2010年04月21日

どうしてそんなことが起こったの フレンズ4-20その5

セントラルパーク。睡眠クリニックから帰ってきたチャンドラー。
モニカ: So, is Joey gonna stop snoring? (それで、ジョーイのいびきは止まりそう?)
チャンドラー: Yep! And a beautiful woman agreed to go out with me. (They're stunned.) Joey wanted to ask her out, but uh, you know, she picked me. (ああ! そして、きれいな女性が、俺とのデートをオッケーしてくれた。[みんなはびっくりする] ジョーイが彼女をデートに誘いたかったんだけど、でも、ほら、彼女は俺を選んだんだ。)
フィービー: Oh, how'd that happen? (まあ、どうしてそんなことが起こったの?)
チャンドラー: Because I'm cooler. (なぜって、俺の方がかっこいいからさ。)
モニカ: No, seriously. (違うわ、マジで聞いてるのよ。)
チャンドラー: She's, she's the kinda girl..... Joey was unconscious. (彼女は…。ジョーイの意識がなかったんだよ。)

Is Joey gonna stop snoring? は、is gonna = is going to が使われていますから、もうすでにいびきをかかなくなったかどうか、ではなく、クリニックでの診察と治療の結果、今晩からもういびきはかかないかしら、今夜からジョーイはいびきをかかないで眠れそう?みたいに尋ねている感覚ですね。
それを肯定したチャンドラーは、その後、おまけの情報として、美人が自分とのデートに同意してくれた、オッケーしてくれた、という自慢話をします。
ジョーイがそばにいて、彼も彼女を狙ってたのに、それでも彼女は俺を選んだんだぜ!という自慢ですね。

次のフィービーの質問 How'd that happen? は、How did that happen? で、「どうして・どのようにして、そんなこと(美女がジョーイじゃなくてチャンドラーを選んだこと)が起こったの?」という意味。
失礼な質問をされたので、チャンドラーは「何て失礼な…」みたいな顔をしています。
それで、「俺の方がジョーイよりかっこいいから、というのが理由だよ」と説明するのですが、今度はモニカに、No, seriously. と言われてしまいます。
seriously は、「真面目に、冗談抜きに」ですから、そんな冗談言ってないで、真面目に答えてよ、こっちは本当の理由を知りたいんだから、ということですね。

「なんでそんなことが」「冗談抜きで答えて」と言われたチャンドラーは、彼女は…と何か説明しようとしますが、フィービーとモニカを欺くことはできず、結局、「ジョーイは意識が朦朧(もうろう)としてたから」と本当の理由を告げることになります。
前回、フレンズ4-20その4 で説明したように、寝不足だったジョーイは、いつもの調子で女性を口説くことができなかった、ジョーイと一緒にいたけど、ジョーイはいないも同然だったから、ということですね。
それを聞いて、「なるほどー、そういうわけねー」と納得したような女性たちにも笑えます。

チャンドラーは得意気に話しているのに、フィービーとモニカは何か裏があるはず、と思っている、そしてついにはチャンドラーが本当のことを白状することになる…という会話の流れを感じ取っていただければ、と思います。


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2010年04月19日

寝言を言う癖がある フレンズ4-20その4

ジョーイはいびきがひどいので、その治療のために、睡眠クリニックにチャンドラーとやってきました。
が、検査のために前日寝てはいけないと言われたジョーイは、眠気に耐えられず、待合室で居眠りしています。
きれいな女性が待合室に入ってきたのを見て、
チャンドラー: Check out that girl. She's really hot. (あの子を見てみろよ。彼女は、すごくセクシーだぜ。)
ジョーイ: (sleepily) Yeah, she is. Wow. (Falls back asleep, loudly) How you doin'? (Chandler wakes him up, again.) ([眠そうに] ああ、そうだね。ワオ。[再び眠りに落ちて、大きな声で] 調子はどーお? [チャンドラーはまたジョーイを起こす])
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: You're coming on to the entire room. (He goes over to pick up a stack of magazines next to her, and to get her attention, he throws them back down.) I'm Chandler. (お前は、この部屋全体を口説いてるんだぞ。[チャンドラーはその美女の隣の雑誌を取りに行く。そして、彼女の注意を引くために、(取った)雑誌を下に(ドサッと)投げる] 俺はチャンドラー。)
女性: I'm Marjorie. (私はマージョリー。)
チャンドラー: Hi. (はーい。)
マージョリー: Hi. (はーい。)
チャンドラー: You mind if I sit? (俺が(ここに)座っても構わない?)
マージョリー: No, please. (構わないわ、どうぞ。)
(He sits down next to her.)
チャンドラーは彼女の隣に座る。
チャンドラー: So uh, what are you in for? (それで、あの、君は何の治療を受けるの?)
マージョリー: I talk in my sleep. (私は寝ながら話す[寝言を言う]のよ。)
チャンドラー: What a coincidence! I listen in my sleep. (奇遇だね! 俺は寝ながら聞く[寝言を聞く]んだ。)

いつもなら美人に興味津々のジョーイですが、今回は睡眠不足のため、チャンドラーに美女がいるぞと言われても、それを寝ぼけながら聞いています。
が、半分眠った状態ながらも、いつもの口説き文句 How you doin'? を使って、彼女に声をかけるところがまたジョーイらしいですね。
How you doin'? については、ジョーイのナンパのセリフ フレンズ4-13その5 でも説明しています。

女性を口説く場合は、普通、相手の女性の目を見て言うものですが、今回のジョーイは眠っていて目は閉じたまま。
そんな状態で、かなり大きな声で How you doin'? と言ったため、部屋中にその声が響いてしまいました。
それでチャンドラーは、「目を閉じたまま大声でそんなことを言うと、誰に対して言っているのかわからなくて、この部屋にいる人全員に声をかけてるみたいだぞ」と言っているのですね。
come on to を直訳すると、「…のところに来る、近づく」ということで、恋愛関係の意味では「(異性を)口説く、誘いをかける」という意味になります。

いつもはプレイボーイのジョーイがそんな状態でまともに口説けないので、チャンスと思ったのか(笑)、チャンドラーは彼女に近づき、声をかけます。
You mind if I sit? は、Do you mind if I sit? ということ。
この場合の動詞の mind は「…を気にする、構う、嫌と思う」という意味ですね。
Do you mind if I sit? を直訳すると、「もし僕が座ったら、あなたは嫌だと思いますか?」ということで、つまりは「僕が座っても構わないですか?、座ってもいいですか?」と相手の意向を丁寧に尋ねる疑問文になります。
Do you mind if...? に対しては、Yes. と答えてしまうと「気にする、嫌である」ということになる(sit の場合だと、「座って欲しくない」という意味になる)ので、No. などの否定で答えないといけない…というのは、学校英語にもよく登場した事柄です。
やはりここでもマージョリーは、No, please. と No を使って答えていることをよく確認しておきましょう。

クリニックに通っている理由を聞かれて、マージョリーは、I talk in my sleep. と答えています。
in one's sleep を直訳すると「自分の睡眠中に」ということですが、「眠りながら」というニュアンスですね。
talk in one's sleep だと「眠りながら話す、しゃべる」ですから、「寝言を言う」という意味になります。
ここでは現在形が使われているので、その人の習慣・習性を表します。
「私、寝言を言う癖があるの」という感覚です。

それに返すチャンドラーのセリフが面白いですね。
「へえ、奇遇だね。君は寝ながらしゃべるのか。僕は寝ながら(人を話を)聞く癖があるんだよ」ということ。
「二人とも寝ながら、君はしゃべって、僕がその話を聞く。僕たち、いいコンビになれそうだね」と口説いているわけですね。
話を合わせようとした場合、普通、頭に浮かぶのは、「へえ、奇遇だね。僕も寝言を言うんだよ!」と相手と全く同じ癖が自分にもあることを言うパターンでしょうか。。
チャンドラーの場合は、「相手が話すなら、僕はそれを聞く」と、二人がうまい組み合わせになるように話を持っていっているわけで、とっさにそういうことを言って返すのが、チャンドラーらしいな、と思いました。


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2010年04月16日

取り置きしてあるドレス フレンズ4-20その3

花婿であるロスに頼まれて、モニカとフィービーは、エミリーの代わりにウェディングドレスを受け取るため、ブライダルショップにやってきます。
モニカ: Oh my God! Ohh! Look at this one! It's so beautiful. (まあ、すごいわ! わぁ! これ見て! とってもきれいね!)
フィービー: Yeah, y'know, about half of these are gonna end up getting divorced. (ええ。ねぇ、このうちの約半分は、結局離婚することになるのよね。)
女性販売員(The Saleslady): May I help you ladies? (いらっしゃいませ。)
モニカ: Oh, yes, umm, I'm here to pick up a dress that you have on hold. (ああ、はい。えーっと、取り置きしてもらっているドレスを取りに来たんです。)
販売員: Yes, what's the name, please? (はい。お名前は?)
モニカ: Emily Waltham. (エミリー・ウォルサム。)
販売員: Oh, yes! I have it right here. (Phoebe and Monica both gasp at the dress.) Would you like to try it on, Miss Waltham? (ああ、わかりました! ちょうどここにありますわ。 [フィービーとモニカは二人とも、そのドレスに息を呑む] ご試着なさいますか、ウォルサム様?)
モニカ: (laughs) Okay. ([笑って] そうね。)
[Time lapse. Monica is wearing the dress and starring at herself in the mirror.]
時間が経過。モニカはその(エミリーの)ドレスを着て、鏡に映った自分自身を見つめている。
フィービー: You're the most beautiful bride I've ever seen. (今まで見た中で最高に美しい花嫁よ。)
モニカ: I am, aren't I? (私、きれいよね?)
販売員: Miss Waltham? (ウォルサム様?)
モニカ: Yes? (はい?)
販売員: We're closing. (間もなく閉店です。)
モニカ: All right. (Goes to take off the dress.) (わかったわ。[ドレスを脱ぎに行く])
販売員: And could I get my ring back? (それに、私の指輪をお返しいただけますか?)
(She disgustedly takes the ring off and gives it back.)
彼女(モニカ)は、むかついたように指輪を取り、それを(販売員に)返す。

ブライダルショップには、きれいなウェディングドレスがいっぱい。
その美しさに感動しているモニカの横で、「こんなきれいなドレスを着ても、そのうちの半分は、離婚することになっちゃうのよね」などと、興醒めなセリフを述べるフィービーが何とも辛辣です。

on hold は「保留の状態で」という意味なので、a dress that you have on hold は「あなたがた(の店)がとっておいてくれているドレス、取り置きしてくれているドレス」ですね。
他の人の手に渡ってしまわないように、店側で預かってくれている、という感覚です。

モニカはエミリーの名前を言い、販売員はすぐさま受付後ろに確保していたドレスを持ってきます。
販売員は、モニカを花嫁のエミリー本人だと勘違いして、試着なさいますか?と尋ねます。
間違えているのがわかって、うふふふ…と笑っていたモニカですが、急に真顔になって、Okay. と試着を承諾するのに笑ってしまいますね。

その後、すぐに、鏡に映った自分のウェディングドレス姿にうっとりしているモニカに画面がカットします。
その横で、ティッシュで涙を拭きながら(アメリカ人はハンカチではなく、ティッシュで涙を拭きますね)、今まで見た中で最高にきれいな花嫁よ、とフィービーは感動しています。
人のドレスを着てうっとりしているモニカも楽しいですが、その横で、娘の挙式に感動している母親のようになっているフィービーの姿にも笑ってしまいます。

I am, aren't I? は、1人称の付加疑問文。
文法書などに、1人称の付加疑問は、amn't I とかではなく、aren't I になる、などと書いてありますが、このセリフを見ると、その文法書の説明どおりであることが確認できますね。

ドレス姿にうっとりしている二人の傍に販売員がやってきて、We're closing. と告げます。
このような自動詞の close は「(店などが)閉店する」という意味。
我々の店はもうじき閉店になります、もうすぐ閉店の時間です、ということで、モニカたちが何時ごろこの店に来たのかははっきりとはわかりませんが、とにかく店が閉店になる時間まで、ドレスを試着したまま、鏡を見つめていた、ということがわかる仕組みです。

おまけに指輪を返すようにも言われるモニカ。
よくドレスの試着では、アクセサリーも借りることができたりしますが、それを返さずに去ろうとしたので、販売員に注意されてしまったのですね。
my ring と言っていることから、販売員の私物だったと思われます。
ちょっと鏡で確認するつもりで気軽に貸したのに、長い間返してもらえなくて販売員もムッとした、ということなのでしょう。

今回の一連のセリフは、あまり難しすぎない表現を使いながらも、そのテンポや間(ま)の良さで笑わせてくれる、という感じです。
マニアックなサブカルネタで笑うのは難しいですが、まずは今回のようなやり取りを英語で聞いて笑えるようになることが、自分の英語力に自信をつける一歩になるのでは?と思っています。


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2010年04月14日

シンクに皿が放置されたままでも フレンズ4-20その2

前回のエピソードで、ロスとエミリーは結婚することを決めました。
フレンズたちにもそれをすでに発表しています。
フィービー: I still cannot believe you're engaged. (Ross looks at her) Just 'cause its happening so fast. Not 'cause you're such a loser. (ロスが婚約したなんて、まだ信じられないわ。[ロスはフィービーを見る] ものすごく早く(結婚話が)進行しているからってだけよ。ロスはそんなに負け犬なのに、って理由じゃないわ。)
ロス: Oh. Thanks. Uh, has anyone seen, um, Rach? (ああ、ありがと。あのー、誰かレイチェルを見た?)
モニカ: Ugh, she's upstairs not doing the dishes. And I tell ya something. You know, I'm not doing them this time. I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- I'll do them when I get home. (あー、レイチェルは、皿洗いをせずに、上の階にいるわ。そして、これだけは言わせて。ほら、私は今回は皿洗いをしない。シンクにある皿がそのままでも気にしない、その皿が全部○○で覆われるまでね…。(やっぱり)家に帰ったら皿洗いをするわ。)

be engaged は「婚約している」。
ロスが婚約してるなんて信じられない、とフィービーは言っています。
ロスは「信じられない」ってのはどういう意味?みたいな顔をフィービーに向けていますね。
それでフィービーは理由を説明しています。
Just 'cause A. Not 'cause B. というのは「理由はAだからなだけで、Bが理由じゃない」というニュアンス。
付き合って間がないのにもう結婚を決めたというそのスピードが余りにも早いから信じられないって言ってるだけよ、別に、You're such a loser. 「あなたはそんなにも負け犬なのに」結婚するなんて信じられない、って言ってるわけじゃないのよ、ということ。
後半部分はわざわざ口に出して言うのはかえって失礼ですね(笑)。

レイチェルはどこか尋ねられたモニカの返事が面白いです。
do the dishes は「皿洗いをする」。
レイチェルはどこか?って、今は、上の階にいて、not doing the dishes 「皿洗いをしていない」ところよ、と説明しています。
「上の階にいて、皿洗いをしている」と言うのならまだ普通ですが、それをあえて「していない」ことを挙げているのがポイントですね。
ほんとはレイチェルが皿洗いをしなきゃいけないんだけど、どうせ今、部屋にいてもそれはしていないでしょうけど、と言いたいのですね。
ロスはただ、レイチェルの居場所を知りたかっただけなのに、「皿洗いしてないのよ」というレイチェルへの愚痴になってしまっています。
I'm not doing them の doing them は、doing the dishes のことで、今回は私は皿洗いをする予定はない、するつもりはない、ということ。

those dishes sit in the sink について。
sit は「座る」ですが、ここでは「…にある、位置する」「…に放置されている、置かれている」という感覚で、those dishes sit in the sink は、(複数の)皿が、(洗われないで)シンクに置かれたままの状態である、という意味になります。
ここで動詞 sit を使う感覚は、日本人にはなかなか出てこない発想ですね。

I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- というのは、日本語的語順で訳すと、「(皿が)すべて…で覆われるまで、皿がシンクに置かれているとしても[置かれていようがいまいが]私は気にしない」という感じになりますね。
ただ、このように長い英語のセリフの場合は、聞こえた順番に意味を取っていかないとそのスピードについていけなくなりますので、聞こえたままに頭の中でイメージしていくようにしましょう。
前から訳すと、「…かどうかは気にしない」→「皿がシンクにある」→「皿がすべて…で覆われるまで」ということになります。
皿が長い間シンクに放置されて、最後にはそれが…で覆われるようになっても…と言いたいのですが、with-- で言葉が途切れていますね。
多分、モニカは、covered with mold 「カビで覆われる、カビだらけになる」と言おうとしたのだと思いますが、mold という言葉を言う前に頭でその様子を想像したら、きれい好きのモニカは耐えられなくなった、ということでしょう。
それで、「やっぱり家に帰ったら、私が皿洗いをするわ」という感じで、I'm not doing them this time. という前言を撤回し、I'll do them when I get home.と最後に言っているわけです。
「今回は絶対にレイチェルに洗わせよう、私は絶対に洗わないわ!」と決めていたのに、いろいろ考えた末、結局気が変わった、だから、今決めた意思を表す will が使われているのですね。
ここが、I'm going to do them だと、前からそれをすることを決めていたようでおかしい、ということになります。
will が使われていることで、「やっぱり、私が洗うことにするわ」という「今決めた」感じが出るのですね。

また、英語の場合は、covered with (mold) という語順になるので、covered with-- と表現することで、最後の mold を言葉として口に出す前に、気が変わったという感じが出るのですが、それを日本語に訳そうとすると、「覆われる前に、ほら、あれで…」みたいな感じになって、どうにも不自然ですね。
「(カビ)で覆われる」のように、日本語では必ず「カビ」などが前についてしまう形になるので、mold をあえて言わなかったことを日本語に出すのが難しくなるということです。
外国語を学ぶ場合は、このような語順の違いから来るニュアンスの差にも注目してみたいですね。


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2010年04月12日

沈黙を埋める必要はない フレンズ4-20その1

シーズン4 第20話
The One with All the Wedding Dresses (マイ・ウェディング・ドレス)
原題は「ウェディングドレスばかりの話」


