[Scene: Pete's apartment, Monica is there to water the plants, and is showing the gang around.]
ピートのアパートメント。モニカは植物の水やりのためにそこにいる。そして、フレンズたちを案内している。
モニカ: Okay, this is the den. All right, check this out. Lights! (the lights turn on automatically, but are very bright) Whoa! All right, less lights! Bad lights! Lights, go away! (they dim) Oh, see? You just need to find the right command. (それで、これが書斎ね。いいわ、これを見てて。ライト! [ライトが自動的に点灯するが、非常に明るい。] わっ! よし、少ない[明るくない]ライト! 悪いライトね! ライト、どっかに行け![消えろ、消え失せろ!] [ライトが薄暗くなる] ね、見た? ただ正しいコマンド[命令・指令]を見つければいいだけよ。)
ロス: Yes, and the dimmer switch. (そうだね。それと、減光スイッチを(見つければいいだけだ)ね。)
ジョーイ: Whoa! For a rich guy, he's got, that's a pretty small TV. (わぁ! 金持ちにしては、彼は…あれはすごく小さなテレビだね。)
モニカ: No-no-no, that's the video phone. But, hey guys, you're not supposed to be here, so please do not touch anything. (違う違う違う。あれはテレビ電話なの。でも、ねぇ、みんな。あなたたちはここにはいないことになってるの。だから、どうか何も触らないで。)
チャンドラー: (sitting down on the couch) I-KEA! This is comfortable. ([カウチに座りながら] アイ!キア! これって快適だな。)
dimmer は動詞 dim に -er がついたもので「薄暗くする人・もの」。
ですから、dimmer は「(照明の)減光スイッチ、調光器・制光装置」という意味になります。
dimmer だけでもそういうスイッチの意味になりますし、今回のように dimmer switch と言うこともあります。
音声認識システムで、ライトがついたり消えたりするのですが、ちょうどいい明るさにするのに、どういう言葉で指令したらいいかわからず困るモニカ。
適当に言っていたらちょうどいい明るさになったので、「ほら、適切なコマンドで指示すれば、ちゃんと思い通りに動くのよ。」と自慢げに語るのですが、実はそのちょうどいい明るさは、ロスが壁にあるディマー・スイッチ(減光スイッチ)をひねって調節したものだったのですね。
find the right command 「正しいコマンドを見つける」と言ったモニカに対して、「それとディマー・スイッチもね」という感じで、Yes, and the dimmer switch. と付け足したのです。
ロスが言ったのは、「(ちょうどいい明るさにするには)ディマー・スイッチを見つけたらいいだけだよ」(You just need to find the dimmer switch.)ということで、システムが認識できる指令の言葉をあれこれ探すよりも、ディマー・スイッチを見つけた方が手っ取り早い、find すべきものはスイッチだよ、という感じです。
for a rich guy の for は「…にしては」。
研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
It's cold for May. 5月にしては寒い。
For a learner, he swims well. 初心者にしては彼は泳ぎが上手だ。
金持ちだったらもっとでっかいテレビを持っているかと思ったけど、意外と小さいんだねぇ、という感じです。
モニカは、それはテレビじゃなくて、the video phone だと説明していますね。
日本語では、テレビ電話と言いますが、英語では、a video phone になります。
日本語のテレビゲームも、英語では、a video game と言います。
日本語の感覚は、テレビ画面、テレビのスクリーンに映すから、テレビ電話、テレビゲームと言うわけでしょうが、本来それはテレビ局が放送・放映しているものではないので、実際のシステムから考えると、ビデオフォン、ビデオゲームの方が正しい感覚なのかもしれません。
モニカ一人が来ることになっていて、フレンズたちを連れてくるって言ってないから、余計なものを触らないで、と言うのですが、チャンドラーは早速、カウチにどっかり座ってしまいます。
座りながら、I-KEA! (ネットスクリプトでは、I-kea!、DVD英語字幕では、IKEA)と言っていますが、これは、「あー!」と気持ちよさそうな声を出しながら座っているように聞こえて、実は IKEA という家具店の名前を言っているのですね。
Wikipedia 日本語版: イケア にあるように、イケア(IKEA)は、スウェーデン発祥の大手家具店です。
日本にも進出しているので、日本人にもおなじみの名前ですね。
日本ではそのようにイケアと呼ばれていますが、英語ではチャンドラーのように「アイキア」と発音するのですね。
ウィキペディアにも、
アメリカ、カナダやオーストラリアなど英語圏では「アイキア」と発音する
と書いてあります。
イケアの特徴は「格安、安価の組み立て式家具を売る」という部分でしょうか。
自分で組み立てる分、値段がお安くなっている、という感じでしょうね。(私は IKEA を利用したことがないので詳しくは知らないのですが。)
フレンズ1-1 (パイロット版)で、ロスたちがブックケースなどの家具を組み立てていましたが、あれが、IKEA のイメージなのかな、と思います。
で、イケアはそういうイメージであることを認識した上で、チャンドラーのセリフを見てみましょう。
ピートの書斎(den)は、さすがはお金持ち、という感じで、家具や調度品もどっしりした高級そうなものが置かれているように見えます。
ですから、ピートの書斎の家具がイケアで買ったものである、という可能性は低いように思うのですね。
チャンドラーが座ったカウチも恐らくかなり高価なもので、だから座り心地も最高!という感じだと思います。
それなのに、座る時にわざわざ、IKEA (アイキア)と声を出して、「あー!」というくつろいだ声に続けて、格安の組み立て家具店の名前を出したのは、「あー、やっぱりイケアの家具は最高だね!」と、「違いのわからない庶民の男」のふりをしてみた、というジョークなのかな、と思いました。
イケアの家具であるはずはないのに、「さすがはイケアだ、快適だ」と言って、みんなが心の中で「それはイケアじゃないってば!」とツッコミを入れることを期待しているようなボケなのかな、と思ったのですが、どうでしょう??
超高級中華料理店の餃子を食べて、「オー!ショー!(王将!) これはおいしいね。」と言っているような感じなのかな、と思ったりもするのですが…関西圏に「餃子の王将」という中華料理チェーン店があるんですよ(笑)。
(Rach からのお詫び)
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2009年05月10日
2009年05月08日
俺たちが水やりするよ フレンズ3-23その3
[Scene: Central Perk, Chandler, Monica, and Joey are there.]
セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、ジョーイがそこにいる。
出張中のピートから、"We need to talk." と言われたので、ピートに振られそうだと思っているモニカ。
モニカ: (starting to get up) I gotta go water Pete's plants. (stops) Y'know what? If he's gonna break up with me, maybe I won't water his plants. ([立ち上がろうとする] ピートの(観葉)植物に水をやりに行かなくちゃ。[動きを止めて] ねぇ、もしピートが私と別れるつもりなら、多分、私は彼の植物に水やりしないわ[するつもりはないわ]。)
チャンドラー: Well, if he's gonna break up with you, maybe Joey and I should water his plants. If you know what I mean. (そうだな。もしピートがモニカと別れるつもりなら、多分、ジョーイと俺が彼の植物に水やりをすべきだな。俺の言っている意味がわかるかな。)
ジョーイ: Or, ha-ha, we could go over there and pee on them. (それとも、ハハハ。俺たちがそこに行って、植物におしっこかけることもできるぞ。)
ピートが家にいない間、彼の部屋に置いてある植物に水やり(水遣り)をすることになっているようですが、ピートに振られると思っているモニカは、振られるなら水やりなんかしてあげる必要ないかも、と言っています。
ここでの water は他動詞で「…に水をやる、かける、まく」ですね。
それを聞いたチャンドラーは、ちょっと得意そうに、maybe Joey and I should water his plants. と言った後、If you know what I mean. と付け加えています。
このニュアンスについては、以下の英辞郎の語義がわかりやすいです。
英辞郎では、
if you know what I mean=(あなたには)意味が分からないかもしれないけど、分かるかな、ピンと来ないかもしれないけど。(用法)複雑な内容・遠回しな表現・隠語的表現などについて
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(do) you know what I mean? also if you know what I mean:
used when checking that someone has understood what you are saying
つまり、「自分が言っていることを誰かが理解したかを確認する時に使われる」
直訳すると、「もし俺の言っていることの意味が分かれば(の話だけどね)」という感じでしょうか。
チャンドラーとしては、ちょっと遠回しに言い過ぎたかもしれないけど、俺の言うこと、わかるよね?ということです。
そのチャンドラーの発言を妙に真面目な顔をして聞いていたジョーイは、Or 「または」を使って、チャンドラーが言ったこともいいけど、こういうこともできるよ、と、植物におしっこをかける案を提案します。
それを聞いて、チャンドラーがあっちゃー!という顔をしていますね。
これは、「ジョーイは俺の言うこと、ちっともわかってねぇー!」という感じの顔です。
チャンドラーは、男2人で水やりに行く、と言ったのですが、それは「俺たち二人が、水じゃなくて、小便をかけに行ってやる」という意味だったようですね。
モニカが行かないって言うんなら、俺たちがモニカを振ろうとしている男のところへ行って、モニカの友人として仕返ししてやろうじゃん、という感じです。
もちろん、文字通り解釈すれば、「俺とジョーイで植物に水をやる」になるのですが、If you know what I mean という言葉をわざわざ付け足して、「ちょっと遠回しに言ってみたんだけどわかるかな?」と得意気に、また少しいたずらっぽく言ったことを考えると、「water というのはある行為を意味する婉曲表現であり隠喩であることを示唆している」と考えるべきでしょう。
そのチャンドラーのセリフを「なるほど」という顔をして聞いていたジョーイが、「それもいいけど、こういうのもどう?」と出した提案が、チャンドラーが隠喩で表現したことをそのまんまダイレクトに言い直した内容(pee on them[plants])だったので、俺がわざわざ婉曲的に表現してみたのに、全然通じてなかったのかよ!とがっかりした、ということです。
ドクター・ロウズの診察室。ロスの周りにたくさんの医者が集まってきている。
ロス: Y'know, I have dinner plans. (あのー、ディナーの予定があるんですけど。)
ドクター・ロウズ: Thank you so much for coming on such a short notice. Ladies and gentlemen, I've-I've-I've been practicing medicine for 23 years, and I'm stumped. (急な呼び出しに来てくれてありがとう。皆さん、私は、私は、私は、23年間、医業を営んできたが、(今回は)お手上げだ。)
(He removes the blanket covering the thing.)
ドクター・ロウズは、(ロスの)モノを覆っているブランケットを取り除く。
全員: Whoa. (they all lean in to get a closer look, Ross isn't pleased) (おぉー。[医者たちは全員、より間近で見ようと、身を乗り出す。ロスは嬉しくない。]
Thank you so much for coming on such a short notice. について。
notice は「通知、告知」。
トゥーウィークスノーティス フレンズ3-10その16 で、I'm giving my week's notice. というセリフが出てきて、その時に、記事中そしてコメント欄で、notice についていろいろ書いています。
その時のコメント欄で書いたことと重複しますが、notice についてここでまた説明させて下さい。
セリフでは、on such a short notice となっていますが、「通知、告知」という意味は不可算名詞のようなので、文法的には a のない形が正しいのかもしれません。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
at short notice British English
on short notice American English
: if you do something at short notice, you do not have very much time to prepare for it
例) The trip was planned on short notice.
Thanks for agreeing to see me at such short notice.
a cancellation at very short notice
つまり、at を使うのがイギリス式、on を使うのがアメリカ式ということで、その意味は、「at short notice で何かをするということは、それに対して準備する時間があまりないこと。」
ロングマンの3つの例文すべて、不定冠詞の a はついていませんね。
2番目の例文、Thanks for agreeing to see me at such short notice. 「急な依頼・通知にもかかわらず私に会うことに同意してくれてありがとう。」は、今回のセリフと同じようなニュアンスです。
このフレーズは、TOEIC の Part 4 で、会議を招集した人が出席者に対して開口一番、「急な呼び出しに集まってくれてありがとう」などと言うパターンに出てきそうなフレーズで、実際、TOEICテスト新公式問題集 解答・解説編 p.112 にも出てきます。
その問題集のナレーションも、on such short notice となっていて、such a... ではありません。
そのように、正式には、on such short notice が正しいと思われるのですが、ネットで検索してみると、on such a short notice という検索結果も結構出てきます。
今回、フレンズのセリフに登場し、DVD字幕にもはっきり、on such a short notice と書かれているくらいなので、文法的には間違いかもしれないけれど、結構使われている表現なんだろうな、と思います。
私のようなノンネイティブは、such a ... という形で覚えたものが多いので、such とくると、a を入れたくなるわけですが、ネイティブの場合でも、such a というフレーズって言いやすいんでしょうかねぇ?
practice medicine は「医者を開業する、医業を営む」。
stump は「(質問などが)(人)を悩ませる、困らせる、参らせる、困惑させる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stump: [transitive] to ask someone such a difficult question that they are completely unable to think of an answer.
つまり、「全く答えを思いつくことができないような難しい質問をすること」。
たまたま、2つ前の記事、フレンズ3-23その1 で、「犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら?」ととんちんかんなことを言ったフィービーに対して、"...Chandler and Rachel, who're also stumped" というト書きがありました。
これもフィービーの言っている意味がわからないで困惑している様子を表していますね。
長年医者をやってきたが今回のできものはよくわからないと医者に言われ、他の医者たちも、おぉー!という歓声を上げていて、ロスがいやーな顔をしているのが面白いです。
大袈裟にしたくないのに、どんどん話が大きくなっていくのが、フレンズらしいです。
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セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、ジョーイがそこにいる。
出張中のピートから、"We need to talk." と言われたので、ピートに振られそうだと思っているモニカ。
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チャンドラー: Well, if he's gonna break up with you, maybe Joey and I should water his plants. If you know what I mean. (そうだな。もしピートがモニカと別れるつもりなら、多分、ジョーイと俺が彼の植物に水やりをすべきだな。俺の言っている意味がわかるかな。)
ジョーイ: Or, ha-ha, we could go over there and pee on them. (それとも、ハハハ。俺たちがそこに行って、植物におしっこかけることもできるぞ。)
ピートが家にいない間、彼の部屋に置いてある植物に水やり(水遣り)をすることになっているようですが、ピートに振られると思っているモニカは、振られるなら水やりなんかしてあげる必要ないかも、と言っています。
ここでの water は他動詞で「…に水をやる、かける、まく」ですね。
それを聞いたチャンドラーは、ちょっと得意そうに、maybe Joey and I should water his plants. と言った後、If you know what I mean. と付け加えています。
このニュアンスについては、以下の英辞郎の語義がわかりやすいです。
英辞郎では、
if you know what I mean=(あなたには)意味が分からないかもしれないけど、分かるかな、ピンと来ないかもしれないけど。(用法)複雑な内容・遠回しな表現・隠語的表現などについて
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(do) you know what I mean? also if you know what I mean:
used when checking that someone has understood what you are saying
つまり、「自分が言っていることを誰かが理解したかを確認する時に使われる」
直訳すると、「もし俺の言っていることの意味が分かれば(の話だけどね)」という感じでしょうか。
チャンドラーとしては、ちょっと遠回しに言い過ぎたかもしれないけど、俺の言うこと、わかるよね?ということです。
そのチャンドラーの発言を妙に真面目な顔をして聞いていたジョーイは、Or 「または」を使って、チャンドラーが言ったこともいいけど、こういうこともできるよ、と、植物におしっこをかける案を提案します。
それを聞いて、チャンドラーがあっちゃー!という顔をしていますね。
これは、「ジョーイは俺の言うこと、ちっともわかってねぇー!」という感じの顔です。
チャンドラーは、男2人で水やりに行く、と言ったのですが、それは「俺たち二人が、水じゃなくて、小便をかけに行ってやる」という意味だったようですね。
モニカが行かないって言うんなら、俺たちがモニカを振ろうとしている男のところへ行って、モニカの友人として仕返ししてやろうじゃん、という感じです。
もちろん、文字通り解釈すれば、「俺とジョーイで植物に水をやる」になるのですが、If you know what I mean という言葉をわざわざ付け足して、「ちょっと遠回しに言ってみたんだけどわかるかな?」と得意気に、また少しいたずらっぽく言ったことを考えると、「water というのはある行為を意味する婉曲表現であり隠喩であることを示唆している」と考えるべきでしょう。
そのチャンドラーのセリフを「なるほど」という顔をして聞いていたジョーイが、「それもいいけど、こういうのもどう?」と出した提案が、チャンドラーが隠喩で表現したことをそのまんまダイレクトに言い直した内容(pee on them[plants])だったので、俺がわざわざ婉曲的に表現してみたのに、全然通じてなかったのかよ!とがっかりした、ということです。
ドクター・ロウズの診察室。ロスの周りにたくさんの医者が集まってきている。
ロス: Y'know, I have dinner plans. (あのー、ディナーの予定があるんですけど。)
ドクター・ロウズ: Thank you so much for coming on such a short notice. Ladies and gentlemen, I've-I've-I've been practicing medicine for 23 years, and I'm stumped. (急な呼び出しに来てくれてありがとう。皆さん、私は、私は、私は、23年間、医業を営んできたが、(今回は)お手上げだ。)
(He removes the blanket covering the thing.)
