ。」と訳すと、「成功する」と「orgasm に達する」というダブルミーニングの感じが出るかなぁ…と思います。(カタカナで書くと、やらしいですねぇ…笑)
このリチャードのセリフについては、
1.普通の「成功する」という言葉を使っているように見せて、そういうエッチな意味を匂わせている、
のか、
2.最初からダイレクトにエッチな意味で使っている
のか、その辺りがよくわかりません。
ネイティブはこのセリフを聞いた時、即座にエッチな意味が思い浮かぶのかもしれませんが(笑)。

実際のところ、come という動詞だけで、そういう「orgasm に達する、”いく”」という意味があります。
性的な俗語ではありますが、研究社の辞書にも、英辞郎にも載っています。
Merriam-Webster Online Dictionary にも、
come: often vulgar : to experience orgasm
「(しばしば卑語として) orgasm を経験[体験]する」

ロングマン現代英英辞典にも、
come: SEX (informal) to have an orgasm
「(インフォーマル) orgasm を持つ[になる]こと」

と書いてあります。

それを現在進行形にした、"I'm coming!" というフレーズは、そういう場面での決まり文句みたいなもんですね(笑)。
"I'm coming!" 自体は普通のフレーズで、例えば誰かに呼ばれた時に、「はいはーい、今行きまーす!」という時にも使うので、これを使うと即エッチな意味になるわけではないのですが、エッチなシーンでは、「いく」という意味になるということです。

"I'm coming!" と誰かが言っているエッチなシーンを、私は実際に見たことはないんですが(笑)、私がそのフレーズを知ったのは、明石家さんまさんが司会の「恋のから騒ぎ」の外国人妻スペシャルでした。
ある奥さんが、日本人男性がそういう状況で「いく」と言うのを聞いて、「行く、ってどこに? ってキョロキョロしちゃった。」と言っていて、他の外国人妻も「そうそう、あれは変よねぇ…」みたいな顔で頷いていたんですよ。
(みんな思い当たる節がある、とはっきり言うのが、あの番組のすごいところですね…私はこういう話題になった時は、うつむいて恥ずかしそうにするタイプなんですが…ほんとだよ…笑)
さんちゃん(さんまさん)も、英語では come を使うのを知っていたらしくて(笑)、「そう言えば英語では go とは言わへんもんなぁ…」みたいなフォローを入れていたと思います。(正確に覚えてるわけではないので、間違ってるところがあるかもしれませんが)

フレンズ1-9その1 で触れたことがあるのですが、そもそも、「come=来る、go=行く」と訳して覚えることが間違いなんですよね。
そこにも書きましたが、
come は、"話者がイメージしている場所、話題の中心となる場所"に向かう、近づく
go は、イメージしている所とは、別の場所に行く

ということになります。
基本的な意味は、come = to move toward something 「何かのある方向へ移動する」ことで、そこから come = to reach a particular level or place 「特定のレベルや場所に達する」という意味になるわけですね。

その外国人妻さんも、「日本語の「行く」は、英語では go」というイメージが強かったんでしょう。
ですから、もし日本語の「いく」を go だと解釈してしまうと、今している行為から離れて別の「関係ない」場所に行ってしまう、という意味になってしまうから違和感を感じたんだと思います。
彼女の頭の中では、「いく」→ "I'm going." →「僕はここを離れるよ。」みたいな感じに聞こえて、聞いた方は「離れる、って、今のこの行為をあなたは楽しんでいないの?」みたいに相手を問い詰めたくなるんでしょうか?(笑)

come だと「イメージしている場所、話題の中心となる場所に近づく」わけですから、エッチの行為の最終目的地にもうすぐたどり着く、という意味で適切なんだと思います。

ちょっと日本語の方を見てみましょう。
日本語の「行く、来る」というのは、あくまでも「話者のいる場所が起点」になっているので、自分の今の状態からどこかへ移動する場合は全て「行く」になってしまいますよね。