[Scene: Central Perk, Chandler is getting another cup of coffee.]
セントラルパーク。チャンドラーはコーヒーをもう1杯もらおうとしている。
チャンドラー: Gunther, could I get another cup of coffee, please? (Gunther starts to pour him another cup.) So uh, what do you do when you're not working here? (ガンター、もう1杯コーヒーをもらえるかな?[コーヒーのおかわり、もらえるかな?] [ガンターはチャンドラーにおかわりを注ぎ始める] それで、あの、君はここで働いてない時、(いつも普段は)何をしてるの?)
ガンター: You don't need to fill these silences. (こういう沈黙を埋める必要はないよ。)
チャンドラー: Oh, okay, thanks. (He goes back to the couch and rejoins Monica, Joey, and Phoebe.) (ああ、わかった、ありがと。 [チャンドラーはカウチに戻り、モニカ、ジョーイ、フィービーに加わる])
モニカ: Chandler, that's, like, your fourth cup of coffee. (チャンドラー、それって、ほら、(もう)4杯目よ。)
チャンドラー: Well, I'm drinking lots of cups of coffee because I'm exhausted! Because Joey started snoring. (そうだな、俺はとっても疲れてるから、コーヒーをたくさん飲んでるんだよ。だって、ジョーイがいびきをかき始めたから。)
モニカ: He's in a different room. He's really that loud? (ジョーイは別の部屋のいるんでしょ。ジョーイ(のいびき)はほんとにそんなにうるさいの?)
ジョーイ: (proudly) Oh, you should hear me. ([誇らしげに] あぁ、モニカも聞くべきだよ。)
チャンドラー: It's not something to be proud of, okay? You have to go to a sleep clinic. (自慢するようなことじゃないよ、いいか? 睡眠クリニックに行くべきだ。)

チャンドラーは、カウンターにカップを持って行って、ガンターにコーヒーのおかわりを頼んでいます。
Could I get another cup of coffee, please? のように、could と please を使って、丁寧に頼んでいますね。

What do you do when you're not working here? の What do you do? の部分は、習慣などを表す現在形ですね。
いつもこのコーヒーハウスで会ってるけど、ここで働いている時以外のガンターを知らないから、ここで働いてない時は、普段いつも何してるの?という感じの質問になります。
ガンターの日常生活が謎なので、それを尋ねているのですね。

それに対するガンターの返事が面白いです。
You don't need to fill these silences. は直訳の通り、「君は(今の)こういう沈黙を埋める必要はない」で、おかわりを入れるのを待っている間、沈黙しているのが気まずいので、何か無理に話題を見つけようとしているみたいだけど、無理にしゃべろうとしなくてもいいよ、黙って待っててくれたらいいよ、という感じです。

silence は「沈黙、無言」という意味では不可算名詞として使われますが、今回のように具体的な「沈黙の時間」を指す場合は、可算名詞扱いになるのですね。
these silences のような複数形になっているのが面白いなと思いました。

チャンドラーは何杯もコーヒーをおかわりしている様子。
ジョーイがいびきをかいてうるさくて眠れないと言っています。
He's really that loud? の that loud は「それほど、そんなにうるさい」。
「それほど」とは「どれほど」かと言うと、別の部屋で寝てるのに、それでも眠れないほどいびきがうるさいの?という感覚ですね。

It's not something to be proud of. は、「自慢すべきことじゃない」。
be proud of something 「何かを自慢する」の something が前に出た形です。
英語の構造に慣れていない間は、something を前に出した時に proud of の of を最後に残すのを忘れてしまいがちですが、be proud of すべき何か、ですから、最後の of をつけるのを忘れないようにしましょう。
単語を移動させた後も、元の前置詞などがきちんと残っているのは、数学の方程式の変形に似た感覚があるような気もします。


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2010年04月10日

シットコムと吉本の共通点 フレンズ4-19その6

「ゲームに勝った方が、部屋もニックスのチケットも両方もらえる」という賭けをすることにした4人。
結局、トランプのゲームで男性陣が勝ってしまいます。
早速ニックスの試合を楽しんできた男性陣が、おみやげのTシャツをあげようと女性陣の部屋(小さい方の部屋)を訪ねるのですが…。
(He knocks on the girls' door and walks in. Surprise! The girls, obviously using Star Trek technology, have completely moved everything in both apartments back to their original positions, all in the time it took for the guys to go to a basketball game. Wow! Anyhoo, Chandler is stunned, and Joey doesn't even realize it.)
チャンドラーは女性陣のドアをノックして中に入る。そしてびっくり! 女性陣はどう見てもスタートレックのテクノロジーを使ったようで、2つの部屋のもの全てをそれぞれ元の場所に完全に移動させていた、男性陣がバスケの試合に行っている時間内に。ワオ! とにかく、チャンドラーは唖然としているが、ジョーイはそのこと(部屋が交換されていること)に気づいていない。
チャンドラー: Oh. Oh, God! (He starts running around like a chicken with his head cut off.) (ああ、なんてこった! [頭を切り落とされたニワトリのように、走り回る])
ジョーイ: Hey, want a beer? (Hands him a beer and sits down in one of the chairs.) (Jumping up.) WHOA!! (おい、ビールいるか? [チャンドラーにビールを渡し、チェアの1つに腰を下ろす] [飛び上がって] わぁっ!)
チャンドラー: I know! (そうだろ!)
(They both sprint to what used to be their apartment.)
二人は自分たちの部屋だったところにダッシュする。
チャンドラー: Open up! Open up! Open up! (開けろ! 開けろ! 開けろ!)
(A very angry Monica opens the door with the security chain still on.)
非常に怒った(顔の)モニカが、チェーンロックをかけたままドアを開ける。
モニカ: We'll discuss it in the morning. (Slams the door shut.) (その件は明日の朝に話しましょう。[ドアをバタンと閉める])
チャンドラー: What the hell is going on? (一体何が起こってる?)
(It's Rachel's turn to open the door.)
レイチェルがドアを開ける番。
レイチェル: We took our apartment back! (Slams the door shut.) (私たちの部屋を取り返したのよ! [ドアをバタンと閉める])
フィービー: (opening the door) I had nothing to do with it. (Closes the door.) (Opens the door.) Okay, it was my idea. But I don't feel good about it. ([ドアを開けながら] 私は関係ないけどね。[ドアを閉める] [ドアを開ける] いいわ、私のアイデアなの。でも、いい気持ちはしないわ。)

今回はちょっとト書きにも注目してみます。
部屋がすっかり元通りになっているのを見て驚くチャンドラーですが、The girls, obviously using Star Trek technology というト書きが、トレッキーの私としては面白いです。
あまりにも見事に元通りになっているので、スタートレックの転送装置でも使ったのか?と言いたいのですね。
スタートレックの転送技術については、転送して、神様 フレンズ3-17その11 で説明しています。

日本人だったら、「ドラえもんの道具でも使ったのか」とでも表現されそうな感じですね。(実際、少し前のドラえもんで、ひみつ道具を使って簡単に引っ越しする話を放映していました)

チャンドラーは部屋の変化にすぐ気づいたのに、ジョーイはそれに全然気づいていないことも、ト書きでちゃんと描かれています。(「頭を切り落とされたニワトリ」の例えはすごい…笑)
ジョーイは冷蔵庫からビールを取って、それをチャンドラーに渡し、革のリクライニングソファーに深々と腰を下ろします。が、しばらくしてから飛び上がって叫んでいますね。
かなり時間が経ってから、やっとその事実に気づいたということです。
I know! は「知ってる! そうでしょ!」というモニカの口癖ですが、ここでは「そうだよ、俺はとっくに気づいてたよ。お前もやっとわかったか」という感覚ですね。

女子の部屋を訪ねたはずなのに、自分の椅子があるなんておかしいじゃん!とやっと気づいたわけですが、この長い間(ま)を置いてから気づく、というギャグは、吉本新喜劇の内場勝則さんの持ちネタにありますね。
(ちょっと脱線しますが、わかる人にはわかるネタなので、説明させて下さい…笑)

Wikipedia 日本語版: 内場勝則 の「舞台でよく言うセリフ(持ちネタ)」という項目に、以下の説明があります。

ひどく驚いた時は「イィィィィーーー!」(『え』と『い』の中間の音)
これの発展系として、重大な事実を告げられた時にその直後は平然と振る舞い、相当の間を置いた上で「イィィィィーーー!」と叫び笑いを取るパターンもある。


この「相当の間を置いた上で」というのが、今回のジョーイのボケに通じるものがあります。
私の記憶に残っているのは以下のような話。
旅館の宿泊客の内場さんが、部屋に帰ってテレビをつけるとニュースをやっていて、「この事件の容疑者は…」と自分の名前が登場したのにも関わらず、それを聞いていなかったかのようにしばらく新聞を読んでいて、かなり間があいてから、「いぃぃぃーっ?」(確かに「え」と「い」の中間音なんだな、これが)と驚く、というもの。
お客さんの方も、その「いぃぃぃーっ?」が出るまで笑いをくっとこらえているという、舞台と客席との妙な一体感すらあります。
シットコムと吉本で同じようなギャグがある、というのは楽しいですよね。
どちらがどちらかの真似をしたわけではないでしょうから、英語と日本語の違いはあれど、お笑いの発想は似ている、ということですね。

慌てて大きな部屋に突進するチャンドラーとジョーイ。
security chain 「ドアチェーン、チェーンロック」をかけたままドアを開ける、というト書きも、勉強になりますね。
直訳すると、「チェーンロックをまだオンした状態でドアを開ける」という感じです。

怖い顔をしたモニカが、We'll discuss it in the morning. と言いますが、これも直訳すると、「それは朝に議論しましょう」ということで、「何か言いたいことがあって訪ねてきたんでしょうけど、もう今日は夜遅いから、その話なら(or 何か話があるのなら)明日の朝にして!」と言って、この場で議論することを拒否しているセリフになります。

チャンドラーたちは状況が飲み込めず首をひねっていますが、観客は大喜び。女性陣うまくやったね!という感じの歓声・拍手も起こっています。

次はレイチェルの番。
「私たちは、自分たちの部屋を取り返したのよ」とだけ言って、またドアをバタン。
あなたたちがニックス戦で浮かれている間に、部屋は返してもらったわ!という勝利宣言ですね。

最後にフィービーもドアを開けています。
今回の賭けは、チャンドラー&ジョーイ vs モニカ&レイチェル、の戦いだったので、フィービーは部外者なのですが、関係ないはずのフィービーまでもが、「私にも一言言わせて」とばかりに登場するのが、いかにもコメディーっぽい笑いです。
わざわざドアを開けて、「私は無関係だけどね」と言うのが、日本のお笑い(吉本新喜劇など)でもよくある三段落ちの感覚ですね。(「3人目は必ずボケろ!」というのが、吉本の鉄則ですから…笑)

フィービーのセリフは、単なる三段落ちでは終わらず、「無関係って言ったけど、実は関係がないこともない」と言い直しているのも楽しいです。
関係がないどころか、「二人がニックスの試合を観戦している間に、こっそり部屋を交換しちゃったら?」と提案したのがフィービーだったということ。
feel good about... は「…に良い気持ちを感じる、…をよく思う」ということで、「部屋を交換しようって提案したのは私だけど、あなたたちのことを考えると、申し訳ないって思ってるわ、心苦しいと思ってるわ」というような感じでしょうね。


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2010年04月08日

「結婚」と言ってしまう フレンズ4-19その5

イギリス人である恋人エミリーが、しばらくアメリカに滞在した後、いつもイギリスに帰ってしまうことをとても寂しく思っていたロスは、アメリカに引っ越して僕の部屋に住んだらどう?とエミリーを説得します。つまり、同棲しようという提案ですね。
イギリスからアメリカに引っ越すなんて自分の人生全てに関わることだわ、と言うエミリーは、ロスがイギリスに来てくれればと言うのですが、
ロス: No, I can't. I would. I really would. But my son is here. I can't leave him. Isn't, you don't think there's any way? (だめだよ、できないよ。(できるなら)そうしたい。本当にそうしたいけど、僕の息子がここアメリカにいるんだ。彼を置いてはいけないよ。他に方法はないって思う?)
エミリー: Ohh, I don't think so. I mean it would be different if it was way into the future, and, and, and we were getting married or something. (ああ、方法はないって思うわ。未来に向けての方法だったら、それはまた別だろうと思うけど。私たちが結婚する予定だとかならね。)
ロス: What? (何だって?)
エミリー: Oh no, no, right. I shouldn't have said "married." Uh, please don't go freaky on me. I didn't mean it. Well, I didn't say it. I take it back. (ああ、違う、違うの。「結婚する」なんていうべきじゃなかったわね。あぁ、お願いよ、どうか私に対してビビらないでね。そういうつもりで言ったんじゃないの。そう、私はそんなこと言ってない。今のは撤回するわ。)
ロス: No, no, don't. Why don't we? (いや、いや、撤回なんかしないで。僕たち、そうしたらどう?)
エミリー: Why don't we what? (そうしたらどう、って何を?)
ロス: Get married. (結婚することさ。)
エミリー: You are mad! (あなた、どうかしてるわ!)
ロス: No! No! I'm not! It's-it's-it's perfect. I mean it's better than you just, just moving here, 'cause it's us together forever, and that's-that's what I want. (そんなことないよ! 僕はおかしくなんかないよ! 完璧だよ。君がただここに引っ越してくるより、ずっといい。だって僕たちが永遠に一緒にいることになるんだよ。そして、それが僕の望んでいることだ。)

ロスとエミリーはお互い、自分の国に相手が住んでくれることを望みますが、それぞれ、自分の国での生活や家族があるため、踏み切れません。
話の流れで、ついエミリーが「結婚するというような未来の具体的な計画があれば、話は別だけど」と言ってしまいます。

I shouldn't have said "married." の should have+過去分詞は「…すべきではなかった(のに…してしまった)」ですね。
こんな状況で、そんな言葉を軽々しく口にすべきじゃなかったわ、ということです。
I didn't mean it. は「そんなつもりで言ったんじゃない、本気で言ったんじゃない」ということ。
つい口から出てしまったけど、結婚するなら引越しを考えてもいい、みたいに私が条件を出したわけでもないし、今すぐ結婚したいと私が思っているわけでもない、ついもののはずみで言葉が出ただけよ、深い意味なんてないわ、という感じですね。
take back は「(言葉などを)撤回する、取り消す」。
married という言葉を言ったことは忘れて、今の発言は撤回するわ、ということです。

安易に married という言葉を出してロスがビビることを恐れたエミリーでしたが、ロスの反応は意外なものでした。
Why don't we? は「…したらどう? …しようよ」という提案・誘いの言葉ですね。
ロスが、Why don't we get married? 「僕たち、結婚するのはどう?」と言っているのを知って、エミリーは信じられないという顔をしますが、ロスは、その提案がバカげたものではないことを説明します。

エミリーと離れたくなくて、僕のうちに住むこと、同棲することを提案したけど、それよりも結婚の方がいい、だってそうしたら永遠に一緒にいられるんだから、ということです。
一時的にじゃなくて、僕は君とずっと一緒にいたい、だから、結婚するってことがまさに僕が望むこと、僕の希望をかなえる最善の方法なんだよ、ということに気づいたのですね。

この後、あまりの展開に驚くエミリーと、この方法が一番いい方法なんだと説得するロスとの間でやり取りが続きます。
エミリーもロスのことを愛していて、ロスと離れたくないのは同じ。
ロスの熱心な説得に、エミリーもついには結婚を承諾します。

アメリカのドラマや映画でよく見かけるプロポーズのセリフ、"Emily, will you marry me?" 「エミリー、僕と結婚してくれる?」も登場します。
男性が女性の前に膝をついてこのセリフを言うのがお決まりなんですよね。
その場に指輪を持っていないロスは、耳のピアスのリングを外し、それを指輪の代わりにしようとします。
結局、サイズが小さくて、指輪の代わりにはなりませんでしたが、今回、ロスがピアスをしていたのは、この突然のプロポーズに繋げるための伏線だったんだな、とわかって、面白いなと思いました。


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2010年04月06日

アルジャーノンに花束を フレンズ4-19その4

モニカ: (entering with Rachel) All right, boys. Last chance for the tickets. ([レイチェルと一緒に部屋に入ってきて] いいわ、男子達。チケットの最後のチャンスよ。)
レイチェル: Otherwise, I'll give them to my new boyfriend, Joshua. (さもないと、そのチケットを私の新しい恋人ジョシュアにあげちゃうわよ。)
チャンドラー: No, thank you. (いいや、結構だ[いらないよ]。)
ジョーイ: Wait, wait, wait, wait! (To Chandler) Come on, come on! Let's trade. The timing's perfect! I just clogged the toilet! (待って待って待って! [チャンドラーに] なあ、なあ! 交換しようよ。完璧なタイミングなんだ! 俺、ちょうどトイレを詰まらせちゃったんだよ!)
チャンドラー: Look, I want those basketball seats as much as you do. Okay? But we can't live in the small apartment after we've lived here! Didn't you ever read Flowers for Algernon? (なぁ、俺はお前と同じくらい、あのバスケの席を欲しいと思ってるよ、だろ? でも、ここに住んでしまった後で、あの小さな部屋に住むことなんてできないよ! お前は「アルジャーノンに花束を」を読んでないのか[読まなかったのか]?)
ジョーイ: Yes! Didn't you ever read Sports Illustrated? No, I didn't read yours! But come on, we can go to the game tonight! (読んだよ! お前こそ、「スポーツ・イラストレイティッド」を読んでないのか? いいや、(やっぱり)お前の言った本を俺は読んでないよ! でも、なぁ、俺たち今夜、試合を見に行けるんだぞ!)