ドクター・ロウズは、(ロスの)モノを覆っているブランケットを取り除く。
全員: Whoa. (they all lean in to get a closer look, Ross isn't pleased) (おぉー。[医者たちは全員、より間近で見ようと、身を乗り出す。ロスは嬉しくない。]
Thank you so much for coming on such a short notice. について。
notice は「通知、告知」。
トゥーウィークスノーティス フレンズ3-10その16 で、I'm giving my week's notice. というセリフが出てきて、その時に、記事中そしてコメント欄で、notice についていろいろ書いています。
その時のコメント欄で書いたことと重複しますが、notice についてここでまた説明させて下さい。
セリフでは、on such a short notice となっていますが、「通知、告知」という意味は不可算名詞のようなので、文法的には a のない形が正しいのかもしれません。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
at short notice British English
on short notice American English
: if you do something at short notice, you do not have very much time to prepare for it
例) The trip was planned on short notice.
Thanks for agreeing to see me at such short notice.
a cancellation at very short notice
つまり、at を使うのがイギリス式、on を使うのがアメリカ式ということで、その意味は、「at short notice で何かをするということは、それに対して準備する時間があまりないこと。」
ロングマンの3つの例文すべて、不定冠詞の a はついていませんね。
2番目の例文、Thanks for agreeing to see me at such short notice. 「急な依頼・通知にもかかわらず私に会うことに同意してくれてありがとう。」は、今回のセリフと同じようなニュアンスです。
このフレーズは、TOEIC の Part 4 で、会議を招集した人が出席者に対して開口一番、「急な呼び出しに集まってくれてありがとう」などと言うパターンに出てきそうなフレーズで、実際、TOEICテスト新公式問題集 解答・解説編 p.112 にも出てきます。
その問題集のナレーションも、on such short notice となっていて、such a... ではありません。
そのように、正式には、on such short notice が正しいと思われるのですが、ネットで検索してみると、on such a short notice という検索結果も結構出てきます。
今回、フレンズのセリフに登場し、DVD字幕にもはっきり、on such a short notice と書かれているくらいなので、文法的には間違いかもしれないけれど、結構使われている表現なんだろうな、と思います。
私のようなノンネイティブは、such a ... という形で覚えたものが多いので、such とくると、a を入れたくなるわけですが、ネイティブの場合でも、such a というフレーズって言いやすいんでしょうかねぇ?
practice medicine は「医者を開業する、医業を営む」。
stump は「(質問などが)(人)を悩ませる、困らせる、参らせる、困惑させる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stump: [transitive] to ask someone such a difficult question that they are completely unable to think of an answer.
つまり、「全く答えを思いつくことができないような難しい質問をすること」。
たまたま、2つ前の記事、フレンズ3-23その1 で、「犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら?」ととんちんかんなことを言ったフィービーに対して、"...Chandler and Rachel, who're also stumped" というト書きがありました。
これもフィービーの言っている意味がわからないで困惑している様子を表していますね。
長年医者をやってきたが今回のできものはよくわからないと医者に言われ、他の医者たちも、おぉー!という歓声を上げていて、ロスがいやーな顔をしているのが面白いです。
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2009年05月06日
奇妙なものは彼の得意分野 フレンズ3-23その2
ロスのお尻に正体不明のできものが出来たので、それを診てもらうため、医者を訪ねたロス。
[Scene: A Doctor's Office, Ross is having his thing looked at by Dr. Rhodes.]
医者の診察室。ロスはドクター・ロウズに自分のモノ[できもの]を見てもらおうとしているところ。
ロス: Th-th-that's all it is. A third nipple. Y'know? Just your run-of-the-mill third nipple. Y'know? You can take it off. Just slice that baby right off. (それだけなんです。3番目の乳首ですよ。ごく普通の3番目の乳首なんです。あなたはそれを取ることができるはずだ。そのベイビーをただ薄く[スパッと]切って下さい。)
ドクター・ロウズ: Take your shirt off. Let's see what we're dealing with here. (Ross starts to take off his pants) What are you doing? (シャツを脱いでくれ。ここで我々が扱おうとしているものを見よう。[ロスはパンツ[ズボン]を脱ぎ始める] 何をしてるんだ?)
ロス: Just showing you my run-of-the-mill, slice-it-right-off third nipple. (ごく普通の、スパッと切っちゃう3番目の乳首を、ただあなたに見せようとしてるんです。)
ドクター・ロウズ: Well, that's not a third nipple. (うーん、それは3番目の乳首じゃないな。)
ロス: No? (違いますか?)
ドクター・ロウズ: First of all, it's on your ass. (まず第一に、それは君の尻にあるじゃないか。)
ロス: Well, then what is it? (えぇ、それじゃあ、それは何ですか?)
ドクター・ロウズ: Wait a minute. Hold it. (He goes to the door and opens it.) Jansen! Will you come in here a moment? (ちょっと待って。そのままの状態でじっとして。[ドクターはドアのところに行き、ドアを開ける] ジャンセン! ちょっとこっちに来てくれるか?)
ドクター・ジャンセン: I'm with Hamilton! (僕は今ハミルトンと一緒なんです[話をしてるところなんです]。)
ドクター・ロウズ: He's good with weird things. Bring him in too. (ハミルトンは奇妙な[変わった]ものが得意だ。彼も一緒に連れて来い。)
自分のお尻にできた正体不明のできものを、a third nipple 「3番目の乳首、第3の乳首」だと言い張るロス。
チャンドラーに、a third nipple がある話は、フレンズ2-4その1 に出てきました。
フレンズ3-14その18 では、それが原因で恋人ジンジャーと別れることになり、
そのエピソードの最後、フレンズ3-14その21 で、除去手術で3番目の乳首を取ってきた話をしていました。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Supernumerary nipple
supernumerary は「定数以上の、過剰な」という意味です。本来乳首は2つなので、それ以上の数がある乳首、ということですね。
そのウィキペディアでは、Known examples として、実際に a third nipple を持っている有名人の名前が書いてあります。
また、Examples in popular culture では、チャンドラーのこともちゃんと書いてありますね。
run-of-the-mill は「普通の、平凡な、月並みの、ありふれた」。
ロスは自分のできもののことを、ありふれた3番目の乳首だと言って、ことを大げさにせずに切ってもらおうとします。
できものを見せるために、下半身の衣服を脱ごうとするので、医者はびっくり。
「尻にあるのなら、乳首なわけないじゃないか。」ということですね。
自分だけでは手に負えない、誰かの助けを借りようと、ロウズは隣の部屋にいるジャンセンに声を掛けます。
隣室から、I'm with Hamilton! という返事が返ってきますが、具体的な名前を挙げているところから、ハミルトンが同僚の医者であることが想像できます。
一緒にいるのが患者なら、そんな風に固有名詞は出さないように思うのですね。
ロウズがハミルトンの名前を知っているからこそ、「あなたに呼ばれたけれど、今、私はハミルトンと一緒にいて、打ち合わせなどをしているところなので…」と言い、大切な用事の最中だから、来てくれと言われても、今すぐは無理です、と言っていることになるのでしょう。
それを聞いたロウズは、He's good with weird things. Bring him in too. と言っています。
be good with は「…が得意で、上手で、うまくて、…に強くて」。
be good の後には at, in, on, with など様々な前置詞が使われますが、その使い分けについて、研究社 新英和中辞典では、
at, in は技術の対象、on は特定のもの[事]、with は扱いの対象に用いる
と説明されています。
今回の be good with も、まさに「扱いの対象」を言っていますね。
with 以下のものの扱いや対応がうまい、得意だ、ということです。
He's good with weird things. の部分、ネットスクリプトでは、He's good with rear things. になっていました。
rear は「後ろの、後方の、お尻の」で、名詞 rear には「尻」という意味もあります。
ですから、He's good with rear things. だと「彼はお尻のこと[お尻に関すること]が得意、お尻のものの扱いがうまい」みたいな意味になるでしょうね。
今回ロスのできものはお尻に出来ているため、それはそれで意味が通じるのですが、DVD英語字幕では weird things となっていて、音声も weird に聞こえるので、weird が正解だろうと思います。
weird things は「変わったもの、変なもの、奇妙なもの、風変わりなもの」で、ロウズが見ても何だかよくわからない、そういう正体不明のものについては、彼、つまり、ハミルトンの得意分野だから、今そこで一緒にいるというハミルトンもこっちに連れて来い、ハミルトンも一緒に診てくれると助かるから、ということです。
隣室の同僚まで呼ばれるのも困るのに、さらに、奇妙な病気・症例が得意分野だというもう一人の同僚まで呼ばれてしまう…。
ありきたりな3番目の乳首ですよ、と言って、あっさり処理してもらおうと思ったのに、ロスの意に反して、どんどん話が大きくなるところが面白いですね。
(Rach からのお願い)
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皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
[Scene: A Doctor's Office, Ross is having his thing looked at by Dr. Rhodes.]
医者の診察室。ロスはドクター・ロウズに自分のモノ[できもの]を見てもらおうとしているところ。
ロス: Th-th-that's all it is. A third nipple. Y'know? Just your run-of-the-mill third nipple. Y'know? You can take it off. Just slice that baby right off. (それだけなんです。3番目の乳首ですよ。ごく普通の3番目の乳首なんです。あなたはそれを取ることができるはずだ。そのベイビーをただ薄く[スパッと]切って下さい。)
ドクター・ロウズ: Take your shirt off. Let's see what we're dealing with here. (Ross starts to take off his pants) What are you doing? (シャツを脱いでくれ。ここで我々が扱おうとしているものを見よう。[ロスはパンツ[ズボン]を脱ぎ始める] 何をしてるんだ?)
ロス: Just showing you my run-of-the-mill, slice-it-right-off third nipple. (ごく普通の、スパッと切っちゃう3番目の乳首を、ただあなたに見せようとしてるんです。)
ドクター・ロウズ: Well, that's not a third nipple. (うーん、それは3番目の乳首じゃないな。)
ロス: No? (違いますか?)
ドクター・ロウズ: First of all, it's on your ass. (まず第一に、それは君の尻にあるじゃないか。)
ロス: Well, then what is it? (えぇ、それじゃあ、それは何ですか?)
ドクター・ロウズ: Wait a minute. Hold it. (He goes to the door and opens it.) Jansen! Will you come in here a moment? (ちょっと待って。そのままの状態でじっとして。[ドクターはドアのところに行き、ドアを開ける] ジャンセン! ちょっとこっちに来てくれるか?)
ドクター・ジャンセン: I'm with Hamilton! (僕は今ハミルトンと一緒なんです[話をしてるところなんです]。)
ドクター・ロウズ: He's good with weird things. Bring him in too. (ハミルトンは奇妙な[変わった]ものが得意だ。彼も一緒に連れて来い。)
自分のお尻にできた正体不明のできものを、a third nipple 「3番目の乳首、第3の乳首」だと言い張るロス。
チャンドラーに、a third nipple がある話は、フレンズ2-4その1 に出てきました。
フレンズ3-14その18 では、それが原因で恋人ジンジャーと別れることになり、
そのエピソードの最後、フレンズ3-14その21 で、除去手術で3番目の乳首を取ってきた話をしていました。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Supernumerary nipple
supernumerary は「定数以上の、過剰な」という意味です。本来乳首は2つなので、それ以上の数がある乳首、ということですね。
そのウィキペディアでは、Known examples として、実際に a third nipple を持っている有名人の名前が書いてあります。
また、Examples in popular culture では、チャンドラーのこともちゃんと書いてありますね。
run-of-the-mill は「普通の、平凡な、月並みの、ありふれた」。
ロスは自分のできもののことを、ありふれた3番目の乳首だと言って、ことを大げさにせずに切ってもらおうとします。
できものを見せるために、下半身の衣服を脱ごうとするので、医者はびっくり。
「尻にあるのなら、乳首なわけないじゃないか。」ということですね。
自分だけでは手に負えない、誰かの助けを借りようと、ロウズは隣の部屋にいるジャンセンに声を掛けます。
隣室から、I'm with Hamilton! という返事が返ってきますが、具体的な名前を挙げているところから、ハミルトンが同僚の医者であることが想像できます。
一緒にいるのが患者なら、そんな風に固有名詞は出さないように思うのですね。
ロウズがハミルトンの名前を知っているからこそ、「あなたに呼ばれたけれど、今、私はハミルトンと一緒にいて、打ち合わせなどをしているところなので…」と言い、大切な用事の最中だから、来てくれと言われても、今すぐは無理です、と言っていることになるのでしょう。
それを聞いたロウズは、He's good with weird things. Bring him in too. と言っています。
be good with は「…が得意で、上手で、うまくて、…に強くて」。
be good の後には at, in, on, with など様々な前置詞が使われますが、その使い分けについて、研究社 新英和中辞典では、
at, in は技術の対象、on は特定のもの[事]、with は扱いの対象に用いる
と説明されています。
今回の be good with も、まさに「扱いの対象」を言っていますね。
with 以下のものの扱いや対応がうまい、得意だ、ということです。
He's good with weird things. の部分、ネットスクリプトでは、He's good with rear things. になっていました。
rear は「後ろの、後方の、お尻の」で、名詞 rear には「尻」という意味もあります。
ですから、He's good with rear things. だと「彼はお尻のこと[お尻に関すること]が得意、お尻のものの扱いがうまい」みたいな意味になるでしょうね。
今回ロスのできものはお尻に出来ているため、それはそれで意味が通じるのですが、DVD英語字幕では weird things となっていて、音声も weird に聞こえるので、weird が正解だろうと思います。
weird things は「変わったもの、変なもの、奇妙なもの、風変わりなもの」で、ロウズが見ても何だかよくわからない、そういう正体不明のものについては、彼、つまり、ハミルトンの得意分野だから、今そこで一緒にいるというハミルトンもこっちに連れて来い、ハミルトンも一緒に診てくれると助かるから、ということです。
隣室の同僚まで呼ばれるのも困るのに、さらに、奇妙な病気・症例が得意分野だというもう一人の同僚まで呼ばれてしまう…。
ありきたりな3番目の乳首ですよ、と言って、あっさり処理してもらおうと思ったのに、ロスの意に反して、どんどん話が大きくなるところが面白いですね。
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2009年05月04日
二人の男をジャグリング フレンズ3-23その1
シーズン3 第23話
The One With Ross' Thing (フィービーはどっちも好き!)
原題は「ロスのモノの話」
(追記)
以下の記事で、冒頭シーンの追加説明をしています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-23その8
(追記はここまで)
セントラルパーク。消防士であるフィービーの恋人ヴィンスが出て行った後、
レイチェル: Wow, he's cute, Pheebs. But I thought you just started dating that kindergarten teacher. (まぁ、彼ってかっこいいわね、フィービー。でも、あなたはあの幼稚園の先生とデートし始めたばかりだって思ってたんだけど。)
フィービー: Oh, Jason? Yeah, uh-huh, we're seeing each other tonight. (あぁ、ジェイソン? えぇ、その、私と彼は今夜デートする予定よ。)
レイチェル: What, Pheebs? Two dates in one day? That's so unlike you. (何ですって、フィービー? 一日に二つのデート? それってものすごくあなたらしくないわ。)
フィービー: I know, I know. I'm, like, playing the field. Y'know? Like, juggling two guys. I'm sowing my wild oats. Y'know? Y'know, this kind of, like, y'know, oat-sowin', field-playin' juggler. (そうね、わかってる。私は、ほら、遊び回ってるのよ。わかるでしょ? 二人の男性をジャグリングしてるの[同時に上手くこなしてるの]。私は(若気の至りで)道楽をしているのよ。でしょ? ほら、オートをまいて[道楽をして]、フィールドでプレイするような[遊び回るような]ジャグラーの一種なの。)
ジョーイ: So Pheebs, do they know about each other? (それで、フィービー、彼らはお互いのことを知ってるの?)