広辞苑で「いく(行く)」を調べると、「ゆく」に同じ、とあります。
「ゆく(行く)」の語義でそれらしいものをいくつか挙げてみます。
ゆく(行く)
1.現在いる地点から出発して向うの方へ進行・移動する。
イ.前方へ向かって進む、離れ去る
ハ.目的の所に到達する。とどく。
7.心が満たされる。
8.物事がはかどる。進展する。

上の「到達する」のような意味がきっと、エッチな「いく」のニュアンスなんでしょうね。
そしてそれは英語の come に通じる部分がありますから、日本語の「いく」には come の意味も含まれている、だから、「行く=go」という一対一対応で覚えてはいけない、ということです。

come は「来る」だと思い込んでいる場合でも、I'm coming. を「私は来る。来ようとしている。来ている。」と訳すのはやっぱり変な感じがしますよね。(自分が今いる場所に、自分が「来る」というのはおかしいですから。)
「私が来る」んじゃなくて、「私が(どこかイメージされた場所に)行く、到達する」という訳が正しいのです。
ですから、「come=行く」となり、"I'm coming!" は、日本語では「今からそちらに行く」または「(エッチで)いく」という意味になるのですね。
アメリカ人と日本人の頭の中にあるイメージは全く同じなんだ、ということだと思います。

今回のセリフは come off と off がついていますよね。
その off についても語りたいと思います。
off の基本的な意味は「離れて、分離して」です。
また、研究社 新英和中辞典には、以下のような意味も載っています。
off=[動作の完了・中止などを表わして] …してしまう、すっかり、終わりまで
drink off 飲み尽くす
finish off 終えてしまう
I know them off by heart. それらをすっかりそらで覚えている。

動詞と結びつくことで、その動詞の行為を終了して、その動作から「離れる」感じなのかなぁ、と思うのですが…。
「はい、これで完了、おしまい。」みたいに、その動作と縁を切ってしまう感じでしょうか。

Merriam-Webster Online Dictionary には、
off: used as an intensifier
例) drink off a glass / finish it off
「強意語(intensifier)として使われる」
例)「グラスを飲み干す」「仕上げる、完了する」

この M-W の語義だと、off 自体には意味はなくて、off がついた動詞を強調する役割を果たしている、ということのようです。

come off の off は、例に挙げられた finish off の off にとても近いものを感じます。
finish だけでも「終える、完了する」という意味ですが、それにさらに off をつけることでその完了の度合いを強調しているのでしょうかね。
英辞郎の finish off を見てみると、
finish off
(句動-1)終える、終わる、おしまいになる、〜で終わりにする、(食べ物を)平らげる
(句動-2)(仕事を)仕上げる、片付ける、済ます、完成する、完了する、締めくくりをつける
(句動-3)やっつけてしまう、壊す、殺す、破壊する

という意味が載っているのですが、その「仕上げる」「締めくくりをつける」の「上げる」や「くくる」のような感覚が off なんでしょうかねぇ。
私の勝手なイメージとしては、オーケストラの指揮者がタクトを最後にパッと上で止めて曲がスパッと終わる、その「締め」の感覚、みたいなものをその off に感じるのですが…。

ですから、come だけでも「目的地に到達する」という意味があるけれど、それにさらに off を付けることで、到達するという行為を強調している、ということでしょう。
ですから、come off は「すっかり目的地に到達する」→「成功する」「(エッチで)いく」、come off well と well がつくと、その結果が「うまく」いったことをさらに強調する、ということでしょうね。

ここまで書いて気付きましたが、昨日、「エッチがうまくいく」というあいまいな表現で流したのは、come の話をすると、上に書いたようなディープな話をしないといけなくなるのを本能的に察したからでしょうか?(笑)。
自分で書いていても恥ずかしいので、あまりエッチな話の部分には反応しないでいただきたいのですが、私が上に書いたような come や go の感覚が、英語の感覚として合っているのかどうか、はとても気になります。
かと言って、こういう問題は、道行くネイティブに尋ねるわけにもいきませんしねぇ(笑)。
間違っていたら、ご遠慮なくご指摘下さいませ。