モニカとレイチェルは、チケットと部屋を交換する最後のチャンスだと言って、チャンドラーとジョーイに迫ります。
チャンドラーは、「遠慮する」と断るのですが、ジョーイはやっぱりチケットをあきらめきれません。
「今、交換するにはタイミングがパーフェクトなんだよ!」と言っていますが、その理由は、「トイレを詰まらせちゃったから」(笑)。
clog は「(管などを)詰まらせる」という意味で、フレンズ2-16その1 でも説明しました。

「たった今(ちょうど)トイレを詰まらせてしまった」という意味では、「少し前に詰まらせて、今でも詰まった状態である」ことから、本来であれば「現在完了形」が使われるところですが、アメリカ英語ではこのように、イギリスなら現在完了形を使うところを、あっさりと(簡単な)過去形で済ましてしまう、ということも多いですね。
just という副詞が入っているので、過去形であっても、現在完了形のニュアンスに近いことがわかる、ということでしょう。
トイレを詰まらせてそれを直すのが面倒くさいから、このタイミングでモニカたちに部屋を返しちゃおうよ、とジョーイは言いたいのですね。

チャンドラーは、今のこの広くてきれいな部屋に住んでしまった後で、元の小さな部屋には住めないよ、と言っています。
その後で、「お前は「アルジャーノンに花束を」を読まなかったか?」と言っていますね。
「アルジャーノンに花束を」は、日本語にも翻訳されている有名な小説ですね。
日本語では「アルジャーノン」という表記になっていますが、チャンドラーの発音は「アルジャノン」という感じです。

Wikipedia 日本語版: アルジャーノンに花束を

知的障害を持った青年チャーリィが脳手術によって天才になるお話です。
あらすじなどは、上のウィキペディアに詳しく書いてありますので、それをご覧になって下さい。

手術を受けて、さまざまな知識を身に付け新しい世界を知ってしまったチャーリィは、元の何も知らなかった頃の自分には戻れない、というような意味で、例えに出したのだと思われます。
何もわからなかった頃は、その現状に満足していた、でも、もっと素晴らしい世界があることを知ってしまったら、もう元には戻れないんだ、こんな大きくて快適な部屋で暮らすことに慣れてしまったら、今さら元の小さな部屋には戻れないよ、ということですね。

Didn't you ever read...? という否定の疑問文は、「読まなかったのか? 有名だからもちろん読んで内容を知ってるはずだろ?」というニュアンス。
Have you ever read...? だと「今までにそれを読んだことがあるか?」という「読んだ経験を尋ねる」文になりますが、今回の場合は、読んだかどうかを尋ねているというよりは、「当然読んでるよな? 読んでないってことはないよな?」という気持ちで「読まなかったのか?」と言っている感覚でしょう。

当然読んでて内容を知ってるだろ?みたいに言われたジョーイは、Yes! と答えます。
この yes はこれまで何度も説明してきましたが、否定疑問文に対して yes と答えるのは肯定の意味、すなわち、Yes, I read the book. 「ああ、その本は読んだ」という意味です。
「英語を英語のまま理解する」というのは、この Yes. を聞いて、「うん、(お前の言う通り)読んでない」ではなく、「読んだよ」という意味であることを瞬時に理解する、ということですね。
「Yes=はい」だと機械的に覚えていると、これを「はい」だと思ってしまい、チャンドラーの言った内容「読んでいない」を肯定しているかのように受け止めてしまいがちです。
こういう Yes / No の感覚は、実際に英語のセリフをたくさん聞いていると、自然に理解できるようになってきます。
難しい単語の意味をたくさん知っているよりも、こういう Yes / No の感覚をしっかりわかっていることが、ずっと大切だと私は思っています。
返事が肯定か否定かというのは、会話の中で大切なポイントなので、そこを勘違いしてしまうと、会話がおかしくなってしまうからです。

読んだ、と答えつつも、その本の内容には触れず、今度はジョーイが別の本の名前を出して、「お前こそ、この本を読んでないのか?」と言うのですが、その本のタイトルは、Sports Illustrated。
illustrated は「写真・さし絵入りの、図解付きの」なので、その名前を聞くだけでも、スポーツの写真などが載っている本(雑誌)だとわかりますね。

Wikipedia 日本語版: スポーツ・イラストレイテッド

日本語版の「概要」に書いてありますが、スポーツだけではなく、「水着特集(Swimsuit Issue)」というのがあるようです。
Sports Illustrated で検索すると、水着のおねーさんの表紙の画像がたくさんヒットしたのは、そういうわけだったのか、と(笑)。

「アルジャーノンに花束を」という小説を持ち出したチャンドラーに対して、「ニックスのチケットに心を惹かれないなんて、お前はスポーツ誌を読んでないのか?」と返したわけですが、その雑誌はそのような水着特集でも有名なので、ジョーイがいかにも好きそうな雑誌であるのが、セリフとして余計に面白いということでしょう。
チャンドラーは「何も知らない頃には戻れない」という例えで、有名な小説を挙げたのですが、それに対抗するためには、「また元の場所に戻って幸せな暮らしだってできる」というような小説でも挙げるしか勝ち目はないですね。
ジョーイの場合はそういうひねりも何もなく、ニックスを重要視しないチャンドラーに、「お前はスポーツ誌を読まないのか? どれだけニックスがすごいチームか、ニックスのコートサイドチケットにどれほどの価値があるのかわかってないのか?」みたいに返したので、ジョーイはその「アルジャーノンに花束を」の例えの意味が全くわかっていないことが判明するわけです。

それで、「さっきは読んだって言ったけど、やっぱり本当は読んでないよ、内容は知らないよ」と認めた上で、本の例えで対抗するのはあきらめて、チケットと交換したら、早速今晩、試合を見れるんだぜ!と力説しているのですね。


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2010年04月03日

もっとからかって欲しいの? フレンズ4-19その3

元の部屋を返してくれるなら、ニックスのシーズンチケットをあげる、と女性陣に言われたチャンドラーとジョーイですが、それをチャンドラーは断ります。
ですが、ジョーイはまだチケットをあきらめきれません。
ジョーイ: Come on. Season tickets! Season tickets! You know what that means? (なあ、シーズンチケットだ! シーズンチケットだぞ! それがどういう意味かお前もわかってるだろ?)
チャンドラー: Forget it. Okay? I'm not giving up the apartment. (もう忘れろよ、いいか? 俺はあの部屋を手放すつもりはないんだ!)
ジョーイ: Oh, come, look, when I was a kid, my dad's company gave season tickets to the No. 1 salesman every year, all right? My dad never won. Of course, he wasn't in the sales division. But still, I never ever, ever forgot that! (あぁ、なぁ、俺が子供の頃、俺のパパの会社は、毎年ナンバーワンのセールスマンにシーズンチケットをあげてたんだよ。俺のパパは一度もそれを勝ち取ることがなかった。もちろん、パパはセールス部門にはいなかったんだけどね。でも、それでも、俺は絶対に絶対にそのこと(シーズンチケットをゲットできなかったこと)を忘れなかった!)
ロス: (entering) Hey, guys! (They both notice his new little friend) ([セントラルパークに入ってきて] やあ、みんな! [チャンドラーとジョーイは二人とも、ロスの新しい小さな友達(ロスがしているイヤリング)に気づく])
ジョーイ: Hey! (おい!)
チャンドラー: Oh, my God! (何てこった!)
ジョーイ: We don't make enough fun of you already? (俺たちがお前をバカにするの、まだし足りないのか?[もっとバカにして欲しいのか?])

ニックスの大ファンであるジョーイはまだチケットにこだわっています。
今の広くてきれいな部屋を交換する、手放すつもりはない、というチャンドラーに、ジョーイは自分の子供の頃の話を聞かせます。
彼のパパの会社では、ナンバーワンの成績だったセールスマンは、シーズンチケットがもらえる、という制度になっていたのですね。
パパはそれを一度ももらったことがなくって…と言うのですが、その後、付け足しのように、「もちろんそれは、うちのパパがセールスマンじゃなかった、営業部門の人間じゃなかったから、当然なんだけど・・・」と言っています。
still 「それでもなお」、パパの会社で成績の良かった人はそういうのがもらえるって知って、すごくうらやましかった、ずっと俺は悔しい思いをしてたんだよ、その夢が今、叶おうとしてるんだよ!と言って、チャンドラーを説得しようとしているのですね。

ナンバーワン・セールスマンはシーズンチケットを貰えた…という話を聞いたあたりで、フレンズに詳しい人は、「ジョーイのパパはセールスマンじゃなかったはず…」とピンと来た方もいるかもしれません。
ジョーイのパパは、配管工(plumber)だという話は、配管工plumber フレンズ3-10その22 のセリフに出てきましたよね。

ロスは耳にイヤリングをして入ってきます。
ト書きでは、そのイヤリングのことを his new little friend と書いてありますが、見慣れないものをつけているので、そんな風に表現しているのですね。

このエピソードの最初の方で、エミリーに勧められてイヤリングをつけるようになったことが説明されるシーンがあります。
後のセリフでは、I got my ear pierced. 「僕は耳に(ピアス用の)穴を開けた」というセリフも出てきます。
ちなみに、日本語では耳にあけた穴に通して付けるイヤリングのことを「ピアス」と言いますが、英語ではそれは earring (または、pierced earring )と言うようです。
そういうピアス用のイヤリングを指す場合は、「ピアス」だけでは通じないみたいですね。
pierce は「・・・を突き通す、…に穴をあける」という動詞なので、ああいう形状のイヤリングそのものは指さないということです。

We don't make enough fun of you already? は現在形の否定形。
We make enough fun of you already. 「俺たちは、もうすでに、お前を十分バカにしている、笑い者にしている」という現在形を、否定した形です。
「もうすでに、お前のことを、十分笑い者にしてると思うけど、まだ十分じゃないの?」みたいなニュアンスですね。
「まだからかい足りないかな?」みたいな感じでしょう。

友達のロスに対しては、友達である気安さから、いろんなことでこれまでからかってきたけど、またそんな、からかいの対象になるようなもの(ピアスのイアリング)を付けて登場するなんて、お前は俺たちに、もっとからかってバカにしてもらいたいと思ってるのか?、今までの分じゃ、まだからかい足りないとでも言うのか?と言っているのです。


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2010年04月01日

そう来るとは思わなかった フレンズ4-19その2

モニカとレイチェルが、ジョーイとチャンドラーの部屋に入ってきて、
モニカ: Hey, guys, what-what should I wear to a Knicks game? (ねえ、ニックスの試合に何を着ていくべきかしら?)
チャンドラー: Uhh, a T-shirt that says, "I Don't Belong Here"? (「私はここにふさわしくない」って書いてるTシャツは?)
ジョーイ: You have Knicks tickets? (君たちはニックスのチケットを持ってるの?)
レイチェル: Yeah, my mom got my dad's season tickets in the divorce, so she just gave them to me. (ええ。離婚の時にママがパパのシーズンチケットをゲットしたのよ。それでママがそのチケットを私にくれたの。)
モニカ: Yeah, apparently, they're pretty good seats. (そうよ。どうやら、かなり良い席みたいだけど。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: (examining the tickets) Oh, my God! Those are almost right on the floor! ([チケットをよく見ながら] なんてこった! フロアのすぐ傍じゃん!)
レイチェル: Do you guys want these? (あなたたち、このチケット欲しい?)
ジョーイ: Yeah! (ああ!)
チャンドラー: Yeah, we do! (ああ、欲しいよ!)
レイチェル: Ohh, well, you got 'em. (ああ、そうね、あげるわ。)
ジョーイ&チャンドラー: All right! (よし!)
レイチェル: Just give us our apartment back. (ただ私たちの部屋を返してくれたらね。)
フィービー: Boy! I didn't see that coming. (まあ! そう来るとは思わなかったわ。)

普段はあまりスポーツに興味のなさそうな女性陣(モニカとレイチェル)が、バスケのニックスの試合に何を着て行ったらいい?と尋ねてくるので、チャンドラーは、"I Don't Belong Here" と書いたTシャツを着て行ったらいいんじゃない?と答えています。
a T-shirt that says の say は「(印刷物や掲示などに)…と書いてある」という意味ですね。
belong は、belong to の形では、「(…に)属する」という意味。
また、belong in などの形では、「(人・ものが)(ある・いるべきところに)ある・いる、ふさわしい」という意味になります。
belong here を直訳すると、「ここにいるのがふさわしい」ということなので、それを否定した don't belong here は「ここにいるのはふさわしくない、場違いである」という意味になります。
ですから、I don't belong here. は「私はここでは場違いだ、ここは私の来るところじゃない」というような感覚ですね。

フレンズ1-10その5 にも、"You belong in Minsk." 「あなたはミンスクにいるべき人よ」というセリフが出てきましたし、その時に、映画「インデペンデンス・デイ」の大統領(ビル・プルマン)のセリフ、"I belong in the air." 「空が俺の居場所なんだ」というセリフもご紹介しました。
そういう「”いるべきところに”いる」という感覚が belong なのですね。

スポーツに興味のない女性陣はニックスの試合を観戦してもただ場違いなだけだよ、と言いたくて、「場違い」だと書いたシャツを着れば?と言ったのですね。

離婚の時にママがパパからゲットしたシーズンチケットを見せるレイチェル。
Those are almost right on the floor! を直訳すると、「その席は、ほとんどまさにフロアの上!」みたいな感じでしょうから、バスケットコートのすぐ傍の席、コートサイドの席ということですね。

ニックスの、それもとても良い席のチケットを見せて、「欲しいならあげるわよ」と申し出るレイチェルたち。
喜んだ男性陣に対して、キツい調子で、Just give us our apartment back. と言うレイチェルに笑ってしまいます。
このチケットが欲しいなら、文句を言わずに(元々は女性陣の部屋だった)この部屋を私たちに返しなさい、ということです。
喜んでいたジョーイとチャンドラーが、それを聞いてひるむのも面白いですし、観客からも「よくぞ言った、レイチェル!」のような拍手と歓声が上がっています。

フィービーの、I didn't see that coming. を直訳すると、「それが来ることがわからなかった」という感じでしょうか。
まさに日本語の「そう来るとは思わなかった」「そう来たか」と同じ感覚です。
男子なら欲しくてたまらないチケットを見せびらかしに来たのはそういうことだったのね、そういう展開になるわけか、と面白がっている感じですね。


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2010年03月30日

あなたの愚痴にはうんざり フレンズ4-19その1

シーズン4 第19話
The One with All the Haste (ロスのプロポーズ)
原題は「全く急ぎの話」

賭けに負けたため、男性陣と女性陣は部屋を交換しました。(フレンズ4-12)
土曜日の朝早くから、隣のアパートの男性が大声で歌を歌っているのが聞こえて、レイチェルはすっかりキレてしまいます。
レイチェル: I hate this apartment! I hate the color of these walls! I hate the fact that this place still smells like bird! I hate that singing guy! (このアパート(の部屋)、大嫌い! この壁の色も大嫌い! この場所はまだ鳥みたいな臭いがするってことも大嫌い! あの歌う男も大嫌い!)
ジョーイ: Are you kidding? I love that guy! (Starts singing) Morning's here! Morning is here.... (冗談だろ? あの人大好き! [歌い始める] ♪朝が来たー 朝が来たー♪)
レイチェル: Stop it! I will kill you. I hate the fact that my room is so small. (やめて! 殺すわよ。私の部屋がとても狭いってのも大嫌いよ。)
モニカ: Hey, I have all the space I need. Just do what I did. (ねぇ、私には必要なスペースが十分あるわ。私がしたことをただあなたもしなさいよ。)
レイチェル: Monica, you don't even have a bed. You sleep in a ball on the floor! (モニカ、あなたはベッドさえないじゃない。あなたは床で丸まって寝てるのよ!)
モニカ: Y'know what? I am really tired of your bellyaching, okay? I've worked really hard at making this a nice place for us to live. (ねえ。私はほんとにあなたの愚痴にはうんざりよ、いい? この場所を、私たちが住むのに快適な場所にするのに、私は本当に一生懸命働いたのに。)
レイチェル: I know. I'm so sorry. I'm sorry, okay? (そうよね。本当にごめんなさい。ごめんなさい。ね?)
ジョーイ: See, this is a great apartment! (なあ、ここは素敵な部屋だよ!)
モニカ: Shut up! This place is a hole! (黙れ! この場所は(穴みたいに)ひどい場所よ!)

隣の男性の歌声にキレたレイチェルは、男性陣と交換した今のこの部屋がどんなに嫌いかということを次々と挙げていきます。
「まだ鳥の臭いがする」というのは、ジョーイたちがこの部屋でニワトリとアヒルを飼っていたからですね。

「あの歌う男も嫌い!」と叫ぶレイチェルに、「うそだろ? 俺はあの人大好きだよ」と言って、彼が歌っている歌をジョーイも真似して歌ってみせます。
この Morning's here という歌ですが、どうやらチャック・マンジョーネの Feel So Good のメロディーに乗せて歌っているようですね。
Feel So Good はボーカルなしの楽器演奏のみの曲なので、そのメロディーに適当な歌詞を付けているということでしょう。

フィール・ソー・グッド (チャック・マンジョーネ)
フィール・ソー・グッド

Amazon では、「試聴用サンプル」で曲を視聴することができます。
興味のある方は、あの男性が高らかに歌う ♪ Morning's here ♪ のメロディーと同じであることを確認してみて下さい。

チャック・マンジョーネは、フレンズ3-25その6 のセリフに登場しました。
フィービーがパパだと思った写真の人は、チャック・マンジョーネだった、というセリフでしたね。

部屋も狭いと文句を言うレイチェルに、モニカは「レイチェルも私の真似をしなさい」と言っています。
You sleep in a ball on the floor! ですが、「床のボール(球)の中で眠る」というのは意味不明なので、これは恐らく、「床の上で、球のような形になって丸まって眠る」ということだろうと思います。
女の子なのでたくさんの服を入れるための衣装ダンスなどを入れてしまうと、ベッドも入らないのでしょうね。
だから床に寝ているのでしょうが、ベッドを入れなくてもまだ狭くて、床の上でも丸まって寝ないといけないほどの状態じゃない!とレイチェルは言いたいのだろうと思います。
「床の上で寝ている」だけではなく「床の上で丸くなって寝ている」と表現することで、さらにその場所の狭さを強調しているのだろうと思います。

文句ばかり言うレイチェルに、今度はモニカがキレます。
bellyache は belly 「腹」 ache 「痛み」で、元々は「腹痛」という意味。
このように動詞として使うと、「くどくど・しつこく・しきりに愚痴・不平・不満を言う」という意味になります。
あなたはそうやって文句ばかり言ってるけど、この部屋を住みやすくするために掃除したりして頑張ったのは私なのよ、とモニカは怒っているのですね。
確かにそうだったと気づいたレイチェルは素直に謝ります。
仲直りした二人を見て、「そうだろ、この部屋はそんなに悪くないよ、いい部屋だよな!」みたいに言うジョーイですが、モニカは、この部屋は a hole だと返します。
hole はご存知「穴」ですが、「(穴のように)小さくて狭くてひどい場所」という意味もあります。
hole には「小動物の住まいである巣穴」という意味がありますので、そこからの連想なのでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hole :
7. UNPLEASANT PLACE (informal) a place for living in, working in etc. that is dirty, small, or in bad condition.