フィービー: Does a dog's lips move when he reads? (Joey makes an 'I don't know' face, and looks to Chandler and Rachel, who're also stumped) Okay, no, they don't know. (犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら? [ジョーイは「わからない」という顔をして、チャンドラーとレイチェルの方を見るが、彼らも当惑している[言葉に詰まっている]。] いいわ。いいえ、彼らは知らないの。)
消防士のヴィンスとラブラブでありながら、幼稚園の先生ジェイソンともデートすると言うフィービー。
一日に2つのデートをするなんて、フィービーらしくないわ、とレイチェルは言っています。
That's so unlike you. について。
like だと「…らしい、…にふさわしい」なので、その反対語の unlike は、not like、つまり「…らしくない」ですね。
unlike you の前に強調の so がついているので、「あなたらしくない度合いが強い」、つまり、全くあなたらしくない、全然あなたらしくない、あなたのイメージと全く違う、というニュアンスになります。
play the field は「たくさんの異性とデートする、交際する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
play the field: to have romantic relationships with a lot of different people
つまり、「多くの違った人と、ロマンティックな関係を持つこと」。
play the field という言葉自体は「野原・フィールドでプレイする・遊ぶ」なので、そこに恋愛に関係する単語は入っていませんが、play the field で「多くの異性と遊び回る」という意味に理解されるのですね。
日本語でも、「彼は遊び回ってるよ」とか「彼は遊び人だよ」という場合には、異性との恋愛関係が派手であることを示唆するので、まさに日本語の「遊び回る」に近い言葉なのでしょう。
sow one's wild oats は「若気の至りから道楽をする、独身の間に女遊びをする」という意味。
フレンズ2-18その12 には以下のセリフが出てきました。
モニカ: Don't you have a lot of wild oats to sow? Or is that what you're doing with me? Oh, my God! Am I an oat? (リチャードは、若い時に女遊びをしようと思わなかったの? それとも、その女遊びを、今私とやってるの? あぁ、なんてこと! 私はオート麦なの?)
その時に、sow one's wild oats について説明しています。
oats は「オートミール」のオートで、「オート麦」のことですね。
LAAD では、
sow your wild oats: if a man sows his wild oats, he has sex with many different women, especially when he is young
つまり、「男性が sow his wild oats するというのは、その男性が多くの違った女性とエッチをすること、特に若い時期に。」
普通はそのように、男性が女遊びをする時に使う表現なのですが、それを女性のフィービーが使っているのが面白いわけでしょう。
男が女遊びをするみたいに、私も男遊びをしているのよ、道楽をしているのよ、いうところです。
juggling two guys の juggle は、大道芸人のジャグラー(juggler)がするような、「ボール・皿・ナイフなどを空中に投げては受けるという曲芸をする、複数のものを巧みにさばく・操る」ことですね。
その感覚から、「複数の仕事や役目などを巧みにこなす、上手に処理する・操作する」という意味にもなります。
LAAD では、
juggle:
1. to keep three or more objects moving through the air by throwing and catching them very quickly
2. to try to fit two or more jobs, activities etc. into your life, especially when this is difficult
例) It's hard trying to juggle a job, kids, and housework.
1. は曲芸のジャグリングのことで、「3つ以上の物体を、それを素早く投げたり受けたりして、空中で動かし続けること」。
2. は「2つ以上の仕事や活動を自分の生活に順応・適応させるようにつとめること。特にこのことが難しい時に」。
例文は、「仕事と子供と家事を巧みにこなそうとすることは難しい。」
仕事と家庭のように二つのものであれば「両立させる」という日本語が合いますね。
ジャグラーやジャグリングという言葉は日本語になっているので、二人の男をジャグリングしている、とか、ジャグラーのように二人の男を巧みに操っている、というと、何となく意味はわかりますね。
上手い具合にバランスを取って、どちらも落とさないようにしている感覚でしょうか。
私は、play the field をして、sow my wild oats をしているジャグラーなのよ、と言って、フィービーは喜んでいます。
juggle という言葉で思い出したのですが、日本語にもそれと似た行為から来た言葉「手玉にとる」がありますね。
「手玉にとる」は、広辞苑によると、
手玉(てだま)=女子の玩具の一種。おてだま。
手玉に取る=手玉のようになげてもてあそぶ。翻弄する。
とあります。
お手玉は遊び道具であるために、「こちらがいいようにもてあそぶ」という意味になるのでしょう。
英語の juggle の場合だと、仕事と家庭の両立のような意味にも使えるわけですが、今回のフィービーの juggling two guys のような場合だと、「二人の男を手玉に取る」という日本語の感覚が「かなり近い」かもしれません。
でも、完全なイコールで結ばれるかというと、そうでもない気もします。
フィービーとしては、男を騙して「もて遊んでいる」というつもりはなくて、ただ二人の男性と「うまい具合に」付き合っていることを、ジャグラーの巧みな手さばきに例えているだけかもしれないので、「手玉に取る」という日本語ほど、悪女っぽいイメージはないかもしれません。
女の子がお手玉をする行為と、ジャグラーがボールを操る行為とは、見た目よく似ているので、日英どちらにもそこから派生した言葉や表現があるのが面白いなと思ったのですが、少しニュアンスが異なる部分もありそうなので、そこがまた興味深いなとも思いました。
「手玉に取る」という日本語は、自分の都合のいいようにして相手を翻弄するイメージがありますが、juggle は「複数の仕事や活動や責任を上手にこなす」「やらなければならないことをうまくさばく」という意味であって、完全に「手玉に取る」とイコールではない、という気がするのです。
実際、「複数の仕事を手玉に取る」とは言いませんしねぇ。
二人の男をジャグリングしている、と嬉しそうなフィービーに、ジョーイは、「その二人は、別の男性の存在を知ってるの?」と尋ねます。
つまり、「フィービーが別の男と付き合っていることを知ってるの?、フィービーが今、二股かけてることを知ってるの?」ということですね。
それに対するフィービーの答えはかなりトンチンカンです。
フィービーの言ったことを訳すと、「犬が(本などの)文字を読む時に、犬の唇は動くかしら?」。
フィービーが言いたいことは恐らく、「他人にわからないように黙読することが可能な時に、わざわざ唇を動かして、今読んでいる内容を他人に知られるようなバカなことをする犬がいるかしら?」ということでしょう。
わざわざ唇を動かして人に気取られるようなことをする必要はない、というような意味で、ヴィンスとジェイソンは、お互いの存在を知らないのに、私がわざわざ自分の口からそれを伝える必要なんてないわ、ということが言いたいのでしょう。
しかし、そういうことが言いたいんだろう、ということはわからないではないけれど、「何故に犬?!」と思わずにはいられない例えです。
だいたい、犬は文字を読めないだろうから、read するという行為もしないし、読唇術ができるほど、犬の唇がはっきり動く姿もイメージしにくい(笑)。
「二人の男性に相手の存在を伝えるなんて、そんなバカなことするわけないじゃない。考えても見てよ、犬もこんなことはしないわよね…」と犬の例えを出して勝ち誇ったように語るフィービーですが、その犬の例えがしっくり来なくて意味不明なので、ジョーイは「??」となっているのですね。
ジョークが高度過ぎて(?)ジョーイにだけその意味がわからない、ということはフレンズによくあるのですが、今回ばかりはチャンドラーとレイチェルにも意味不明だったようです。
救いを求めてチャンドラーとレイチェルの方を見たジョーイですが、その二人も「今のはよくわからない」という顔をしています。
フレンズたちに意味が通じていないのを悟ったフィービーは、犬の例えで説明するのはあきらめて、Do they know about each other? に対して、No, they don't know. 「いいえ、彼らは(お互いのことを)知らないわ。」とスタンダードな答えに言い直したということですね。
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原題は「ロスのモノの話」
(追記)
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フレンズ3-23その8
(追記はここまで)
セントラルパーク。消防士であるフィービーの恋人ヴィンスが出て行った後、
レイチェル: Wow, he's cute, Pheebs. But I thought you just started dating that kindergarten teacher. (まぁ、彼ってかっこいいわね、フィービー。でも、あなたはあの幼稚園の先生とデートし始めたばかりだって思ってたんだけど。)
フィービー: Oh, Jason? Yeah, uh-huh, we're seeing each other tonight. (あぁ、ジェイソン? えぇ、その、私と彼は今夜デートする予定よ。)
レイチェル: What, Pheebs? Two dates in one day? That's so unlike you. (何ですって、フィービー? 一日に二つのデート? それってものすごくあなたらしくないわ。)
フィービー: I know, I know. I'm, like, playing the field. Y'know? Like, juggling two guys. I'm sowing my wild oats. Y'know? Y'know, this kind of, like, y'know, oat-sowin', field-playin' juggler. (そうね、わかってる。私は、ほら、遊び回ってるのよ。わかるでしょ? 二人の男性をジャグリングしてるの[同時に上手くこなしてるの]。私は(若気の至りで)道楽をしているのよ。でしょ? ほら、オートをまいて[道楽をして]、フィールドでプレイするような[遊び回るような]ジャグラーの一種なの。)
ジョーイ: So Pheebs, do they know about each other? (それで、フィービー、彼らはお互いのことを知ってるの?)
フィービー: Does a dog's lips move when he reads? (Joey makes an 'I don't know' face, and looks to Chandler and Rachel, who're also stumped) Okay, no, they don't know. (犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら? [ジョーイは「わからない」という顔をして、チャンドラーとレイチェルの方を見るが、彼らも当惑している[言葉に詰まっている]。] いいわ。いいえ、彼らは知らないの。)
消防士のヴィンスとラブラブでありながら、幼稚園の先生ジェイソンともデートすると言うフィービー。
一日に2つのデートをするなんて、フィービーらしくないわ、とレイチェルは言っています。
That's so unlike you. について。
like だと「…らしい、…にふさわしい」なので、その反対語の unlike は、not like、つまり「…らしくない」ですね。
unlike you の前に強調の so がついているので、「あなたらしくない度合いが強い」、つまり、全くあなたらしくない、全然あなたらしくない、あなたのイメージと全く違う、というニュアンスになります。
play the field は「たくさんの異性とデートする、交際する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
play the field: to have romantic relationships with a lot of different people
つまり、「多くの違った人と、ロマンティックな関係を持つこと」。
play the field という言葉自体は「野原・フィールドでプレイする・遊ぶ」なので、そこに恋愛に関係する単語は入っていませんが、play the field で「多くの異性と遊び回る」という意味に理解されるのですね。
日本語でも、「彼は遊び回ってるよ」とか「彼は遊び人だよ」という場合には、異性との恋愛関係が派手であることを示唆するので、まさに日本語の「遊び回る」に近い言葉なのでしょう。
sow one's wild oats は「若気の至りから道楽をする、独身の間に女遊びをする」という意味。
フレンズ2-18その12 には以下のセリフが出てきました。
モニカ: Don't you have a lot of wild oats to sow? Or is that what you're doing with me? Oh, my God! Am I an oat? (リチャードは、若い時に女遊びをしようと思わなかったの? それとも、その女遊びを、今私とやってるの? あぁ、なんてこと! 私はオート麦なの?)
その時に、sow one's wild oats について説明しています。
oats は「オートミール」のオートで、「オート麦」のことですね。
LAAD では、
sow your wild oats: if a man sows his wild oats, he has sex with many different women, especially when he is young
つまり、「男性が sow his wild oats するというのは、その男性が多くの違った女性とエッチをすること、特に若い時期に。」
普通はそのように、男性が女遊びをする時に使う表現なのですが、それを女性のフィービーが使っているのが面白いわけでしょう。
男が女遊びをするみたいに、私も男遊びをしているのよ、道楽をしているのよ、いうところです。
juggling two guys の juggle は、大道芸人のジャグラー(juggler)がするような、「ボール・皿・ナイフなどを空中に投げては受けるという曲芸をする、複数のものを巧みにさばく・操る」ことですね。
その感覚から、「複数の仕事や役目などを巧みにこなす、上手に処理する・操作する」という意味にもなります。
LAAD では、
juggle:
1. to keep three or more objects moving through the air by throwing and catching them very quickly
2. to try to fit two or more jobs, activities etc. into your life, especially when this is difficult
例) It's hard trying to juggle a job, kids, and housework.
1. は曲芸のジャグリングのことで、「3つ以上の物体を、それを素早く投げたり受けたりして、空中で動かし続けること」。
2. は「2つ以上の仕事や活動を自分の生活に順応・適応させるようにつとめること。特にこのことが難しい時に」。
例文は、「仕事と子供と家事を巧みにこなそうとすることは難しい。」
仕事と家庭のように二つのものであれば「両立させる」という日本語が合いますね。
ジャグラーやジャグリングという言葉は日本語になっているので、二人の男をジャグリングしている、とか、ジャグラーのように二人の男を巧みに操っている、というと、何となく意味はわかりますね。
上手い具合にバランスを取って、どちらも落とさないようにしている感覚でしょうか。
私は、play the field をして、sow my wild oats をしているジャグラーなのよ、と言って、フィービーは喜んでいます。
juggle という言葉で思い出したのですが、日本語にもそれと似た行為から来た言葉「手玉にとる」がありますね。
「手玉にとる」は、広辞苑によると、
手玉(てだま)=女子の玩具の一種。おてだま。
手玉に取る=手玉のようになげてもてあそぶ。翻弄する。
とあります。
お手玉は遊び道具であるために、「こちらがいいようにもてあそぶ」という意味になるのでしょう。
英語の juggle の場合だと、仕事と家庭の両立のような意味にも使えるわけですが、今回のフィービーの juggling two guys のような場合だと、「二人の男を手玉に取る」という日本語の感覚が「かなり近い」かもしれません。
でも、完全なイコールで結ばれるかというと、そうでもない気もします。
フィービーとしては、男を騙して「もて遊んでいる」というつもりはなくて、ただ二人の男性と「うまい具合に」付き合っていることを、ジャグラーの巧みな手さばきに例えているだけかもしれないので、「手玉に取る」という日本語ほど、悪女っぽいイメージはないかもしれません。
女の子がお手玉をする行為と、ジャグラーがボールを操る行為とは、見た目よく似ているので、日英どちらにもそこから派生した言葉や表現があるのが面白いなと思ったのですが、少しニュアンスが異なる部分もありそうなので、そこがまた興味深いなとも思いました。
「手玉に取る」という日本語は、自分の都合のいいようにして相手を翻弄するイメージがありますが、juggle は「複数の仕事や活動や責任を上手にこなす」「やらなければならないことをうまくさばく」という意味であって、完全に「手玉に取る」とイコールではない、という気がするのです。
実際、「複数の仕事を手玉に取る」とは言いませんしねぇ。
二人の男をジャグリングしている、と嬉しそうなフィービーに、ジョーイは、「その二人は、別の男性の存在を知ってるの?」と尋ねます。
つまり、「フィービーが別の男と付き合っていることを知ってるの?、フィービーが今、二股かけてることを知ってるの?」ということですね。
それに対するフィービーの答えはかなりトンチンカンです。
フィービーの言ったことを訳すと、「犬が(本などの)文字を読む時に、犬の唇は動くかしら?」。
フィービーが言いたいことは恐らく、「他人にわからないように黙読することが可能な時に、わざわざ唇を動かして、今読んでいる内容を他人に知られるようなバカなことをする犬がいるかしら?」ということでしょう。
わざわざ唇を動かして人に気取られるようなことをする必要はない、というような意味で、ヴィンスとジェイソンは、お互いの存在を知らないのに、私がわざわざ自分の口からそれを伝える必要なんてないわ、ということが言いたいのでしょう。
しかし、そういうことが言いたいんだろう、ということはわからないではないけれど、「何故に犬?!」と思わずにはいられない例えです。
だいたい、犬は文字を読めないだろうから、read するという行為もしないし、読唇術ができるほど、犬の唇がはっきり動く姿もイメージしにくい(笑)。
「二人の男性に相手の存在を伝えるなんて、そんなバカなことするわけないじゃない。考えても見てよ、犬もこんなことはしないわよね…」と犬の例えを出して勝ち誇ったように語るフィービーですが、その犬の例えがしっくり来なくて意味不明なので、ジョーイは「??」となっているのですね。
ジョークが高度過ぎて(?)ジョーイにだけその意味がわからない、ということはフレンズによくあるのですが、今回ばかりはチャンドラーとレイチェルにも意味不明だったようです。
救いを求めてチャンドラーとレイチェルの方を見たジョーイですが、その二人も「今のはよくわからない」という顔をしています。
フレンズたちに意味が通じていないのを悟ったフィービーは、犬の例えで説明するのはあきらめて、Do they know about each other? に対して、No, they don't know. 「いいえ、彼らは(お互いのことを)知らないわ。」とスタンダードな答えに言い直したということですね。
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2009年05月01日
フリーダイヤルは800 フレンズ3-22その7
[Scene: Monica and Rachel's, the gang, except Joey, is there. Phoebe is, well you y'know.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイを除いたギャングたち(フレンズたち)はそこにいて、フィービーは、ほら、察しの通り…。
モニカ: Phoebe, it's been two days. (フィービー。もう2日よ。)
フィービー: Yeah, I know. Oh, good thing it's one of those 801 numbers, right? (そうね、わかってるわ。あぁ、良かったことは、(こういう時によく使う) 801 番号だってことね、でしょ?)