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posted by Rach at 12:22| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月25日

フレンズ2-23その23

リチャードには自分ほどのこだわりがないことを残念がるモニカ。
モニカ: I can't believe this. I hate this. You're too normal. I can't believe my boyfriend doesn't have a "thing." My boyfriend doesn't have a "thing." (こんなの信じられないわ。こういうのはいやよ。あなたはノーマルすぎる。自分の恋人が thing を持ってないなんて信じられない。私の恋人には thing がないのよ。)
リチャード: See, if anyone overheard that, I didn't come off well. (ねぇ、誰かが今のを立ち聞きしてたら、僕はうまく出来なかった、ってことになる。)

この二人のやり取りが、ちょっとよくわからないのですが…。
まずリチャードのセリフから見てみると、overheard と過去形になっているのは「現実の事実に反対の仮定」をする「仮定法過去」でしょうね。
今は隣の部屋には誰もいないから誰かが立ち聞きしているということはないけれど、もし仮に誰かが聞いていたとしたら、ということでしょう。
I didn't come... の文章を丁寧に言うと、he/she (=立ち聞きしている人) would think (that) I didn't come off well. 「そのセリフを聞いた人は、僕が come off well しなかったと思うだろう。」になるのだと思います。
come off well は「いい結果になる、うまくいく」ですから、この場合はエッチがうまくいく、ということですね(笑)。
モニカはただ、自分のような神経質な部分がリチャードにない、と文句を言っているのですが、その言い方だと、何か僕がエッチの面において物足りない男であるように聞こえるよ、とリチャードは言いたいわけですね。

問題は have a thing の解釈なんですが…。
英辞郎には have a thing about に以下の意味が載っています。
1. 〜について独特の[特別な]考え方[感情]を持っている
2. (人)に気がある、〜が大好きだ
I have a thing about that song. 私はその歌が大好きだ。
3. 〜が大嫌いだ、〜に恐怖心がある、〜が怖くて仕方ない、〜が苦手だ
I have a thing about snakes. 私はヘビが大嫌いだ。

つまり直訳すると、「…について a thing がある」ということなので、「とあること」がある、と言う場合には、好きか嫌いか何らかの感情がある、という意味になるわけですね。

ロングマン現代英英辞典にも、
have a thing about sb/sth(=somebody, something): (informal) to like or dislike someone or something very much, often without a good reason
訳すと、「しばしば、もっともな理由もなく、誰かや何かをとても好き、または嫌いであること」となります。

このモニカのセリフは、何かが好きか嫌いかという話ではなくて、そういう「理由もなくこだわる強い感情」があるかないか、という話なのでしょう。
don't have a thing で「モニカが持っているようなこだわり、特別な独特の考え方」がリチャードにはない、ということですね。
その前に、You're too normal. というフレーズがあり、それは逆に言うと「あなたはアブノーマルではない、アブノーマルな部分がない。」という意味なので、それに続けて don't have a thing となると、「アブノーマルなことに対するこだわりがない」と聞こえてしまうので、アブノーマルなことを求めるモニカをリチャードは満足させることができなかった、と他の人には聞こえるよ、ということなのかな、と思うのですが。

他にちらっと思ったのは…。
thing を強調しているので、thing=モノ、みたいなニュアンスで、あなたには恋人を満足させる”モノ”がないのよ、みたいに聞こえて、まるで”それ”が役に立たなかったかのように聞こえる、という意味なのかなぁ…とか。
thing の語義を調べてみると、特にそういうモノを指すとははっきり書いていないのですが、
英辞郎の thingy の項目に、
thingy=(話)あれ、(例の)やつ、変なの、一物、ナニ、ブツ(ぞんざいに、特定の何かの代わり。説明しにくい[言わなくても通じる・名前が分からない・口にするのをはばかる]もの。時に penis )
と書いてあるんですよ(笑)。
thingy は thing の変形ですから、やっぱり thing と聞いてもそういう意味に聞こえる気がしますけど…どうなんでしょう?
勘ぐり過ぎかしら?
それより、何気(なにげ)に、”モノ”とか書いてる自分が怖いですけど(爆)。