つまり、「不快な場所。そこに住んだりそこで働いたりする場所が、汚い、小さい、または悪い状態である」

やはりモニカも不満だらけらしく、「あんたにそんなこと言われたくないわ! やっぱりこの部屋は最低よ!」と言いたいのですね。


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2010年03月28日

名無しの男クリント フレンズ4-18その6

ジョーイとチャンドラーは、フィービーのお腹の子供に自分の名前をつけてもらおうと、フィービーにアピールしますが、その際に、ジョーイは「チャンドラーなんてばかげた名前だ」と言ってしまい、チャンドラーはまだそのことを気にしています。
ジョーイ: Dude, I am sorry about what I said. (なあ、あんなこと言ってごめんよ[俺が言ったことについては、悪かったと思ってる]。)
チャンドラー: Nope, nope, you're right. It is a ridiculous name! (いや、いや、お前は正しいよ。ばかげた名前だよ!)
ジョーイ: It's not that bad. (そんなに(お前が言うほど)ひどくないよ。)
チャンドラー: Yes, it is! From now on, I have no first name. (いや、ひどいよ! 今から、俺は名前(ファーストネーム)のない人間になる。)
ジョーイ: So, you're just Bing? (それじゃあ、お前はただのビング?)
チャンドラー: I have no name. (姓名[名字も名前も]なしだ。)
フィービー: All right, so, what are we supposed to call you? (いいわ。それじゃあ、私たちはあなたを何て呼ぶことになるのかしら?)
チャンドラー: Okay uh, for now, temporarily, you can call me... Clint. (よし、うーんと、今から、一時的に、俺をこう呼んでくれたらいいよ… クリントだ。)
ジョーイ: No way are you cool enough to pull off "Clint." (お前は全然、クリントって柄(がら)じゃないよ[クリントって名前にふさわしいほどにかっこ良くないよ]。)
チャンドラー: Okay, so what name am I cool enough to pull off? (よし。それじゃあ、俺がそれに十分ふさわしい名前は何だ?)
フィービー: Umm, Gene. (うーんと、ジーン。)
チャンドラー: It's Clint. It's Clint! (He heads for his bedroom.) (クリントだ。クリントだ! [チャンドラーは自分の寝室に向かう])
ジョーイ: See you later, Gene. (また後で、ジーン。)
フィービー: Bye, Gene. (じゃあね、ジーン。)
チャンドラー: It's Clint! Clint! (クリントだ! クリント!)
ジョーイ: What's up with Gene? (ジーンは(一体)どうしたんだ?)

チャンドラーという名前をジョーイにバカにされたチャンドラーは、もう俺はファーストネーム無しになる!と言っています。
それじゃあ、ただのビングになるのか?と言われて、それもいやだと思ったチャンドラーは、姓名共に無しの、全くの名無しになる!と宣言しています。
日本語では、ファミリーネームは、「名字・苗字(みょうじ)」と言いますが、ファーストネームの方は「名前」と言うので、「名前」という日本語だと、ファーストネームだけなのか、姓名両方なのかがわかりにくいですね。
今回のように、first name と name の違いを出すことが必要な場合は、特にややこしいです。

「名前無し、名無し」になる!と言われても、何かしらの呼び名がないとフレンズたちも困ってしまうので、何て呼んだらいいのかしら、何て呼ぶことになるかしら?とフィービーは尋ねています。
チャンドラーはしばらく考えた後、クリント(Clint)という名前を挙げていますね。

クリントという名前の響きがかっこいいからその名前を出した、という感じもするのですが、実は、「名無しの男」→「クリント」という流れは、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)の映画での役柄から来たもののようです。

Wikipedia 英語版: Clint Eastwood
ウィキペディアの最初の部分に以下の説明があります。
he went on to star as the Man With No Name in the Dollars trilogy of Spaghetti Westerns
つまり、「マカロニ・ウエスタン(イタリアで作られた西部劇)の「ダラーズ[ドル]三部作」での「名前のない男[名無しの男]」としてクリントはスターになった」

Dollars trilogy とは、The Man with No Name Trilogy とも呼ばれている映画三部作のことで、以下の3作品を指します。

A Fistful of Dollars (邦題:荒野の用心棒)
For a Few Dollars More (邦題:夕陽のガンマン)
The Good, the Bad and the Ugly (邦題:続・夕陽のガンマン/地獄の決斗)

イタリア人のセルジオ・レオーネ(Sergio Leone)監督により作られた、クリント・イーストウッド主演の西部劇です。
この映画をきっかけに、マカロニ・ウエスタンというジャンルが人気になるのですね。
このようにイタリアで作られた西部劇を日本語では「マカロニ・ウエスタン」と呼んでいますが、英語ではそれを Spaghetti Westerns (スパゲティ・ウエスタンズ)と呼んでいるのも興味深いところです。

はっきりと「三部作」として作られたものではないようですが、その三作では、クリント・イーストウッドが名無しの寡黙なキャラとして登場しているので、シリーズものとして捉えられているようです。
3つのうち、2つのタイトルに、Dollars という単語が入っているので、Dollars trilogy と呼ばれているようですね。

その「名無しの男」については、詳しくは以下で。
Wikipedia 英語版: Man with No Name
そのウィキペディアの Name という項目に詳しく書いてあるのですが、クリント演じる「名無しの男」は、三部作それぞれの映画の中で、それぞれ別のニックネームで呼ばれています。
(1作目は Joe (ジョー)、2作目は Manco (モンコ)、 3作目は Blondie (ブロンディー)。)
でもそれはあくまでも「あだ名、呼び名」であって、彼の本当の名前ではない、という設定だそうです。

Wikipedia 日本語版: 続・夕陽のガンマン
の「概要」という項目にも、「「名無し」役は三つの仇名で呼ばれる」「三作とも単なる仇名である」という記述があります。

ですから、チャンドラーが、「俺は名無しの男になる」→「クリントと呼んでくれ」と言ったのは、この有名な映画三部作で、クリント・イーストウッドが、the Man With No Name という役柄を演じていたことが出典であるのは恐らく間違いないでしょう。

「俺をクリントと呼んでくれ」と言うチャンドラーに、ジョーイは、No way are you cool enough to pull off "Clint." と言っています。
no way は「決して…ない」という強い否定です。No way! と単独で使うと、「とんでもない! 絶対だめだ! いやだ!」という意味になりますよね。
No way are you cool enough... という文章で、are you と倒置になっているのは、「否定語が文頭に来た場合は倒置(否定語+V+S)になる」という文法事項に則ったもの。

pull off は、「(難しいこと・困難なことを)見事に・うまく・首尾よくやってのける、成功させる」という意味があります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pull off (phrasal verb)
1. pull something off / pull off something (informal) to succeed in doing something difficult
例) The Huskies pulled off a win in Saturday's game.

つまり、「何か難しいことに成功すること」。例文は、「ザ・ハスキーズは、土曜日の試合に見事に勝利した。」

ですから、you are cool enough to pull off "Clint" は「クリントという名前を見事にこなすのに十分なほどかっこいい」となるので、それを no way で完全否定したジョーイのセリフは、「お前はクリントって名前にふさわしいほどかっこよくない、クリントって柄(がら)じゃないよ」と言っているのですね。

じゃあ、どんな名前ならふさわしいんだ?と返すチャンドラーに、フィービーは Gene という名前を出します。
Gene と言えば、「雨に唄えば」(1952)の Gene Kelly (ジーン・ケリー)や、「フレンチ・コネクション」「ポセイドン・アドベンチャー」などの Gene Hackman (ジーン・ハックマン)などがいますよね。

名前の持つイメージ(どういう名前がかっこ良くて、どういう名前がダサいか)は、ノンネイティブにとってはわかりにくいところです。
この場合も、クリント・イーストウッドのようなかっこいいイメージの「クリント」に比べて、それよりはかっこよくない感じの名前として「ジーン」という名前を挙げた、という可能性もありますが(全世界のジーンさま、お許しを)、いろいろ調べてみて、これも、クリントつながりの名前なのかなぁ?という気もしてきました。

英語の解釈から離れて、ただの趣味の世界に入ってしまいますが、「クリント」から「ジーン」という名前に繋がった経緯を、私なりに考えてみましたので、それを以下に説明しておきます。(自信はありませんが、一つの仮説として。)

上に名前が出たジーン・ハックマンですが、1992年のクリント・イーストウッド監督の映画「許されざる者」(原題:Unforgiven)で、主演のクリントと共演しています。
Wikipedia 日本語版: 許されざる者 (1992年の映画)

この映画はアカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞し、ジーン・ハックマンは助演男優賞を受賞しています。

この映画で、ジーン・ハックマンは、悪役の保安官ビル・ダゲットを演じています。
その設定を考えると、「あなたはクリントっていうよりジーンよ」と言ったフィービーの頭の中には、この「許されざる者」の映画の配役のイメージがあったのでは?と思うのですね。
今回の フレンズ4-18 は、1998年4月に放映されたもので、1992年の「許されざる者」の後になりますから、その映画からの出典も十分考えられると思います。
つまりフィービーは、「あなたは主役のかっこいいクリント(・イーストウッド)じゃなくて、どっちかって言うと悪役のジーン(・ハックマン)の方が合ってるわ」と言いたかったのかなぁ、と。

ジーンと言われたのが気に入らないチャンドラーは、「クリントだ!」と頑張るのですが、ジョーイとフィービーは、もうジーンで決まりだ、とでも言うように、「じゃあね、ジーン」などと声を掛けているのが面白いです。
怒って寝室に入ってしまったチャンドラーを見て、「ジーンのやつ、一体どうしたんだ? 何怒ってんだ?」みたいに、まだ「ジーンねた」をしつこく引っ張っているのも楽しいですね。


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2010年03月26日

食事はその後で フレンズ4-18その5

ジョシュアのパパ(Mr. Burgin): So, have you kids eaten yet? (それで、君たちはもう食事をした?)
レイチェル: Well, we were going to do that after. I mean umm, next. (えーっと、私たちは後でそうする[食事する]つもりだったんです。つまり、その、次に。)
ジョシュアのパパ: Well, we're starving. Why don't we all go get something to eat? (そうか、私たちも腹ペコなんだよ。みんなで何か食べに行かないか?)
レイチェル: Oh, yeah, well.... Yeah, no use wasting this baby just lyin' around the house. (あぁ、そうですね、ええ、そうですわ。ただ家で寝転がっていて、このベイビーを無駄にするなんて、もったいないですよね。)
ジョシュアのパパ: So.... We'll go eat. (それじゃあ…食事に行こう。)
レイチェル: Yes. (はい。)
ジョシュアのパパ: You'll wear that. We'll be eating and, of course, you'll be wearing that. (君はそれを着るんだよ。私たちは食事をしている間、もちろん、君はそれを着ているんだ。)

ジョシュアを誘うために着ていたセクシーな服(下着 or ネグリジェ)を、ミラノで流行っている最先端のドレスだと説明したレイチェル。
ジョシュアのパパに、「君たち二人はもう食事は済ませたのか?」と尋ねられた時の、レイチェルの返事が面白いです。
We were going to do that after. と言って、慌てて next と訂正していますね。
after は「後で」ということで、つまりは「何かをした後で食べる予定だった」ということ。
実際に、両親が帰ってくるまでは、食事は後にして先にエッチをしようという予定だったので、ついそのことをポロッと言ってしまったのですね。
「(何かの)後で食べる予定だった」という意味で after という言葉を使ってしまうと、食事の前にすべきことがあった、食べる前に何か別のことをしようとしていたことがわかります。
そして何しろレイチェルがそういうセクシーな格好をしているわけですから、何をしようとしていたかもおのずと想像されてしまいますね。
それで、やばっ!と思ったレイチェルは、after を慌てて訂正し、next 「次に」、つまり、「今から、これから」食べようとしていたところなんです、と言い直したのですね。

実際に「エッチをする」というような言葉は一切使っていないけれど、その after の一語だけで観客は笑えてしまうわけです。
その面白さを英語のセリフから直接感じ取っていただければと思います。

We're starving. は「お腹が減った、腹ぺこだ」という意味。
starve は「餓死する、飢え死にする」「飢える」という自動詞で、このように現在進行形で「ものすごくお腹が減っている、腹ぺこである」という意味でよく使われます。
Why don't we...? は「…しないか? …しませんか?」と人を誘う、勧誘する時のお決まりフレーズですね。
go get something to eat は go (and/to) get something to eat で、「食べ物をゲットしに行く」。
文脈によっては、外で何か食べるものを買ってくる、という意味にもなりそうですが、この場合は、「外で食事しよう」という意味のようですね。eat out と同じニュアンスだと思います。

そう提案されて、レイチェルは言いよどみながらもそれに賛成しています。
this baby がどれを指すのかははっきりと仕草では示されていませんが、恐らくレイチェルの着ているセクシーな服のことでしょう。

no use doing は「…しても何もならない、役に立たない、無駄だ」。
waste は「浪費する、無駄にする」
lie around the house は「家でごろごろする、寝転がる」というようなニュアンス。
ですから、レイチェルのセリフは、「家でゴロゴロして、このベイビー(服)を浪費するなんて無駄ですものね」という感じになるでしょう。

lie around the house という表現は、「(エッチができずに)ただ家でぼーっと過ごす」というニュアンスに、「この下着を着て、ジョシュアと一緒に寝転がる」というニュアンスも含ませたものであるようにも思えます。
「家でゴロゴロするなんて、この服を浪費するだけで無駄なことだ」と言っているのですが、実際は彼とゴロゴロイチャイチャするために使おうと思っていた服がこの状況では使えないので、「どの道、この服は効果的には使えない」→「服を浪費するだけ」と表現したように思うのです。
「どうせ家で何をするでもなく時を過ごすだけですから外で食事もいいですわね」と返事しているように見えて、「このままじゃどうせジョシュアと寝転んでイチャつけないんだから、別に外出しても構わないわ」みたいなあきらめのセリフにもなっているように思えるということです。

ジョシュアのパパは終始ニコニコしていて、レイチェルのその姿がいたく気に入ったご様子。
外で食事する時も、君はその服を着るんだよ、と念押ししているのが面白いです。
will be eating は未来進行形で、その未来の時(この場合は外食している時)に、その動作が進行していることを示します。
外食中に、そこで私たちは食事をしていて、そしてもちろん君は、その服を着ているんだよ、という感じです。

ちなみに、ジョシュアのパパ役のジョン・ベネット・ペリーは、チャンドラー役マシュー・ペリーの実のお父さんだということを、フレンズ4-18その4 で解説しましたが、この最後のセリフ、You'll be wearing that. と言う時に、手を前に出す仕草とその表情が、何となくマシュー・ペリーに似ているような気がしました。(私だけ…?)


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2010年03月23日

あのお金は食費だったのに フレンズ4-18その4

ジョシュアはレイチェルを自分の実家に連れてきます。
その実家が大邸宅だったのでレイチェルはびっくり。
ジョシュアの両親は旅行中のため不在のはずだったのですが、その両親が旅行を早く切り上げて帰ってきてしまいました。
それを知らないレイチェルは、セクシーなレースのネグリジェ(or 下着)で、ジョシュアを誘惑しようとソファに座っていたところを、ジョシュアの両親に目撃されてしまいます。
ジョシュア: Uhh, Rachel, my parents. (あー、レイチェル。僕の両親だ。)
レイチェル: Ohh! So nice to meet you. (She goes over and shakes their hands.) Hello. (まあ! お会いできて光栄です。[両親のところに行って、握手する] こんにちは。)
ジョシュアのパパ(Mr. Burgin): Hi. (やあ。)
レイチェル: Hello. (こんにちは。)
ジョシュアのママ(Mrs. Burgin): Hello. Well, Joshua, that $500 was for groceries. (こんにちは。ねぇ、ジョシュア、あの 500ドルは、食料品(や日用品)のためだったのに[食料品・日用品を買うために渡した 500ドルだったのに]。)
レイチェル: What? This, this? Oh, no, oh no, no-no-no, this is not... that's not, that's not what it is. See, see, okay, I work in fashion. See and, and, this is a real dress, actually. It's, it's, they're, they're wearing it in Milan. So part of my job is to wear the clothes and then I see how people respond. And then I report back to my superiors at Bloomingdale's. So.... And obviously, in uh, in-in this case, (She grabs a pen and paper) I am going to report back: "U.S.A. not ready." (何ですか? これ、これ[この服]ですか? あぁ、違う、違う違う違う違うんです。これは違う、そういうものじゃないんです。あの、私はファッション業界で働いているんです。それで、これは本物のドレスなんです、実際に。それは… ミラノの人はそれを着ているんです。それで、私の仕事は、その服を着て、それから人々がどのように反応するかを見ることなんです。その後、ブルーミングデールズの私の上司に報告するんです。それで… 明らかに、今回の場合は、[レイチェルは(そばの台に置いてあった)ペンと紙を掴んで] 私はこのように結果を報告します。「アメリカはまだ(このドレスを受け入れる)準備ができていない。」)

セクシーにジョシュアを誘おうとしていたところを両親に見られ、気まずい空気が流れます。
レイチェルが着ているのは、紫と黒のレースのランジェリー(下着)のように見えるのですが、ト書きには、a lace nightie 「レースのネグリジェ」と書いてあります。
ネグリジェなのか下着なのかはともかく、いずれにしろ、露出度の高い、限りなく下着に近い衣装です。

気まずいながらも、レイチェルは、ジョシュアの両親と挨拶を交わします。
ジョシュアのママのセリフ、That $500 was for groceries. は、短い文章ながら、なかなか辛辣ですね。
groceries は「食料品や日用品」。このように複数形で使います。
直訳すると、「あの 500ドルは、食料品(や日用品)のため[を買うため]だった」ということ。
自分たち両親が旅行で不在になるため、事前に渡しておいたあの 500ドルは食費だったのに、という感じです。
つまり、「食費に渡したはずの 500ドルをジョシュアは別のことに使ったのね」と言っているのですが、それは暗に、目の前で露出の多いセクシーな格好をしているレイチェルを指して、「ジョシュアはその 500ドルで、この女性を買ったのね」と言っていることになりますね。
ジョシュアのママはレイチェルのことを、売春婦(a hooker, a whore)だと思っているわけです。

そのママのセリフから、自分がそういう「お金で買われた女性」であると誤解されたことに気づいたレイチェルは、「この服からそう判断されたのかもしれませんが、これはそういう服ではなくて、これは本物のドレスなんですよ・・・」と必死に弁解する流れになります。

ママは「あの 500ドルは食費だったのに」としか言っていないのですが、それだけで、「食費に渡しておいた 500ドルなのに、あなたはそれをこの女性を買うのに使ってしまったのね」と言いたいことがわかる、そこがこのセリフのポイントですね。
「あなたはお金で女性を買ったのね」とダイレクトには言わないところがセリフとしてしゃれていると思うし、そういう遠回しなニュアンスを英語のまま理解することが、「英語のセリフを楽しむ」ということだと思うのです。
ママはそのセリフで、ジョシュアが女性をお金で買ったことを示唆し、それを聞いたレイチェルも瞬時にそのセリフの意味を理解して、なんとか誤解を解こうとしている、そのやり取りを楽しんでいただけたらと思います。