ロス: Phoebe, 800 is toll free. 801 is-is Utah. (フィービー、800 が通話料無料[フリーダイヤル]だよ。801 は、ユタ州だ[ユタ州の局番だ]。)
フィービー: No, no, no, oh no-no, it's has to be 800. (picks up the instruction manual to check the phone number) 'Cause all those big companies have 800 numbers. Every... (Finds the number) Yeah, every big Utah-based company has one. (違う、違うわ。(私がかけてるのは 801 じゃなくて) 800 のはずよ。[電話番号をチェックするために、取扱説明書を取り上げる] だって、そういう大企業は全部、800 ナンバーを持っているもの。すべての… [番号を見つける] そうね。ユタ州に本社を置くすべての大企業は 1番[801番]の番号を持ってるの。)
レイチェル: Phoe-be!! (フィービー!!)
フィービー: Sorry. I'm so sorry. I will pay you back. (ごめんなさい。本当にごめんなさい。私が電話代を返すから。)
チャンドラー: And yet she's still not hanging up the phone. (それにもかかわらず、フィービーはまだ電話を切らない状態でいるし。)
みんな: Hang it up! Hang up the phone! (それを切れ! その電話を切れ!)
フィービー: Fine! Fine! (slams the phone down, breaking it) Oh-oh! (わかったわ、わかったわよ! [電話を叩きつけて、電話を壊す] あーあ!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Well, I think I broke it. But that's all right. Here's the number where you can call. (うーんと、電話を壊しちゃったみたい。でも大丈夫。ここに壊れた時に電話する番号があるから。)
モニカ: (sarcastic) Oh. ([皮肉っぽく] あぁ。)
最初のト書きの説明の、Phoebe is, well you y'know. が面白いですね。
フレンズ2-15その1 で説明しましたが、2-15 のエピソードの英語タイトルは、
The One Where Ross and Rachel...You Know 「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」
でした。
2-15 の時は、前回キスをしたロスとレイチェルがその後どうなるか?という話なので、具体的な言葉を使わず、わざと、You know と表現したのですね。
今回のト書きもそれと同じ感覚で、「言わずもがな」というか、皆さんご想像どおり、お察しの通り、CLOSING CREDITS の後でもフィービーはまだこの状態(電話を待ち続けている状態)なんですよ、という感じです。
フィービーは、「今かけている番号が 801 で良かった」というようなことを言っています。
one of those は、「みんながよく知っているそういう…の一つ」というニュアンス。
フレンズ3-6その19 でも、one of those の感覚について説明しています。
フィービーは、「ほら、今かけているのは、例の 801 ナンバーの1つだから助かったわよね。」と言っているわけですが、そのセリフにロスがツッコミを入れます。
ロスが言っているのは、「フィービーは、801 がトールフリー(通話料無料、フリーダイヤル)だと思っているようだけど、トールフリーの番号は 800 だよ。801 はユタ州の局番じゃないか。」ということ。
(参考までに、801 は eight-O-one (エイト・オー・ワン)、800 は eight hundred と発音されています。)
実際、このロスの発言は正しいです。
まず、800 がトールフリーである件については、
Wikipedia 日本語版: 着信課金電話番号
のリストの下から2番目に北米の 800 (800 numbers) が載っています。
Wikipedia 英語版: Toll-free telephone number
にも詳しく書いてあります。
801 がユタ州、の件については以下。
Wikipedia 英語版: Area codes 385 and 801 に、ユタ州のことが書いてあります。
area code は「電話の市外局番(3桁)」のことです。
ロスの発言を聞いたフィービーは、「あぁ、私の勘違いだった。私は今、801 って言っちゃったけど、私がかけているのは、801 じゃなくて、800 のはずよ。だって、大企業のカスタマーセンターは、そういうフリーダイヤルを持っているもの。」と言いながら、自分のかけている番号を確かめるために、取説を調べます。
カスタマーセンターの番号については、フレンズ3-22その2 のコメント欄 で、「普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。」というコメントをいただきましたが、フィービーも当然そういう認識を持っているので、絶対にフリーコールのはずだから、と調べようとしたのですね。
それを見た後のセリフ、every big Utah-based company has one. について。
one というのは、恐らく、801 (eight-O-one) のことでしょう。
800 (eight hundred) じゃなくて、one を持ってる、1の番号がついてるのね、ということで、ユタ州にベースを置く企業だから、局番が 801 なのね、とその仕組みを悟った、ということです。
大企業はみんな 800 のフリーダイヤルのはずよ…と言いながら、今回の場合は、801 であることに気付いてしまったので、「そうそう、大企業でもユタにある企業は、801 の局番、になるのよね。」と、自分がかけているのはフリーダイヤルではなかったことを、ここで認めたことになります。
長電話していても電話代がかからないと思っていたのに、実はものすごい電話代がかかっていたと知って、フレンズたちはフィービーに怒りの声を上げます。
アメリカの電話料金の仕組みは詳しく知らないのですが、ユタ州はアメリカ西部の州(州都はソルトレイクシティ)で、NYからかなり距離があることを考えると、電話代も、ものすごくかかりそうな感じですし。
電話代は私が払うわ、と言いながらも電話を切らないフィービーに、みんなが「切れ! 切れ!」と言います。
せかされてガシャン!と電話を置いたら、今度は電話を壊してしまい…。
「あ、壊れちゃった。でも、ここに修理を依頼するカスタマーセンターの電話があるから…」と言うフィービーにみんなはゲンナリ。
そのカスタマーセンターの電話が全ての元凶だったのに、またその振り出しに戻るのか!みたいな、まるで日本の落語のオチのような終わり方ですね。
(2009.5.13 追記)
以下の記事に、この 3-22 のエピソードに関する追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-22その8
(追記はここまで)
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モニカとレイチェルの部屋。ジョーイを除いたギャングたち(フレンズたち)はそこにいて、フィービーは、ほら、察しの通り…。
モニカ: Phoebe, it's been two days. (フィービー。もう2日よ。)
フィービー: Yeah, I know. Oh, good thing it's one of those 801 numbers, right? (そうね、わかってるわ。あぁ、良かったことは、(こういう時によく使う) 801 番号だってことね、でしょ?)
ロス: Phoebe, 800 is toll free. 801 is-is Utah. (フィービー、800 が通話料無料[フリーダイヤル]だよ。801 は、ユタ州だ[ユタ州の局番だ]。)
フィービー: No, no, no, oh no-no, it's has to be 800. (picks up the instruction manual to check the phone number) 'Cause all those big companies have 800 numbers. Every... (Finds the number) Yeah, every big Utah-based company has one. (違う、違うわ。(私がかけてるのは 801 じゃなくて) 800 のはずよ。[電話番号をチェックするために、取扱説明書を取り上げる] だって、そういう大企業は全部、800 ナンバーを持っているもの。すべての… [番号を見つける] そうね。ユタ州に本社を置くすべての大企業は 1番[801番]の番号を持ってるの。)
レイチェル: Phoe-be!! (フィービー!!)
フィービー: Sorry. I'm so sorry. I will pay you back. (ごめんなさい。本当にごめんなさい。私が電話代を返すから。)
チャンドラー: And yet she's still not hanging up the phone. (それにもかかわらず、フィービーはまだ電話を切らない状態でいるし。)
みんな: Hang it up! Hang up the phone! (それを切れ! その電話を切れ!)
フィービー: Fine! Fine! (slams the phone down, breaking it) Oh-oh! (わかったわ、わかったわよ! [電話を叩きつけて、電話を壊す] あーあ!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Well, I think I broke it. But that's all right. Here's the number where you can call. (うーんと、電話を壊しちゃったみたい。でも大丈夫。ここに壊れた時に電話する番号があるから。)
モニカ: (sarcastic) Oh. ([皮肉っぽく] あぁ。)
最初のト書きの説明の、Phoebe is, well you y'know. が面白いですね。
フレンズ2-15その1 で説明しましたが、2-15 のエピソードの英語タイトルは、
The One Where Ross and Rachel...You Know 「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」
でした。
2-15 の時は、前回キスをしたロスとレイチェルがその後どうなるか?という話なので、具体的な言葉を使わず、わざと、You know と表現したのですね。
今回のト書きもそれと同じ感覚で、「言わずもがな」というか、皆さんご想像どおり、お察しの通り、CLOSING CREDITS の後でもフィービーはまだこの状態(電話を待ち続けている状態)なんですよ、という感じです。
フィービーは、「今かけている番号が 801 で良かった」というようなことを言っています。
one of those は、「みんながよく知っているそういう…の一つ」というニュアンス。
フレンズ3-6その19 でも、one of those の感覚について説明しています。
フィービーは、「ほら、今かけているのは、例の 801 ナンバーの1つだから助かったわよね。」と言っているわけですが、そのセリフにロスがツッコミを入れます。
ロスが言っているのは、「フィービーは、801 がトールフリー(通話料無料、フリーダイヤル)だと思っているようだけど、トールフリーの番号は 800 だよ。801 はユタ州の局番じゃないか。」ということ。
(参考までに、801 は eight-O-one (エイト・オー・ワン)、800 は eight hundred と発音されています。)
実際、このロスの発言は正しいです。
まず、800 がトールフリーである件については、
Wikipedia 日本語版: 着信課金電話番号
のリストの下から2番目に北米の 800 (800 numbers) が載っています。
Wikipedia 英語版: Toll-free telephone number
にも詳しく書いてあります。
801 がユタ州、の件については以下。
Wikipedia 英語版: Area codes 385 and 801 に、ユタ州のことが書いてあります。
area code は「電話の市外局番(3桁)」のことです。
ロスの発言を聞いたフィービーは、「あぁ、私の勘違いだった。私は今、801 って言っちゃったけど、私がかけているのは、801 じゃなくて、800 のはずよ。だって、大企業のカスタマーセンターは、そういうフリーダイヤルを持っているもの。」と言いながら、自分のかけている番号を確かめるために、取説を調べます。
カスタマーセンターの番号については、フレンズ3-22その2 のコメント欄 で、「普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。」というコメントをいただきましたが、フィービーも当然そういう認識を持っているので、絶対にフリーコールのはずだから、と調べようとしたのですね。
それを見た後のセリフ、every big Utah-based company has one. について。
one というのは、恐らく、801 (eight-O-one) のことでしょう。
800 (eight hundred) じゃなくて、one を持ってる、1の番号がついてるのね、ということで、ユタ州にベースを置く企業だから、局番が 801 なのね、とその仕組みを悟った、ということです。
大企業はみんな 800 のフリーダイヤルのはずよ…と言いながら、今回の場合は、801 であることに気付いてしまったので、「そうそう、大企業でもユタにある企業は、801 の局番、になるのよね。」と、自分がかけているのはフリーダイヤルではなかったことを、ここで認めたことになります。
長電話していても電話代がかからないと思っていたのに、実はものすごい電話代がかかっていたと知って、フレンズたちはフィービーに怒りの声を上げます。
アメリカの電話料金の仕組みは詳しく知らないのですが、ユタ州はアメリカ西部の州(州都はソルトレイクシティ)で、NYからかなり距離があることを考えると、電話代も、ものすごくかかりそうな感じですし。
電話代は私が払うわ、と言いながらも電話を切らないフィービーに、みんなが「切れ! 切れ!」と言います。
せかされてガシャン!と電話を置いたら、今度は電話を壊してしまい…。
「あ、壊れちゃった。でも、ここに修理を依頼するカスタマーセンターの電話があるから…」と言うフィービーにみんなはゲンナリ。
そのカスタマーセンターの電話が全ての元凶だったのに、またその振り出しに戻るのか!みたいな、まるで日本の落語のオチのような終わり方ですね。
(2009.5.13 追記)
以下の記事に、この 3-22 のエピソードに関する追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-22その8
(追記はここまで)
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2009年04月29日
意味すると意地悪のmean フレンズ3-22その6
セントラルパークにて。
レイチェル: Tommy's supposed to be here soon. We're going to lunch. (トミーがもうすぐここに来ることになってるの。これからランチに行くのよ。)
ロス: Look. Look, I wasn't going to say anything to you, but.... All right, I don't think you should be seeing Tommy anymore. (ねぇねぇ。僕は君に何も言わないでおこうと思っていたんだけど、でも…よし(やっぱり言うよ)。レイチェルはトミーともう付き合わないほうがいいと思うんだ。)
レイチェル: You don't? (付き合わないほうがいいと思うの?)
ロス: No! The guy is mean. I mean, really mean. I think you should stay away from him. (そうだよ! あの男は、たちが悪い[意地が悪い]んだよ。そうさ、本当にたちが悪いんだよ。君はあの男から離れた[距離を置いた]ほうがいいよ。)
レイチェル: Umm, or maybe I should stay away from all men. (あぁ、それとも多分、私が全ての男性から離れたほうがいいのかも。)
ロス: No, it's not just 'cause I'm jealous. (Both Monica and Chandler give him a 'Come on' look) I mean, I'm not, I'm not, I'm not jealous, okay? It's, Look, the guy, he screamed, he actually screamed at this couple sitting in our seats. (違うよ。僕がやきもちをやいてるからじゃないんだよ。[モニカとチャンドラーはロスに「よせよ、冗談だろ? 嘘をつくなよ」という顔をする] 本当に、違う、違う、僕はやきもちなんかやいてないんだ、いいか? ただ、ほら、あの男は、彼は叫んだんだ、本当に叫んだんだよ、僕たちの席に座っていたカップルに向かって。)
チャンドラー: Yeah, and at the end of the play, he, he got up, y'know, and he just started, like, (claps his hands) banging his hands together. (そうだな。そして、芝居の最後に、彼は立ち上がって、ただこんなことを始めたんだ。[手をたたく] 自分の手をバンと強く打ち始めたんだよ。)
ロス: Okay, fine, fine. You don't want to believe me? No, that's fine. (starts to leave) (あぁ、いいよ、いいよ。僕を信じたくないんだね。いいよ、それで構わないよ。[出て行こうとする])
モニカ: We're kidding. (私たちはからかっただけよ。)
チャンドラー: Ross, don't. Ross! (ロス、(そんな風に)怒って出て行くなよ、ロス!)
モニカ; Ross! (ロス!)
トミーとランチする予定だと聞いて、何か言いたそうな顔をするロス。
そして、とうとうロスはトミーがどんな人物かをレイチェルに話そうと決心します。
I wasn't going to say anything to you, but.... は「君に何も言う予定はなかったんだけど、言うつもりはなかったんだけど、言わないでおこうと思っていたんだけど、でも(やっぱり思い切って言うことにするよ)」というニュアンスですね。
「彼とはもう会わないほうがいいと思う、会うべきじゃないと思う」と日本語では言いますが、英語では否定語が先に来るので、I don't think you should... という形になりますね。
ですから、その後のやり取りも、
レイチェル: You don't (think I should be seeing Tommy anymore)?
ロス: No, (I don't think you should....)
のように、not や no という否定語がついた受け答えになることに注意しましょう。
否定のニュアンスを残したままで、無理やり日本語に直訳すると、
レイチェル: You don't? (あなたは私がトミーとデートすべきだとは思わないの?)
ロス: No. (思わないね。)
みたいになるでしょうか。
ロスの No. は、No, I don't think... と後ろの否定文が省略されていることを示しているのであって、レイチェルの言っている内容を否定しているわけではない、ということです。
The guy is mean. の mean は形容詞で「卑劣な、下品な」という意味がありますが、今回の場合は、「意地の悪い、たちの悪い」という日本語が近いでしょう。
I mean, really mean. というセリフが面白いですね。mean という同音異義語が重ねて使われています。
I mean の mean は「意味する、意図する、…のつもりで言う」という動詞ですね。
フレンズには I mean という挿入句がしばしば登場しますが、「つまり」とか「僕の言いたいことは」のように訳されることが多いです。
The guy is mean. I mean, really mean. のニュアンスは、「あいつは mean なんだよ。っていうか、really mean (本当に mean)なんだ」と、その mean の度合いを強調して、言い直している感じです。
動詞 mean 「意味する」と、形容詞 mean 「意地の悪い」は、意味が異なる全く別の単語ですが、発音も綴りも全く一緒です。
「意地悪な」という形容詞の意味は、フレンズ2-17その17 に以下の形で出てきました。
モニカ: Because you were mean to me and you teased me and you always got your way. (だって、ロスは私に意地悪だったから。それに、私をいじめて、いつも自分の思い通りにしてたわ。)
同音異義語は TOEIC Part 2 によく登場しますが、意地悪という意味の形容詞 mean はTOEIC にそぐわない単語なので、
M: What do you mean?
W: Yes, I think he's mean.
みたいなひっかけ(mean という同じ言葉につられてつい正答に選んでしまう、というひっかけ)は TOEIC には出ないでしょうね(笑)。
トミーについて忠告したロスですが、やはり元彼のロスの発言なので、変な風に誤解されてしまいます。
トミーと離れたほうがいいんじゃなくて、全ての男性から離れたほうがいい、って言いたいんじゃないの?とレイチェルに勘ぐられていますね。
やきもちやいてるんじゃないんだ、嫉妬じゃないんだ、と必死に弁解するロスですが、モニカやチャンドラーにまで、「やっぱりそれは誰がどう見てもやきもちでしょう」みたいな目で見られてしまいます。
ロスは、scream という単語を使って、トミーが実際にした行いを説明するのですが、そこにチャンドラーがチャチャを入れます。
チャンドラーがやって見せているのは、お芝居が終わった後に立って拍手をするスタンディング・オベーション(standing ovation)ですね。
そういう、観客なら誰でもする行為を、別の言葉を使って表現すると、got up and (just) started banging his hands together. になる、と言いたいわけです。
bang というのは、叩く、という動詞の中でも、「強く打つ、バンと叩く」という激しいニュアンスが感じられる動詞です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bang: KNOCK/HIT SOMETHING
to hit something hard against something else, making a loud noise
つまり、「大きな音を立てながら、何かを別の何かに激しく当てること」。
フレンズ3-8その15 では、モニカがベン(ロスの息子)の頭を柱にゴッツンとぶつけてしまい、その後、ベンがカタコトで Monica bang! と言ったため、モニカがベンの頭をぶつけたことをベンはロスにチクるつもりだ、と大騒ぎになっていました。
これも、bang が結構な勢いでゴン!バン!と当たったイメージの単語なので、そんな単語で表現されたらまずい!という感じですよね。
今回のチャンドラーのセリフは、「彼はやおら立ち上がって、両手をバァーン!と激しく打ったんだ」と表現した感じでしょう。
「物も言い様(ものもいいよう)」だと言いたげで、ロスはトミーのしたことを scream と表現しているけれど、元彼の目線で今の彼を見ているわけだから、主観がかなり入っていて、客観的に描写してるとは言えないんじゃないの?、ただそのカップルに少し大きな声でしゃべりかけたことを、そんなふうに「叫んだ」と大げさに言っているだけじゃないの?と、ロスの言ったことを茶化しているのですね。
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レイチェル: You don't? (付き合わないほうがいいと思うの?)
ロス: No! The guy is mean. I mean, really mean. I think you should stay away from him. (そうだよ! あの男は、たちが悪い[意地が悪い]んだよ。そうさ、本当にたちが悪いんだよ。君はあの男から離れた[距離を置いた]ほうがいいよ。)
レイチェル: Umm, or maybe I should stay away from all men. (あぁ、それとも多分、私が全ての男性から離れたほうがいいのかも。)
ロス: No, it's not just 'cause I'm jealous. (Both Monica and Chandler give him a 'Come on' look) I mean, I'm not, I'm not, I'm not jealous, okay? It's, Look, the guy, he screamed, he actually screamed at this couple sitting in our seats. (違うよ。僕がやきもちをやいてるからじゃないんだよ。[モニカとチャンドラーはロスに「よせよ、冗談だろ? 嘘をつくなよ」という顔をする] 本当に、違う、違う、僕はやきもちなんかやいてないんだ、いいか? ただ、ほら、あの男は、彼は叫んだんだ、本当に叫んだんだよ、僕たちの席に座っていたカップルに向かって。)
チャンドラー: Yeah, and at the end of the play, he, he got up, y'know, and he just started, like, (claps his hands) banging his hands together. (そうだな。そして、芝居の最後に、彼は立ち上がって、ただこんなことを始めたんだ。[手をたたく] 自分の手をバンと強く打ち始めたんだよ。)
ロス: Okay, fine, fine. You don't want to believe me? No, that's fine. (starts to leave) (あぁ、いいよ、いいよ。僕を信じたくないんだね。いいよ、それで構わないよ。[出て行こうとする])
モニカ: We're kidding. (私たちはからかっただけよ。)
チャンドラー: Ross, don't. Ross! (ロス、(そんな風に)怒って出て行くなよ、ロス!)
モニカ; Ross! (ロス!)
トミーとランチする予定だと聞いて、何か言いたそうな顔をするロス。
そして、とうとうロスはトミーがどんな人物かをレイチェルに話そうと決心します。
I wasn't going to say anything to you, but.... は「君に何も言う予定はなかったんだけど、言うつもりはなかったんだけど、言わないでおこうと思っていたんだけど、でも(やっぱり思い切って言うことにするよ)」というニュアンスですね。
「彼とはもう会わないほうがいいと思う、会うべきじゃないと思う」と日本語では言いますが、英語では否定語が先に来るので、I don't think you should... という形になりますね。
ですから、その後のやり取りも、
レイチェル: You don't (think I should be seeing Tommy anymore)?
ロス: No, (I don't think you should....)
のように、not や no という否定語がついた受け答えになることに注意しましょう。
否定のニュアンスを残したままで、無理やり日本語に直訳すると、
レイチェル: You don't? (あなたは私がトミーとデートすべきだとは思わないの?)
ロス: No. (思わないね。)
みたいになるでしょうか。
ロスの No. は、No, I don't think... と後ろの否定文が省略されていることを示しているのであって、レイチェルの言っている内容を否定しているわけではない、ということです。
The guy is mean. の mean は形容詞で「卑劣な、下品な」という意味がありますが、今回の場合は、「意地の悪い、たちの悪い」という日本語が近いでしょう。
I mean, really mean. というセリフが面白いですね。mean という同音異義語が重ねて使われています。
I mean の mean は「意味する、意図する、…のつもりで言う」という動詞ですね。
フレンズには I mean という挿入句がしばしば登場しますが、「つまり」とか「僕の言いたいことは」のように訳されることが多いです。
The guy is mean. I mean, really mean. のニュアンスは、「あいつは mean なんだよ。っていうか、really mean (本当に mean)なんだ」と、その mean の度合いを強調して、言い直している感じです。
動詞 mean 「意味する」と、形容詞 mean 「意地の悪い」は、意味が異なる全く別の単語ですが、発音も綴りも全く一緒です。
「意地悪な」という形容詞の意味は、フレンズ2-17その17 に以下の形で出てきました。
モニカ: Because you were mean to me and you teased me and you always got your way. (だって、ロスは私に意地悪だったから。それに、私をいじめて、いつも自分の思い通りにしてたわ。)
同音異義語は TOEIC Part 2 によく登場しますが、意地悪という意味の形容詞 mean はTOEIC にそぐわない単語なので、
M: What do you mean?
W: Yes, I think he's mean.
みたいなひっかけ(mean という同じ言葉につられてつい正答に選んでしまう、というひっかけ)は TOEIC には出ないでしょうね(笑)。
トミーについて忠告したロスですが、やはり元彼のロスの発言なので、変な風に誤解されてしまいます。
トミーと離れたほうがいいんじゃなくて、全ての男性から離れたほうがいい、って言いたいんじゃないの?とレイチェルに勘ぐられていますね。
やきもちやいてるんじゃないんだ、嫉妬じゃないんだ、と必死に弁解するロスですが、モニカやチャンドラーにまで、「やっぱりそれは誰がどう見てもやきもちでしょう」みたいな目で見られてしまいます。
ロスは、scream という単語を使って、トミーが実際にした行いを説明するのですが、そこにチャンドラーがチャチャを入れます。
チャンドラーがやって見せているのは、お芝居が終わった後に立って拍手をするスタンディング・オベーション(standing ovation)ですね。
そういう、観客なら誰でもする行為を、別の言葉を使って表現すると、got up and (just) started banging his hands together. になる、と言いたいわけです。
bang というのは、叩く、という動詞の中でも、「強く打つ、バンと叩く」という激しいニュアンスが感じられる動詞です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bang: KNOCK/HIT SOMETHING
to hit something hard against something else, making a loud noise
つまり、「大きな音を立てながら、何かを別の何かに激しく当てること」。
フレンズ3-8その15 では、モニカがベン(ロスの息子)の頭を柱にゴッツンとぶつけてしまい、その後、ベンがカタコトで Monica bang! と言ったため、モニカがベンの頭をぶつけたことをベンはロスにチクるつもりだ、と大騒ぎになっていました。
これも、bang が結構な勢いでゴン!バン!と当たったイメージの単語なので、そんな単語で表現されたらまずい!という感じですよね。
今回のチャンドラーのセリフは、「彼はやおら立ち上がって、両手をバァーン!と激しく打ったんだ」と表現した感じでしょう。
「物も言い様(ものもいいよう)」だと言いたげで、ロスはトミーのしたことを scream と表現しているけれど、元彼の目線で今の彼を見ているわけだから、主観がかなり入っていて、客観的に描写してるとは言えないんじゃないの?、ただそのカップルに少し大きな声でしゃべりかけたことを、そんなふうに「叫んだ」と大げさに言っているだけじゃないの?と、ロスの言ったことを茶化しているのですね。
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2009年04月27日
人の不幸を喜んでいるかのような フレンズ3-22その5
モニカとフィービーの部屋。
次の日の朝になっても、フィービーはまだ電話の相手が出るのを待っています。
ジョーイ: (entering, happily) Hey! ([幸せそうに入ってきて] やぁ!)
モニカ: Hey! Didn't you have that outfit on last night? (まぁ! 昨日の晩もその服を着てなかった?)
ジョーイ: Yeah! I stayed at Kate's but ah, nothing happened. Hey, Pheebs, where were you? (ああ! ケイトの家に泊まったんだ。でも(エッチなことは)何も起こらなかった。ねぇフィービー、(昨日の晩は)どこにいたの?)
フィービー: I'm so, so, so sorry, Joey. I am definitely gonna see your play. I swear, your play is very important to us. Thank you for your patience. Your play is the next play I'm gonna see. (ほんとにほんとにほんとにごめんなさい、ジョーイ。絶対にあなたのお芝居を見に行くわ。誓って言うわ。あなたのお芝居は、私たちにとって非常に重要なものです。我慢強く待っていただきありがとうございます。あなたのお芝居は、私が見ることになる次の芝居です。)
モニカ: Anyway, how'd it go with Kate? (ところで、ケイトとの件はどうだったの?)
ジョーイ: Oh, it was great! Yeah, I-I walked her home, and it was amazing how much we connected, y'know? Then ah, then she passed out. But then she woke up. Yeah? And we stayed up all night talking. And now we're, like, totally crazy about each other! (あぁ、最高だったよ! そう、俺は彼女を家まで歩いて送って行ったんだ。俺たちがしっかり結びついた[気持ちが通じ合った]度合いはびっくりするほどだったよ[俺たちはびっくりするほどしっかり結びついたんだよ]。それから、ケイトは意識を失って。でもまた目が覚めて。それから、一晩中話しながらずっと起きてた。それで今、俺たちは、ほら、すっかりお互いに夢中なんだよ。)
モニカ: Joey, you had "the night"! (ジョーイ、あなたは「その夜[運命の夜]」を経験したのね!)
ジョーイ: What? (何だって?)
モニカ: When two people finally realize their feelings for each other, and-and they talk for hours and they-they learn all about the other person. (その時に、二人の人間はついにお互いへの気持ちをはっきり悟るのよ。そして、何時間もしゃべって相手について全てのことを知るの。)
ジョーイ: You-you think? (そう思う?)
モニカ: Did you, like, learn about her family? (あなたは、例えば、ケイトの家族について(何か)わかった?)
ジョーイ: Two brothers. One died! (兄弟は2人で、一人は死んだ!)
モニカ: Yes! (よし![やったわ!])
ジョーイ: Yeah?! (そう?)
モニカ: Oh! (They hug, triumphantly.) (えぇ! [二人は勝ち誇ったようにハグし合う])
ジョーイの服を見て、「昨晩と同じ服じゃないの?」と言うモニカ。
服を着替えてない→自宅に帰ってない→相手の家に外泊、という連想は日本人と同じですね。
お察しの通り、ケイトの家に泊まったんだけど、でも、モニカが想像しているようなエッチは何もなかったんだよ、と答えています。
フィービーは電話から離れられず、結局ジョーイのお芝居を見に行けませんでした。
幸せそうなジョーイは、別に怒っている風でもなく、ただ、「昨日は見かけなかったけど、どこに居たの?」と軽い調子で尋ねています。
それに対するフィービーの答えが面白いですね。
フレンズ3-22その2 で、以下のカスタマーセンターの保留音声(Hold Voice)が登場しました。
保留音声(Hold Voice): Please stay on the line. Your call is important to us. (電話を切らないで(そのままでお待ち)下さい。あなたのお電話は、私たちにとって重要なものです。)
保留音声: Thank you for your patience. You're the next caller. (お待たせいたしました[(忍耐強く)お待ち下さりありがとうございます]。あなたが次です[次におつなぎします]。)
フィービーがジョーイに言っているセリフは、その電話の音声の変形みたいになっています。
呪文のようにずーっとそのメッセージを聞き続けていたのと、睡眠不足で意識が朦朧としているのも手伝って、自分の言いたいことと電話メッセージとか混ざったみたいな形になっているのですが、それなりに意味が通じるようになっているのが、このセリフの面白いところですね。
英語でこのシーンを見ていた方は、例の電話メッセージとよく似た表現が使われていることに気づけばオッケー、という感じです。
エッチもせずに一晩中語り合ってたんだ!と興奮しながら話すジョーイ。
それを聞いてモニカは、you had "the night"! と言っています。
the という特定のものを指す定冠詞がついていることから、「その夜、あの夜、例の夜」みたいなニュアンスになり、「恋人なら誰もが一度は経験するあの夜を、とうとうあなたも体験したのね!」という感じです。
いっぱいしゃべって、相手のことが何でもわかってしまう夜なのよ、と説明した後、「ケイトの家族のことを聞いた?」とモニカは尋ねます。
想像通り、ケイトの家族のことを聞いていたジョーイは、Two brothers. One died! と答えます。
それを聞いて、Yes! と勝ち誇ったように叫ぶモニカが、とてもモニカっぽいですね。
この Yes! は、肯定する意味の「はい」ではなく、「よし! やった!」というニュアンス。
フレンズ1-22その6 でも、ロスが声には出さずに、Yes! と叫んだ時の話を書いていますが、それも「やったー!」というニュアンスでした。
事情がわからずその話を聞いていたとしたら、「兄弟は二人いたんだけど、一人は死んだんだって。」「やったー!」と聞こえて、まるで、相手の家族が死んだことをモニカが喜んでいるように聞こえてしまいます。
もちろんモニカは、相手の家族が死んだ、などという、かなり深い関係にならないと教えてもらえないようなヘビーな内容を知る間柄になったことを喜んでいるわけですが、そこで Yes! と喜ぶことがはたから見ると不謹慎に見えるのが面白いわけですね。
ジョーイが One died! という不幸な情報を言ったからこそ、モニカの「よっしゃー!」のような Yes! というセリフで大笑いできる、ということです。
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ジョーイ: (entering, happily) Hey! ([幸せそうに入ってきて] やぁ!)
モニカ: Hey! Didn't you have that outfit on last night? (まぁ! 昨日の晩もその服を着てなかった?)
ジョーイ: Yeah! I stayed at Kate's but ah, nothing happened. Hey, Pheebs, where were you? (ああ! ケイトの家に泊まったんだ。でも(エッチなことは)何も起こらなかった。ねぇフィービー、(昨日の晩は)どこにいたの?)
フィービー: I'm so, so, so sorry, Joey. I am definitely gonna see your play. I swear, your play is very important to us. Thank you for your patience. Your play is the next play I'm gonna see. (ほんとにほんとにほんとにごめんなさい、ジョーイ。絶対にあなたのお芝居を見に行くわ。誓って言うわ。あなたのお芝居は、私たちにとって非常に重要なものです。我慢強く待っていただきありがとうございます。あなたのお芝居は、私が見ることになる次の芝居です。)
モニカ: Anyway, how'd it go with Kate? (ところで、ケイトとの件はどうだったの?)
ジョーイ: Oh, it was great! Yeah, I-I walked her home, and it was amazing how much we connected, y'know? Then ah, then she passed out. But then she woke up. Yeah? And we stayed up all night talking. And now we're, like, totally crazy about each other! (あぁ、最高だったよ! そう、俺は彼女を家まで歩いて送って行ったんだ。俺たちがしっかり結びついた[気持ちが通じ合った]度合いはびっくりするほどだったよ[俺たちはびっくりするほどしっかり結びついたんだよ]。それから、ケイトは意識を失って。でもまた目が覚めて。それから、一晩中話しながらずっと起きてた。それで今、俺たちは、ほら、すっかりお互いに夢中なんだよ。)
モニカ: Joey, you had "the night"! (ジョーイ、あなたは「その夜[運命の夜]」を経験したのね!)
ジョーイ: What? (何だって?)
モニカ: When two people finally realize their feelings for each other, and-and they talk for hours and they-they learn all about the other person. (その時に、二人の人間はついにお互いへの気持ちをはっきり悟るのよ。そして、何時間もしゃべって相手について全てのことを知るの。)
ジョーイ: You-you think? (そう思う?)
モニカ: Did you, like, learn about her family? (あなたは、例えば、ケイトの家族について(何か)わかった?)
ジョーイ: Two brothers. One died! (兄弟は2人で、一人は死んだ!)
モニカ: Yes! (よし![やったわ!])
ジョーイ: Yeah?! (そう?)
モニカ: Oh! (They hug, triumphantly.) (えぇ! [二人は勝ち誇ったようにハグし合う])
ジョーイの服を見て、「昨晩と同じ服じゃないの?」と言うモニカ。
服を着替えてない→自宅に帰ってない→相手の家に外泊、という連想は日本人と同じですね。
お察しの通り、ケイトの家に泊まったんだけど、でも、モニカが想像しているようなエッチは何もなかったんだよ、と答えています。
フィービーは電話から離れられず、結局ジョーイのお芝居を見に行けませんでした。
幸せそうなジョーイは、別に怒っている風でもなく、ただ、「昨日は見かけなかったけど、どこに居たの?」と軽い調子で尋ねています。
それに対するフィービーの答えが面白いですね。
フレンズ3-22その2 で、以下のカスタマーセンターの保留音声(Hold Voice)が登場しました。
保留音声(Hold Voice): Please stay on the line. Your call is important to us. (電話を切らないで(そのままでお待ち)下さい。あなたのお電話は、私たちにとって重要なものです。)
保留音声: Thank you for your patience. You're the next caller. (お待たせいたしました[(忍耐強く)お待ち下さりありがとうございます]。あなたが次です[次におつなぎします]。)
フィービーがジョーイに言っているセリフは、その電話の音声の変形みたいになっています。
呪文のようにずーっとそのメッセージを聞き続けていたのと、睡眠不足で意識が朦朧としているのも手伝って、自分の言いたいことと電話メッセージとか混ざったみたいな形になっているのですが、それなりに意味が通じるようになっているのが、このセリフの面白いところですね。
英語でこのシーンを見ていた方は、例の電話メッセージとよく似た表現が使われていることに気づけばオッケー、という感じです。
エッチもせずに一晩中語り合ってたんだ!と興奮しながら話すジョーイ。
それを聞いてモニカは、you had "the night"! と言っています。
the という特定のものを指す定冠詞がついていることから、「その夜、あの夜、例の夜」みたいなニュアンスになり、「恋人なら誰もが一度は経験するあの夜を、とうとうあなたも体験したのね!」という感じです。
いっぱいしゃべって、相手のことが何でもわかってしまう夜なのよ、と説明した後、「ケイトの家族のことを聞いた?」とモニカは尋ねます。
想像通り、ケイトの家族のことを聞いていたジョーイは、Two brothers. One died! と答えます。
それを聞いて、Yes! と勝ち誇ったように叫ぶモニカが、とてもモニカっぽいですね。
この Yes! は、肯定する意味の「はい」ではなく、「よし! やった!」というニュアンス。
フレンズ1-22その6 でも、ロスが声には出さずに、Yes! と叫んだ時の話を書いていますが、それも「やったー!」というニュアンスでした。
事情がわからずその話を聞いていたとしたら、「兄弟は二人いたんだけど、一人は死んだんだって。」「やったー!」と聞こえて、まるで、相手の家族が死んだことをモニカが喜んでいるように聞こえてしまいます。
もちろんモニカは、相手の家族が死んだ、などという、かなり深い関係にならないと教えてもらえないようなヘビーな内容を知る間柄になったことを喜んでいるわけですが、そこで Yes! と喜ぶことがはたから見ると不謹慎に見えるのが面白いわけですね。
ジョーイが One died! という不幸な情報を言ったからこそ、モニカの「よっしゃー!」のような Yes! というセリフで大笑いできる、ということです。
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2009年04月25日
シェークスピアのセリフでののしる フレンズ3-22その4
新聞にジョーイが出た芝居の劇評が出ますが、ケイトの演技はジョーイよりもひどいと言われ、マーシャルの演出も酷評されます。
そのことで落ち込んでいるケイト。
[Scene: The Theatre, after the party. Joey is trying to comfort Kate.]
劇場で。(打ち上げ)パーティーの後、ジョーイはケイトを慰めようとする。
ジョーイ: Hey! You okay? (やぁ! 大丈夫?)
ケイト: Fabulous. (最高よ。)
ジョーイ: Listen, drama critics, they're nothing but, but people who couldn't make it as actors. You know what you should do? (聞いてよ。劇の批評家は、彼らは、俳優として大成しなかった人間にすぎないんだよ。君は何をすべきかわかる?)
ケイト: Become a drama critic. (私は劇の批評家になるべきね。)
ディレクター: (entering, drunk) I am hurt! (to Joey and Kate) A plague on both your houses! (walks away) ([酔っ払って入ってきて] 私は傷ついた! [ジョーイとケイトに] お前たち二人の家に災いを! [歩いて去る])
ケイト: By the way, he dumped me tonight after he read my review. (ところで、(ディレクターの)彼は、今夜、批評を読んだ後、私を捨てたのよ。)
ジョーイ: Oh, classy. (あぁ、しゃれたことしてくれるよね[何様のつもりだ]。)
ケイト: Yep! I sure know how to pick 'em, huh? You know I gave up a part on a soap for this? (そうよ! 私は確かに男の選び方を知ってるのよ[男を見る目があるのよ]、そうでしょ? 知ってる? 私はこの芝居のために、ソープオペラの役をあきらめた[蹴った]のよ。)
ジョーイ: Wow! Yeah, I ah, I gave up a job too. (そうなんだ! あぁ、俺も仕事を一つあきらめたんだよ。)
ケイト: Really? What? (本当? 何の仕事?)
ジョーイ: Uh, declawing cats. Hey, tell you what, let me walk you home. We'll stop by every newsstand and burn every copy of The Times and The Post. (あぁ、ネコのツメ切りの仕事だよ。ねぇ、思いついたんだけどさ、君を家まで歩いて送らせてよ。全ての新聞売場に立ち寄って、タイムズとポストの全部に火をつけちゃおうよ。)
ケイト: Why The Post? (どうして、ポスト(も)なの?)
ジョーイ: Oh, you didn't see The Post? (あぁ、ケイトはポストを見てないの?)
ケイト: No. You? (見てないわ。あなたは見たの?)
ジョーイ: No. Why? (いや見てないよ。どうして?)
critic は名詞で「批評家、評論家」。
nothing but の but は「…を除いて」という意味なので、nothing but を直訳すると「…以外ではない、…の他はなにもない」、つまり「ただ…なだけ、…に過ぎない」という意味になります。
make it は「うまくやり遂げる、成功する」ですから、make it as actors は「俳優として成功する、俳優として大成する」ですね。
I made it! なら何かが成功した時に「やったぞ! やったわ!」という意味になります。
批評家って人種は、俳優として成功できなかった人間なんだよ、と言って、ジョーイはケイトを慰めています。
批評家についてそう語った後、ジョーイは You know what you should do? と言っています。
そんな批評家の言うことなんて気にすることはない、君が今すべきことは、そんなつまらない批評家の言うことを無視すること、忘れることだよ、と言いたいわけです。
ところが、You know what you should do? と問われたケイトは、当然そのジョーイの言いたいことがわかっていながら、「私も批評家になるべきね」(I should become a drama critic.)と答えます。
私も俳優として成功できそうにないから、批評家に転向すべきよね、と自虐的に答えているのです。
同じく劇評で酷評されたディレクターのマーシャルは、酔っ払いながら二人のところにやってきます。
相変わらず大げさな言い回しで、 I am hurt! A plague on both your houses! と言って去っていくのですが、このセリフ、実はシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の有名なセリフだと言うことが調べているうちにわかりました。
plague は「伝染病、疫病」「ペスト」という意味で、研究社 新英和中辞典や英辞郎には、
(A) plague on it[him etc.]!=いまいましい! こんちくしょう!
という意味が載っています。
on を使って、on 以下のものに疫病がふりかかるイメージ、「そいつに疫病を!」という感覚が、「いまいましい! こんちくしょう!」という憎しみのフレーズに繋がるのでしょう。
A plague on にそういう意味があると知って、検索で使用例を調べるために Google のサーチボックスに、A plague on と入れたところ、A plague on both your houses というフレーズが候補として表示されました。(Google サジェスト機能)
そこからさらに調べてみると、A plague on both your houses というフレーズが、「ロミオとジュリエット」で使われたセリフだということがわかったのです。
そのセリフを説明してくれているサイトを2つ紹介します。
A plague on both your houses - Shakespeare Quotes
上のサイトには、ロミオとジュリエットに出てくるマキューシオ(Mercutio)のセリフとして、I am hurt. A plague a' both your houses! と書かれています。
つまり、ディレクターの言っている、I am hurt. の部分も含めて、シェークスピアのセリフの引用だった、ということですね。
ちなみに、フレンズ1-21その6 で、ジョーイが、新しい芸名(Holden McGroin)でオーディションを受けた時に、演じていたのがマキューシオでした。
A plague o' both your houses: Information from Answers.com
上のサイトでは、このセリフの背景と意味がわかりやすく説明されていますので、興味のある方は是非お読み下さい。
マキューシオは、モンタギュー家(ロミオの家)とキャピュレット家(ジュリエットの家)の両家に対して呪いの言葉を言ったわけですが、ディレクターはそのセリフを使って、ジョーイとケイトの両方の家に災いがあるように、と言っているのです。
演出そのものを酷評されているので、ジョーイとケイトのせいばかりではないのですが、ディレクターは二人のせいで自分の将来が台無しにされた、と言いたいのですね。
ケイトはこのディレクターの才能を買っているような発言を過去にしていましたが、こんな風にさらりとシェークスピアのセリフを引用したりするような日頃の言動から、そう思い込んでいたのかもしれません。
かなり有名なセリフのようなので、これを引用したからと言って、博識であることの証明にはならないのかもしれませんが、やっぱりジョーイには不可能な芸当かと(笑)。
批評を読んだ後、ディレクターに捨てられたのよ、と語るケイトに、ジョーイは、Oh, classy. と言っています。
classy は英和辞典では「しゃれた、高級の、上流な、身分の高い」という意味が載っています。
ジョーイのセリフのニュアンスは、日本語の「しゃれたことしてくれるじゃないか」のように皮肉っぽく言っているのか、ディレクターという役職の人間が、自分の役に立たなくなったからと俳優を非情にポイと捨ててしまうことを「いかにも立場が上の人間がやりそうなことだよね」と言っているのかのどちらかかな?と思いました。
その後のケイトのセリフ、Yep! I sure know how to pick 'em, huh? も、them つまり男性の選び方を私はよく知っている、私は男性を見る目があるから、こんな男と付き合っていたのよ、私ってほんとに男を見る目があるでしょ?と皮肉っぽく言っている気がします。
「批評が悪かったからとあっさり女を捨てるような男と付き合っていたなんて、私はなんてバカな女だったのかしら」という言葉の裏返しでしょうね。
余談になりますが、90年代に活躍した C.C.ガールズというアイドルグループ(ユニット)がいましたよね。
その C.C. は Cool & Classy の略だそうです。
過去に、ジョーイに対してソープオペラのことをバカにする発言をしていたケイトですが、実はソープオペラの役を蹴って、この芝居にかけていたことがわかります。
それに対してジョーイも「俺もある仕事をあきらめて、これを選んだんだ」と言うのですが、それが declawing cats という役者のキャリアには全く関係ない仕事なのが笑えます。
declaw という単語は英辞郎に、
declaw=(他動詞)爪を除く
と出ていますが、爪を全部引っこ抜いてしまうということではなく、DVDの日本語訳にあるような「ネコのツメ切り」のニュアンスでしょう。
家に帰る途中に、The Times と The Post を全部燃やしちゃおう、と提案するジョーイ。
The Times は、The New York Times、The Post は、The New York Post ですね。
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・タイムズ
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・ポスト
アメリカの新聞で「ポスト」と言えば、ワシントン・ポストが有名かな、とは思ったのですが、やはりブロードウェイでの演劇のレビューを取り扱っている、ということになると、地元のニューヨークの新聞ということになると思います。
ニューヨーカーのジョーイが The Post と言えば、やはりニューヨーク・ポストなんだろう、と。
今回、劇評で酷評されたタイムズはわかるとして、ポストの名前も出たことに、ケイトは「??」となります。
普通は、「ポストも燃やそう」と言ったら、それにも悪い批評が載っているかと思いますよね。
で、「読んだの?」と聞いたら「読んでない。どうしてそんなこと俺に聞くの?」と返すジョーイ。
ジョーイはポストを読んだわけではなくて、また、ポストにも悪い批評が載っていたわけでもなくて、ただタイムズのついでにポストの名前も出しただけ、だったのですね。
(Rach からのお願い)
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ケイト: Fabulous. (最高よ。)
ジョーイ: Listen, drama critics, they're nothing but, but people who couldn't make it as actors. You know what you should do? (聞いてよ。劇の批評家は、彼らは、俳優として大成しなかった人間にすぎないんだよ。君は何をすべきかわかる?)
ケイト: Become a drama critic. (私は劇の批評家になるべきね。)
ディレクター: (entering, drunk) I am hurt! (to Joey and Kate) A plague on both your houses! (walks away) ([酔っ払って入ってきて] 私は傷ついた! [ジョーイとケイトに] お前たち二人の家に災いを! [歩いて去る])
ケイト: By the way, he dumped me tonight after he read my review. (ところで、(ディレクターの)彼は、今夜、批評を読んだ後、私を捨てたのよ。)
ジョーイ: Oh, classy. (あぁ、しゃれたことしてくれるよね[何様のつもりだ]。)
ケイト: Yep! I sure know how to pick 'em, huh? You know I gave up a part on a soap for this? (そうよ! 私は確かに男の選び方を知ってるのよ[男を見る目があるのよ]、そうでしょ? 知ってる? 私はこの芝居のために、ソープオペラの役をあきらめた[蹴った]のよ。)
ジョーイ: Wow! Yeah, I ah, I gave up a job too. (そうなんだ! あぁ、俺も仕事を一つあきらめたんだよ。)
ケイト: Really? What? (本当? 何の仕事?)
ジョーイ: Uh, declawing cats. Hey, tell you what, let me walk you home. We'll stop by every newsstand and burn every copy of The Times and The Post. (あぁ、ネコのツメ切りの仕事だよ。ねぇ、思いついたんだけどさ、君を家まで歩いて送らせてよ。全ての新聞売場に立ち寄って、タイムズとポストの全部に火をつけちゃおうよ。)
ケイト: Why The Post? (どうして、ポスト(も)なの?)
ジョーイ: Oh, you didn't see The Post? (あぁ、ケイトはポストを見てないの?)
ケイト: No. You? (見てないわ。あなたは見たの?)
ジョーイ: No. Why? (いや見てないよ。どうして?)
critic は名詞で「批評家、評論家」。
nothing but の but は「…を除いて」という意味なので、nothing but を直訳すると「…以外ではない、…の他はなにもない」、つまり「ただ…なだけ、…に過ぎない」という意味になります。
make it は「うまくやり遂げる、成功する」ですから、make it as actors は「俳優として成功する、俳優として大成する」ですね。
I made it! なら何かが成功した時に「やったぞ! やったわ!」という意味になります。
批評家って人種は、俳優として成功できなかった人間なんだよ、と言って、ジョーイはケイトを慰めています。
批評家についてそう語った後、ジョーイは You know what you should do? と言っています。
そんな批評家の言うことなんて気にすることはない、君が今すべきことは、そんなつまらない批評家の言うことを無視すること、忘れることだよ、と言いたいわけです。
ところが、You know what you should do? と問われたケイトは、当然そのジョーイの言いたいことがわかっていながら、「私も批評家になるべきね」(I should become a drama critic.)と答えます。
私も俳優として成功できそうにないから、批評家に転向すべきよね、と自虐的に答えているのです。
同じく劇評で酷評されたディレクターのマーシャルは、酔っ払いながら二人のところにやってきます。
相変わらず大げさな言い回しで、 I am hurt! A plague on both your houses! と言って去っていくのですが、このセリフ、実はシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の有名なセリフだと言うことが調べているうちにわかりました。
plague は「伝染病、疫病」「ペスト」という意味で、研究社 新英和中辞典や英辞郎には、
(A) plague on it[him etc.]!=いまいましい! こんちくしょう!
という意味が載っています。
on を使って、on 以下のものに疫病がふりかかるイメージ、「そいつに疫病を!」という感覚が、「いまいましい! こんちくしょう!」という憎しみのフレーズに繋がるのでしょう。
A plague on にそういう意味があると知って、検索で使用例を調べるために Google のサーチボックスに、A plague on と入れたところ、A plague on both your houses というフレーズが候補として表示されました。(Google サジェスト機能)
そこからさらに調べてみると、A plague on both your houses というフレーズが、「ロミオとジュリエット」で使われたセリフだということがわかったのです。
そのセリフを説明してくれているサイトを2つ紹介します。
A plague on both your houses - Shakespeare Quotes
上のサイトには、ロミオとジュリエットに出てくるマキューシオ(Mercutio)のセリフとして、I am hurt. A plague a' both your houses! と書かれています。
つまり、ディレクターの言っている、I am hurt. の部分も含めて、シェークスピアのセリフの引用だった、ということですね。
ちなみに、フレンズ1-21その6 で、ジョーイが、新しい芸名(Holden McGroin)でオーディションを受けた時に、演じていたのがマキューシオでした。
A plague o' both your houses: Information from Answers.com
上のサイトでは、このセリフの背景と意味がわかりやすく説明されていますので、興味のある方は是非お読み下さい。
マキューシオは、モンタギュー家(ロミオの家)とキャピュレット家(ジュリエットの家)の両家に対して呪いの言葉を言ったわけですが、ディレクターはそのセリフを使って、ジョーイとケイトの両方の家に災いがあるように、と言っているのです。
演出そのものを酷評されているので、ジョーイとケイトのせいばかりではないのですが、ディレクターは二人のせいで自分の将来が台無しにされた、と言いたいのですね。
ケイトはこのディレクターの才能を買っているような発言を過去にしていましたが、こんな風にさらりとシェークスピアのセリフを引用したりするような日頃の言動から、そう思い込んでいたのかもしれません。
かなり有名なセリフのようなので、これを引用したからと言って、博識であることの証明にはならないのかもしれませんが、やっぱりジョーイには不可能な芸当かと(笑)。
批評を読んだ後、ディレクターに捨てられたのよ、と語るケイトに、ジョーイは、Oh, classy. と言っています。
classy は英和辞典では「しゃれた、高級の、上流な、身分の高い」という意味が載っています。
ジョーイのセリフのニュアンスは、日本語の「しゃれたことしてくれるじゃないか」のように皮肉っぽく言っているのか、ディレクターという役職の人間が、自分の役に立たなくなったからと俳優を非情にポイと捨ててしまうことを「いかにも立場が上の人間がやりそうなことだよね」と言っているのかのどちらかかな?と思いました。
その後のケイトのセリフ、Yep! I sure know how to pick 'em, huh? も、them つまり男性の選び方を私はよく知っている、私は男性を見る目があるから、こんな男と付き合っていたのよ、私ってほんとに男を見る目があるでしょ?と皮肉っぽく言っている気がします。
「批評が悪かったからとあっさり女を捨てるような男と付き合っていたなんて、私はなんてバカな女だったのかしら」という言葉の裏返しでしょうね。
余談になりますが、90年代に活躍した C.C.ガールズというアイドルグループ(ユニット)がいましたよね。
その C.C. は Cool & Classy の略だそうです。
過去に、ジョーイに対してソープオペラのことをバカにする発言をしていたケイトですが、実はソープオペラの役を蹴って、この芝居にかけていたことがわかります。
それに対してジョーイも「俺もある仕事をあきらめて、これを選んだんだ」と言うのですが、それが declawing cats という役者のキャリアには全く関係ない仕事なのが笑えます。
declaw という単語は英辞郎に、
declaw=(他動詞)爪を除く
と出ていますが、爪を全部引っこ抜いてしまうということではなく、DVDの日本語訳にあるような「ネコのツメ切り」のニュアンスでしょう。
家に帰る途中に、The Times と The Post を全部燃やしちゃおう、と提案するジョーイ。
The Times は、The New York Times、The Post は、The New York Post ですね。
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・タイムズ
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・ポスト
アメリカの新聞で「ポスト」と言えば、ワシントン・ポストが有名かな、とは思ったのですが、やはりブロードウェイでの演劇のレビューを取り扱っている、ということになると、地元のニューヨークの新聞ということになると思います。
ニューヨーカーのジョーイが The Post と言えば、やはりニューヨーク・ポストなんだろう、と。
今回、劇評で酷評されたタイムズはわかるとして、ポストの名前も出たことに、ケイトは「??」となります。
普通は、「ポストも燃やそう」と言ったら、それにも悪い批評が載っているかと思いますよね。
で、「読んだの?」と聞いたら「読んでない。どうしてそんなこと俺に聞くの?」と返すジョーイ。
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2009年04月23日
奇数と偶数の座席番号 フレンズ3-22その3
ジョーイが出るお芝居の初演(Premiere)。
レイチェルはトミー(Tommy。演じるのはベン・スティラー)、ロスはケイリン(Cailin)という相手をそれぞれ連れて来ています。
4人がぎこちなく挨拶した後、ロスとトミーは自分の席を探しているところ。
ロス: Okay. (sees two people sitting in their seats.) Uh, huh. Excuse me. I'm sorry. I-I think you may be in our seats. (さて。[ロスたちの席に二人の人物が座っているのを見て] あの、すみません。申し訳ないんですが、あなた方が(座って)おられるのは僕らの席だと思うんですが。)
男性: Oh, no, I don't think so. (いいや、違うと思うけど。)
トミー: Could-could we take a look at your ticket? (あなたのチケットを見せていただいてもよろしいですか?)
男性: Sure. (Hands him the ticket.) (もちろん。[彼にチケットを渡す])
ロス: (looking at ticket) Yep! Yeah, see this says, "D-13," and uh.... ([チケットを見て] やっぱり! ほらここに D-13 って書いてある。だから…)
男性: Oh, well, I thought that ah-- (おぉ、そうか。私は(思い込んでいたんだよ)…。)
トミー: Oh, you thought, huh? Yeah, well, that didn't really work out too well for you, did you, idiot! What are you, a moron? Huh? It says, "D-13"! Okay? Look, you're surrounded by even numbers! Does that give you some clue? (あぁ、そう思ってたんだな! それがあんたの思い通りにはならなかったんだな、そうだろ、このおバカ! あんたは何者だ、アホなのか? あ? D-13 って書いてあるだろ? 見ろよ、あんたは偶数の席に囲まれているんだぞ! それがヒントにならないのか?[それでもピンと来ないのか?])
男性: Uh, the usher told us to come-- (あー、案内係が(ここに)来るように言ったから…)
トミー: Oh! Oh! The usher must be right! What, with all that training they go through! Get out! (They start to leave.) Here! (He throws him back his ticket.) (to Ross, calmly) Hey, man, you want the aisle? (おーおー! 案内係は正しいに決まってるからな! ほら、案内係が受けるあのトレーニングがあるからね! どけよ! [二人は立ち去る] ほら受け取れ。[トミーは男性にチケットを投げ返す] [ロスに対して穏やかに] ねぇ、君は通路側の席がいい?)
ロス: No, I'm good. (He sits down, stunned.) (いいや。僕はここでいい。[ロスは呆然として座る])
自分の席に座ろうとしたら、そこにすでに誰かが座っていたということ、よくありますよね。
最初の方のセリフは、そういう場合に、どんな風に声をかけるか、の良い例になっていると思います。
I'm sorry. I think you may be in our seats. は、最初に I'm sorry. と言っておいて、「あなたは僕たちの席にいるかもしれない、って僕は思うんですが」と言っています。
相手が間違えて座っていると決め付けずに、「僕はそう思うんですが」と言うことで、席を間違っている可能性を相手にやんわりと伝えることができます。
ところが、相手はここが自分の席だと信じ切っているようで、「そんなことないでしょ。」の一言で済まそうとします。
そこでトミーが、Could we...? という丁寧な依頼表現を使って、チケットを見せて下さい、と頼みます。
そして、チケットの座席番号を確認したところ、ロスたちが思っていた通り、男性が席を間違えていたことがわかるのですが…。
男性が「私はてっきりこの席だと思い込んでて…」みたいなことを言おうとした途端、それまで穏やかだったトミーが突然、キレ始めます。
idiot! の部分は特に大声を張り上げていますね。
that didn't really work out too well for you について。
work out には「(問題が)解ける」「(計画などが)(うまく)いく」などの意味があります。
well のような様態の副詞を伴う場合は、work out well の形で「うまくいく」と訳される場合が多いので、今回の work out (too) well も、「うまくいく」のニュアンスで解釈すべきかな、と思いました。
too は「あまりに…すぎる」という過剰な感じを意味するので、that didn't... の文章は、「あんたにとって、あまりにうまくいきすぎる、というほどのことはなかった」というニュアンスになるでしょうか。
別人の席に居座ってバレないまま最後まで見終えることを、トミーは「うまくいきすぎること」だと言っているようで、そんなふうにはうまくことが運ばなかったみたいだな、と言いたいようです。
idiot も moron も「ばか、まぬけ」という意味ですね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
idiot: [noun] [countable]
a stupid person or someone who has done something stupid
例) It was all your fault, you idiot.
つまり、「愚かな人、または愚かなことをした(ばかりの)人」。
例文は、「全部お前のせいだったんだ、このバカ。」
moron: [noun] [countable]
(informal not polite) a very offensive word for someone who you think is very stupid (synonym: idiot)
例) Don't leave it there, you moron!
つまり、「(インフォーマルで、礼儀正しくない) 非常に愚かだと思う人に対して使う、非常に侮辱的な言葉。同義語 idiot」。
例文は、「そこに置いてちゃだめだ、このバカ!」
どちらの例文にもあるように、文章の最後に、you idiot, you moron のように「このバカ!」という感じでくっつけることが多いように思います。
どちらもむやみに使うとトラブルの元になる言葉ですが、ロングマンの語義を見ると、a very offensive word とあるので、moron の方が度合いがきついようですね。
Look, you're surrounded by even numbers! Does that give you some clue? について。
even number は偶数。奇数は odd number になります。
clue は「解決の糸口、ヒント」。
「あんたは偶数に囲まれている。そのことがあんたに何かのヒントを与えないのか?」とトミーは言っていることになります。
彼のチケットの座席番号は、D-13、つまり奇数であることを考えると、奇数の席が偶数に囲まれることはありえない、というトミーの発言から、座席は偶数は偶数ばかり、奇数は奇数ばかりで集まっている、ということになりますね。
実際、トミーの言う通り、アメリカなどの外国の劇場の座席は、日本の座席番号とは異なり、奇数エリア、偶数エリアに分かれているそうです。
その件について上手く説明されているサイトを、以下に二つご紹介します。
あっとニューヨーク: ミュージカルのチケット手配: よくある質問とその回答
では、以下のQ&Aが載っています。
「隣席希望ですが、手配してもらった座席番号が一つ飛びになっています」
という質問に対して、
「お席はお隣同士でございます。これは、劇場の座席番号が、ブロックごとに奇数・偶数と分けられている場合があるためです。」
という回答です。
また、
ブロードウェイの劇場の座席について
というサイトでは、劇場の座席番号についての説明が図解入りで載っており、
「左側のブロックは通常、奇数(Odd)、右側のブロックは通常、偶数(Even)だけを使用しています。」
という説明があります。
上記のサイトでの説明通り、座席は奇数ブロック、偶数ブロックに分かれているため、周囲の座席が偶数であれば、奇数番号のチケットを持っている人の席がここにあるはずはないので、そこで気付くはずじゃないか? そんなことも気付かずに、のうのうとここに座っていたのか、と、トミーは相手を非難している、ということです。
アメリカのミュージカルを見に行こう!という海外ツアーもあったりしますので、この座席番号の仕組みについては、ご存知の方も多かったかもしれませんね。
自分で「あれ、隣席のはずなのに番号が飛んでるぞ!?」と思った経験があれば、そういうことはなかなか忘れないものですから。
私は、このエピソードをDVDで初めて見た時に、「へぇ、アメリカでは、奇数、偶数ごとに座席が分かれているんだぁ…」ということを知りました。
まさにこのトミーのセリフが clue となって、その仕組みに気付いたわけです。
あまりにポンポン言われるので、男性の方も何か自己弁護しようとして、今度は、the usher 「劇場の(座席)案内係」がここを案内したから、と言います。
それに対して、またすごい剣幕で文句をつけるトミーがすごいですね。
must という「当然の推定」を表す助動詞を使って、「そりゃ、案内係は正しいに違いない。正しいはずだよな。」と言っています。
with all that training they go through! の with は「…があるから」と、その人(案内係)に、そういう経験が付随しているイメージでしょうか。
「案内係が経験すべき全てのそういう訓練・トレーニングを彼らはやってきたんだからね。」というニュアンスで、案内係は、人に案内をするためにトレーニングを積んでいるんだから、正しくて当然だよね!と言っていることになります。
もちろん、それは皮肉で、実際には案内係と言っても、厳しい特殊な訓練を受けているはずはないですよね。
トミーが本当に言いたいことは、「案内係といっても、すごい訓練を受けているわけじゃなくて、間違いだってするんだから、「案内係が言ったから」というのをもっともらしい言い訳に使うな、案内係がそこを案内したとしても、自分は自分できちんと確認しろ!」と言いたいのです。
「案内係が…」と言った相手に対して、「案内係なんかあてになるもんか。大した訓練も受けてないのに。」と言うところを、「あぁ、案内係は間違いないもんな。あんなすごい訓練も受けてきたわけだし。」みたいに言っているところが、なんともイヤミなわけです。
男性たちを追い払った後、穏やかな調子に戻ったトミーは、通路側の席がいいかどうかをロスに尋ねています。
トミーのあまりの豹変ぶりに、ロスはただびっくりした顔をして、I'm good. と答えるのが精一杯という感じですね。
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レイチェルはトミー(Tommy。演じるのはベン・スティラー)、ロスはケイリン(Cailin)という相手をそれぞれ連れて来ています。
4人がぎこちなく挨拶した後、ロスとトミーは自分の席を探しているところ。
ロス: Okay. (sees two people sitting in their seats.) Uh, huh. Excuse me. I'm sorry. I-I think you may be in our seats. (さて。[ロスたちの席に二人の人物が座っているのを見て] あの、すみません。申し訳ないんですが、あなた方が(座って)おられるのは僕らの席だと思うんですが。)
男性: Oh, no, I don't think so. (いいや、違うと思うけど。)
トミー: Could-could we take a look at your ticket? (あなたのチケットを見せていただいてもよろしいですか?)
男性: Sure. (Hands him the ticket.) (もちろん。[彼にチケットを渡す])
ロス: (looking at ticket) Yep! Yeah, see this says, "D-13," and uh.... ([チケットを見て] やっぱり! ほらここに D-13 って書いてある。だから…)
男性: Oh, well, I thought that ah-- (おぉ、そうか。私は(思い込んでいたんだよ)…。)
トミー: Oh, you thought, huh? Yeah, well, that didn't really work out too well for you, did you, idiot! What are you, a moron? Huh? It says, "D-13"! Okay? Look, you're surrounded by even numbers! Does that give you some clue? (あぁ、そう思ってたんだな! それがあんたの思い通りにはならなかったんだな、そうだろ、このおバカ! あんたは何者だ、アホなのか? あ? D-13 って書いてあるだろ? 見ろよ、あんたは偶数の席に囲まれているんだぞ! それがヒントにならないのか?[それでもピンと来ないのか?])
男性: Uh, the usher told us to come-- (あー、案内係が(ここに)来るように言ったから…)
トミー: Oh! Oh! The usher must be right! What, with all that training they go through! Get out! (They start to leave.) Here! (He throws him back his ticket.) (to Ross, calmly) Hey, man, you want the aisle? (おーおー! 案内係は正しいに決まってるからな! ほら、案内係が受けるあのトレーニングがあるからね! どけよ! [二人は立ち去る] ほら受け取れ。[トミーは男性にチケットを投げ返す] [ロスに対して穏やかに] ねぇ、君は通路側の席がいい?)