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posted by Rach at 11:36| Comment(11) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月19日

フレンズ2-23その22

リチャード: You know, I like the way you have efficiently folded this tab under. See, in a tape emergency you could shave valuable seconds off your time. (ねぇ、君がこのタブを、効率良く、下に折っているのが好きだなぁ。だって、テープの緊急事態には、貴重な数秒を縮めることが可能だからね。)
モニカ: Exactly! God, I love that I can be totally neurotic around you now. Tell me the truth. Don't you like it better now that everything on your desk is perpendicular? (その通りよ! あぁ、私は今あなたの傍で思いっきり神経質になれる、そのことがとっても嬉しいの。ねぇ本当のことを言って。机の上のものが全て垂直に並んでいる方が今は好きでしょう?)
リチャード: If it's not a right angle, it is a wrong angle. (もし直角(a right angle)じゃなかったら、それは間違った角度(a wrong angle)だね。)

shave は「ひげをそる」という意味ですが、reduce 「減らす、縮める」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典には、
shave sth(=something) off sth: if you shave a small amount off something such as a price or a record, you make the price slightly smaller or the record time slightly shorter
例) She shaved half a second off the world record.

訳すと「価格や記録などで少しの量を shave すると、価格は少し安くなり、記録は少し短くなる。」
例は「彼女は世界記録を0.5秒縮めた。」という意味になります。

リチャードはモニカの几帳面なクセをわざと大袈裟に称賛していますね。
恋人なので、バカにしてあきれているということではないのでしょう。
モニカらしいな、と思って、ちょっとからかいの意味も含めつつ、「緊急事態」「時間を縮める」などという表現を使っているのでしょうね。
それを素直に Exactly! と答えるモニカも面白いですね。
「それってイヤミ?」とも聞かず、純粋に褒めてもらった、自分のやっていることの意味を理解してもらえて嬉しい!という感じが出ています。

確かにガムテープなどは端を折っておかないと、いざ使う時に慌てて剥がそうとして変な風に裂けちゃう、ってことありますよね。
食品包装用ラップフィルム(我が家はサランラップを使ってます)が箱からころげ落ちて、端っこがペターッとくっついてしまったら、もう手の施しようがありませんよね(笑)。(説明書きには「引き出し口がわからなくなった場合」の対処法が書いてありますが…)
今は箱から簡単に落ちないように箱の両端に「ラップのとび出しを防ぐストッパー」なるものが標準装備されていて、さらにラップを切る部分に軽い粘着テープのようなものもついていて、簡単には巻き込まれてしまわないようになっています。
この新機能がついたラップを初めて見た時、私は「おぉ、これは便利だ。考えた人、えらい!」と一人で感動していたのですが…。

会社にいた時、いろんな部屋で説明会を行う時に、各部屋の周辺に張り紙をして回っていたのですが、その時、先輩に「テープの端をこう折っておけば、あとで張り紙を剥がす時に、テープが壁に残らずきれいに剥がせるよ」と言われて、それ以来、張り紙をする時は必ずテープの端を折るようになりました。
結構これが便利、というか本当に剥がすのが楽でねぇ(笑)。
そういう細かい小さなことの積み重ねが、仕事の手早さにつながったりするので、あなどれません。
(すっかり話がずれてしまいました…)

neurotic は「極度に神経質な、…に神経過敏な」。
Don't you like it better now that...? を直訳すると「今は、that 以下の方が好きじゃない?」ですが、否定の疑問形で尋ねることで、「好きじゃないかしら? もちろん好きよねぇ?」という肯定の答えを期待している疑問文になるのだと思います。
angle は日本語のアングルから分かるように「角度、角」で、a right angle は「直角」という意味になります。
リチャードは、「直角じゃないとダメだよね。」と言いながら、right (正しい)と wrong (間違った)という形容詞を対比させて「正しくない角度なら、間違った角度だよね。」という言葉遊びもしているのです。