また、レイチェルの必死の言い訳も面白いですね。
this というのは自分の着ている下着のような服のことで、この衣装を見てママが誤解したことがわかったので、どうして自分はこういうものを着ているのかを説明します。
a real dress というのは、「本物のドレス」ということで、とてもドレスには見えないと思いますけど、これは立派なドレスなんです、と主張しているのですね。
Milan はイタリアのミラノですね。英語では「ミラーン」という感じの発音になります。
本当はジョシュアを誘惑するための服なのですが、自分は本当にファッション業界の人間であることを利用して、これは最先端のドレスで、ミラノでは実際にこのドレスを人々は着ているんです、などと嘘をでっちあげています。

そして、ファッション業界で働く人間として、私はこの服を着て人々の反応を見て、その結果を上司に報告するという仕事をしているんです、と説明しています。
今、その結果が出た、という感じで、レイチェルは近くにあったペンとメモを取り、上司にはこのように報告することにします、と言った後、声に出しながらメモを書きます。

"U.S.A. not ready." は、U.S.A. is not ready. ということで、「アメリカはまだ準備ができていない」。
ミラノでは受け入れられているけれど、アメリカではこれをまだドレスとしては認識してもらえず、売春婦か何かかと誤解されてしまう。だから、このドレスをアメリカに持ち込むのはまだ早い、という感じですね。
実際に、アメリカの人の前で着てみたところ、まだ受け入れられる段階ではない、という貴重な結果が出ましたわ、このことを上司に報告しますわね、と言って、その場をごまかした、ということです。

ちなみに、ジョシュアのパパである、Mr. Burgin を演じているジョン・ベネット・ペリー(John Bennett Perry)は、チャンドラー役マシュー・ペリーの実のお父さんです。
Wikipedia 英語版: John Bennett Perry
IMDb: John Bennett Perry

ウィキペディアによると、何度か息子のマシュー・ペリーと共演したことがあるようですね。
今回のフレンズのことも書いてあります。(同じシーンでご対面することがなかったのは残念でしたが…)

ジョシュアのママは露骨にいやな顔はしないまでも、上のセリフのようにレイチェルのことをよく思っていないことがわかりますが、ジョシュアのパパの方は、レイチェルのセクシーな姿を見て嬉しそうな顔をしています。
資産家のご主人という設定ながらも、レイチェルにニヤニヤしてしまうところが何だか可愛くて、チャンドラー役のマシュー・ペリーの実のお父さんだと言われればそうかもなと思えるような共通点も感じられる気がしました。


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2010年03月19日

三面記事の有名人と同名 フレンズ4-18その3

フィービーは今、弟フランク夫婦の代理母になっています。
代理母として、みごもっている三つ子ちゃんの一人の名前を考えて欲しいと言われ、どんな名前にしようか考えているところ。
フィービー: So, I decided I'm definitely going to go with either Joey or Chandler. (それで、絶対にジョーイかチャンドラーかのどちらかでいこうって決めたわ。)
ジョーイ: Oh! Oh-oh, you gotta pick Joey! I mean, name one famous person named Chandler. (ああ! あぁ、ジョーイを選ばなくちゃだめだよ! だって、チャンドラーって名前の有名人の名前を一人、挙げてみてよ。)
チャンドラー: Raymond Chandler. (レイモンド・チャンドラー。)
ジョーイ: Someone you didn't make up. (でっちあげじゃない誰かだよ。)
チャンドラー: Okay, there are no famous Joeys. Except for, huh, Joey Buttafucco. (それじゃあ、有名なジョーイって名前の人間もいないぞ。あー、ジョーイ・バタフッコを除いてはね。)
ジョーイ: Yeah, that guy really hurt us. (ああ、あいつのせいで、俺たちは本当に傷ついたんだ。)
フィービー: Well, how about a compromise then, okay? What if it's like y’know, Chan-no-ey? (そうねぇ、それなら、歩み寄るのはどう? 例えばこういうのだとどうかしら? チャン・ノウ・イーとか。)

フィービーは、お腹の子供の名前について、ジョーイかチャンドラーかのどちらかにする、と言っています。
go with を直訳すると「…と一緒に行く」ということで、ここでは「…(の線)で行く」という感覚ですね。
それを聞いたジョーイとチャンドラーの二人は、やはり自分の名前をつけてもらいたくて、お互いに相手の名前より自分の名前の方が良いことをアピールしようとします。

Name one famous person named Chandler. は、最初の name も、後ろの named も、どちらも動詞として使われていますね。
最初の name の方は「名前を挙げる」という意味。
後ろの named は「人に…という名前をつける、人を…と名づける」という他動詞の過去分詞形で、person named Chandler は「チャンドラーという名前をつけられた人」という意味になります。
つまり、「チャンドラーという名前をつけられた一人の有名な人の名前を挙げてみろ」→「チャンドラーという名前の有名人を一人挙げてみろ」ということです。
ジョーイは、「チャンドラーなんてつまらない名前だよ。有名人でそんな名前のやついるか?」と言いたいのですね。

そこですかさずチャンドラーは、得意気な顔で「レイモンド・チャンドラー」と答えます。
レイモンド・チャンドラーは有名なアメリカのハードボイルド作家ですね。
Wikipedia 日本語版: レイモンド・チャンドラー
レイモンド・チャンドラーの作品 The Long Goodbye は、清水俊二さんが翻訳された「長いお別れ」の他に、あの村上春樹さんが「ロング・グッドバイ」というタイトルで翻訳されたものもあります。
ですから、レイモンド・チャンドラーは、日本人の間でも有名な作家だと言えるでしょう。
ちなみに、1973年に The Long Goodbye (邦題:ロング・グッドバイ)のタイトルで映画化もされています。
主人公の探偵フィリップ・マーロウ役はエリオット・グールド。フレンズで、ロス&モニカのパパであるジャック・ゲラーを演じている俳優さんですよね。

チャンドラーという有名人を挙げろと言われて、その通り、超有名人を挙げたチャンドラーですが、その後のジョーイの返しが面白いです。
make up は「作り上げる」ですから、この場合は「(ないものを)でっち上げる」という感覚。
Someone you didn't make up. を直訳すると、「お前がでっちあげたのではない誰か(だよ)」ということで、つまり、「レイモンド・チャンドラーだなんて、適当な名前をでっちあげないで、ちゃんとした実在の人物の名前を挙げろよ」とジョーイは言いたいのですね。
このセリフから、ジョーイは、超有名作家である、レイモンド・チャンドラーの名前を知らないことがわかります。

レイモンドを知らないと話にならないので、今度はチャンドラーが、「じゃあ、お前のジョーイって名前の方はどうなんだよ? ジョーイって名前の有名人もいないじゃないか。…を除いてはね」と言って反撃しています。
Joeys は、「ジョーイという名前の人」を複数形にしたもの。

ジョーイなんて有名人は、ジョーイ・バタフッコしかいない、というチャンドラーに対して、ジョーイは、Yeah, that guy really hurt us. と残念そうな言い方をしています。
これも直訳すると、「そうだな、あの男は本当に俺たちを傷つけた」ということで、us は自分と同じジョーイという名前の人々を指しています。
hurt は自動詞だと「痛む」で、他動詞だと「…痛める、けがをさせる」「(評判・感情などを)傷つける」「損害を与える、害する」という意味になります。
今回の hurt us は、物理的、肉体的に傷つけるのではなくて、ジョーイという名前の人たちを精神的に傷つける、という感覚ですね。

チャンドラーの挙げたバタフッコという人物がどんな人が知らなくても、チャンドラーが「ジョーイって名前の有名人はバタフッコくらいしかいないじゃないか」「ああ、そいつのせいで、俺たちジョーイって名前の人間は心を痛めてるんだよ、迷惑をこうむってるんだよ、いやな思いをしてるんだよ」というやり取りから、同名であることが名誉であるような人物ではない、ということがわかります。

英語の解釈としては、「同じ名前であることを名誉なこととして自慢できないような、そういう名前の有名人がいる」ということがわかればそれで良いわけですが、せっかくなので、その人物がどういう人かをここで紹介しておきましょう。
フレンズのセリフで名前が出てきて、観客が「ああ、あの人」とピンと来るぐらいの有名人ですから、やはり、ウィキペディアにありました。
Wikipedia 英語版: Joey Buttafuoco

ウィキペディアの最初の説明部分を以下に引用させていただきます。

Joseph A. "Joey" Buttafuoco (born March 11, 1956) is an American auto mechanic who made headlines in 1992 for his affair with then-underage Amy Fisher (born August 21, 1974), who subsequently shot Joey's wife, Mary Jo Buttafuoco (born May 15, 1955), in the face.

生年月日は省略した上で訳しますと、
「ジョセフ・A (ジョーイ)・バタフッコは、アメリカ人自動車整備士で、1992年に、当時未成年だったエミリー・フィッシャーとの情事で新聞をにぎわせた人物。エイミーはジョーイと関係を持った後、ジョーイの妻であるメアリー・ジョー・バタフッコの顔を銃で撃った。」

つまり、そのジョーイ・バタフッコという人物は、エイミーという未成年と関係を持っていて、そのエイミーがジョーイの妻を拳銃で撃ったために新聞に大きく取り上げられ、有名人になってしまった、ということのようです。
ウィキペディアでは、Incident として、その衝撃的な事件の内容が書かれています。
まとめさせていただくと、
「妻のメアリーは顔を撃たれたにもかかわらず、自分を撃った人物が着ていたTシャツがどんなものであったかを証言した。そのシャツは、バタフッコが情事の相手であるエイミーにあげたプレゼントだったので、妻を撃った狙撃者はエイミーであることがわかった」
ということだそうです。

そういうセンセーショナルな事件のため、夫であったジョーイの名前は一躍有名になり、その事件の後も、テレビショウなどのメディアに何度も登場しているようです。
そういう事件の中心人物である人と同名、ということは、自分たちジョーイという名前の人間にとっては、あまり嬉しいことじゃないよ、同名の人として彼の名前が出るせいで、俺たちは傷つくんだよ、とジョーイは言いたいようですね。

上のウィキペディアの下にある、Categories というところには、American people of Italian descent 「イタリア系アメリカ人」という記載があります。
Joe という名前は、典型的なアメリカ人男性Joe フレンズ3-12その21 でも触れたようにアメリカでよくある名前ですが、これが、イタリア系の Joey になると人数が少なくなってしまい、有名人を探すのが難しくなってしまう、という感じなのでしょうか?
Joey という名前の有名人は他にもいそうな気がしますが、今回のセリフではジョーイが聞いたら嬉しくない名前を、チャンドラーがわざと挙げた、ということなのでしょうね。
日本でも人気のアメリカのシットコム「フルハウス」(Full House)では、男性メインキャラ3人のうちの1人のコメディアンは、Joey という名前で呼ばれていますよね。(彼の正式な名前は、ジョゼフ・アルヴィン・グラッドストーン(Joseph Alvin "Joey" Gladstone)。)

ジョーイとチャンドラーがお互いの名前をけなし合うので、それなら a compromise 「妥協、歩み寄り」をしたらどう?とフィービーは提案しています。
そこで出した案が、Chan-no-ey。
文字を見てわかるとおり、Chandler と、Joey の名前を半分ずつくっつけた名前です。
二つの名前のどちらか決められなくて、二つを合体させた名前を考える、というのは日本語のコメディーでもありそうな発想ですが、発音が、「チャン・ノウ・イー」みたいな感じで、なんだか中国系の人にありそうな名前に聞こえるのも楽しいところです。


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posted by Rach at 11:50| Comment(11) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

私は何の料理を作ってる? フレンズ4-18その2

今夜はジョシュアと初めて過ごす夜、ということで興奮気味のレイチェル。
レイチェル: I'm so exited! I've been waiting for this for months. I got my hair colored. I got new sheets. I'm making him a very fancy meal. (私、とってもワクワクしてるのよ! この時を何か月もずっと待っていたのよ。髪の毛も染めたし、シーツも新しくしたわ。彼のために豪華な食事も作ってるし。)
モニカ: Um-hmm. (ふーん。)
レイチェル: What am I making him by the way? (ところで、私は彼に何(の料理)を作っているのかしら?)
モニカ: Well, you're making him a frisee salad with goat cheese and pine nuts, wild rice, roasted asparagus and salmon en croute. (そうね、あなたは彼に、ゴートチーズ(ヤギ乳で作ったチーズ)と松の実を添えたフリゼイ(カーリー・エンダイブ)サラダ、ワイルドライス、ローストしたアスパラガスに、サーモンのパイ包み(パイ皮に包んで焼いたサーモン)を作っているところよ。)
レイチェル: I thought I was making him filet mignon. (私は彼にフィレミニヨン(フィレ肉のミニステーキ)を作るんだと思ってたのに。)
モニカ: Yeah, you were, but you decided to make salmon because you had some left over at the restaurant. And then you realized if you (Points at Rachel) bitched about it, then you (Points to herself) would stop cooking, and you (Points at Rachel) would have to make your famous baked potato and Diet Coke. (そうね。そのつもりだったわ。でもあなたはサーモンを作ることにしたのよ。レストランで(いくつか)残り物(のサーモン)があったからね。それでその時、思ったんだけど、もしあなたが [レイチェルを指差す] そのことで(料理をフィレからサーモンに変えたことで)文句を言うのなら、その時はあなたが [自分自身を指差す] 料理を作るのをやめるでしょうね。そしてあなたが [レイチェルを指差す] あなたのお得意の[ご自慢の]ベイクトポテトとダイエットコークを作らないといけないでしょうね。)
レイチェル: Wow, I really get crabby when I cook. (まあ。私は料理する時、随分、気難しくなるのねぇ。)

レイチェルはジョシュアとの初めての夜ということで、とても嬉しそう。
I've been waiting for this for months. は、現在完了進行形の「継続」で、何ヶ月もずーっと待っていた、待ち続けていた感が出ています。
I'm making him a very fancy meal. 「私は彼のために豪華な食事も作っている」と言うレイチェルですが、その後、キッチンで料理を作っているモニカに向かって、What am I making him by the way? 「ところで、私は彼に何を作っているのかしら?」と尋ねています。
このやり取りで、レイチェルの代わりにシェフであるモニカが、その a very fancy meal を作っていることがわかりますね。
手料理などほとんどしないレイチェルが、彼のために料理を作ってるなんておかしいなぁ、と思ったら、やっぱりこういうことだった、ということです。

「この料理は私が作ったのよ」とジョシュアに言うつもりのレイチェルは、私(レイチェル)が料理を作っている、という前提で話をするために、「私は何を作っているところかしら?」と言っているわけですね。
自分はレイチェルの代わりに作っていることを了承済み、納得済みのモニカは、「私はこういうものを作ってる」と説明するのではなく、you're making him 「あなた(レイチェル)は彼に、こういうものを作ってる」と、主語を you にして話しています。
あくまでも「ジョシュアのために今料理を作っているのは、”レイチェル”である」という前提で、ここでの一連の会話は進んでいるのです。
料理を作っているモニカが、料理人である主語のことを you と表現し、ただ見ているだけのレイチェルが、料理人である主語のことを I と表現している、という面白さがここのやり取りのポイントですね。

メニューを説明するモニカに、レイチェルは「”私”は、フィレ肉の料理だと思っていたのに、どうしてサーモン料理を作っているのかしら?」という疑問をぶつけます。
「確かに、”あなた”はフィレ肉にするつもりだったわ。でも…」と言って、モニカは、レストランでサーモンの残り物があったから、それを使うことにしたのよ、と説明します。

レイチェルが作ったということにして、豪華な料理をせっせと作ってあげているというのに、レイチェルはメニューにケチをつけたので、モニカは、もし文句を言うならどういうことになるか、ということを脅しのように言っています。

Yeah, you were 以降の文章は全て主語が you ですが、ト書きでモニカがレイチェルと自分を交互に指差していることからもわかるように、実際は、「もしあなた(レイチェル)がそんな風にメニューに文句を言うのなら、私(モニカ)は料理をやめるわよ。そしてあなた(レイチェル)は、あなたお得意のベイクトポテトとダイエットコークを出したらいいわ。」と言っていることになります。
それをすべて、you と表現しているところに、このセリフの面白さがあるわけです。
セリフとト書きだけを文字で追っている分にはわかりにくいところもありますが、実際に、映像としてこの場面を見ると、モニカの指差しが助けとなって、モニカのセリフの指している主語が明確に理解できます。
こういうセリフを楽しめるのも、映像付きのドラマでセリフを学ぶことの醍醐味ですね。

シェフとして凝った料理を作ってあげているのに文句を言うなら私はやめる。私が作らなければ、料理のできないあなたは、ベイクトポテトとコーラを出すしかないだろうけどね、と皮肉を言っているのです。

レイチェルが文句を言うのに怒ってそういう意地悪な返事を返したモニカに対して、レイチェルはまだ、主語に I を使って、「私は料理の時、えらく気難しいわね」と言っています。
もちろんそれはモニカのことを言っているのですが、料理を作っているのはレイチェル、という前提はまだ続いていて、「私ったら、いつもはご機嫌なのに、料理を作っているとなんだかイライラして、機嫌が悪くなって、友達にひどいこと言ったりするようになっちゃうのね」と感心しているかのようなセリフになっているわけですね。

英語では、自分の体験を人に話す時に、主語を you にすることがよくあります。
一例を挙げると、
フレンズ4-4その1 でのチャンドラーのセリフ、
Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. 「するとジムのやつらはあらゆるフレーズと元気いっぱいさを使って、俺を混乱させようとするんだよ」
などの you が 「自分、俺」を表す you ですね。

その you は「一般の人」を指し、回り回って「自分自身(私)」をも指す、という you ですが、上に挙げた今回のレイチェルとモニカの一連のセリフは、その you ではありません。
今回の場合はあくまでも、「レイチェルがジュシュアのために料理を作っている」という前提で話をしているために、実際に料理をしているのがモニカであっても、それをわざとレイチェルであるかのように表現している、ということですね。

上のセリフが通常通り、「あなた(モニカ)は何を作ってるの?」「私(モニカは)こういうものを作ってるのよ」のような事実を示す正しい主語で表現されていたら、ここのセリフはごく普通の事実を伝えるだけのやり取りになってしまいます。
さも自分が作っているように話を続けるレイチェルに、「あなたが怒らせるようなことを言ったら、”あなた(レイチェルとして料理を作っているモニカ)”はあなた自身(レイチェル)に反旗を翻(ひるがえ)すわよ」と脅しているのが面白いということですね。
ですから、今回のセリフでは、you と I はきっちりと「あなた」「私」と訳出した方が、セリフの面白さがより伝わるはずだと思います。


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2010年03月15日

初対面で意気投合する会話 フレンズ4-18その1

シーズン4 第18話
The One with Rachel's New Dress (レイチェルのセクシードレス)
原題は「レイチェルの新しいドレスの話」


ロスがイギリス人女性エミリーと自分の部屋で過ごしている時、キャロルとスーザンがやってきます。
キャロルとスーザンは、エミリーと初対面なので、挨拶を交わした後、
キャロル: Ohh, y'know, Susan's gonna be shooting a commercial in London next week. (ああ、ほら、スーザンは来週、ロンドンでコマーシャルを撮影する予定なのよ。)
スーザン: Oh yeah, I'm so excited, I've never been there. (ええ、そうなの。とってもワクワクしてるわ。イギリスには一度も行ったことがないから。)
エミリー: Oh, well, I'll show you around. (まあ、そうなの。私がその辺りを案内するわ。)
スーザン: That would be great! Also, uh, I was hoping to catch a show so if you can make any suggestions.... (そうしてもらえると最高だわ! それに、あの、舞台も見たいなと思っていたのよ。だから、もしお勧めがあるのなら…)
エミリー: Oh, there's tons of terrific stuff. I'll go with you. (ああ、すばらしいものがゴマンとあるわよ。私があなたにご一緒するわ。)
スーザン: Ahh! (まあ!)
(Ross accidentally, on purpose, bumps into Susan.)
ロスは、偶然を装って故意に、スーザンにぶつかる。
ロス: Look at you two bonding. Making us late for the airport so.... (君ら二人の仲良くなる様子と言ったら。僕らが空港に行くのが遅くなるから(だからそろそろ)…)
エミリー: Are you all right? ([ロスの様子が妙なのに気づいて] あなた、大丈夫?)
スーザン: Oh, he's fine. He's fine. It's just that us getting along is difficult for him, because he doesn't like me. (あぁ、彼は大丈夫。大丈夫よ。ただ、私たちが仲良くなることが彼にとってはつらいだけよ。だってロスは私のことが好きじゃないから。)
ロス: Oh, come on! That's.... It's true. (ああ、よしてくれよ! そんなの…事実だ。)


shoot は「撮影する」なので、shoot a commercial は「コマーシャルを撮影する」。
shoot a film なら「映画を撮影する」ですね。
I've never been there. は「そこ(ロンドン)に(これまで)一度も行ったことがない」。
have never been は「be 動詞の現在完了形(have been)を never で完全否定した形」です。
be 動詞のニュアンスを出して訳すと、「(そこに)いたことがない」ということですね。

イギリスは初めて、というスーザンの話を聞いて、エミリーは、I'll show you around. と申し出ています。
ロンドンのその辺りを私が案内してあげるわ、ということですね。
それを聞いてスーザンは、That would be great! と答えています。
この would は、「もしあなたが私を案内してくれるのなら[案内してくれるとしたら]、それはとても素晴らしい」という「仮定」の意味が入っています。
直接的な That's great! 「それって最高だわ!」ではなく、That would be great! (That'd be great!) と would を挟み込むことで、「もしそうしてもらえたら嬉しい、ありがたい」という気持ちが込められるのですね。

英語の助動詞は、そういう細かいニュアンスを出すために英語で頻繁に使われますが、ノンネイティブの日本人には使いにくい部分でもあります。
自分で英語を発信する場合、would や could などを自然に使いこなせるようになれば、ある意味、一人前とも言えますね。
まずはこういう決まり文句である、That would be great! などから使ってみるように心がけ、そういう気持ちを表す助動詞 would などのニュアンスを掴んでいくようにすべきかな、と思います。


エミリーが好意的な提案をしてくれたので、スーザンはさらに、自分が思っていたことを口にします。
ここでも、I was hoping to... のような「過去進行形」を使い、「私はこう願っていたんだけど」という「距離感」を出して、自分の希望を遠回しに述べています。
こういう過去進行形のニュアンスは、I was wondering if you could... などと同じですね。
今回初対面で、まだ親しくない間柄のスーザンとエミリーなので、スーザンはエミリーに対して失礼にならないように、そのような表現を使っているということです。

そういうスーザンの希望を聞いて、「それじゃあ私が…するわ」という場合に、エミリーは、I'll show you around. I'll go with you. のように will を使っていることにも注目しましょう。
これは、スーザンの話を聞いて、今、そうしようと思った、ということですね。
will と be going to は、日本人英語学習者の間では同じような意味として認識されることも多いですが、ここで、be going to を使ってしまうと、元々そうするつもりであったニュアンスになってしまいます。
電話やドアホンが鳴って、I'll get it. 「私が出るわ」と言うのと同じで、今、聞いたことに対して、自分がそうしようと思う意思を示す場合は、必ず will でなければいけないのですね。

ト書きの、accidentally, on purpose は「偶然を装って(その実、)故意に」。
うっかり壊してしまう フレンズ1-1その5 でも説明しました。
スーザンがエミリーと意気投合しているのを見て面白くないロスは、何かのはずみでぶつかったように装いながら、二人の会話を止めようとしたのです。

Look at you two bonding. を直訳すると、「君ら二人が結びついている[絆(きずな)を深めている]のを見てよ」ということで、「君らがそんな風に、絆を深め合っている様子と言ったら(すごいよね)。君らは今すっかり、意気投合中だよね」のように、二人が bond している様子に感心しているニュアンスです。
エミリーを空港に送っていかないといけない、という理由を使って、「そんな風に長々とおしゃべりしてたら、僕とエミリーが空港に遅刻することになるから」と言って、二人の話を切り上げさせようとしています。
スーザンたちが来る前は、「まだ17分あるから2回は(エッチが)できるよ」(笑)などとエミリーに言っていたのに、今は空港に行くのを急き立てるので、エミリーは何か変だなと思ったようです。
それで、Are you all right? 「ロス、あなた様子が変よ。大丈夫?」と言っているのですね。

スーザンはロスの気持ちをわかっていて、「ロスは別に変じゃなくていつも通り。私たちが仲良くなるのが気に入らないだけなのよ」と説明しています。
It's just that... は「ただ…なだけである」。
us getting along is difficult for him は、「私たちが仲良くなることは、彼にとって困難である[難しい、つらい]」。
us は、動名詞 getting (along) の意味上の主語ですね。
書き言葉では動名詞の主語は所有格(our)になることが多いですが、口語の話し言葉では、このように目的格(us)を使うことが多いです。
フレンズのセリフでも、動名詞の主語はたいてい目的格ですね。

スーザンとエミリーが仲良くなるのが面白くないのは、ロスが私(スーザン)を嫌いだからよ、とスーザンは自分で説明しています。
ロスの元妻キャロルの現在の(レズビアン)パートナーであるスーザンは、ロスにとっては天敵で、自分の妻を奪った女性(!)が、現在の恋人であるエミリーと意気投合しているのは面白くない、ということです。
ロスは、「なんてこと言うんだよ、そんなこと言うのよしてくれよ!」みたいに、Come on! と言っていますが、結局、It's true. 「それはほんとだ。ほんとのことだ」とあっさり認めているのもロスらしいですね。


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2010年03月12日

空港免税店のトブラローネ フレンズ4-17その6

ロスはエミリーに会うためにイギリスに行ったのですが、エミリーはアパートにいませんでした。
ロスの電話でそのことを知った後、モニカの部屋にそのエミリーが現れます。
エミリーもロスに会うために、またアメリカに戻ってきたのですね。
ロスが自分のアパートのそばにいると知って、エミリーは自分の電話(留守電になっている)に電話をかけ、その音声がロスに聞こえることを祈りながら、ロスへのメッセージを話しています。
エミリー: Ross, are you there? Ross, I don't know if you can hear this, but.... (Ross has moved to the window, apparently so that he can hear better.) I'm gonna talk anyway, uh, I'm in the States with your sister and your friends. And it's all over with Colin. I came here to tell you that and to tell you-- what. Yes, Joey, you can have all the chocolate you want, just take it! Uh, I came here to tell you that I love you. (ロス、そこにいるの? ロス、あなたがこれを聞くことができるのかどうかわからないけど… [ロスは(エミリーの部屋の)窓のところに移動する。どうやら(電話から聞こえるエミリーの声を)もっとよく聞こえるようにするためらしい] とにかく話すわね。あの、私はアメリカにいるの、あなたの妹さんや友達のところにね。それから、コリンとは完全に終わったわ[別れたわ]。私はそのことを言うためにここ(アメリカ)に来たの。そしてあなたにこのことを言うために… 何? いいわ、ジョーイ。あなたが欲しいだけそのチョコレートをあげるわ。いいから持って行って! あの、私はここに来たのはあなたにこう言うためなの、あなたを愛してる、って。)

留守電へのメッセージが音声として聞こえることを利用して、エミリーは、そこにいるかもしれないロスに向かって話しています。
今、アメリカのモニカの部屋に来ていること、コリンという彼と別れたことなどを話します。

そういう大事な話をしている時に、...what. Yes, Joey, you can have all the chocolate you want, just take it! という関係のないセリフが入っています。
チョコレートとは、アメリカの空港で売っていた大きなチョコレート菓子 Toblerone 「トブラローネ」のこと。(英語の発音は、「トウブラローン」という感じ。)

Wikipedia 日本語版: トブラローネ
Wikipedia 英語版: Toblerone

日本語版ウィキペディアの説明では、「スイスのチョコレート菓子」で、「免税店などでよく見かける」「日本国内では見かけないが巨大なサイズのものも存在する」とあります。
その「巨大なサイズのもの」が今回フレンズで登場しているものです。
英語版にも、It is well-known for... (中略) ...its ubiquity in airport duty-free shops.
つまり、「空港の免税店でよく見かけることで有名である」と書いてあります。
今回のエピソードは、アメリカとイギリスを何度も行き来し、空港を使う機会が多かったので、「いかにも空港で買いました」的お土産として、トブラローネが使われているわけですね。

今回のエピソードでは(解説では省略しましたが)、トブラローネが何度も登場します。
1つ目。イギリスに帰ろうとするエミリーが空港でロスに別れを告げる時、そのトブラローネの長い箱を持っていました。機内に持ち込める手荷物は1つだけだから、と言って(それくらいこの箱が大きいというジョークでもある)、最終的にその箱をロスに渡していました。
2つ目。エミリーを驚かせるためにイギリスに行くことに決めたロスに、ジョーイが "If you're going to the airport, can you pick me up another one of those Toblerone bars?" 「もしロスが空港に行くのなら、あのトブラローネ(バー)をもう1つ俺に買ってきてくれる?」と言っていました。
3つ目。イギリスからアメリカに戻ってきたエミリーがモニカの部屋に入ってきた時、彼女のバッグからトブラローネが突き出ているのを見て、ジョーイが「おお、これは! 俺が食べたいと思っていた、あのトブラローネ!」みたいな顔で目を大きくしていましたが、その時はエミリーには欲しいと言えませんでした。

そういう一連の流れがあって、エミリーが電話でロスにメッセージを伝えているという大事な時に、ジョーイが「このチョコ、もらっていい?」と尋ね、「欲しかったらどうぞ」とエミリーが言っているこのセリフになるのですね。

エミリーもジョーイもこのチョコが大好きらしく、何度もアイテムとして登場するのが、いろんな伏線の張ってあるフレンズの脚本の面白さでもあります。


電話のメッセージで、ロスに I love you. と伝えたエミリー。
ロスはそれを聞くことができたので、公衆電話からモニカの部屋に電話をかけてきます。
ロスへのメッセージを話している時に、キャッチホンが入ったので、そのキャッチホンに出てみたエミリーが聞いたのは…
ロス: Hi. (はーい。)
エミリー: Ross, I love you! (ロス、愛してるわ!)
ロス: Ohh! Thank you. (ああ! ありがとう。)

やっと直接、電話で話すことができた二人。
エミリーは、あの時、空港で言えなかったメッセージを、直接言うことができました。
雨の降る中、イギリスの公衆電話から電話をかけているロスはそれを聞いて、本当に嬉しそうに Ohh! Thank you. と言っています。
フレンズ4-17その2 で解説したように、「僕が I love you. と言ったのに、エミリーは Thank you. と答えただけだった」と絶望していたロスでしたが、今度はロスが同じ返事を返すことになった、という面白さですね。
もちろん、この場合は、エミリーに対するお返しのつもりで、軽くイヤミなセリフを言ったのではなく、一人寂しくイギリスに残されたロスにとっては、そのエミリーの言葉が本当に嬉しくありがたいものだった、ということでしょう。
「I love you. と言ってくれて、ありがとう」としか言えない、エミリーの一言でとても救われたロスの気持ちがよく表れているし、それが同時にオチにもなっているという、面白いエンディングだと思います。


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2010年03月10日

リラクシーキャブ フレンズ4-17その5

フィービーは新しい仕事を考えています。
バンの後部にテーブルを据え付けるのよ、と説明した後、
フィービー: It's a taxi that people take when they need to relax. (人がリラックスする必要がある時に乗るタクシーなの。)
レイチェル: (interrupting) It's a Relaxi-Taxi! ([フィービーが言おうとするのをさえぎって] リラクシー・タクシーよ!)
フィービー: The name was my favorite part! (その名前が私のお気に入りの部分だったのに!)
レイチェル: What, what, I came up with it. (何、何よ? その名前は私が思いついた[考え出した]のよ。)
フィービー: You did not! Oh! No! You came up with Relaxi-Cab! That's not good. (あなたが思いついたんじゃないわ! あぁ、もう! あなたが考えたのは、リラクシー・キャブよ! そんな名前、良くないわ。)
レイチェル: Well, I.... (えぇ、私は…)
(The phone rings and Monica answers it.)
電話が鳴り、モニカがそれに出る。
モニカ: Hello. (もしもし。)
ロス: (on phone) Hey. ([電話で] やあ。)
モニカ: Oh, my God! Ross, are you in England? Was Emily surprised? (まあ! ロス、あなたはイギリスにいるの? エミリーはびっくりした?)
[Cut to Ross in one of those British phone booths.]
イギリスの公衆電話ボックスにいるロスに画面がカットする。
ロス: No, because she hasn't come home yet. And she hasn't been home all night. She's obviously staying with that other guy. I'm the stupid moron who spent the whole night outside her apartment. (いいや。だって彼女はまだ家に帰ってきていないんだ。それに彼女は一晩中家に戻ってないんだよ。彼女は明らかに、その別の男のところにいるんだよ。僕は彼女のアパートの外で一晩を過ごした愚かなバカ者さ。)
モニカ: All right. When is, when is the next flight out? (わかったわ。いつ、次のフライトはいつ出るの?)
ロス: About four hours. (4時間(後)くらいだな。)
モニカ: Okay, just stay there a couple more hours and if she doesn't show up by then, then just come on home. (わかった。そこにあと2、3時間いて、もしその時までに彼女が現れなかったら、その時は家に帰って来なさいね。)
フィービー: Hey, tell him about Relaxi-Taxi. And-and ask him if he thinks that's better than Relaxi-Cab. (ねぇ、ロスに、リラクシー・タクシーのことを話して。それから彼に、リラクシー・タクシーは、リラクシー・キャブよりも良いと思うかどうかを尋ねて。)
レイチェル: Okay, it's not Relaxi-Cab. It's Relaxicab. Like taxicab. (いいわ、ねぇ、リラクシー・キャブじゃないのよ。リ・ラクシーキャブなの。タクシーキャブみたいに。)
フィービー: Oh, that is better. (ああ、その方が良いわね。)

車にテーブルを取り付けてマッサージの仕事をするというフィービー。
その名もなんと…と説明しようとした時に、レイチェルが先に Relaxi-Taxi という名前を言ってしまいます。
The name was my favorite part! 「その名前が私のお気に入りの部分だった(のに)」というのは、その名前を皆に披露するのを楽しみにしていたのに、どうしてあなたが先に言っちゃったのよ!という感じです。
みんなが「わあ!それステキ!」と言ってくれるおいしいところを、レイチェルが持って行ってしまった、ということですね。
Relaxi-Taxi は、「マッサージでリラックスできるタクシー」という意味で、laxi と taxi が韻を踏んでいます。

come up with は「(アイデアなどを)思いつく、考え出す」。
だってその名前を考えたのは私なんだから、私が言っても構わないでしょ、というのがレイチェルの言い分。
それを聞いてフィービーは、You did not! 「あなたがその名前を考えたんじゃない!」と叫んでいます。
レイチェルが考えたのは、Relaxi-Cab で、Relaxi-Taxi は私が考えたのよ、私が考えた Relaxi-Taxi は -axi の部分が韻を踏んでいて良いネーミングだけど、あなたが思いついた Relaxi-Cab は韻も踏んでないし、ダメダメじゃん、と言いたいようです。

何か言おうとするレイチェルですが、その時電話が鳴ります。
ロスは実際にイギリスに行って、イギリスの公衆電話から電話してきたことが画面からわかります。
エミリーを驚かそうとイギリスまで行ったロスでしたが、エミリーは一晩中アパートに帰って来ませんでした。
どう見ても、明らかに、そのもう一人の男コリンのところに泊まってるに違いないよ、とロスは言っています。
アパートの外で一晩を過ごした、僕は大バカ者だよ、とも言っていますね。
そんな悲惨な話をしているのに、フィービーはまだ、名前の話の続きを言っています。
ロスにその名前の話をしてやって。リラクシー・キャブよりも、リラクシー・タクシーの方が良いと思うかどうか聞いてみて、と言っています。

Relaxi-Cab という名前はダメだわ、と言われたレイチェルは、そのネーミングの意味を説明します。
フィービーは、リクシー・キャーブ と2つにアクセントを置いて発音しているけれど、正しくは、リクシーキャブ よ、という感じ。
ラクシーの la の音にアクセントが来て、「ラクシーキャブ」と一気に言う感じです。
フィービーは、ラクシーとキャブじゃあ、韻を踏んでないとか言うけど、韻を踏ませるネーミングじゃなくて、taxicab に re- を付け、t を l に変えることで、taxicab を relaxicab にした名前なのよ、という説明になります。

DVD字幕では、
It's not Relaxi-Cab. It's Relaxi-Cab. Like Taxi-Cab. と表記されていたのですが、これだと、2つの発音の違いがわかりにくいですね。
ネットスクリプトでは、
Okay, it's not Relaxi Cab. It's Relaxicab, like taxicab.
となっていて、このハイフンの入らない、Relaxicab, taxicab の方が、キャブにはアクセントを置かず、「クシーキャブ」のように「リクシーキャブ」と一気に発音したレイチェルの言い方をよく表しているように思います。
ですから、上に書いた英語セリフは、ネットスクリプトの方を参考にしてみました。

taxicab 「タクシーキャブ」は taxi のことですね。フレンズの映像でもよく映っているアメリカのタクシーは、Yellow Cab 「イエローキャブ」と言いますね。

フィービーはちっとも韻を踏んでない名前、とバカにしていたのですが、taxicab に re- をつけて、relax と taxicab をかけた名前が Relaxicab なのだ、とわかって、「そっちの方が、(自分が考えた) Relaxi-Taxi よりもいいわ」とあっさり負けを認めているのが面白いですね。


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2010年03月08日

こぶしが壁を突き抜ける フレンズ4-17その4

[Scene: Monica and Rachel's erm, Chandler and Joey's, Ross is relating his recent conversation with Emily to the gang.]
モニカとレイチェルの、えーっと(そうじゃなくて)チャンドラーとジョーイの部屋。ロスはフレンズたちに、エミリーとの最新の会話のことを話している。
ロス: She doesn't know which one of us she wants. Me or this "Colin" guy. (エミリーは、僕たちのうちのどちらを欲しているか[愛しているか]わからないんだ。僕か、その「コリン」ってやつか。)
モニカ: This isn't how it's supposed to go. I mean, there can't be another guy. (これは、予定されている展開とは違うわ。ほら、もう一人の別の男性なんているはずないのに。)
ロス: Well.... (そうだね…)
モニカ Of course, there's another guy! This is even more perfect. Now you have to prove your love! ([突然考えを変えたように] もちろん、他の男がいるのよ! これはもっとさらに完璧だわ。今あなたはあなたの愛を証明しないといけないのよ!)
ロス: I'm not proving anything. Okay, I'm done listening to you. If I hadn't let you talk me into going to the airport in the first place, I never would've put my fist through the wall. (僕は何も証明したりしないよ。いいか、モニカの話を聞くのはもうおしまいだよ。もし、そもそも僕がモニカに言われて空港に行ったりしなければ、自分のこぶしが壁を突き通すこともなかったのに。)
チャンドラー: You put your fist through the wall? (ロスのこぶしは壁を突き抜けたのか?)
ロス: No, I missed and hit the door. But it opened really hard. (いいや。的がはずれて、(こぶしは)ドアに当たったよ。でも、ドアはほんとに激しく開いたんだ。)

エミリーとの会話の内容を、フレンズたちに話して聞かせるロス。
エミリーは、僕(ロス)と、イギリスにいるコリンという男との二人の間で迷っているんだ、と言っています。
モニカは、「他の男性がいたなんて、そんなこと、私のシナリオにはなかったわ」みたいなことを言っていますね。
This isn't how it's supposed to go. の go は「(物事が)進行する、進展する」というニュアンスで、コリンという別の男性がいる今のこの状況は、本来そうなるはずだった進展の様子とは異なる、という感覚です。
フレンズ4-16その4 にも、
This is not how this is supposed to happen. (これはこんな風になるはずじゃなかったのよ。)というセリフも出てきましたね。

二人の恋愛が成就するためには、そんな「別の男」の存在など、あってはいけないのに、という感じで、 There can't be another guy. 「別の男なんかいるはずがない、いてはいけない」と言っています。
自分でそう言っておきながら、モニカは何かひらめいたように、「他の男がいて当然よ。もちろんそういう男はいるものよ!」と正反対のことを言い直しています。
恋愛ドラマでもよく登場する「恋敵(こいがたき)、ライバル」の存在はあって当然よ、そこでロスは自分の愛を証明すればいいのよ、とモニカは言いたいのですね。
ロスは、「また、女のロマンチックな連想が始まったよ」みたいな顔をしています。

If I hadn't let you..., I never would've put... という文章は、had not let と never would have put が使われていて、教科書に出てきそうなくらいの「きれいな仮定法過去完了」の文章になっています。
in the first place は「そもそも」。
let you talk me into going to the airport は使役動詞 let が使われています。
talk someone into doing は「人を説得して…させる」。
ですから、直訳すると、「僕を説得して空港に行かせることをモニカにさせる[許す]」、つまり、モニカが僕に空港に行くように説得して、僕もその説得に折れて行くことにした、モニカのそういう説得を拒まずに、モニカの言ったとおりにした、ということです。
If 節は、hadn't という否定形になっていますので、「モニカの言う通りにしていなければ」という意味になります。

put my fist through the wall は「自分のこぶしを壁に通らせる」。自分のこぶしを壁を通り抜けた状態に put する、という感覚ですね。
これはよく映画やドラマであるようなシーンのイメージでしょう。
やりきれない怒りをぶつけるために、男性が自分のこぶしを壁などに打ちつけて、壁がへこんだり、穴が開いたりして、本人のこぶしも血で真っ赤になっている、というようなシーンをよく見かけますよね。
自分の手が痛くなっても構わない、爆発する怒りのやり場がない様子をそういう描写で表現しているわけです。
ロスの仮定法過去完了のセリフも、文字通り受け止めると、「モニカに言われるまま空港に行ったりしなければ、こぶしが壁を突き抜けること(そして自分のこぶしを痛めること)もなかった」ということになります。
あまり暴力には訴えないタイプのロスが、そんな激しいことを言うので、チャンドラーはびっくりして聞き返していますね。
するとロスは、「実際のところは、壁を打つはずが的が外れてドアに当たってしまった」と言っています。
「ドアに当たってしまったけれど、僕のこぶしの勢いが強かったから、ドアは、それはもうすごい勢いで開いたよ」とも付け足しています。
やはりみんなの想像通り、いくら怒りを抱えていても、壁をこぶしで打つようなことはしなかったのだ、とわかるオチなわけですね。
ちょっとドラマの主人公風に、「壁を突き破ることもなかったのに」と言ってみたけれど、実際はドアを思い切り開けただけだった、怒りでドアをバーン!と開けただけなのを「こぶしが壁を突き抜けた」と大げさに言ってみた、ということです。


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2010年03月05日

想う気持ちが強すぎて怖い フレンズ4-17その3

ロスが愛してると言ったのに、エミリーはありがとうとだけ言ってイギリスに帰ってしまったんだから、それで終わりだよ、というチャンドラー。
モニカはそれに反論します。
モニカ: It is not over because she is going to call you and tell you she loves you. And the reason why she couldn't, is because her feelings were so strong that it scared her. You go home and wait for her call. She could be calling you from the plane! Come on now go! Go! (Tries to push Ross out the door.) (終わりじゃないわ。だって、彼女は(これから)あなたに電話してきて、あなたを愛してるって言うんだから。そして、彼女がそのことを空港で言えなかった理由は、彼女の気持ちがとても強くて、そのことが彼女を怖がらせたからよ。あなた(ロス)は家に帰って、彼女の電話を待つのよ。彼女は飛行機から電話してくるかもしれないわ! さあ、行って! 行って! [ロスをドアの外へ押し出そうとする])
ロス: Okay! Okay! But if she doesn't call, it is definitely over! No, wait. Wait. Unless, eventually, I call her, y'know just to see what's going on, and, and she says she'll call me back, but then she doesn't. Then it's over! (わかった、わかったよ! でももし彼女が電話してこなければ、それで完全に終わりだよ! いや、待って。待って。こういう場合は話は別だけどね。結局、僕が彼女に電話して、ほら、それはただ今どういう状況なのかを知るためだけだよ、そして、彼女が僕にまた電話する、と言って、それから彼女が電話して来なければ。その時は、終わりなんだ!)
(Joey holds his fist up, and Chandler gives him two thumbs up.)
ジョーイはこぶしを高く掲げ、チャンドラーは両手の親指を立てる。
ジョーイ: Way to be strong, man! (その調子で強く頑張るんだ、ロス!)
(Ross leaves, and after the door closes, Joey gives him the loser sign.)
ロスは立ち去る。そしてドアが閉まった後、ジョーイはロスに負け犬サインをする。

モニカは、「まだ終わっていない。エミリーはきっとロスに電話してきて、愛してると言うはず」と言っています。
愛しているのに、空港で愛していると言わなかったのは、her feelings were so strong that it scared her だからだ、と説明していますね。
これは、学校文法でも習った、so... that 〜 の構文。
直訳すると、「彼女の気持ちがとても強かったので、(そのことが)彼女を怖がらせた」。
ロスのことを想う気持ちがあまりにも強かったために、彼女は愛してるとあなたに言うのが怖かったのよ、ということです。
いかにも女の子が考えそうなロマンチックな理由ですね。

そのような理由をつけて、とにかく家で彼女の電話を待つのよ、と説得するモニカ。
ロスもその後押しを受けて、家に帰ることにします。
去り際にロスが長々と述べているセリフが面白いですね。
ロスも内心、もうダメかな、と思っているのがわかります。
「エミリーが電話してこなければ終わりだ」といったんは言うのですが、ただ待っていても、電話がかかってこないかもしれない可能性が高い、とロスは思っているのですね。
それで、unless 「ただし、こういう場合は話が別だけど」と言って、ただロスが電話を待つだけではなく、別の行動を起こすことを続けて述べています。
まずは僕が電話して、と言った後、自分から電話するなんてみっともない、もしくは未練がましいと思われたらいやなのでしょう、just to see what's going on 「ただ、何が起こっているかを知るためだけに、ただ状況がどんな様子か知るためだけに」まずは僕から電話をかけるんだ、と自分から電話をかける理由を説明しています。
エミリーは無事にイギリスについたか、元気にやっているか?という状況を知りたいためだけに電話するだけで、彼女の気持ちを確かめたくて電話するんじゃないんだよ、という言い訳です。
そしてそういう電話をした後、エミリーが「また私から電話するわね」と言って、それで結局彼女がそれ以降かけてこなければ、そこで正真正銘、二人の関係は終わりってことになるんだよ、とロスは言っているのですね。
「ありがとう」と言われて気まずく別れた後、勇気を振り絞って僕が電話したのに、それでも結局、納得のいく返事がもらえないのならば、さすがに僕もその時はすっぱりあきらめるよ、というところです。

ジョーイとチャンドラーは、そのロスの宣言を聞いて、頑張れよ!と激励しています。
こぶしを高く掲げたり、親指を立てたサムアップをしているのは、「いいぞ! その調子で頑張れ!」というニュアンスですね。
ただ、ロスが出て行った後、ジョーイはその高く掲げていたこぶしの指をエル字形にして、おでこにくっつけています。
これが、ト書きにある、the loser sign のようですね。
loser の最初の文字エルを指で示したもののようで、「あぁ、きっと、ロスとエミリーの仲はもうダメだろうな」とジョーイが思っていることがわかります。
ロスが「もし僕が電話して、それでも彼女が電話してこなかったら」と譲歩に譲歩を重ねたのを見て、もうすでに負けを見越したような敗者の言葉だと感じたのでしょう。


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2010年03月03日

落ちにくい男を演じる フレンズ4-17その2

エミリーを愛しているのなら、今から空港に行って、その気持ちを彼女に伝えるべきよ、とモニカに促されたロス。
そのロスが帰ってきました。
(Ross enters.)
ロスが部屋に入ってくる。
モニカ: Ohh! Did you do what I said? Did-did-did you tell her? (ああ! 私が言ったことをしてきた? ロスは彼女に言ったの?)
ロス: I did. (言ったよ。)
モニカ: And well, what did she say? (それで、その、彼女は何て言ったの?)
ロス: "Thank you." (「ありがとう」。)
モニカ: Oh, you're totally welcome. What'd she say? (まぁ、全く、どういたしまして、よ。彼女は何て言ったの?)
ロス: She said, "Thank you." I said, "I love you." And she said, "Thank you." (彼女は言った、「ありがとう」と。僕は「愛してる」と言って、彼女は「ありがとう」と言ったんだ。)
チャンドラー: Whoa-whoa, wait a minute, did you say you love her? (おいおい、ちょっと待てよ。ロスは彼女に愛してると言ったのか?)
ジョーイ: Yeah, what were you trying to get her to do? (そうだよ。お前は彼女に何をさせようとしていたんだよ?)
ロス: What do I do now? (それじゃあ、僕は何をするんだ?)
ジョーイ: You play hard-to-get. (「手に入れるのが難しい[簡単には落ちない]」人間を演じるんだ。)
ロス: She already lives in London. (エミリーはすでにロンドンに住んでるんだぞ。)
ジョーイ: So you go to Tokyo. (じゃあ、お前は東京へ行け。)

モニカが言った通り、ロスはエミリーに愛してると言ったかどうかを、モニカはロスに確認しています。
それに対するエミリーの返事を尋ねたモニカに、ロスは "Thank you." と答えていますね。
ネットスクリプトでは、引用符はついていませんでしたが、DVD英語字幕ではこのように引用符がついていました。
実際、このシーンの前に、空港でのロスとエミリーのシーンがあったのですが、決死の覚悟で、I love you. と告白したロスに対して、ロスをきつくハグした後、エミリーは Thank you. とだけ言って、そのまま飛行機に乗り込んでしまいました。
観客、視聴者は、そのシーンを見ているので、ここでのロスのセリフ、Thank you. は、モニカに「ありがとう」と言ったものではなく、エミリーが言った言葉を説明していることがわかるため、引用符をつけているのですね。

ただ、そのことを知らないモニカは、「モニカが良い助言をしてくれたんで、素晴らしい結果になったよ。ありがとう」とお礼を言われたものと思ったのですね。
それで、「どういたしまして。そんなお礼なんていいから、とにかくエミリーが何て返事したのか教えてよ」と、もう一度同じ質問をしているわけです。
今度は、僕の "I love you." に対して、エミリーは、"Thank you." とだけ答えた、ということをはっきり説明しています。
ロスの言う Thank you. は、「さんきゅ」みたいに軽い感じで発音していて、僕は必死に告白したのに、返ってきたセリフはたったそれだけだよ、というがっかり感が出ています。

このように、引用符がついていると、それがロス自身の発言ではなくて、誰かの発言をそのまま伝えたものであることがわかりますが、音として聞いている場合は、ロスがモニカにありがとうと言ったように聞こえます。
そこから来る誤解が、上のようなロスとモニカのトンチンカンなやり取りに繋がっている、ということですね。
また、今回は、ロスとエミリーのシーンを見せた後でこのセリフが登場したので、引用符をつけてもネタバレにはなりませんが、そのシーンを見せずに、モニカが誤解したように、観客や視聴者にもまずはモニカにお礼を言ったのだと思わせたい場合は、引用符をつけないでいた方がネタバレにならないですむでしょう。
今回の場合は、観客にはオチがわかっているが、知らぬはモニカばかりなり、という状況だということです。

チャンドラーは、I love you. を言いに行ったロスに驚いています。
これまでの解説でも何度か説明してきましたが、それほど I love you. という言葉は「重い」のですね。
何となく好き、ぐらいの程度では使わない言葉だということです。

ジョーイたちは、そんなに簡単にお前の方から I love you. なんて言っちゃだめだ、と言いたいようです。
hard-to-get は「ゲットするのが難しい」、つまり、「入手困難な、手に入れるのが難しい」。
ですから、play hard-to-get は「簡単には落ちない・落ちにくい人間を演じる」ということで、こちらからホイホイと近づいていくのではなくて、「つれないふりをする、その気がないふりをする」ということになります。

play hard-to-get は、前回のエピソード 4-16 にも出てきました。(前回の解説では省略した箇所になります。)
ジョシュアが好きなのに、離れた場所にいるレイチェルに対して、
チャンドラー: Why are you over here if Joshua is all the way over there? (ジョシュアはずっとあっちの方(リビング)にいるのに、どうしてレイチェルはこっち(キッチン)にいるの?)
レイチェル: Because I'm trying to play hard-to-get. (だって、私は落ちにくい女を演じてるのよ。)
というセリフがありました。
また、その演出がうまく行かないので、
レイチェル: This playing-hard-to-get thing is not working. (この、落ちにくい女を演じるってやつは、うまく行ってないわね。)
と言って、結局、ジョシュアのそばに行くことにしたのでした。
むちゃくちゃ好きなのに、それを相手に気取られないようにこっちが優位に立っているように見せるのが、play hard-to-get だということです。

そのようにジョーイは、自分から I love you. と簡単に口にしたりせず、落ちにくい男、簡単には手に入らない男を演じなきゃだめだ、とアドバイスしています。
ですが、今回の場合は、イギリスとアメリカという超長距離恋愛で、「簡単には手に入らない」ことを演じるも何も、そんなことを演じるまでもなく、元々、「簡単には手に入らない、簡単に会うことすらできない」相手なんだよ、とロスは言いたいのですね。
エミリーはロンドン在住で、僕ら二人はお互いすでに、hard-to-get な状態なんだ、だからそんなことをしても無意味だし、むしろ気のないふりなんかしたら、二人の心の距離が離れるのをも加速することになってしまうよ、と言いたいのでしょう。
ですが、ジョーイはまだ、play hard-to-get にこだわっているようで、エミリーがロンドンに住んでいて、今でも十分 hard-to-get な状態だったとしても、それならもっと hard-to-get になるために、お前は日本の東京に行け!と言っています。
ロンドンとNYよりも、ロンドンと東京の方が、もっと距離的に離れるぞ、そうしたら今よりも、さらに hard-to-get な状態になるぞ、と言っているのですね。
ロスは二人の物理的な距離が離れ過ぎているために、相手の気を引くために通常使われるような play hard-to-get というテクニックは今回は使えない、と説明しているのですが、ジョーイは、「今、向こうがロンドンだって言うなら、今度はお前がもっと遠いところに移動してやれ」と妙な方法を提案しているということです。
それを聞いて、「あちゃー(ジョーイは何にもわかってない)」という顔をしているチャンドラーが楽しいです。
また、日本人として、「東京」という地名が「フレンズ」に出てくるのも何だか嬉しいですね。


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2010年03月01日

異国の人と出会い恋に落ちる フレンズ4-17その1

シーズン4 第17話
The One with the Free Porn (ロス、イギリスへ行く!!)
原題は「無料ポルノの話」


ロスと2週間だけ付き合っていたイギリス人女性エミリーは、イギリスに帰るため、空港に行ってしまいました。
「また会うつもりなんでしょ?」としつこく尋ねる妹のモニカに、
ロス: And why do you care so much? (それに、どうしてモニカはそんなに(エミリーと僕とのことを)気にかけるんだよ?)
モニカ: Because! You could get to live out my fantasy. (なぜって! ロスが私の夢[空想]を実現させることができるかもしれないからよ。)
ロス: You had fantasies about Emily? (モニカは、エミリーについて(あれこれ)空想をめぐらせてるの[エミリーに対して憧れがあるの]?)
モニカ: No! Y'know, the fantasy. Meet someone from a strange land, fall madly in love and spend the rest of your lives together. (違うわ。ほら、そういう夢があるでしょ。見知らぬ土地から来た人と出会って、狂おしいほど恋に落ちて、残りの人生をその人と一緒に過ごす、っていう夢よ。)
ロス: Is that why in junior high you were the only one that hung out with that Ukrainian kid? (だから、中学の時、モニカだけが、あのウクライナの子と一緒に遊んでたのか?)
モニカ: Yeah that, plus his mom used to put sour cream on everything. (そうね。それと、彼のママが何にでもサワークリームを乗せてくれてたから。)


care は「気にかける、心配する」。
実の兄のこととは言え、当事者でもないモニカが、どうしてそこまで僕とエミリーの仲をあれこれ気にしてるんだよ、とロスは尋ねています。
fantasy は「空想、幻想」ですが、この場合は「夢」のような感覚が近いでしょうか。
live out a fantasy は「空想(の世界)を(現実に)体験する」、live out a dream だと「夢を実現させる」という意味になります。
out が、空想や夢が現実の世界に引き出された・現れた感じを出しているように思います。

could は、can を婉曲に表現した形で、「うまく行けばそういうことが可能かもしれない」というようなニュアンス。
get to は「…になる」ですから、You could get to live out my fantasy. を前から意味を取っていくと、could 「…になる可能性がある」、get to 「…という状態になる」、live out my fantasy 「ロスが私の空想の世界を実現させる」なので、「ロスが私の空想を実現させるという状態になる可能性がある」ということになります。

have fantasies about を直訳すると、「…について空想を持つ」ですから、「…について、(あれこれ)空想をめぐらせる」というニュアンスになります。
ロスがエミリーとうまく行けば、私の幻想・夢が実現したことになる、とモニカが言うので、モニカはエミリーに対して憧れの気持ち・好きだという気持ちがあって、その夢をモニカの代わりに僕に実現して欲しいと思ってるわけ?みたいなことですね。

モニカは、fantasy の意味を説明します。
エミリーに対して何かの気持ちを抱いているのではなくて、異国イギリスの人エミリーとの恋愛が成就することがモニカの憧れである、と言っています。
異国の人と恋に落ちて残りの人生を共に過ごすのがモニカのファンタジーだそうですが、いかにも女の子が夢見そうな感じのロマンチックな幻想です。
自分が映画のヒロインになったかのような気持ちになる、ということでしょう。

その話を聞いて、ロスは、モニカが昔、ウクライナ人の子と仲良くしていたことを思い出します。
Is that why...? は「なぜ…したかの理由はそれか?」ということで、「そういうわけで、…したのか?」というニュアンス。
それを肯定文にした、That's why... は「そんなわけで…なのだ、それが…の理由だ」という意味でよく使われますね。
hang out with はフレンズによく登場するフレーズで、「…と一緒に時間を過ごす、付き合う」という意味。友達として一緒に遊ぶ、というニュアンスです。
in junior high you were the only one that.. 「中学時代、モニカは(ウクライナ人の子供と遊んでいた)唯一の人間だった」と言っていることから、そのウクライナ人の子供は他の子供とは遊んでいなくて、モニカだけがその子と遊んでいた、ということがわかります。
他の子は、よその国から来た子供だということで(差別というほどではないかもしれませんが)あまり親しい付き合いをしていなかったのに、その中でモニカだけが彼と積極的に遊んでいた、ということですね。
ロスは今のモニカの話で、モニカが異国の人と恋に落ちて結ばれるという夢を持っていたことを知り、そういう夢があるから、異国の同級生と熱心に遊んでいたってわけか?と尋ねているのです。

モニカは、そうよ、と認めながらも、もう一つ別の理由があったことを説明します。
彼のおうちに遊びに行くと、あらゆる食べ物に、サワークリームを乗せて[入れて]くれたから、だと言っています。
サワークリームは、生クリームに乳酸を加えて発酵させたもので、料理などに使われますね。
小さい頃太っていて、食欲も旺盛だったモニカは、いろんなものにサワークリームをかけてくれることにも魅力を感じていて、そのことも彼と遊ぶ要因の1つだったのよ、と言っているのです。

Wikipedia 日本語版: サワークリーム にも、サワークリームを使ったいろんな料理の写真が載っています。
その「用途」のところに、ウクライナとサワークリームとの関係が載っていました。
引用させていただくと、
ウクライナ料理 (Ukrainian cuisine) およびロシア料理では、サワークリームはボルシチや他のスープに添えられ、ピエロギの調味料であり、ビーフストロガノフなどの料理に用いられる。
とのことです。
ですから、ウクライナ人の家庭では、サワークリームがふんだんに使われていた、というセリフもなるほどと思えるわけですね。
ちなみに、ウィキペディアによると、来週 3月8日は、日本における「サワークリームの日」だそうですよ。


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2010年02月26日

唇の腫れた28歳のチアリーダー フレンズ4-16その6

廊下で話をしているロスとレイチェル。
レイチェルは、自分がジョシュアと会いたいがために偽のパーティーを企画したことで、ロスの計画をぶち壊してしまったことを詫びています。
レイチェル: Oh, Ross, I'm sorry. I completely ruined your evening. (あぁ、ロス。ごめんなさい。私はあなたの(大事な)夜を完全にぶち壊しちゃったわね。)
ロス: Yeah. (そうだね。)
レイチェル: Well, if it makes you feel any better, I made a fool of myself. (あの、もし少しは気分がましになるのなら…私はばかなことをして物笑いの種になっちゃったわ。)
ロス: Helps a little. (少しは気分がましになるよ。)
レイチェル: Is there room on that step for a pathetic loser? (その段には、みじめな負け犬のための場所はあるかしら?)
ロス: Yeah, have a seat. (あぁ、座って。)
レイチェル: I'm so sorry. (ほんとうにごめんなさい。)
ロス: It's okay. I mean, it was just a two-week thing anyway. I just didn't want it to end this way, y'know? (いいんだ。だって、どの道、ただ2週間だけのことだったんだから。ただ、こんな風に終わらせたくはなかったけどね。)
レイチェル: Or maybe you didn't want it to end? (それとも、多分、あなたはそれを終わらせたくなかったんじゃないの?)
ロス: What do you mean? (どういう意味?)
レイチェル: You seem to really like her. (あなたは彼女を本当に好きなように見えるもの。)
ロス: Yeah, I really do. Yeah, but what am I gonna do? I mean we-we both agreed it was gonna be a two-week thing, y'know? No commitment. (そうだね。僕は本当に彼女が好きだ。そうだよ。でも、僕はどうすればいい? だって、2週間だけのことだってことで、僕ら二人は同意していたんだからね。深く付き合うことはしないって。)
レイチェル: Ross, that girl just spent the entire evening talking to your friends, asking to hear stories about you, looking through Monica's photo albums. I mean, you don't do that if you're just in it for two weeks. (ロス、あの子は夜の間ずっと、あなたの友達と話をして、あなたについての話を聞きたがって、モニカのアルバムを見ていたわ。ほら、2週間だけの関係なら、(普通は)そんなことはしないでしょ?)
ロス: You think? (そう思う?)
レイチェル: Yeah, you've got like 14 hours until she has to be at the airport. And you're sitting here in the hallway with a 28-year-old cheerleader with a fat lip. (そうよ。彼女が空港に行くまでに、あなたにはまだ14時間くらいあるわ。そして(それなのに)あなたはこの廊下で、唇の腫れた28歳のチアリーダーと一緒に座ってるのよ。)

ロスの計画をだめにしてしまったことを詫びるレイチェル。
ロスは、咳払いのように見せながら、Yeah. と返事しています。
素直に謝る相手に対しては、It's not your fault. 「君のせいじゃないよ」とか、Don't blame yourself. 「自分を責めないで」のような言葉をかける場合もありますが、今回の場合は、レイチェルの自分勝手な計画のためにロスの計画の全てがぶち壊しになったことは明らかなので、「完全にぶち壊してごめん」というレイチェルに対して遠慮することなく、Yeah. 「そうだね、確かに君がぶち壊してくれたよね」と言っているのですね。
咳払いのように見せながら Yeah. と言っているのがロスのユーモアでもありますし、レイチェルが反省しているのもよくわかっている親友のロスだからこそ、Yeah. という正直な返事で返しているのでしょう。

fool は「ばか」ですから、make a fool of は「…を笑い者にする」という意味になり、make a fool of oneself だと「笑い者になる、ばかなことをする」になります。
ジョシュアの気を引きたいがために、あれやこれやとばかなことをやって、すっかりみんなの笑い者になっちゃったわ、ということです。
あなたの計画をぶち壊した張本人が笑い者になったことで、少しはあなたの怒りが収まってくれるといいけれど、ちょっとは気分がましになってくれるといいけれど、ということが言いたいわけです。
私もみっともないことになったから、それで少しは許してくれる?という感じですね。
ロスは、「気分がましになるのに、それは一役かってくれたよ」というように、Helps a little. 「少しは(気分をましにする)助けになる」と言っています。
これも気心の知れた友達だから言える言葉ですね。

a pathetic loser は「みじめな敗者、負け犬」。よくチャンドラーを形容するのに(自他共に)使われる言葉ですが(笑)、必死にジョシュアの気を引こうとしたのに、結局、「心の準備ができていない」と言われ、付き合うことができない自分のことを負け犬と言っているのですね。(でも、I like you. と言われたんだから、a pathetic loser ほどひどくないとも思うのですが…)
step は「段、階段」で、ここでは廊下の段になっている部分を指しています。
ロスがその段に座っているので、その横に私も座ってもいいかしら?ということですね。

何度も謝るレイチェルに、「どうせ最初から2週間だけの付き合いだってわかってたから」と言って納得しようとするロス。
エミリーはアメリカに少しの間滞在するだけだったので、元から一生ものの真剣な付き合いをするつもりはなかった、最初から終わることがわかってた付き合いだったんだよ、と言うことです。
ただ、こんな風なドタバタ的な終わり方じゃなくて、自分が予定していたような素晴らしい思い出深い夜で終わりたかっただけだよ、と言っています。

ロスの発言を聞いて、レイチェルはロスの本音を見透かしたような発言をします。
あなたは「こんな風に終わらせたくなかった」と言ったけど、this way は余計で、「(この関係を)終わらせたくなかった」が本音なんじゃないの?と言っています。
エミリーのことを好きであることはロスも認めますが、ロスは何度も、a two-week thing 「2週間のこと、2週間限りの関係」であることを強調しています。
commitment はフレンズに何度も登場していますが、「男女が深くかかわり合うこと、真剣に付き合うこと」という意味でしたね。

「深くない2週間だけの浅い付き合い」であることを強調するロスですが、レイチェルはエミリーの今夜の行動を挙げて、たった2週間だけのつもりなら、そんなことするかしら?と言っています。
spent the entire evening talking... asking... looking... は、「その今夜の夜全部の時間を、talk して、ask して、look して過ごした」ということ。
you don't do that if you're just... の you は、ロスというよりは、一般の人々を指す感覚で、「人は2週間だけの関係の場合、そんなことはしない」という一般論を述べているのでしょう。

you've got like 14 hours... And you're sitting... というのは、「あなたには14時間ある。そしてそのあなたは今(ここで)座っている」ということで、ニュアンスとしては、「あなたにはまだ14時間も残っているのに、そのあなたは今何をしているかと言うと、ここで座っているのよね」という感覚でしょうね。
14時間あるのに、のんきにこんなところで座って無駄に時間を過ごしていていいの?、今はこんなことしてる場合じゃないでしょ?と気付かそうとしている感じです。

1分1秒が大事なこの時に、あなたは今何をしているか、という説明で、非常にくだらないことに時間を使っていることを表現しようとして、「唇の腫れた28歳のチアリーダーと廊下で座っている」と自虐的に表現しているわけです。
fat は「太った、ふくれた」ですが、この場合はケガのためにふくれているので「腫(は)れた」と表現するのが妥当でしょう。
ジョシュアの気を引こうと、レイチェルの究極の勝負服(笑)チアリーダーの衣装に着替えたのですが、側転をした時に自分の寝室で何かに顔をぶつけて、唇が腫れてしまっているのですね。
チアリーダーの服で落とせなかった男はいない、というのがレイチェルの持論だったのですが、それはやはり高校生の頃の話で、28歳の女性にはかなりイタい格好だったことが今夜はっきりしたようです。
それでわざわざ「28歳の」という形容詞までつけて、高校生でもないのにチアリーダーの格好をしている女性(「勘違い女」みたいな感覚でしょうか)とこんなとこで座ってちゃだめでしょ、早くエミリーとの大切な時間に戻って、と言っているのですね。


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2010年02月24日

butとhowever フレンズ4-16その5

ジョシュアはレイチェルを好きだと言います。今夜の君はとんでもない行動ばかりしていたけどね、とも言われたレイチェルですが、
レイチェル: But, but you like me? Oh, my God, I can't believe this. All this time, I liked you and you liked me! (でも、でも、あなたは私が好きなのね? なんてこと。こんなの信じられないわ。今までずっと、私はあなたが好きで、あなたは私が好きだったのね!)
ジョシュア: But.... (でも…)
レイチェル: Oh, no-no-no "but." No-no, "but" is never good. Just let's leave it at "I like you and you like me." (あぁ、なし、なし、but はナシよ。but は良くないわ。ただ、「私はあなたが好きで、あなたは私が好き」にしておきましょ。)
ジョシュア: Okay uh, however-- (わかった。じゃあ、しかしながら…)
レイチェル: No, now see that's a fancy "but." (だめよ。ほら、それは but の上等な形なだけだわ。)
ジョシュア: My marriage, like, just ended. And I'm really not ready to get into anything yet. (僕の結婚は、ほら、ちょうど終わったばかりなんだ。だから、何かの関係に入る準備がまだ全く出来ていないんだよ。)
レイチェル: But...? (でも…?)
ジョシュア: I'm sorry. I, I just need a little time. (ごめんよ。僕にはただ、もう少し時間が必要なんだ。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)

ジョシュアに I like you. と言われて喜ぶレイチェル。
ですが、ジョシュアは、But.... と逆接で繋げて、何かを言おうとします。
I like you, but.. 「君のことは好きだけど、でも…」と来ると、次にどんなセリフが来るかは、日本語でも想像がつきますよね。
そんなセリフ聞きたくない、とばかりに、but はやめてと言うレイチェルの気持ち、よくわかります。
leave it at は「…のままにしておく、…でやめておく」という感覚。
leave it at that 「そのくらい、その辺にしておく」というフレーズもよく使われますね。
Let's leave it at that. だと「そのくらいにしておきましょう、そういうことにしておきましょう」という意味になります。
レイチェルのセリフは、but とか言わないで、"I like you and you like me." 「私はあなたが好きで、あなたは私が好き」という相思相愛状態のままで置いておきましょ、せっかくのその素敵な状態をぶち壊すようなことは言わないで、という気持ちですね。

but はダメと言われたので、ジョシュアは今度は、however を使っています。
皆さんご存知の通り、これも、逆接ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、however には、S2, W1 という記号がついています。
LAAD の説明によると、
S1 S2 S3 show which are the most frequent 1000/2000/3000 words in spoken English.
W1 W2 W3 show which are the most frequent 1000/2000/3000 words in written English.

ということなので、however は、話し言葉では S2、つまり、「話し言葉の頻出2000語」に入っており、書き言葉では W1、つまり、「書き言葉の頻出1000語」に入っているということになります。
ですから、話し言葉でも使われるけれども、書き言葉で使われることの方が多い、ということになり、but よりもフォーマルな感じがする単語だということになります。

また、LAAD の but の項目に、WORD CHOICE というのがあります。
そこで、but と however の違いについての説明があります。

一部抜粋しますと、
But is very frequent in spoken English, ...
However is used especially in more formal writing, ...

つまり、but は口語で非常に頻繁に使われる、however は特に、よりフォーマルなライティングで使われる、という違いですね。

上に挙げた LAAD の S2, W1 などの記号や WORD CHOICE というコラムについては、
日向清人先生のビジネス英語雑記帳: (4)英英辞典:LAAD の記事で、具体的な単語例を挙げて、さらに詳しく説明して下さっていますので、皆様も是非お読みになって下さい。

今回も、ジョシュアは会話でよく使われる but を使ったのですが、but の使用を拒否されたので、but の代わりにもう少し堅めの表現 however を(ちょっとユーモアも交えて)使ってみせた、というところです。
言葉を変えながらも、同じ逆接の単語を使った(ちょっと)いじわるなジョシュアに対して、レイチェルは、「however は、a fancy "but" にすぎないわ」と言っています。
fancy は「派手な」「上等な」などの意味がありますが、この場合は「上等な」というニュアンスでしょうね。
口語で普通に使う軽い言葉の but ではなく、書き言葉の方でより多く使われる、but よりフォーマルな however のことを、「それは、but にちょっと高級感を出してみただけの単語じゃない。結局それも but と同じじゃない」と言っているのですね。

ジョシュアは、My marriage, like, JUST ended. と just を強調して話しています。
たった今、結婚という関係が終わったばかりなんだよ、ということが言いたいのですね。
終わったばかりで、次の関係に入る心の準備ができていない、と説明しています。
それを聞いて今度はレイチェルが、But...? と続けているのが面白いです。
そうは言うけど、その後に but は続かないの?とうながしている感じ。
さっきは、自分で but を封印したくせに、今度は「心の準備ができていない」と言ったジョシュアに、「でも君を見ていたら、新しい関係に踏み出せそうな気がする」などの、交際に前向きな返事が続くことを期待する but ですね。
でも、レイチェルの期待通りに、今度は but が続くことはなく、「ごめん。僕には時間が必要なんだ」とはっきり言われてしまったので、ここまで言われてしまうと、レイチェルも、Okay. と受け入れざるを得ないところです。


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