ロス: No, I'm good. (He sits down, stunned.) (いいや。僕はここでいい。[ロスは呆然として座る])
自分の席に座ろうとしたら、そこにすでに誰かが座っていたということ、よくありますよね。
最初の方のセリフは、そういう場合に、どんな風に声をかけるか、の良い例になっていると思います。
I'm sorry. I think you may be in our seats. は、最初に I'm sorry. と言っておいて、「あなたは僕たちの席にいるかもしれない、って僕は思うんですが」と言っています。
相手が間違えて座っていると決め付けずに、「僕はそう思うんですが」と言うことで、席を間違っている可能性を相手にやんわりと伝えることができます。
ところが、相手はここが自分の席だと信じ切っているようで、「そんなことないでしょ。」の一言で済まそうとします。
そこでトミーが、Could we...? という丁寧な依頼表現を使って、チケットを見せて下さい、と頼みます。
そして、チケットの座席番号を確認したところ、ロスたちが思っていた通り、男性が席を間違えていたことがわかるのですが…。
男性が「私はてっきりこの席だと思い込んでて…」みたいなことを言おうとした途端、それまで穏やかだったトミーが突然、キレ始めます。
idiot! の部分は特に大声を張り上げていますね。
that didn't really work out too well for you について。
work out には「(問題が)解ける」「(計画などが)(うまく)いく」などの意味があります。
well のような様態の副詞を伴う場合は、work out well の形で「うまくいく」と訳される場合が多いので、今回の work out (too) well も、「うまくいく」のニュアンスで解釈すべきかな、と思いました。
too は「あまりに…すぎる」という過剰な感じを意味するので、that didn't... の文章は、「あんたにとって、あまりにうまくいきすぎる、というほどのことはなかった」というニュアンスになるでしょうか。
別人の席に居座ってバレないまま最後まで見終えることを、トミーは「うまくいきすぎること」だと言っているようで、そんなふうにはうまくことが運ばなかったみたいだな、と言いたいようです。
idiot も moron も「ばか、まぬけ」という意味ですね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
idiot: [noun] [countable]
a stupid person or someone who has done something stupid
例) It was all your fault, you idiot.
つまり、「愚かな人、または愚かなことをした(ばかりの)人」。
例文は、「全部お前のせいだったんだ、このバカ。」
moron: [noun] [countable]
(informal not polite) a very offensive word for someone who you think is very stupid (synonym: idiot)
例) Don't leave it there, you moron!
つまり、「(インフォーマルで、礼儀正しくない) 非常に愚かだと思う人に対して使う、非常に侮辱的な言葉。同義語 idiot」。
例文は、「そこに置いてちゃだめだ、このバカ!」
どちらの例文にもあるように、文章の最後に、you idiot, you moron のように「このバカ!」という感じでくっつけることが多いように思います。
どちらもむやみに使うとトラブルの元になる言葉ですが、ロングマンの語義を見ると、a very offensive word とあるので、moron の方が度合いがきついようですね。
Look, you're surrounded by even numbers! Does that give you some clue? について。
even number は偶数。奇数は odd number になります。
clue は「解決の糸口、ヒント」。
「あんたは偶数に囲まれている。そのことがあんたに何かのヒントを与えないのか?」とトミーは言っていることになります。
彼のチケットの座席番号は、D-13、つまり奇数であることを考えると、奇数の席が偶数に囲まれることはありえない、というトミーの発言から、座席は偶数は偶数ばかり、奇数は奇数ばかりで集まっている、ということになりますね。
実際、トミーの言う通り、アメリカなどの外国の劇場の座席は、日本の座席番号とは異なり、奇数エリア、偶数エリアに分かれているそうです。
その件について上手く説明されているサイトを、以下に二つご紹介します。
あっとニューヨーク: ミュージカルのチケット手配: よくある質問とその回答
では、以下のQ&Aが載っています。
「隣席希望ですが、手配してもらった座席番号が一つ飛びになっています」
という質問に対して、
「お席はお隣同士でございます。これは、劇場の座席番号が、ブロックごとに奇数・偶数と分けられている場合があるためです。」
という回答です。
また、
ブロードウェイの劇場の座席について
というサイトでは、劇場の座席番号についての説明が図解入りで載っており、
「左側のブロックは通常、奇数(Odd)、右側のブロックは通常、偶数(Even)だけを使用しています。」
という説明があります。
上記のサイトでの説明通り、座席は奇数ブロック、偶数ブロックに分かれているため、周囲の座席が偶数であれば、奇数番号のチケットを持っている人の席がここにあるはずはないので、そこで気付くはずじゃないか? そんなことも気付かずに、のうのうとここに座っていたのか、と、トミーは相手を非難している、ということです。
アメリカのミュージカルを見に行こう!という海外ツアーもあったりしますので、この座席番号の仕組みについては、ご存知の方も多かったかもしれませんね。
自分で「あれ、隣席のはずなのに番号が飛んでるぞ!?」と思った経験があれば、そういうことはなかなか忘れないものですから。
私は、このエピソードをDVDで初めて見た時に、「へぇ、アメリカでは、奇数、偶数ごとに座席が分かれているんだぁ…」ということを知りました。
まさにこのトミーのセリフが clue となって、その仕組みに気付いたわけです。
あまりにポンポン言われるので、男性の方も何か自己弁護しようとして、今度は、the usher 「劇場の(座席)案内係」がここを案内したから、と言います。
それに対して、またすごい剣幕で文句をつけるトミーがすごいですね。
must という「当然の推定」を表す助動詞を使って、「そりゃ、案内係は正しいに違いない。正しいはずだよな。」と言っています。
with all that training they go through! の with は「…があるから」と、その人(案内係)に、そういう経験が付随しているイメージでしょうか。
「案内係が経験すべき全てのそういう訓練・トレーニングを彼らはやってきたんだからね。」というニュアンスで、案内係は、人に案内をするためにトレーニングを積んでいるんだから、正しくて当然だよね!と言っていることになります。
もちろん、それは皮肉で、実際には案内係と言っても、厳しい特殊な訓練を受けているはずはないですよね。
トミーが本当に言いたいことは、「案内係といっても、すごい訓練を受けているわけじゃなくて、間違いだってするんだから、「案内係が言ったから」というのをもっともらしい言い訳に使うな、案内係がそこを案内したとしても、自分は自分できちんと確認しろ!」と言いたいのです。
「案内係が…」と言った相手に対して、「案内係なんかあてになるもんか。大した訓練も受けてないのに。」と言うところを、「あぁ、案内係は間違いないもんな。あんなすごい訓練も受けてきたわけだし。」みたいに言っているところが、なんともイヤミなわけです。
男性たちを追い払った後、穏やかな調子に戻ったトミーは、通路側の席がいいかどうかをロスに尋ねています。
トミーのあまりの豹変ぶりに、ロスはただびっくりした顔をして、I'm good. と答えるのが精一杯という感じですね。
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2009年04月21日
あなたの忍耐に感謝 フレンズ3-22その2
フィービーは、電話機の保証期限が明日なので、壊れた電話を無料で修理してもらうため、何とか今日中に電話会社に連絡を取ろうとしています。そのため、ずっと受話器の傍から離れられません。
それを見て、ずっと受話器を握っていなくても、便利な機能があるのよ、と教えてあげるモニカ。
モニカ: And we also have a speakerphone. (She turns on the speaker phone.) (それに、うちの電話には、スピーカーフォン(機能)[受話器を置いても音声が聞こえる機能]がついてるのよ。[モニカはスピーカーフォンのスイッチを入れる])
保留音声(Hold Voice): Please stay on the line. Your call is important to us. (電話を切らないで(そのままでお待ち)下さい。あなたのお電話は、私たちにとって重要なものです。)
モニカ: You, you gotta hang up 'cause we're gonna be late. (電話を切らなきゃだめよ。遅れちゃうから。)
(Phoebe starts to hang up the phone, but.)
フィービーは電話を切ろうとするが。
保留音声: Thank you for your patience. You're the next caller. (お待たせいたしました。あなたが次です[次におつなぎします]。)
フィービー: Yes! Yes! I'm the next caller! You were gonna have me hang up. (やった! やった! 私が次よ! モニカは私に電話を切らせようとしていたわよね。)
チャンドラー: (entering, carrying the chick and duck) Hey! Can you take a duck and a chick to the theater? ([ヒヨコとアヒルを抱えて部屋に入って来て] やぁ! アヒルとヒヨコを劇場に連れて行くことは可能かな?)
モニカ: Of course not. (もちろんダメよ。)
フィービー: No. (ダメね。)
チャンドラー: Okay. I just wanted them to hear it from somebody else. (わかった。俺はただ、他の誰かがそう言うのをこいつらに聞かせたかっただけなんだ。)
stay on the line は「電話を切らないでおく」。
今回フィービーが聞いている電話の応答メッセージが、アメリカでのスタンダードなものかどうかはわかりませんが、日本の場合だと電話が混んでいる場合は、「ただいま電話がつながりにくくなっておりますので、時間をおいておかけ直し下さい」と言ったりするでしょうか?
「電話を切らずにお待ち下さい」とはあんまり言わないような…。
(もちろん、今回のエピソードが面白くなるように、わざとそういう文言になっている、という可能性もありますが。)
「あなたのコールは私たちにとって重要です。」というようなことも、日本では言わないような気がします。
ジョーイのお芝居の開演が迫っているので、遅れちゃうから電話を切って、とモニカは言います。
ちょうど切ろうとしたその瞬間、電話のメッセージの内容が変わります。
ただ待っていた状態から、「あなたが the next caller 」、つまり、次にオペレーターが電話を受けて話をするのはあなた、ということになったのですね。
フィービーは次だと聞いて喜んだ後、モニカの方を向いて、You were gonna have me hang up. と言っています。
あなたはさっき、電話を切るように言っていたわよねぇ、もしモニカに従って電話を切っていたら、私はこのせっかくのチャンスを逃すところだったわ、あなたの言うことを聞かないで正解だった、という感じでしょう。
Thank you for your patience. は、何かの事情でお客様を待たせている場合のお詫びの言葉の決まり文句ですね。
patience は「忍耐、辛抱強さ」という意味なので、怒ったりキレたりせずに(笑)穏やかに忍耐強く、辛抱強く待ってくれていることに対して感謝の意を示す言葉です。
TOEIC では、飛行機が遅れるとか、商品の発送が遅れるなどのシチュエーションで登場しそうなフレーズです。
実際、神崎正哉先生のご著書、TOEICテスト 新・最強トリプル模試 の第1回 Part 4 のナレーションに登場していました。(解答と解説編では p.62)
バスの発着が遅れているというアナウンスで、そのナレーションの最後のフレーズが、
We thank you for your patience.
です。
アヒルとヒヨコを抱えて入ってくるチャンドラー。
Can you take...? の you は、「一般の人」を表す you であり、この場合は、自分(I)も含んでいます。
Can I take...? 「俺は彼らを連れて行くことができるかな?」とほぼ同じ意味ですが、「お芝居を見る場合、こういう動物を連れて行くことは一般的に可能なものかな?」と、世間の常識で言うと許される行為だろうか?と尋ねている感覚かな、と思います。
当然のことながら返事は No. なのですが、チャンドラーはその返事を聞きたかっただけのようです。
わざわざ、アヒルとヒヨコを連れてきたのは、No. という答えをこいつらに聞かせたかっただけなんだ、と言っています。
俺が言っても信じてくれないので(?)、誰か他の人の口から、その答えを聞きたかったんだよ、俺以外の人もそう言えば、さすがのこいつらも納得するだろうから、という感じですね。
「ほら、このお姉ちゃんたちもそう言ってるから、俺だけがそう言ってるんじゃないんだ。わかってくれるよな。」と説得の材料に使いたかった、と言っているのですね。
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それを見て、ずっと受話器を握っていなくても、便利な機能があるのよ、と教えてあげるモニカ。
モニカ: And we also have a speakerphone. (She turns on the speaker phone.) (それに、うちの電話には、スピーカーフォン(機能)[受話器を置いても音声が聞こえる機能]がついてるのよ。[モニカはスピーカーフォンのスイッチを入れる])
保留音声(Hold Voice): Please stay on the line. Your call is important to us. (電話を切らないで(そのままでお待ち)下さい。あなたのお電話は、私たちにとって重要なものです。)
モニカ: You, you gotta hang up 'cause we're gonna be late. (電話を切らなきゃだめよ。遅れちゃうから。)
(Phoebe starts to hang up the phone, but.)
フィービーは電話を切ろうとするが。
保留音声: Thank you for your patience. You're the next caller. (お待たせいたしました。あなたが次です[次におつなぎします]。)
フィービー: Yes! Yes! I'm the next caller! You were gonna have me hang up. (やった! やった! 私が次よ! モニカは私に電話を切らせようとしていたわよね。)
チャンドラー: (entering, carrying the chick and duck) Hey! Can you take a duck and a chick to the theater? ([ヒヨコとアヒルを抱えて部屋に入って来て] やぁ! アヒルとヒヨコを劇場に連れて行くことは可能かな?)
モニカ: Of course not. (もちろんダメよ。)
フィービー: No. (ダメね。)
チャンドラー: Okay. I just wanted them to hear it from somebody else. (わかった。俺はただ、他の誰かがそう言うのをこいつらに聞かせたかっただけなんだ。)
stay on the line は「電話を切らないでおく」。
今回フィービーが聞いている電話の応答メッセージが、アメリカでのスタンダードなものかどうかはわかりませんが、日本の場合だと電話が混んでいる場合は、「ただいま電話がつながりにくくなっておりますので、時間をおいておかけ直し下さい」と言ったりするでしょうか?
「電話を切らずにお待ち下さい」とはあんまり言わないような…。
(もちろん、今回のエピソードが面白くなるように、わざとそういう文言になっている、という可能性もありますが。)
「あなたのコールは私たちにとって重要です。」というようなことも、日本では言わないような気がします。
ジョーイのお芝居の開演が迫っているので、遅れちゃうから電話を切って、とモニカは言います。
ちょうど切ろうとしたその瞬間、電話のメッセージの内容が変わります。
ただ待っていた状態から、「あなたが the next caller 」、つまり、次にオペレーターが電話を受けて話をするのはあなた、ということになったのですね。
フィービーは次だと聞いて喜んだ後、モニカの方を向いて、You were gonna have me hang up. と言っています。
あなたはさっき、電話を切るように言っていたわよねぇ、もしモニカに従って電話を切っていたら、私はこのせっかくのチャンスを逃すところだったわ、あなたの言うことを聞かないで正解だった、という感じでしょう。
Thank you for your patience. は、何かの事情でお客様を待たせている場合のお詫びの言葉の決まり文句ですね。
patience は「忍耐、辛抱強さ」という意味なので、怒ったりキレたりせずに(笑)穏やかに忍耐強く、辛抱強く待ってくれていることに対して感謝の意を示す言葉です。
TOEIC では、飛行機が遅れるとか、商品の発送が遅れるなどのシチュエーションで登場しそうなフレーズです。
実際、神崎正哉先生のご著書、TOEICテスト 新・最強トリプル模試 の第1回 Part 4 のナレーションに登場していました。(解答と解説編では p.62)
バスの発着が遅れているというアナウンスで、そのナレーションの最後のフレーズが、
We thank you for your patience.
です。
アヒルとヒヨコを抱えて入ってくるチャンドラー。
Can you take...? の you は、「一般の人」を表す you であり、この場合は、自分(I)も含んでいます。
Can I take...? 「俺は彼らを連れて行くことができるかな?」とほぼ同じ意味ですが、「お芝居を見る場合、こういう動物を連れて行くことは一般的に可能なものかな?」と、世間の常識で言うと許される行為だろうか?と尋ねている感覚かな、と思います。
当然のことながら返事は No. なのですが、チャンドラーはその返事を聞きたかっただけのようです。
わざわざ、アヒルとヒヨコを連れてきたのは、No. という答えをこいつらに聞かせたかっただけなんだ、と言っています。
俺が言っても信じてくれないので(?)、誰か他の人の口から、その答えを聞きたかったんだよ、俺以外の人もそう言えば、さすがのこいつらも納得するだろうから、という感じですね。
「ほら、このお姉ちゃんたちもそう言ってるから、俺だけがそう言ってるんじゃないんだ。わかってくれるよな。」と説得の材料に使いたかった、と言っているのですね。
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