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posted by Rach at 11:44| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

フレンズ2-23その21

モニカがベッドルームにダクトテープ(duct tape)を持って入ってきます。
リチャード: Ooh, duct tape. Was I supposed to bring something too? (あぁ、ダクトテープか。僕も何か持って来た方が良かった?)
モニカ: This is for the scratchy twins out there. I taped oven mitts to their hands. (これは外にいる「かゆかゆペア」のためのものよ。彼らの手にオーブンのミトンをテープで止めてきたわ。)
リチャード: You're strict. (モニカは厳しいんだね。)
モニカ: Well, It's for their own good. (だって、それが彼ら自身のためなのよ。)

英辞郎では duct tape をこう説明しています。
duct tape=ダクトテープ(米軍が第二次大戦中に弾薬ケースの防湿密封用として開発した粘着力が強く耐水性に優れた銀色のテープで、冷暖房のダクトや配水管などの補修に使われる。)
参考までにウィキペディア(笑)↓
Wikipedia 英語版: Duct Tape

be supposed to は「…することになっている、…することを予期(予想)されている」という意味。
この場合は、モニカがダクトテープを持ってきたので、リチャードはそれをエッチに使う小道具だと認識したふりをして、僕も何かそういう小道具を用意することになってたっけ?と返しているのですね。
scratchy は動詞 scratch 「(かゆい所などを)(つめなどで)かく」の形容詞形で、「(衣服などが)かゆくなる、ちくちくする」という意味。
a scratchy wool sweater なら「ちくちくするウールのセーター」という意味になります。
この場合は、「かゆがっている、すぐにかきたがる、かいてばかりいる」というニュアンスで使っているんでしょうね。

twin は「双子(ふたご)」ですが、本当の血縁関係がなくても、「似た人(もの)」という意味で使えます。
また twin という名詞は可算名詞で、単数形では「双子の一人」を指します。
フレンズ1-16その1 に、
チャンドラー: They're twins. (二人は双子だぞ。)
というセリフがありましたが、二人を指す場合は、twins と複数形になるわけですね。
何となく日本語の感覚だと、a couple 「(1組の)カップル、夫婦」などと同じイメージで、twin という名詞が「2人揃った双子のペア」を指すのかと思ってしまい、They're twin. とか、They're a twin. とか言っちゃいそうな気がしませんか?
twin には形容詞で「双子の」という意味がありますが、この形容詞は名詞の前でしか使えません。
こういう形容詞の用法を、「限定(的)用法」と呼びますね。
辞書には【A】と表示されていますが、これはattributive 「限定的な、修飾的な」という意味です。
それに対して、補語としてのみ使われる形容詞の用法は、「叙述(的)用法」と呼ばれます。
辞書では【P】と表示されていて、predicative 「叙述的な」という意味です。
つまり、twin という形容詞は「限定用法」のみで、「叙述用法」はないので、be 動詞の後ろで補語になることは出来ません。
ですから、「双子である」ことを be twin とは表現できないのです。
そういう意味でも、They're twin. という表現は間違いだ、ということになります。
形容詞として使う場合は、They're twin sisters. と、後ろに sisters、brothers、children など何らかの名詞がつく必要があります。

mitt は日本語にもなっているように「(野球の捕手・一塁手用の)ミット」のことです。
mitten 「ミトン、親指だけ離れているふたまたになった手袋」の語尾が取れて mitt になったので、意味は mitten と同じですね。
ですから、an oven mitt = an oven mitten で「オーブン用の手袋、ミトン」です。

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posted by Rach at 14:58| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする